「4本足を抱いて飛べ、幸福の絶頂へ -ミリム乗馬クラブを訪ねて-」:新しいスタイルの訪問記、人民インタビュー (2013年11月26日 「朝鮮中央TV」)

    26日に「朝鮮中央TV」が「ミリム乗馬クラブ」を特集した番組を放送した。「ムンス・ウォーターパーク」の特集番組もあったので、こちらもいずれ放送されると思っていたら、やっと出てきた。しかし、この番組、「ミリン乗馬クラブ」の完成度や運営方法について興味深い内容であっただけではなく、インタビューアー(放送員)の使い方が相当に変わった点に驚かされた。それでは以下、これらの点について紹介していく。

    「4本足を抱いて飛べ、幸福の絶頂へ -ミリム乗馬クラブを訪ねて-」
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「この乗馬クラブができてから、私たちはこの乗馬クラブがどんなところなのか知るのをずっと楽しみにしていました」と語る女性放送員
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「本当にそうですね」と男性放送員が登場する。下のキャプチャは画像が乱れているが、これはカメラを左から右に動かして、男性放送員を映したからである。日本のテレビ番組では普通に使われている撮影方法であるが、北朝鮮のテレビでは初めて見たような気がする。複数の人間が登場する番組でもカメラを動かすことなく、カットで切り替えている。カメラを動かすというのは、人間の視線移動を意識したバラエティー番組でよく用いられる手法だと思うが、「朝鮮中央TV」でこれが用いられ始めたとすれば、ある意味、進化といえる。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    続いて、カメラは引かれて放送員両名が映し出される。両名は「ここの奉仕者(係員)の説明を受けましょう」と移動していく。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「室内訓練場、野外訓練場」と書かれた看板の前で「案内員」と放送員が話をしている。ここでまたおもしろいことが起こる。「案内員」が「どこから行きましょうか?」というと男性放送員は「野外訓練場にまず行きましょう」、女性放送員は「室内から行きましょうよ」と、さらに男性放送員は「野外から行かなきゃ」とバラエティー番組的な言い合いになる。結局、「案内員」が「男性は野外から、女性は室内から見ては」と仲介する。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「室内訓練場」に来た女性放送員は、崔キョンフィ調教師に「大きい馬や小さい馬が合わせて20頭ぐらいいるのですが、ぶつからないのですか」と質問する。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    調教師は「道路と同じように、ここにも規則があります。馬に乗る人は周囲を走り、乗り降りしたり休憩するときは中央に行きます」と説明する。この説明を聞いた後の放送員の受け答えがまたおもしろい。「・・・降りるときは中央に来て降りるんですねぇ」という感じで話をするのだが、原稿を読み上げるというよりも話し言葉で、特に日本語でいう「ねぇ」の部分に平壌方言である「イェイ」という音をつなげている。こちらもバラエティー的発想であろう。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「室内訓練場」には大型の鏡が設置されており、「大人も子供も馬に乗る自分の姿を夢中で見ている」とナレーション。ナレーターは別におり、原稿を読み上げている。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「子供がテレビを見て行きたがるので連れてきました。連れてきてみて乗れるか心配だったのですが、親切に教えてくれるので、1時間であんなに上手に乗れるようになりました」と語る母親の李キョンミ。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「お母さん、僕、見て」と叫ぶ子供
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「馬に動きを合わせることはできるようになったのですが、馬を操作するのが少し大変です。乗用車で例えれば、ステアリングをどのように使うかで、右に行ったり左に行ったり」と言っている。「乗用車に例えれば」という部分、彼の職業が「運転手」なのか、人民軍で運転を習ったのかは分からないが、なかなか興味深い。この人の他にも、どのぐらい乗れるようになったのかという質問に対し「初歩運転を少し超えたぐらいでしょうか」と答えている人も登場している。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    この子は「馬に乗ったことがありますか」と質問され、「ルンラ人民遊園地の電子娯楽館(ゲーセン)で乗りました」と答えている。この辺りのジョークもバラエティー的要素であろう。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    ここで「敬愛する元帥様」が登場する。番組開始約5分後であるが、この間、「元帥様」に関する言及は一言もなかった。ここでやっと「大人の馬だけではなく、子供が乗れるポニーも準備するように」という現地指導時の言葉を紹介する。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「室内訓練場」である程度練習を終えた人々は、「野外訓練場」に来る。野外訓練場は競馬場のような馬場とゆっくりと歩く狭い馬場があるようだ。「ミリム乗馬クラブ」にやって来た、世界大会で金メダルを獲得した重量挙げ選手を紹介した後、男性放送員は「子供も大人も乗っているので、私も乗りたくなりました」と言う。指導員は「では、あちらの奉仕所に行って、乗馬服に着替えてきて下さい」と答える。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「案内所」で女性放送員が着た乗馬服を見ながら「乗馬服が本当に似合いますね。大きさと色が年齢と性別で色々準備されています」と案内員。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    放送員は「このチョッキ(ママ)を着ると、体に密着しているので、打撃を受けても大丈夫みたいですね」と、「チョッキ」という和製外来語をそのまま使う。web「朝鮮語大辞典」で確認したところ、「チョッキ」は正式な「朝鮮語」として使われているようだ。ヘルメットは「安全だけではなく、便利にできています」と言う説明を聞いて、女性放送員は試着する。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    続けて「案内員」は靴について説明する。「普通は、一体化された長靴を履いて乗馬をするのですが、私たちは自分の靴を履いたまま乗馬ができるよう、足保護帯(写真参照)を使っています」。諸外国でもこうした物が使われているのか、乗馬ブーツが高価だったので代用品を作ったのかは分からない。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    次に、手袋の手綱部分が厚くなっていることについて放送員が質問し、「案内員」が「元帥様が乗馬手袋も一つずつおはめになり、人民に小さな問題もないよう」指導したと以前から紹介されている逸話を紹介する。下がその写真であるが、「奉仕所」に展示されているものなのか、下で紹介する「史跡館」に展示されている物かは不明。約10分経過したが、「元帥様」に関する言及は2回目。この後、関連してもう1度「元帥様」に関する短い言及がある。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    着替えをして手綱の握り方を教えてもらう男性放送員
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    乗馬風景を見る朝鮮人民
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    人工池で水を飲む馬
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    乗馬運動の後は、「疲労回復院」に。「疲労回復院」はスポーツジムとマッサージチェアが合わさったような場所のように見える。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    そして、生ビール
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「仕事の関係で外国によく行くのですが、一度、乗馬場に行ってみました。しかし、その乗馬場は、公園の隅の方にある狭い場所でした。そんなところなのに、金持ちだけ行ける場所でした」と語るチョ・ヨンラン。「金持ちだけ行ける場所」と特定の平壌市民だけ行ける場所の違いはどれほどあるのだろうか。彼女は、「これこそが社会主義の富貴栄華ではありませんか」と語るが。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「乗馬知識普及室」は、「乗馬学校」であったところを金正恩さんが名称を変更し、「運営方法も細心に教えてくださりました」とのことである。下は、「乗馬知識普及室」での講義風景。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    ここから、「敬愛する元帥様」への感謝が始まる。番組開始後約15分経過している。そして、「革命史跡教養室」の説明に入るわけだが、「史跡教養室」へは、乗馬服から平服に着替えてからやってくるようだ。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    金正恩を称える歌(「福を受けた人民の歌」)が流れる中、「ミリム乗馬クラブ」の風景が映る。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    もう珍しくはなくなったが、デジカメで記念撮影をする家族
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    サングラスを掛けた女性。サングラスを掛けた朝鮮人民は、あまり見ない。そもそも、掛けることが許されているのだろうか。乗馬クラブ内だけの特例か、それともどこでもよいのかは不明。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    「社会主義文明国へと飛躍する私の祖国の真の姿を轟かせ、限りなく響き渡れ愛の馬の鳴き声よ」のナレーションの後で「ヒヒーン」と馬の声がして番組は終わる。
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    Source: KCTV, 2013/11/26放送

    最後の4分ほどは、いつもの金正恩称賛パターンであるが、それ以前ではほとんど指導者に関する言及がなかった。金正恩称賛が始まる辺りからは、バラエティー的な雰囲気からいつもの「真面目な」雰囲気に番組は変わっていく。しかし、称賛番組であるにもかかわらず、前半部分でバラエティー的要素を取り込んだのは実に興味深い。あまり確信が持てなかったので記事にしなかったのだが、「20時報道」などの報道番組でも、これまで以上に報道内容によるアナウンス方の変化が大きくなっているような気がしている。報道番組冒頭の「どこそこの国で金正日回顧集会が開かれた」などという報道については相変わらずの声調であるが、後半のスポーツや国際ニュースを伝える部分では、語り口が随分軟らかくなっている。過去記事では、金正恩さんが「アナウンス」について指示を出したことについて紹介したが、もしかするとさらなる指示が出されたのかもしれない。

