27探査隊員報告、緊張下の朝鮮食堂、大連・平壌館 (2017年8月12日)

    12日は、会議後の自由行動の日だった。一応、旅順のツアーが組まれていたので、旅順を見てきた。これはこれで、いろいろと感動的なことがあったが、項目だけ並べておくと、①旅順刑務所で安重根の直筆や処刑場を見た、②旅順の白玉山から中国人民解放軍の軍港を眺め、多数の潜水艦が確認できた(この山は、5年前までは外国人立ち入り禁止区域だったと)、③それを聞くまで、中国らしからぬ整然とした街並みだと思ってみていたら、戦時中の日本人居住区が保存されていると。④時間の関係で行けなかったが、白玉山には軍事博物館があり、朝鮮戦争に参戦した兵器も展示してある模様(これは次回のお楽しみ)。

    旅順に行く道で、北朝鮮船籍船が多数停泊しているということで、google mapから眺めた営口という地名も見られた。保税区域には進入できないのかもしれないが、港湾で北朝鮮船籍船を確認するということもしてみたい。marine trafficで眺めている船を直接見るというのは、それなりに面白いはずである。

    旅順に関しては、こんなところであるが、今回は作戦遂行をほぼ諦めていた27探査隊員は、大連の平壌館に向かうことができた。実は、大連に到着した当日、平壌館に電話をして営業時間と公演時間だけは確認していた。営業時間は22時ごろまで、公演時間は19時から20分間と。中国語で電話に出ると思ったら、「평양관입니다.(平壌館です)」と朝鮮語で電話に出たので驚いた。

    事前調査では、大連には数軒の北朝鮮食堂があることがわかっていたが、どうやらその多くが閉店したようで、trip advisorに今年6月に行ったというコメントが出ていた平壌館を選んだ。特に最近では閉店が多い朝鮮食堂を探査する際、この事前調査はとても重要である。中国の検索サイト、百度(baidu)で最新のコメントを確認することもしておいた。それと、中国版のstreet viewも使って見ると、ある朝鮮食堂があるとされている住所には、街路樹が植えられているだけの場所に変わっていた。

    その平壌食堂、大連駅からタクシーで10元ほどで行ける距離にある。最寄りの2号線地下鉄駅から徒歩も考えたが、10元ならタクシーの方が楽である(運転手に中国語で場所が説明できればだが。今回は、中国人の先生に同行していただき、この問題はクリア)。

    平壌館はガラガラ、オープンスペースには、日本語を話す数人のグループと中国人と思われる男女、そして我らしかいなかった。

    入店早々、大同江ビールはあるかと聞くと「ある」と。しかし、しばらくすると「品切れ」と言ってきた。偶然の品切れなのか、中朝間の物流の滞りで品切れなのかは不明ながら、他の朝鮮食堂と比較してみる必要がある。仕方がないので、大連ビールを注文した。

    しかし、この朝鮮食堂のドンム、今一つノリが悪い。しかも、食堂内は小さな音で朝鮮歌謡が流されてはいたが、実に閑散とした雰囲気であった。ステージ横の天井から液晶テレビがぶら下げられていたので、「画面音楽」でも流せるはずなのだが、それすら流していない。

    19時になっても公演が始まらず、キャンセルされたのかと思っていると、19時15分ごろからショボイ公演が始まった。27探査隊員がこれまで見た公演では最低の部類の公演で、ステージ上には3人のドンムが上がり、ステージ上に置かれているエレキギターなどは使わず、カラオケに合わせて歌う。しかも、「嬉しいです(パンガプスムニダ)」、中国曲、北朝鮮民謡と、「元帥様」の歌や革命的な歌は全くなく、十分に失望させてくれた。

    一方、面白い現象も観察できた。公演が始まると、厨房の方から10人ぐらいのバッジをつけた若い男性が出てきて着席、拍手をしながら公演を見ていた。「支配人」と思わしきバッジをつけた男性がいるのは見たことはあるが、これほど多くの朝鮮人民男性を公演会場で見たのは初めてである。この男たち、公演が終わるとどこかに消えていった(行先後述)。

    以前、どこかの朝鮮食堂でも聞いたような気がするのだが、今回、演奏された中国曲は『走進新時代』(1997年)という鄧小平称賛歌であった。中国人の先生が内容を教えて下さったのだが、「改革開放、我们富起来(改革開放で、我々は裕福になりました)」という歌詞が入っている。「改革開放はありえない」という朝鮮食堂で、なぜこの歌が選ばれたのか。帰宅したら、中国語歌詞の全文を調べてみたいと思う。