    「キムチ、瓶への入れ方」:その3、瓶に注ぐスープの作り方とキムチの入れ方 (2013年11月20日 「朝鮮中央TV」)

    キムチの漬け方シリーズは、「その2」が終了部分で次回予告がなかったため、「その3」があるとは思っていなかった。しかし、20日の「朝鮮中央TV」を見ていたら、瓶への漬け込み方を紹介していた。「キムチの素」を挟み込んで、適当に瓶に入れておけば美味しいキムチができるということではないようだ。

    「キムチ、瓶への漬け込み方」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「キムチは上手に瓶に入れなければなりません。キムチを漬けるときには、一番下に全体を半分に切った大根を入れ、塩を少し入れます」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「キムチは根の部分が上に来るように、向きを変えながら重ねて入れていきます。」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「そして、また大根を入れますが、大きい大根は4きれ、小さい大根は2つに切って入れます」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「瓶の口から15~20センチ下までキムチを入れた後で、塩に漬けた白菜の外側の葉をしっかりと敷き詰めて、空気が入らないようにします」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「漬け石を乗せて、その上を紙かビニールで包み込みます」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「2~3日経過後に、キムチスープを注ぎ込みます」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「美味しいキムチの味は、キムチスープを入れることで、生きてきます。キムチスープは、塩水の冷ました煮汁、塩からのさました煮汁、(牛や豚の)骨あるいは魚の骨のさました煮汁等が使えますが、必ず冷ました後で使わなければなりません」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「煮るときは泡を取らないと(アク抜きをしないと)、キムチが渋くなります。さらに重要なことは、塩加減をうまく調整することです」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「キムチを作ることにおいて、スープを入れるのは最後の工程なので、酸っぱさの程度、キムチの素の味、さらに入れる塩の量を上手く考えて入れないと、キムチの味が薄くなったり塩辛くなったりしてしまいます」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「キムチスープは、漬け石が浸かるくらいまで入れます。一番上に入れた白菜の葉っぱが浸からなかったり、漬け石の上にキムチが浮かぶような状態にすると、キムチの味を落とす雑菌が作用してキムチがまずくなります」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    「キムチスープを入れたら、再び蓋をしっかりと閉めて、空気が入らないようにして発酵させます。普通の家庭であれば、30~35日で味がしみこみます」
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    Source: KCTV, 2013/11/20放送

    ここで番組は終了するが、もしかするとキムチ料理の作り方などを紹介する「その4」があるのかもしれない。

    23日の「朝鮮中央TV」の「20時報道」では、「ロシアのイタルタス通信が15日、我が国のキムチを紹介した」という外伝を伝えた。同報道は、『労働新聞』にも掲載されており、「朝鮮では、ビタミンが豊富な民族の食べ物であるキムチが、全ての疾病を防止する万病予防薬として知られている・・・朝鮮人の食滞に必ず上がるキムチには、ビタミン、必須アミノ酸、鉱物質が含まれている」、「今は、キムチを漬けるシーズンである。朝鮮では、キムチが工業的方法で生産されている。しかし、大多数の朝鮮人は、工場製造よりも自分の口に合うように家で作ったキムチをより好む」と紹介している。「工業的方法での生産」もあるとのことだが、確かに「家で作ったキムチ」の方が美味しいことは間違いない。

    『労働新聞』、「조선의 민족음식 김치 로씨야통신이 소개」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-22-0037&chAction=S

    「朝鮮で道に経済開発区を設けることを決定」:行政区域を改編し経済開発区、国内向けメディアは報じない (2013年11月22日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」が複数の道に「経済開発区」を設置すると報じた。同決定は「最高人民会議常任委員会政令」として21日発表されたが、『労働新聞』や「朝鮮中央TV」では報じられていないようだ。下記のように、行政区域を変更を伴う場合もあり「経済開発区」を設定する地域もあり、少なからぬ影響を周辺住民に与えるはずであるが、なぜ報じないのであろうか。

    「経済開発区には、朝鮮民主主義人民共和国の主権が行使される」としているが、「主権が行使される」のは至極当然のことながら、なぜわざわざ謳っているのであろうか。「朝鮮民主主義人民共和国経済開発区法」については、既に過去記事で紹介してあるので、そちらを参照いただきたい。今回は、この法律で制定された各種の「経済開発区」を設置したわけだが、今後、インフラ整備を進めて外国企業を誘致できるかが鍵となる。もしかすると「開城高度科学技術経済開発区」のように外国企業(場合によっ葉北朝鮮企業との合弁形態)にインフラ開発から丸投げする方式を採用するのかもしれない。

    同政令による設置地域は以下のとおりである。
    ・平安北道:
    「平安北道鴨緑江経済開発区」
    義州郡於赤里の一部の地域を龍雲里に合併させて龍雲里を新義州市に編入させ、龍雲里に

    ・慈江道:
    「慈江道満浦経済開発区」
    行政区域変更:満浦市美他里(ポルドゥン島含む)の一部の地域とポサン里の一部の地域
    「慈江道渭原工業開発区」
    渭原郡徳岩里の一部の地域と古城里の一部の地域

    ・黄海北道
    「黄海北道新坪観光開発区」
    新坪郡平和里の一部の地域
    「黄海北道松林輸出加工区」
    松林市西松里の一部の地域

    ・江原道
    「江原道現洞工業開発区」
    元山市現洞里の一部の地域

    ・咸鏡南道
    「咸鏡南道興南工業開発区」
    咸興市海岸区域の一部の地域
    「咸鏡南道北青農業開発区」
    北青郡文洞里の一部の地域、富洞里の一部の地域、鍾山里の一部の地域

    ・咸鏡北道
    「咸鏡北道清津経済開発区」
    清津市松坪区域月浦里の一部の地域と輸城洞の一部の地域、南夕里の一部の地域
    「咸鏡北道漁郎農業開発区」
    漁郎郡龍田里の一部の地域
    「咸鏡北道穏城島観光開発区」
    穏城郡穏城邑の一部の地域

    ・両江道
    「両江道恵山経済開発区」
    恵山市新長里の一部の地域
    「南浦市臥牛島輸出加工区」
    南浦市臥牛島区域嶺南里の一部の地域

    また、これとは別に「朝鮮中央通信」は、「新義州の一部地域に特殊経済地帯を設置すると決定」という記事も配信している。こちらは「経済開発地区」ではなく、「朝鮮開発協会」がコミットしている「特殊経済地帯」である。こちらも過去記事に詳細が書かれているので参照されたい。「特殊経済地帯」についても「経済開発地区」同様に北朝鮮の「主権が行使」と断っている。

    拙ブログの関連記事:
    「朝鮮民主主義人民共和国経済開発区法採択」 (2013年6月5日 「朝鮮中央通信」)、http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-611.html
    「朝鮮経済開発協会組織」 (2013年10月16日 「朝鮮中央通信」)、http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-670.html

    「工事完工に向け、総突撃していく-馬息嶺スキー場建設場にて-」:重機を人力で引き上げる、人工雪施設も備える、リフトも完成段階 (2013年11月22日 「朝鮮中央TV」)

    馬息嶺スキー場の建設現況を伝える番組を「朝鮮中央TV」が放映した。

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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    番組では、「完工段階に至った」建設現場の様子や、貯水池など周辺施設の建設状況について紹介している。

    スキー場全景
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    内装工事をする「軍人建設者」
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    ここが全てのスロープが合流する「決勝処理場」
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    「決戦処理場」内に重量20トンの電光掲示板を18メートルの高さに設置するという。ちょうど平壌駅前にある大型電光掲示板のようなものであろう。しかし、大型クレーン車が2台が前夜の雪でぬかるんだ路面のため、工事現場まで上がってこられなくなった。「軍人建設者」が「1メートルずつ、重機を引っ張り上げている」。
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    クレーン車でつり上げられながら18メートルの鉄柱に設置される電光掲示板のフレーム
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    スキー場監視カメラ設置作業をする「軍人建設者」
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    人工雪を降らすための送水管設置作業の一部。送水管が錆びないように防錆ペイントを塗っている。
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    スノーマシンは番組に登場しなかったが、輸入することができたのであろう。「独自の技術」で作ったかについては言及していない。