    もう一つの発見は、個室の使われ方である。オープンスペースは上記の通りガラガラであるにもかかわらず、個室には次々と客が訪れる。しかし、宴会をやるための集団ではなく、オッサンが1人あるいは2人で個室に入る。朝鮮語を話すオッサンもいたし、中国語をハンすオッサンもいた。朝鮮語を話すオッサンに至っては、入ったとたんに高級なマオタイを注文していた。そして、少人数であるにもかかわらず、到底、食べきれないほどの料理を次々と注文する。金満資本主義の中国なので、それ自体は珍しくないのだが、問題はドンム達の動きである。

    個室にはドアがあるので、中の様子はわからないが、ドンムが入るとしばらく出てこないこともある。そして、出てきたとき、口をもぐもぐしているドンムもいた。どうやら、テーブルの横に立って注文を待っているだけではなく、飲食を共にしているような雰囲気である。カラオケを一緒にやるという話は、かつて聞いたことはあるが、部屋からは歌声は聞こえてこない(一室を除いて、後述)。

    どうにも個室のことが気になり、ドンムに個室料金を質問したところ、「1部屋基本が1000元で、人数は関係ない」と。「基本」は部屋の利用料で、加えて料理を注文しなければならないということだろう。今のレートで、1.6万円は、いくら何でも27探査隊員の工作資金ではカバーできない。

    しばらくすると、マイクを持ったドンムが少し離れた個室に入っていった。すると聞こえてきたのが、『党旗よ』、『告白』など、最新の楽曲。曲が終わるたびに拍手喝采である。通り過ぎるドンムを呼び止めて、「ああいう曲を公演で聞きたかった。あの部屋にいるのは中国人か」と質問したところ、「朝鮮人だ」と。どうやら、バッジをつけた10人ほどの男たちが入ったと思われる部屋が盛り上がっているようだ。

    どうも、大連平壌食堂は、個室を利用しない限り楽しめないようだったので、早々に探査を終了して撤退することにした。工作資金不足で探査を中断するという、「ベッチャン(度胸)」のなさではあるが、こればかりは仕方がない。

    それでもダメ押しで、バッジをつけた男性がいると思われる個室を観察するために、店の入り口に置かれていた『朝鮮画報』などを見るふりをしながら、様子を見ていた。するとドンムがやってきて、「持ち帰ってもいいですよ」と声をかけてきたので、「全部でもいいですか」と返すと、「1冊だけです」と。「朝鮮を愛しているのだから、2冊はいいでしょう」と言うと、「いいです」と。

    雑誌を選んでいると、別のドンムがやってきたので、雑誌に出ていた「マシンリョンスキー場」の写真を見ながら、「わー、マシンリョンスキー場だ!」と感動したフリをすると、ドンム「行ったことがありますか」と、これが撤退途中ではなければ、ここから工作を開始できるのだが、残念で仕方がない。雑誌を3冊手にして、「あのドンムには、言ってはダメですよ」というと、にこっとして、「わかりました。でも、また来てくださいね」と店のドアの外まで見送ってくれた。

    これまでにない大敗となりそうな27探査隊員であったが、撤退間際で『クムスカンサン』3冊をゲットして、帰りの機内で読むことにしよう・・・

    と思ったのだが、今から搭乗するのは「南朝鮮」のアシアナ航空・・・

    <追記: 2017/08/14 2321>
    いつも私が中国語で悩んでいるとタイムリーにコメントで色々とご教授下さる方から、今回も貴重な情報を頂戴した(内心、期待もしていた)。

    中国語歌詞を全訳して頂いただけではなく、分かりやすく時代区分まで書いて下さった。「北朝鮮の文脈では」ということで、青字で北朝鮮バージョンならこんなことだろうということを追記してみる。

    *********************
    新時代へ歩み入る
    万里馬時代を力強く前進する (만리마시대를 힘차게 나간다)
    走进新时代
    作詞 蒋開儒、作曲 印青
    青字:筆者による北朝鮮バージョン

    ずっとあなたに言いたくて、私の気持ちが勇壮であることを(毛沢東時代)
    同上 (「大元帥様達」の時代)
    ずっとあなたに打ち明けたくて、私の暮らしが愛にあふれていることを(鄧小平時代)
    同上 (「元帥様」の時代)
    总想对你表白,我的心情是多么豪迈,
    总想对你倾诉,我对生活是多么热爱