    スイスが北朝鮮への輸出を拒否したというリフトもいずこから輸入したようだ。中国経由での迂回輸入なのか北朝鮮に友好的なユーゴスラビアなど、旧東欧諸国からの輸入なのかは分からない。下は「軍人建設者」がリフトの椅子を運んでいるところであるが、樹脂部分の色からすると中古のように見える。番組では「馬息嶺スキー場建設工事の中心となるリフト建設工事は、皆に注目されている。リフト建設工事に投入された軍人は、各部品の構造・作動原理と複雑な操作機能を持った設備の技術をよく知った上で合理的な組み立て方法を行っている」とナレーションを入れている。こちらも「独自の技術」かどうかについては言及していない。
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    滑車の取り付け工事
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    ワイヤーも設置された
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    「馬息嶺山地の大気温度は零下になりますが、彼らは愛国の燃え上がる意志で決死貫徹のためのスキー場周辺の工事を行っています」と紹介される江原道から「駆けつけてきた突撃隊員」たち。
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    完成した送・変電設備
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    ナイター設備については言及していないが、電気設備を紹介した後にこの照明設備を見せているので、一部スロープはナイター営業もするのであろう。
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    Source: KCTV, 2013/11/22放送

    馬息嶺スキー場の完成期日については「完成間近」としているだけで、特定はしていない。いずれにせよ、降雪量が増えれば工事はできなくなるか、非常に困難になるはずなので「馬息嶺速度」で突貫工事を進めているのであろう。

    「遠隔教育大学」:北朝鮮インターネット遠隔授業システム、居眠り、カンニング (2013年11月17日 「朝鮮中央TV」)

    数日前に「遠隔教育大学」と題する北朝鮮のインターネットを利用した通信教育システムを紹介する番組が「朝鮮中央TV」で放映された。2012年に制作された番組であるが、統一部・北韓情報センターの資料では「再放送」とされていない。番組は「学ぼう、学ぼう、私の国のために」(歌詞、曲名失念)という曲で始まる。

    「遠隔教育大学」
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    Source: KCTV, 2013/11/17放送

    「金策工業総合大学、遠隔教育大学(学部)」では、全国を対象とした「遠隔教育大学」を運営している。下の地図は「遠隔教育課程執行状況」という地図である。左上にLEDの数字表示板が2つあるが、この映像では両方ともゼロに見える。画像が鮮明ではなく完全には読み取れないが、上が「今日の講義参加数」、下が「全体講義参加数」と書かれているように見える。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    この人のPC画面には「赤い星」と出ている。何かのソフトウェアを起動したところなのだろうか。北朝鮮向けにカスタマイズされたブラウザなのかもしれない。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「金策工業総合大学」が立ち上げた遠隔教育用webサイト。このサイトは「遠隔講義体系、質疑応答体系、実験実習体系、試験管理体系、教務行政管理体系」から成り立っているという。番組では、それぞれの体系について一つずつ説明していく。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    PC画面上で見た遠隔講義。遠隔講義には「実時間遠隔講義(ライブ講義)」と「非実時間遠隔講義」があるという。後者は「奉仕機(サーバー)」に講義を収録しておき、オン・デマンドで配信する方式のようだ。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「遠隔教育大学では、1日24時間、1年中、こうした非実時間遠隔講義を提供しています」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「遠隔教育大学では、このように夜遅くなっても講義を受けることができます」、講義を受ける主婦
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「図学及び製図」左下の講師も動画、そして製図画面でも場所を指し示す鉛筆が動いている。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「講義の後には、講義の理解を確かめる試験があります。この試験で合格しなければ、講義を受けたことにはなりません」とナレーション。ウィンドウには「問題解答評価:答えが間違っています。次の問題を解いて下さい」と書かれている。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「遠隔講義は、ある意味、個別講義のように具体的かつ親切です」ウィンドウには「学習態度通知書:今回の講義時間は55分です。しかし、ドンム(あなた)は58分講義に参加したことになるのですが、実際には46分だけ講義を受け、12分間、講義に集中していませんでした。そして、「試図」の部分をよく理解できていません。講義をもう一度受けて下さい」と書かれている。実に細かく時間を表示しているが、おそらく間違った回答をした部分、つまりこの例では「試図」の部分の説明が12分あったが、そこの理解ができていないという意味なのであろう。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    受講者の質問に書画カメラを用いて答える講師。類似した書画カメラが職場にもある。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    学生の質問画面、化学式のようだ。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「物理学1」の画面。講義に必要な資料もサーバに蓄積されており、理解を深めるために動画も準備されている。動画は「力の3要素」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「実験実習」を通学することなく行うための画面。これは「単三交流回路実験」となっている。上部に出ているのは、実験をやっている学生であろう。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    また、「実験実習」機能として、遠隔操作で実験機器を操作できるようなシステムもあるようだ。下の写真は、学生が使用するPC上で「作成したCNC工作機械の駆動プログラムの正確さを遠隔操作の方法で確認している」ところである。

    PCを操作する学生
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    遠隔操作で動いている「X-Y移送装置」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「遠隔教育大学では、試験はネットワークを通してコンピュータで受験し、カメラと試験管理プログラムで監視されている中、厳格に行われます」

    遠隔講義の教室で試験を受ける学生
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    監視カメラ、このカメラは左右に動いている。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    数学の試験問題。選択式である。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    空欄を埋める問題
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    試験問題はコンピュータが自動で出すので、「集体試験(学生が一斉に受ける試験)」の場合も、学生ごとに問題は異なるという。また、採点はコンピュータが自動で行うので「教員たちの精神的負担を減らし、公正さが徹底的に保障されます」と言っている。確かに採点は疲れる作業であるが、「精神的負担」はあまりない。ここで敢えて「精神的負担」と「公正さ」を並べているということは、誰それは甘く採点するということが北朝鮮でしばしば発生していることの裏返しかもしれない。

    試験が終わると、「コンピュータに試験点数、模範答案、個人別順位が公示され」るという。学生の成績を順位と共に全員に公開するところなど、実に北朝鮮らしい。私も中学頃か、高校の頃かは忘れてしまったが、上位数名の成績は張り出されていた記憶がある。しかし、最下位まで全てということはなかった。

    「金正淑平壌製紙工場、遠隔教育大学、試験順位、(2学期 解析数学)」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「遠隔教育では、学生がどの課程まで勉強したのかということを把握するのは大変」であるが、こちらもコンピュータできちんと管理されているという。

    「6章8節(講義)、課題24、24章試験(1次)、2章試験(1次)、2章試験(2次)・・・」「青い色で表示されているのは、講義には参加したが学習状況確認試験で合格しなかった講義、赤い色で表示されているのは、試験に合格したものです。また、黒色で表示されているのは参加しなかった講義です」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「遠隔教育大学では、学生が遠いところで授業を受けるので、学生が居眠りをする状況、講義時間に他事をする状況、講義を適当に受ける状況が発生することもあります」

    居眠りをする学生の例(日本の大学にもたくさんいるが、机にひれ伏して爆睡しないところが、さすがに「主体の国」だ)
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    講義に集中せず、他事をやっている学生の例(LINEで遊んでいないところが、日本の大学との違いか)
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「このような否定的な状況をカメラで確認することなく、プログラムにより判定し、自動的に通知書を作成して送ります」と言っているが、そんなに上手い方法はあるのだろうか。

    「英語」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    このウィンドウを見たときは吹き出してしまったが、本当にこれができているのであれば、是非、日本でも取り入れるべきである。

    「学習態度通知書、今回の講義時間は90分なのですが、ドンム(あなた)は、71.5分から講義を受けるふりをしながら、コンピュータで他の作業をしていました。講義に集中しなければなりません。確認(ボタン)」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「遠隔教育大学では、課題書だけは自筆とし、筆跡鑑定と課題内容の照合などを行い、試験で発生する可能性がある否定的な現象を徹底して統制しています」北朝鮮でも、学生の課題コピー提出があることを知り、少し嬉しくなってしまった。

    自筆の答案をスキャンして提出させる。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    教員がそれを確認する。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    左の答案の青枠部分が右側の答案の赤枠部分と同じ内容となっており、コピーしたことがばれる。数学なので、全く同じが普通だと思うのだが、おそらく青い網掛け部分の計算式などが白い部分に繋がっていないのであろう。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「課題受験状況現況通知書、<解析数学>科目の2章4節の学習課題は、金ヨンフィさんの課題試験内容と同じです。もう一度、やり直して下さい。確認(ボタン)」誰の答案をコピーしたかもばれてしまう。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「課題受験状況通知書、<解析数学>科目2章6節の学習課題は、李チョルナムさんの筆跡と同じです。もう一度、やり直して下さい。確認(ボタン)」、なかなか厳しい。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    さらに教員評価(FD)までやってしまうという凄いシステムである。