    勤勉で勇敢な中国人は、意気軒昂に新時代に歩み入ってきた
    聡明で(슬기롭고)で尊厳高い(존엄높은)朝鮮人民は、力強く(힘차게)万里馬時代に歩み入ってきた
    ああ、我々は意気軒昂に「新時代」に歩み入ってきた。
    ああ、我々は力強く(힘차게)「万里馬時代」に歩み入ってきた。
    勤劳勇敢的中国人,意气风发走进新时代。
    啊 我们意气风发走进那新时代。

    我々は「東方紅」(という歌)を歌いながら、主人として立ち上がった、(毛沢東時代)
    我々は「金日成将軍の歌」(という歌)を歌いながら、主人として立ち上がった、(「首領様」の時代)
    我々は「春の日の物語」(という歌)を語りながら、改革開放で豊かになった 、(鄧小平時代)
    我々は「あなたがいなければ祖国もない」(という歌)を語りながら、先軍政治で強大になった(강대해졌다) 、(「将軍様」の時代)
    我们唱着东方红,当家作主站起来,
    我们讲着春天的故事,改革开放富起来,

    事業を引き継ぎ発展させるリーダーたち(毛沢東・鄧小平)が我々を導いた、あれらの時代に歩み入るように、旗を高く掲げ未来を切り開くように、
    偉業(위업)を引き継ぎ発展させる領導者(령도자)たち(金日成・金正日)が我々を導いた、千里馬時代に歩み入るように、主体の旗(주체의 기치)を高く掲げ未来を切り開くように、
    中国の運命は自らが握っていることを、私が世界に知らせるように、(毛沢東時代)
    朝鮮の運命は自らが握っていることを、私が世界に知らせるように、(「首領様」の時代)
    中国はリレーで走ってきたことを、私が未来に知らせるように、(鄧小平時代)
    朝鮮は主体の一途(주체의 한길을)を走ってきたことを、私が未来に知らせるように、(「元帥様」の時代)
    继往开来的领路人,带领我们走进那新时代, 高举旗帜开创未来。
    让我告诉世界,中国命运自己主宰,
    让我告诉未来,中国进行着接力赛,

    先人から引き継ぎ後へと渡すリーダーたちが我々を導いた、あれらの新時代に歩み入るように。
    大元帥様達から引き継ぎいだ最高領導者同志が我々を導いている、万里馬時代を前進している。
    ああ、我々を導いた、あれらの新時代に歩み入るように。
    ああ、我々を導き、万里馬時代を前進している
    承前启后的领路人,带领我们走进那新时代。
    啊 带领我们走进那新时代。

    (以下、繰り返し)
    我々は「東方紅」を歌いながら、主人として立ち上がった、
    我々は「春の日の物語」を語りながら、改革開放で豊かになった 、
    事業を引き継ぎ発展させるリーダーたちが我々を導いた、あれらの新時代に歩み入るように、
    旗を高く掲げ未来を切り開くように、未来を…切り開く…ように…
    我们唱着东方红,当家作主站起来,
    我们讲着春天的故事,改革开放富起来,
    继往开来的领路人,带领我们走进那新时代,
    高举旗帜开创未来 开创…未…来……

    *************

    私の印象では、「並進路線」というよりも、過去の指導者と制度を否定することなく、「継承」という言葉を使いつつ変革をする(中国の場合は、事実上、社会主義経済システムを放棄する)という歌のようだ。時制という点では、3人いるのと、設定を現在にしたので、少しオリジナルバージョンとずれが生じてしまった。

    「国家的名節と主要記念日」:今更ながら一応「朝鮮観光」HPに出ていたので (2017年8月7日 「朝鮮観光」)

    今更ではあるが、「朝鮮観光」を久しぶりに見ていたら出ており、北朝鮮の公式文献ということで確認のため。

    国家的名節と主要記念日
    국가적명절과 주요기념일

    1月1日: 陽暦節
    1월 1일: 양력설

    陰暦1月1日: 旧正月
    음력 1월 1일: 설명절

    2月16日: 光明星節 主体31(1942)年2月16日、偉大な領導者金正日同志が誕生された。
    2월 16일: 광명성절 주체 31(1942)년 2월 16일 위대한 령도자 김정일동지께서 탄생하시였다.