    「李チョルヨン指導教員へ、先生が担当しておられる企業所の全般的実力が最近向上しています。次の点に力を入れて下さい。第一に、学習討論を広く組織すること、全国的に見ると、学習討論が活発ではありません。第二に、李ヨンチョル、崔ナムスクさんの実力がだんだん下がってきています。対策を取って下さい。第三に、金マンチョル、李ヨンス、朴チョルさんの<情報技術基礎>科目、4章6節課題が間違った部分まで全く同じです。確認を取り対策を取って下さい。第四に、遠隔講義室に入ってくる学生の服装が乱れています。統制して下さい」と受講者の服装の乱れを正すことまで指摘されている。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「金マンチョルさんの習慣学習状況を通知します」と受講状況や成績を通知してくる。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    また、学生の実力に応じて「個別補充講義」も自動で行っているという。

    <追記 2013.12.11>
    コメントで「赤い星」が北朝鮮版のOSではないかという話題が出た。2013年12月8日に「朝鮮中央TV」で放送された「<朝鮮記録映画>絶世の愛国者金正日将軍(4)-後代のために-」を見ていたら、コンピュータ関連の教材が出てきた。

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    Source: KCTV, 2013/12/08放送

    この中に「Windowsプログラム作成法」という教材が見られる。これからするとやはり北朝鮮のOSも基本的にWindowsであり、「赤い星」はレジストリを書き換えるという簡単作業で起動画面を変更したのであろう。

    「新しく出た歌、党旗よ永遠にあなたと共に」:モランボン楽団による新曲 (2013年11月19日 「朝鮮中央TV」)

    昨日の『労働新聞』1面にも大きく掲載されているが、モランボン楽団が演奏する新曲が出た。例によって、音楽的な評価は私には無理だが、イントロ部分がとても長くなかなかカッコよく曲が始まる。曲調としては静かな感じで、過去記事でも紹介した「祖国賛歌」と通じるものがある。では、以下でその歌詞と背景で使われている映像を紹介していく。

    『労働新聞』、「당기여 영원히 그대와 함께」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-19-0009&chAction=L

    「党旗よ永遠にあなたと共に」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「作詞:共作、作曲:ファン・ジンヨン、編曲:共作、歌:声楽組、演奏:モランボン楽団」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    1番
    「あなたの情深く眩しい姿」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「我々の胸の中に母として刻み込まれ」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「党旗よ、あなたは我々の希望」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「美しい我々の未来」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「あなたが与えてくれた命を、その懐に捧げ」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「あなただけを愛していく」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「党旗よ」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    2番
    「あなたの火のような活力のある熱情」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    走っている車はそこらの車ではなく、金正恩さんが視察などで使用するベンツSクラスである。「あなた」を「党中央」すなわち「金正恩」と徐々に重ね合わせていく心憎い演出である。

    「はためき、響き渡る祖国の歌」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「党よ、あなたは我々の美しい夢」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「咲き乱れる我々の幸せ」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「我々の命が燃え尽きるまで」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「あなたの意に誠実であれ」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「党旗よ」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    ここで間奏が入る。間奏は党歌である「朝鮮労働党万歳」をアレンジしている。その際、ドラムが裏拍を取っているように聞こえる。この辺りがモランボン楽団的な斬新さなのだろうか。間奏の最中に映し出される映像は、代を継いで「党中央」を担う指導者たちである。そして、3番の金正恩称賛へと盛り上げていく構成になっている。

    お爺さん
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    お爺さんとお父さん
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    お父さん
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    お父さんと息子
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    そして息子。いつも思うのだが、曲の背景でこの映像はしばしば使われる。その理由がよく分からないのだが、本人が一番気に入っているのだろうか。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    3番
    「我々は信じる、ひたすらあなたを」、この部分で1オクターブ高い(多分)声でハーモニーを形成する歌をかぶせて曲を盛り上げている(音楽的に上手く表現できず、御免)
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「歳月の終焉まで、雪雨と風を遮ってくれるあなた」横断幕には「敬愛する金正恩同志の指導に従い、主体革命偉業を最後まで完成させよう!」と書かれている。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「党よ、あなたは我々の合わせた力」、横断幕には「革命の首脳部(つまり、金正恩)は朝鮮の運命、朝鮮の未来」と書かれている。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「輝かしい我々の勝利」、大きな「金正恩」の人文字
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「永遠不滅のあなたと共に」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「全ての栄光を迎える」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    「党旗よ」
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    ここで、間奏がまた入る。なかなかカッコイイ。

    「党旗よ」と一度軽くリフレ-ズ、そして最後に力強く「党旗よ」ともう一度リフレーズして曲は終わる。
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    Source: KCTV、2013/11/19放送

    党旗から入り、党旗で終わる構成になっているが、中間部分で「党=金正恩=党旗」という関係を見事に背景映像で表現している。過去に「朝鮮中央TV」で放映された指導者称賛系の歌をくまなく調べてみるとおもしろいのかもしれないが、テレビの普及と共に曲と背景映像の組み合わせの技法が巧妙化してきているのではないだろうか。さらに、曲調をソフトにして人民が親しみやすくする。インターネットもそれなりに普及してきているはずなので、繰り返しこの動画を朝鮮人民が見るようになればすり込み効果は相当に期待できる。

    「キムチ、キムチの素」:キムチの漬け方の続き、混ぜる物の作り方 (2013年11月19日 「朝鮮中央TV」)

    前回はキムチの塩漬けのやり方について紹介したが、今回はいよいよ「キムチ素」と呼ばれる混ぜ物の作り方である。塩漬けに関しては、日本のお新香の漬け方に繋がるところがあるのだろうが、今回の薬味はキムチそのものの味の出し方である。

    「キムチ キムチの素作り」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「キムチを漬けるとき、キムチの素をどのように作るのかがキムチの味を左右する最も重要な問題です」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「キムチが100kgの場合、大根は10kg必要です」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「その他に、唐辛子の粉(コチュカル)2kg、粗塩2kg、調味料200g、ネギ2kg、ニンニク500g、生姜200~300g、小エビ(アミ)1kgが必要です」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「その他に、栗、梨、コリアンダー、セリ等を入れると、独特な香りと共にすっきりした味にし、キムチの発酵臭をなくし、雑菌が繁殖しないようになります」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「スケソウダラを入れると、大根を軟らかくし、辛くて甘いキムチ独特の味をさらによくします」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「スケソウダラと薬味を混ぜる場合は、2、3日前によく洗い、切り刻んで塩と薬味に漬け込んでおきます」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    薬味に漬け込んだ後
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「辛子の粉は、1日前にテンジャン(朝鮮味噌)よりも少し軟らかくなるぐらいにお湯と混ぜておきます。そうすることで辛子の粉の赤い色が映え、薬味と合わせたときの発酵もよくなります」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「ネギは、3~4cmの長さに太く切ります」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「ニンニクと生姜は刻みます」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    ニンニク、生姜、ネギ、セリ
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「アミは、そのまま使うよりも包丁で細かく刻んだ方がよいです」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「栗や梨などの果物も、薄く切ります。ここまででキムチの素を作るための準備完了です」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「キムチの素を作るとき、千切りにした大根に先ほど作った辛子の粉を混ぜ、赤くしておきます。こうすることで、赤い色、甘み、そして栄養分をそのまま残すことができます」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「続けて、薬味と混ぜておいたスケソウダラ、アミ、ニンニク、生姜、セリ、ネギを順に入れていきます。塩は一番最後に入れます。」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    これらを混ぜている様子
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「見るからに美味しそうなキムチの素ができあがりました」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「このようにして作ったキムチの素を白菜根元や葉の間に挟み込んでいきます」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「キムチの素が出てこないように、一番外側の大きな葉で包みます」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    「加工方法が科学的で、味と栄養価が他のどの民族の食べ物と比べても優れており、世界各国で栄養商品として食されている誇らしいキムチ」
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    Source: KCTV, 2013/11/19放送

    辛子の粉(コチュカル)さえ手に入れば、他の素材は近所のスーパーで売っているものばかりだ。北朝鮮で使っている「調味料」なるものが何なのか気になる。韓国だったか北朝鮮だったか忘れてしまったが、植民地時代に日本が建設した味の素工場がそのまま残っており、解放後もしばらく生産を続けていたが、原料の供給が不可能になり生産がストップしたという話をどこかで読んだことがある。「原料供給がストップ」したとすると、北朝鮮の話かもしれない。韓国には「味元(ミウォン)」というブランドの味の素が売られている。