    3月8日: 国際婦女節
    3월 8일: 국제부녀절

    陰暦1月15日: 小正月
    음력 1월 15일: 정월대보름

    4月15日: 太陽節 主体1(1912)年4月15日、偉大な首領金日成同志が誕生された。
    4월 15일: 태양절 주체 1(1912)년 4월 15일 위대한 수령 김일성동지께서 탄생하시였다.

    4月25日:朝鮮人民軍創建記念日(1932)
    4월 25일: 조선인민군창건기념일(1932)

    5月1日: 全世界労働者の国際的名節(1889)
    5월 1일: 전세계근로자들의 국제적명절(1889)

    6月6日: 朝鮮少年団創立節(1946)
    6월 6일: 조선소년단창립절(1946)

    6月19日: 主体53(1964)年6月19日、偉大な領導者金正日同志が朝鮮労働党中央委員会で事業を始められた。
    6월 19일 주체 53(1964)년 6월 19일 위대한 령도자 김정일동지께서 조선로동당 중앙위원회에서 사업을 시작하시였다.

    7月27日: 祖国解放戦争勝利記念日(1953)
    7월 27: 조국해방전쟁승리기념일(1953)

    8月15日: 祖国解放の日(1945)
    8월 15일: 조국해방의 날(1945)

    8月25日: 先軍節(1960)
    8월 25일: 선군절(1960)

    9月9日: 朝鮮民主主義人民共和国創建記念日(1948)
    9월 9일: 조선민주주의인민공화국창건기념일(1948)

    陰暦8月15日: 秋夕
    음력 8월 15일: 추석(한가위)

    10月10日: 朝鮮労働党創建記念日(1945)
    10월 10일: 조선로동당창건기념일(1945)

    11月16日: 母の日
    11월 16일: 어머니날

    12月27日: 朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法節
    12월 27일: 조선민주주의인민공화국 사회주의헌법절

    「モランボン・功勲国家合唱団合同公演」、日本時間の20時46分から放送 (2017年8月1日 「朝鮮中央TV」)

    <追記: 2017/08/05 0848>
    お二方からコメントを頂戴し、眼鏡の人はよく知られたサックス奏者のようで、こちらの人がソヌだと判明した。
    20170801 대륙간탄도로케트 《화성-14형》 2차시험발사성공을 경축하는 모란봉악단, 공훈국가합창단 합동공연mp4_002049033
    Source: KCTV, 2017/08/01

    <追記: 2017/08/02 0839>
    昨日見ながら、ふと思っていたのだが、今、曲名にタイトルを付けながら確認したところ、『運命の導きの手』でサクソフォーン(かソプラノサックス)を演奏している男性の名前が「ソヌ・ジョンヒョク」だった。この曲、「ソヌ・ヒャンヒ」が演奏するのかとばかり思っていたのだが、全然出てこず変だとは思っていた。金だの朴であれば何とも言えないのだが、「ソヌ(선우)」という少ない名字からして、ヒャンヒの父親か親戚のような感じがする。

    20170801kctv moran konavi_001945867
    Source: KCTV, 2017/08/01

    2名いるので、どちらが「ソヌ・ジョンヒョク」か分からない。左胸のものは、階級章だった。ソプラノサックスの男性が星4つ、サックスの男性が星3つ。
    20170801kctv moran konvi_002067933
    Source: KCTV, 2017/08/01

    uriminzokkiriからダウンロードした高画質動画で見ている。サックスでリードしている人がソヌかもしれない。
    20170801 대륙간탄도로케트 《화성-14형》 2차시험발사성공을 경축하는 모란봉악단, 공훈국가합창단 합동공연mp4_002150879
    Source: KCTV, 2017/08/01

    娘か姪ぐらいだろうか。目の辺りとえらの張り方が似ているかも。本当に血縁者だとすると、完全なソヌのリバイバル公演ということになる。
    20170801 대륙간탄도로케트 《화성-14형》 2차시험발사성공을 경축하는 모란봉악단, 공훈국가합창단 합동공연mp4_002203071
    Source: KCTV, 2017/08/01

    CGだろうが、米大陸までカバーする地図を出しているところが、「大陸間弾道弾」の主張。バックのドラムは、米国映画「ターミネーター」を彷彿させる。ロボットの核で米国が滅びる映画と北朝鮮の核で米国が滅びるのを結びつけているのではないだろうか。
    20170801 대륙간탄도로케트 《화성-14형》 2차시험발사성공을 경축하는 모란봉악단, 공훈국가합창단 합동공연mp4_002711003
    Source: KCTV, 2017/08/01