    「味元」を製造販売するデサン株式会社のHP、http://www.daesang.com/main.asp

    キムジャン(キムチの漬け込み)の季節、白菜を積んだトラックが走り回り、あちこちで漬け込みをやっている様子を私が韓国にいた80年代にはよく目にした。最近もやっているのかは分からないが、都市部ではキムチの瓶を置く場所がなくなり、できあいの物をスーパーで買って食べるようになったという話も聞いた。私がいた80年代半ばでさえ、アパートのベランダに置けるようなスタイルのプラスチック製の瓶が売られていた記憶がある。

    さて、北朝鮮ではどうなのだろうか。「楽園百貨店」でキムチが売られていたか忘れてしまったが、朝鮮人民は自分の家で漬けているのであろう。あまりにも当たり前の風景だからなのか、「朝鮮中央TV」でキムジャンの様子を見たことがない。キムチの味は各地方でも違うし、それぞれの家庭でも違うという。羊角島ホテルのキムチはあまり美味しくなかったが、開城の食堂で食べたキムチは美味しかった記憶がある。しかし、そんなキムチよりも金日成バッジを付けた「アジュメ(おばさん)」が漬けたキムチの方がずっと美味しいのであろう。

    いつか外国人が自由に「アジュメ」の家で自由にキムチを食べさせてもらえる日は来るのだろうか。

    「金日成総合大学におけるツァヒアギーン・エルベグドルジ、モンゴル大統領講演」:全文日本語訳、素晴らしい演説、単なる北朝鮮非難ではない (2013年10月31日 「モンゴル大統領府」)

    エルベグドルジ、モンゴル大統領の金日成総合大学における講演内容が「北朝鮮に批判的であった」と報道されている。真実を確認すべくモンゴル大統領府のHPを確認したら、同大統領の講演内容の英訳版全文が出ていた。この演説、北朝鮮を真正面から非難することはしていないが、モンゴルの経験と対比させながら「自由」の貴重さについて蕩々と説く実によくできた演説である。中国も含め北朝鮮を訪問した高官が北朝鮮とどのような対話をしたのかはほとんど公開されない(その意味で、拙ブログで全文訳出した金正日と盧武鉉会談は実におもしろかった)。エンベグドルジ講演は対話ではないが、北朝鮮に対するモンゴルからのメッセージであることは間違いない。

    モンゴル大統領府のHPによると、同大統領の講演に際して北朝鮮側から「講演では民主主義、市場経済という言葉を使わないこと」という注文が付けられたという。HPにはそれも明確に記載されているが、大統領はこれらの言葉は避けつつも、「自由」という言葉を使って民主主義や自由経済の重要性を述べている。

    大統領は演説終了後に質疑応答の時間を提供したが、拍手はするも誰も手を挙げなかった。質問をすることが禁止されていたのかもしれないが、逆の考え方をすれば大統領の演説を否定することもしなかったわけである。礼節をわきまえてそうしたといえばそれまでだが、小さなことにでも反対「声明」を出す北朝鮮のやり方らしからぬ側面もある。

    エンベグドルジ大統領が、朴槿恵大統領のように「へたくそな外国語で『演説』」(2013.11.15 「国防委員会政治局スポークスマン談話」)なのかどうかは分からないが、経歴からすれば十分に英語でも講演できたはずである。しかしモンゴル大統領府HPには「英訳した」とされる講演全文が出ているので、講演はモンゴル語で行ったのであろう。英語であれば、それでも理解できる朝鮮人民は多かろうが、モンゴル語となるとその数は相当に少なくなるはずで、朝鮮語通訳を通して講演を聞いたはずである。もしかすると通訳にも大統領に要請された語彙+αを通訳しないよう指示が出されていたのかもしれない。

    『労働新聞』、「추악한 사대매국노,극악한 동족대결광의 본색을 드러낸 박근혜의 떠돌이행각을 단죄한다 조선민주주의인민공화국 국방위원회 정책국 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-15-0007&chAction=L

    日米韓の指導者は、ピンポイントかつストレートに北朝鮮に「変化」を求める。朴槿恵さんが欧州歴訪で語ったことも全てピンポイントである。しかし、エルベグドルジ大統領は、実に巧みに、しかも強く北朝鮮にアドバイスをしている。年齢的には金正恩さんよりも上であるが、老齢ではない。どちらかというと若い大統領といえると思うが、若い大統領から若い北朝鮮指導者への率直なメッセージであろう。

    では、以下でエルベグドルジ大統領の講演を翻訳しておく(例によって、誤訳御免)。

    +++++++++++++++++++++++
    北朝鮮、金日成総合大学におけるツァヒアギーン・エルベグドルジ、モンゴル大統領講演
          「自由に生きようという人間の欲望は永遠の力である」

    私は、金日成総合大学の学者、教授そして学生の皆さんに心からご挨拶を申し上げます。私は、金日成総合大学を訪問しモンゴルの外交政策とモンゴルと朝鮮民主主義人民共和国の関係についてお話しするという歴史的な機会を得ることができたことを嬉しく思います。

    ・簡単に、歴史から・・・
    モンゴルは、平和を愛し、独立した、開かれた国であり、多面的外国政策を実施しています。モンゴルの国家としての政策は数世紀にわたる伝統を有しています。周知のように、13世紀から14世紀にかけて、モンゴルは世界最大の帝国を建設しました。当時、モンゴル帝国は政策を策定し、「イヒ・ザサク(Ikh Zasag)」という成文法による統治を行いました。そして、モンゴルは自由貿易と開かれた外交政策を展開しました。

    学者は、まさにこの時代に、モンゴル帝国の時代に東洋と西洋が、アジアとヨーロッパが純粋に結びつけられたと記しています。大モンゴル帝国は、人々の信教の自由と創造の自由を尊重しました。モンゴル帝国はアジア、ヨーロッパ、そして中東に対する外交を活発に行いました。文字通り外交特権を有した公使、使節、そして外交官がおりました。また、外交使節としてのモンゴルの公使と外交官が持っていた、ハンがその所持者には外交特権を与え、通行の自由を求めると定めた金、銀、銅、真鍮、そして木のゲレゲ札(Gerege - plate)について、皆さんも聞いたことがあるのではないかと思います。

    この時代こそが、モンゴルが信頼に基づいた外国と関係を構築し、信頼と自信を持った対話を行おうとしていた時代なのです。私は、大モンゴル帝国が正当な理由なく戦争を引き起こしたことはないということも述べておきたいと思います。

    建国、そして数世紀にわたる繁栄の後、何世紀もの間、大モンゴル帝国は崩壊、分裂し、そして消滅してしまいました。

    現代モンゴルは、自由と独立を1911年12月に取り戻しました。自由と独立を宣言してから、モンゴルはとても活発な外国政策を展開しました。モンゴルは1961年に国連機関に加盟しました。

    ・外交と国内政策の歴史的性質・・・
    モンゴルの外交政策を語るとき、モンゴルの国内政策の重要な側面について触れないわけにはいきません。それは、モンゴルの外交政策と国内政策が総括的であり、また絡み合っているからです。

    ・自由について・・・
    モンゴルは、法による統治を維持し、開かれた政策を追求し、人権と自由を尊重する国です。また、モンゴルは基本的人権である表現の自由、集会の自由、居住移転の自由を高く掲げています。

    私は自由の力を信じています。自由は全ての人間に与えられた財産です。自由は全ての人間に発展の機会を見いだし、それを実現させるものです。これこそが、人間社会を進歩と発展に導きます。自由な人々は、問題解決の方法を自ら見つけ出します。そして、自由がない人々は、外部に彼らの不幸の根源を探し求めようとします。モンゴル人は「いくら辛くても自分の判断で生きていく方が、それが楽であっても他人によって生き方を決められるより良い」と言います。

    専制政治は、永遠に存在し続けることはできません。それは、自由に生きることに対する人々の欲求が永遠の力だからです。1990年、モンゴルは政治と経済の二重の移行を同時に、一つのドアを閉めることもなく、また一滴の血を流すこともなく実行しました。一つの例をお話ししましょう。20年前のモンゴルのGDPにおける民間部門の実質シェアは10%以下でしたが、今日では80%以上です。ですから、自由な社会は、達成すべき目標というよりも、進むべき道、そして生き方です。

    自由な社会を強化し、それに移行していくことは容易ではありません。それは日々やるべきこと、そして我々の自由な社会の埃と病を洗い流すためのとても疲れる、しかし平凡な仕事なのです。それはまさに、両親が自分たちの赤ん坊のおむつを毎朝交換してやるようなことなのです。

    今日、モンゴルは司法改革に関心を集中させています。汚職は我々の発展に対する致命的な敵です。モンゴルは汚職は絶対に許さないという政策を施行しようとしています。

    我々は陰の部分も隠しません。我々の間違いとそこから学んだことは公開されています。自由は間違いを許容するシステムであり、間違いから学ぶシステムでもあります。自由で開かれた社会に向けて歩み続ける道は、それを通じて学んでいく道でもあります。私もまた学んでいる人間です。私は羊飼いの家庭に生まれました。私は8人兄弟の末っ子です。そして、私は、国民の自由意志で、国民共通の利益を実現する機会が与えられたことをとても幸せに思っています。

    ・我々が学んだことについて、死刑制度、非核保有国の地位、国連について・・・
    我々には教えることも、説教することもありませんが、我々はいつでも我々の過ちから学んだことを喜んで共有いたします。今日、モンゴルは数々の課題を抱え、困難な決断をしなければなりません。我々がこうした困難に立ち向かっていくときの原則は、よりオープンに、より透明性高く、そしてそれにより多くの市民を参加させることです。

    モンゴルでは、人々が権利を最高の価値として生きていくことを重視しています。2009年6月からモンゴルでは死刑が完全に廃止されました。我々は死刑の完全廃止を求めていきます。

    21年前、モンゴルは非核保有地域を宣言しました。5つの国連安保理常任理事国は、文書でモンゴルの地位を確認しました。モンゴルは、自国の安全保障を政治、外交、そして経済的な手段で確立することを嗜好しています。今日において、モンゴルは193の国連加盟国のうち、172カ国と外交関係を結んでいます。

    モンゴルは、我々の地域と多国間交渉における活発な政敵役割を目指しています。

    ・モンゴル-朝鮮民主主義人民共和国関係(北朝鮮)
    モンゴルと北朝鮮の関係について簡単にお話いたします。モンゴルと朝鮮の人的交流は、何世紀も前に遡ります。今回の訪朝期間、私は恭愍王の墓を訪問しました。私は高麗の恭愍王とモンゴル人の王妃の美しい愛と尊敬に深く感銘しました。

    そして今日、モンゴルと北朝鮮は歴史的な友好関係を維持しています。二国間の関係は、両国の尊敬すべき先人たちの厳しくも渾身の努力の結果であります。

    ・我々は困難な時期お互いに見捨て合うことはなかった
    モンゴルは北朝鮮と外交関係を結んだ二番目の国です。1948年10月15日、モンゴルと北朝鮮は相互承認条約に署名しました。1950年代の初期、熾烈な朝鮮戦争の最中、両国はそれぞれの国に大使館を設立することにしました。

    モンゴル最初の駐北朝鮮大使はモンゴルの著名な政治家であり、モンゴル人民大会議常任委員会議長を長年勤めたジャムスラン・サンボー(Jamsrangiin sambuu)氏です。そして朝鮮戦争中、各国の大使は安全上の理由から北朝鮮を離れることを求められましたが、サンブ大使だけは北朝鮮に留まりました。「我々は友人を置き去りにするような人民ではない。私は難局の中、金日成同志と共に留まる」、サンボー大使はこのように語りました。

    金日成指導者は、北朝鮮が戦後の大規模な建設と発展課題に取り組んでる最中、1956年に初めてモンゴルを訪問しました。また1988年、彼は二度目のモンゴル訪問をしました。今年はこの訪問から25周年となります。

    我々の尊敬すべき先人により基礎が築かれた我々の関係を充実させることは我々の責務です。両国はよき友人であり、困難で苦しい時期にお互いを見捨てることはしません。我々は孤児をお互いに育て、慰労のためにお互いの助けの手と気持ちを捧げ合っています。そして、私は、モンゴルと北朝鮮が成功と幸福を分かち合いという新たな伝説と共に両国の関係を充実させていくものと信じています。

    ・最近の状況変化・・・
    近年、両国は高級レベルの相互訪問を活発に行っています。我々は、モンゴル-北朝鮮政府間協議委員会を設け、活発な活動を行い、多くの問題に取り組んでいます。また、我々の公的機関、市民、企業がお互いに活発な接触をしていることも目撃しています。今回の訪問を契機に、多くのモンゴル企業が北朝鮮と取引をすることを望んでいます。またモンゴルのジュニア・サッカー選手の子供たちも連れてきました。

    私は、両国の経済関係が金正恩指導者の「経済強国」建設という目標に合致していると確信します。モンゴルは東北アジアの安全保障を強化することにも積極的に参与するよう努力をしています。モンゴルは、東北アジアの安全保障に関するウランバートル対話イニシアティブを提案しました。このイニシアティブは、信頼を強化することにより、東北アジアの諸問題を平和的かつ外交的な手段で解決することを目標としています。

    ・今日・・・
    私は、北朝鮮の人々と指導者に、今回の訪問に際して私と訪問団を暖かく迎えて下さったことに対して、再び心より感謝を申し上げます。私は貴国の指導者と会い、両国間における政治、経済、社会、文化、スポーツ、そして人道的な分野の関係を活性化するための重要な対話を行いました。

    我々は、教育部門、学者、学生、若者の学術交流関係を拡大させることが両国関係において非常に重要であるということについて満場一致で合意しましました。また、芸術家、スポーツ選手交流と協同プロジェクトを実施する広範な機会が存在し、我々はそうした努力を支援していきます。私は昨日、競技場の5万人のファンと観覧者を前に、両国のジュニア・サッカー選手のトーナメント開幕式に参席したことにとても興奮し、そして幸せに思っています。

    また、私は、このように金日成総合大学を訪問をして皆さんの前でモンゴルと両国関係についてお話しができる機会を持てたことに興奮を覚え、そして喜びを感じています。

    私は、如何なる国においても国家の知の宝庫、すなわち大学、学者と教授、学生と若者が、運命と全国民の生活を形作り決定するという非常に重要な役割担っていることをよく知っています。私は、この貴国の若者、つまり貴国の未来と会えたことを喜びと暖かさと共に記憶し続けるでしょう。

    私は若者の精神力、創造力、そしてエネルギーを固く信じます。北朝鮮指導者の金正恩氏もまた若者です。私は、あなた方が北朝鮮の人々に将来、幸せと繁栄をもたらす全てを持ち合わせていると信じています。そして、私は皆様の努力が将来結実することを心よりお祈りしております。

    何かご質問がおありでしたらお答えいたします。ありがとうございます。

    参考:
    ・質問はなかったが、大統領が立ち去るまで教授と学生の聴衆は長い拍手を送った。
    ・講演の演題は北朝鮮から提案があった。大統領は「民主主義、市場経済」という単語は使わないように進言された。
    ・エンベグドルジ大統領は、金日成総合大学においてこのような演題で講演した初めての国家元首である。

    2013年10月31日

    President of Mongolia Tsakhiagiin Elbegdorj, THE OFFICE OF THE PRESIDENT OF MONGOLIA, PUBLIC RELATIONS & COMMUNICATIONS DIVISION, 'Lecture by President Tsakhiagiin Elbegdorj at Kim IL Sung University, North Korea', http://www.president.mn/eng/newsCenter/viewNews.php?newsId=1008#
    +++++++++++++++++

    一方、11月1日付けの『労働新聞』の記事「モンゴル大統領が金日成総合大学を訪問した」には、大統領が「モンゴルの政治と経済、歴史、文化、対外関係について語」り、「両国間の歴史は、長い伝統を持っており、偉大な金日成主席がモンゴルを2回も訪問されたことについて強調」し、「老世代の指導者たちの心血と労苦が刻み込まれている両国間の親善関係がさらに拡大発展するであろうという確信を表明した」とだけ書かれている。

    『労働新聞』、「몽골대통령이 김 일 성종합대학을 찾았다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-01-0012&chAction=S

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    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-01-0012&chAction=S

    「<朝鮮芸術映画>ヘウン棟の2つの家庭」:仕事と家庭はどちらが大切か、科学者の役割、人民生活 (2013年11月13日 「朝鮮中央TV」)

    昨日、「朝鮮中央TV」で3時半頃から放送された「<朝鮮芸術映画>ヘウン棟の2つの家庭」はとてもおもしろい。韓国統一部・北韓情報センターのテレビ番組資料で調べたが、再放送の記述はない。ただ、映像の雰囲気からは金正恩時代に制作された映画ではなく、2000年代半ば過ぎに制作された映画のようである。

    この映画がおもしろいのは、アパートに住む2世帯の科学者家庭を比較しながら、家庭の幸せと何か、仕事とは何かについて問う作品だからである。前半では、北朝鮮映画なのにこういう価値観もありなのかと誤解を招かせるような場面もあり、日本人民にとってはとてもおもしろい。さらに、映画には北朝鮮での日常生活が映し出されており、見ていたらいくつかの発見があった。ストーリーと共にこの映画を紹介していくことにする。