    命中地点も以前は過去記事で紹介したようにサンフランシスコのチャイナタウン付近だったが、今度は飛距離を延ばして米国中部に着弾している。この辺りも芸が細かい。
    20170801 대륙간탄도로케트 《화성-14형》 2차시험발사성공을 경축하는 모란봉악단, 공훈국가합창단 합동공연mp4_002772823
    Source: KCTV, 2017/08/01

    ******************

    タイトルに日本語字幕。

    Source: KCTV, 2017/08/01

    1日、「朝鮮中央TV」の17時40分の番組予告で、日本時間の20時46分から「モランボン・功勲合同公演」放送と。


    放送中!
    ソヌ・ヒャンヒ is back!という感じの、公演。

    久しぶりの満足のいく公演。功勲国家も巻き込んでいる、素晴らしい!

    「タンスメ」のアレンジが、凄い!

    ミサイルは、米国中部(五大湖付近)に命中!

    功勲の「永遠に一路を歩む」も実に良いところに入れている。公演全体のストーリー性も抜群。

    酒が旨かった。

    「元帥様」が公演を観覧しなかったのは勿体ないくらいの公演だった。ソヌ・ヒャンヒ色が復活した公演で、彼女の「モランボン楽団」内での地位が再び確立されたのだと思う。オバサンもいたが、それを彷彿するほどの楽曲のアレンジだった。「功勲国家合唱団」との組み合わせであったが、事実上、「モランボン楽団」の単独公演に近い構成で、「功勲国家合唱団」も「モランボン楽団」に巻き込まれるか、そうでなくても公演の展開上、適切な場所に組み込まれていた。

    1時間で終わってしまったのが残念な公演だ。

    「ソヌ・ヒャンヒが何だ」という意見もあるようだが、今回の公演を見てソヌの「モランボン楽団」への影響力を改めて感じたし、彼女が外されたいきさつは不明ではあるにせよ、楽団か党内での何らかの権力闘争、とりわけ張成沢絡みの権力闘争に巻き込まれたのではないかと思う。

    「元帥様」も、今回の「火星-14」型、連続試験発射「成功」の慶事こそ、ソヌの復帰に最適の機会だと考えたのかも知れない。

    「青峰楽団」の渋い朝鮮戦争追憶系の楽曲、『戦争の3年間』や『私の故郷、情のこもった家』も良いが、やはりソヌが復活した、「モランボン楽団」のパワフルな演奏は、見ていて新しさを感じる。

    「火星-14」の副産物であるにせよ、この公演を聞くことが出来たのは、とても良かったと思う。

    「偉大な祖国解放戦争勝利64周年慶祝芸術公演」:青峰楽団・功勲国家合唱団・ワンジェサン芸術団合同 (2017年7月30日 「朝鮮中央TV」)

    30日、「朝鮮中央TV」で放送された、「偉大な祖国解放戦争勝利64周年慶祝芸術公演」。

    タイトルと「首領様」の開戦通告、戦勝宣言に日本語字幕。

    Source: KCTV, 2017/07/30

    序曲中の『我が故郷、情のこもった家』のギター・ソロ、女性重唱の同曲、途中でビッグバンド・ジャズのような感じで演奏する『近衛部隊自慢歌』、『戦争の3年間』あたりがお勧め。曲ではないが、「首領様」肉声の開戦通告と戦勝宣言がフルで聞けるのもよい。

    この公演は、「首領様」中心の公演で、「将軍様」関連楽曲が1曲、「元帥様」関連曲は1つも入っていない完全の「戦勝節」の曲編成となっている。「元帥様」時代の過去の「戦勝節」公演では、このような編成はなかったはずでである。「元帥様」が参観していないということもあろうが、「火星-14」型2次試験発射成功後の公演なので、飛び立つ「火星-14」の映像をスクリーンに出し、『金正恩将軍の歌』でも流しそうなものだが、それもなかった。

    「モランボン楽団・功勲国家合唱団」の科学者・技術者のための公演があるので、その中で「元帥様」称賛系楽曲は演奏するのであろう。

    「戦勝64周年慶祝、功勲国家、青峰、ワンジェサン合同公演開催」:「モランボン楽団」は不参加 (2017年7月28日 「朝鮮中央TV」)

    28日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」で、「戦勝64周年慶祝、功勲国家、青峰、ワンジェサン」の合同公演があったと報じている。「モランボン楽団」は不参加。週末に放送されると思う。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

          dprknow

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