    「幸福棟の2つの家庭」
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    こちらが、このアパートに元々住んでいる夫婦である(科学者A)。夫婦には小学生ぐらいの女の子がいる。夫は、溶接関連の発明をして、工学博士になった科学者、夫人は工場の資料館の「講師(展示品について説明をする係員)」である。夫は家事を積極的に手伝ったり子供と一緒に遊ぶなど、典型的なファミリー・パパの幸せな家庭である。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    この夫婦の正面の部屋に別の科学者夫婦が引っ越してくる(科学者B)。夫は、溶接棒の研究をしている科学者、夫人は下の写真のポスターにあるように歌手である。北朝鮮にも歌手のポスターがあるとは知らなかった。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者B夫婦の引っ越しの荷物が着いた。すると、同じアパートの住人が集まってきて荷物の運び込みを手伝い始める。この日は「日曜日」という設定なのだが、平日でもこういうことになるのかは分からない。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    男の子と立っているのが科学者Bの妻だが、「歌手」として知られているので住人たちが騒ぎ出す。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    一方、科学者B自身は引っ越しをわざわざ日曜日にしたにもかかわらず、引っ越しの手伝いもせず、職場で研究をしている。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    アパートの前で「人民班長」らが秤を持って何かをしている。箱には「収買」と書かれている。箱の中には空瓶が入っているようだ。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    そこで、web「朝鮮語大辞典」で「収買」について調べてみると、「社会主義収買は、協同経理と住民たちから農産物や畜産物、地方特産農産物、古い物を買い上げることを基本内容とする」と書かれている。どうやら、人民班長らは住民から「古い物」を買い上げているようだ。廃品回収といったところであろう。秤で量っていたのは古新聞のように見えたが党の新聞、しかも「将軍様(時代背景は金正日時代)」の写真が載っている新聞をやたらと捨てるのはまずいような気もする。

    引っ越しをしてきたとたんに、科学者Bの夫人は家の修理を始める。下は窓枠の修理をしているようだ。一方、子供は「おかあちゃん、テレビ映らない」と言っている。母親に「叩けば直るよ」と言われて、テレビを叩いている。叩いて直すのはいずれの国でも同じようだ。掛け軸には「忠誠と孝誠」と書かれている。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    そこに科学者Bが帰ってきて、夫人が持っていたペンキと刷毛を取り上げ、自分がドアのペンキ塗りを始める。北朝鮮には敷金や保証金などあろうはずもないので、引っ越しをするときは現状引き渡しとなり、新しい入居者が自分で修理をして使う仕組みになっているようだ。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Bの夫人は呼び出されて「班会」に出かける。夫人だけ集まって話をしているところからすると、町内会婦人部のような組織なのだろう。立って話をしているのが「班長」であるが、年齢的にも他の女性より上なので、年齢序列で選ばれるのかもしれない。ただし、この女性はある工場の「支配人」の夫人でもあるので、夫の社会的地位との関連も否定できない。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    「班会」が終わり部屋に帰ると煙が充満している。科学者B夫人は夫に米を炊いている釜の様子を見るように頼んで出かけたのだが、夫はそれを忘れて研究資料を探しに人民学習堂に外出してしまう。写真は、釜の中の焦げた飯を見て驚く夫人。電気炊飯器ではないことは分かるが、釜の下の熱源が何かは分からない。練炭かガスか。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者B夫婦は科学者A夫婦の家に招待される。科学者Aはビールを勧めるが、科学者Bは本棚にある溶接技術に関する本が気になり、それを譲り受け喜び、その場で読みふけったあげく、本を持って中座してしまう。夫人はズボンの裾を引っ張って引き留めようとするが、夫は「すみません」と謝罪して出て行ってしまう。

    この場面でも日本語式英語発音を発見した。科学者Aが科学者Bにビールをついで飲ませるとき「さあ、一杯ぐいっと飲んで下さい」というのだが、「一杯」を「1コップ」(いち cup)と言っている。ただし、「コップ」は日本語式英語発音そのままである。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    唖然とする科学者A夫婦と謝罪をする科学者Bの夫人
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者B夫妻は口論となり、夫は夫人に「あなたの誕生日に隣の夫婦を家に招待しよう」といいながら部屋に入る。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    上に書いたように「班長」の夫は「支配人」である。支配人の工場では溶接棒が不足をして困っている。というのもニッケルの価格が高騰し、溶接棒に使うニッケルの購入が困難になっているからである。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者A夫婦は、子供を連れて科学者Bの夫人の歌謡ショーを見に行く。帰り道で科学者Aが子供たちを連れて先に家に帰る。科学者Bの夫人(朝鮮服の女性)は、家族思いの科学者Aと自分の夫を比べ、不幸な自分を嘆き悲しむ。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    「支配人」が科学者Aの所に溶接棒に関する研究資料を持って来て、ニッケル使用量を減らせるような研究をしてくれるよう依頼するが、科学者Aは「この資料は以前に研究したものだ」と言いながら研究を断る。科学者Aは以前は研究熱心であったが、博士学位を取得してからは真面目に研究をしなくなった。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    「班長」の夫の「支配人」は、科学者Aに研究を断られたので、研究資料を持って科学者Bが所属する工場にやってくる。科学者Bの工場の「支配人」に科学者Bに会わせてくれるよう頼むが、断られる。2人の「支配人」は、旧知の関係のようだが、なぜか協力し合わない。理由はよく分からないのだが、もしかするとお互いにニッケル不足で困っているからなのかもしれない。研究資料を持って来た「支配人」は、「そんなこというなら、これだけでも研究者に渡しておいてくれ」ともう1人の「支配人」に差し出す。すると彼は「こんな後方事業は必要ない」という。「後方事業」もなかなか難しい言葉だが、web「朝鮮語大辞典」によると「社会の全ての構成員が、自らの持ち場で担った仕事をしっかりとできるよう、彼らが食べて、着て、使って、住む問題についてよく面倒を見てやり、生活上の便宜を図ること」と書かれている。これを見ても「主語」がないのでよく分からないが、北朝鮮の報道やドラマを見ている限りでは、所属単位(企業)や軍部隊が従業員や兵士に衣食住を配給することを示しているようである。しかしここでは、「賄賂」に近い意味で「後方支援」が使われたようだ。もちろん、これは研究資料なので「支配人」は、「後方事業ではない」と怒りながら立ち去る。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    公演を終えた科学者Bの夫人は、保育園に預けた男の子を連れて家に帰るが、相変わらず夫は家にいない。夫人は、結婚した当時のことを思い出しながら、まくらに顔を伏して泣く。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    朝になり、科学者Aの家からはラジオ体操の音楽が聞こえてくる。科学者Aと娘が楽しそうにラジオ体操をしている。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    夫人がその様子を窓越しに見ながら朝食の準備をしていると、夫が朝帰りをする。夫は帰ってきたとたんに「この家からいい臭いがするなぁ」と夫人が作った料理をつまもうとする。しかし、自分が食べるのではなく、工場で自分と一緒に徹夜をした仲間たちのために持って行こうとする。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    その言葉を聞いた科学者Bの夫人は、耐えきれなくなり料理を途中でやめてしまう。そして、隣の部屋の科学者Aと自分の夫を比較しながら泣き出してしまう。テーブルの上には結婚記念として買った壺が置いてあったが、それも意図せず落として壊してしまう。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    北朝鮮のアパートは防音状態がきわめて悪い上、良い意味でも悪い意味でも近隣の連帯感が強いのか、夫婦げんかの声が聞こえるとドアの前に住人たちが集まってくるようだ。下の写真は、集まってきた近所の住人と家を出て行く科学者Bの夫人。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者B宅の「家庭不和」を見かねた「班長」は、科学者Bに「党では世帯主は職場の仕事もきちんとしなければならないが、家に帰ってきたら家庭生活にも関心を向け、子供たちの教育もしっかりしなさいと言っているのに」と説教をする。「党では」と言っているところがなかなか「班長」らしいが、それを除けば、近所の年長者が若い夫を叱っているという感じである。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Bは階段で「班長」の夫の「支配人」と出くわし、ここでも「今どういう時だと思っているのか。ここにきて騒ぎを起こすなら、荷物をまとめて元の家に戻れ」と叱られる。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Bが「室長」を努める研究室では、研究成果をなかなか出すことができず、メンバーが落ち込んでいる。「室長」は彼らを「どんなことがあっても、我々の資材、我々の技術で、資本主義国の傲慢な技術者の鼻をへし折ってやろう」と励ます。そこに科学者Bの工場の「支配人」がやって来て、別工場の「支配人」から手渡された研究資料を手渡す。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    一方、科学者Aは「技術協議会」で議長を務める。しかし、退勤時間の5時を気にしながら、会議を早く終えようとする。そして予定討論者がいるにもかかわらず会議を閉めようとしたので、討論者が発言を求める。討論者が「今、国中は・・・」と発言を始めると、科学者Aは「今、国中がどうなっているのか知らない人などいないのだから、要点だけ話しなさい」と発言を遮る。

    中央が科学者A、立っているのが発言者。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Bが帰宅すると夫人の手紙がテーブルの上に置かれている。夫人は地方公演のために数日間家を空けることになるのだが、手紙には「私たちはついに分かれ道に至ったようです。ですから、この最後の地点であなたにもう一度尋ねたいのです。いったい、あなたが歩んでいるその道の終点はどこなのか。答えて下さい、答えて下さい・・・」と書かれている。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Aは、自分の工場の仕事をほっぽらかして、水産物加工工場の冷蔵庫修理に出かけてしまう。冷蔵庫の修理は完了し、水産物加工工場の支配人には感謝されるのだが・・・
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Aは、冷蔵庫修理をしたお礼として水産加工工場から「水産物」をもらって帰ってくる。しかし夫人は、徹夜して表紙を張り替えた研究資料が科学者Bの手に割ったことを不満に感じている。しかし、その資料は、上にも書いたとおり、科学者Aが「内容は分かっている」と自ら「支配人」に突き返した資料である。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    事情を知らない「支配人」はすぐに科学者Bの家に行き、研究資料を取り戻そうとする。このシーンはこの映画の中でとても重要である。というのは、ここまでは「党の意図にも反し」家庭を顧みない科学者Bは悪者で、家庭を愛する科学者Aは善人という構図になっている。ここでこの構図が逆転するのであるが、それを分かりやすくするために「支配人」と科学者Bの台詞を詳しく書いておく。

    支配人が研究資料を取り戻しに部屋に入って来て資料を取り上げる。
    科学者B:「なぜそんなことをなさるのですか」
    支配人:「この資料はどこから持って来たんだ」
    科学者B:「これは私の・・・」
    支配人:「これは、お前の見るものではない。お前はこの問題を解決する前に、不幸な自分の家庭の問題でも解決しろ」
    科学者B:「駄目です。私をどれだけ侮辱しても結構ですが、これだけは渡すことができません。支配人同志は、私が考えるような人ではなかったのですね」
    支配人:「支配人だと。すると君は前から俺を知っていたということなのか」
    科学者B:「知ってますとも。一文の外貨でも節約するためにかけずり回っていると、私の工場の支配人同志が教えてくれました」
    支配人:「すると、君がそれを研究しているという・・・ドンム、私はその溶接棒に運命を賭けているのです。ドンムがやっている研究がどれほど重要なのか知っているのか。」
    科学者B:「知らなくて、私がなぜこんな仕事をすると思いますか」
    支配人:「知っているということだな」
    科学者B:「支配人同志、ニッケルを1グラム、1キロでも多く得るために、外国と交渉をしているではありませんか。しかし、彼らはそれを我々にただでくれますか。キノコをよこせ、木をよこせ、ついには明太子までよこせというではありませんか。これは、飯をやるから牛を出せというのと同じでしょう。だからといって、我々が、美しい我が国の郷土を他人に与えることはできないでしょう。我々が住んでいるこの郷土がいったいどんな地ですか。長い間、日本人共に奪われ嘆き悲しんだこの地。その地を取り返して下さり、輝かせて下さった首領様の労苦を我々がどうして忘れることができますか。それなのに今日、社会主義の旗を高く掲げて進む我々の地を敵共が崩そうと奔走しているのに。国の金で勉強をした我々が、これを見てどうして耐え、工学者の良心を持って、どうしてそれを許すことができますか。私には、それはできません。私は愛する私の祖国の地の草1本、木1本、砂ひとすくいでも守ることができるならば、不幸な家庭の世帯主という悪口を聞いても良いし、汚い服を着ておかゆを食べても構いません」

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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    この科学者Bの台詞は実におもしろい。ニッケル価格の推移を見ると、確かに2000年代中盤に高騰している。この映画は、この直後ぐらいに制作されたものであろう。そして、「キノコをよこせ、木をよこせ、ついには明太子までよこせ」と言っているのは中国なのだろう。

    この場面にも近所の女性が集まってくるのだが、手におもしろいものを持っている。白い札であるが「掃除当番」と書かれている。「掃除当番」を決めて順番に共用部分の清掃をしているのであろう。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Bが善人であることが分かると、子供の面倒は「班長」が見てくれるし、テレビの修理から家の掃除まで近所の人たちが勝手にやって来てしてくれる。科学者Bは浮気をしていたわけでも、飲んだくれていたわけでもないのに、この豹変ぶりは映画とはいえ凄い。朝鮮人民は上に書いたような「立派な演説」に感動しやすいのか、それとも映画だからそういうことになっているのか、実際はどうなのか非常に気になるところである。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    ここからは、科学者Aの悪人ぶりが露呈されていく。科学者Aは科学者Bに協力してニッケルを使わない溶接棒開発を「支配人」から依頼されるが、あれこれ言い訳をして協力しようとしない。

    そこに地方公演から科学者Bの夫人が戻ってくる。保育園に子供を迎えに行くと保育園の先生が「若い女性が子供を連れて帰りました。数日前はおばあさんが連れて帰ったのですが、その後は若い女性が。みんな口では親戚だと言っていますが、ピョリ(子供の名前)のお母さん、気をつけた方が良いですよ」と語る。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    家に帰るときれいに掃除されており、落として壊した壺も直っている。この坪は、夫人の留守中に科学者Bが修理した。この壺こそが科学者B夫婦の関係修復を象徴している。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    研究室に科学者Aが現れないので、科学者Bは彼を探しに行く。すると科学者Aは科学者Bを生ビール屋に無理矢理連れ込む。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    ここで、科学者Aは科学者Bに説教をする。その様子を、柱の陰から2人の科学者の夫人が見ている。

    科学者A:「まあ、一杯飲め」
    科学者B:「室長ドンム、これどういうことですか」
    科学者A:「生活だよ。君も生活を取り戻せよ。何で君の女性歌手が泣くんだよ。考えてみろよ。男が家に帰ったら、明るく笑う妻と喜んで抱きついてくる子供を見るのが生活だし喜びだろう。君のように夫人が悲しみ、子供が泣いているのが、家庭といえるのか。そんな生活が楽しいのか。君がこんな生活をして行って、一生幸福を知らずに過ごすのではないかとこの話をしているんだ」

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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    話を聞いてショックを受ける科学者Aの夫人。夫人は手に持っていたリンゴが入ったビニール袋をその場に落として家に駆け戻ってしまう。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    アパートの住人が壁に掛けられたグラフに何かを書き込んでいる。話からすると、「収買」の実績を書き込んでいるようである。そこにビニール袋をもった男性がやってくる。男性は、このアパートに「冷凍技術員」がいるのかと尋ねる。女性たちが「そんな人は知らない」と答えていると、科学者Aの夫人がやってくる。科学者Aの夫人に同じことをこの男性が尋ねると、彼女はそれが自分の夫であることを悟り「このアパートには、そんな人はいません」と怒って自分の部屋に駆け込んでしまう。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    そこに科学者Aが戻って来て夫婦げんかが始まる。例によって、近所の夫人たちがドアの外にけんかの声を聞きに集まってくる。この夫婦げんかは、上に書いた科学者Bの「演説」を対をなし、さらに生ビール屋で科学者Aが語ったことへの反駁でもある。

    夫人:「あなたは何で私のお願いをそんなに聞いてくれないのですか」
    科学者A:「聞いてくれないだと。俺のように家庭のために駆け回っている奴がどこにいる」
    夫人:「私が望んでいるのは、そんな愛ではありません。私はピョリのお母さん(科学者Bの夫人)のように本当に愛されたいって言っているんです」
    科学者A:「だから、家のせいで隣の家がもめるのではなく、隣の家のせいで家の幸福が崩れるということだな。そうなんだな」
    夫人:「そうです。私はピョリのお父さん(科学者B)に会わなかったら、あなたについて全然知らずに生きていくところでした」
    科学者A:「お前は、口を開くたびに奴の話をするのか。俺はお前がそんな女だとは思わなかったぞ。俺が騙されたのかなぁ」
    夫人:「いいえ、騙されたのは私です。あなたは今日を生きながらも、現実をあまりにも知らない人です」
    科学者A:「何、俺が現実を知らないだと。お前は他人のように生活するのがいいのか。自分で努力をして、良い生活をすれば良いんだろ。駄目なのか?」
    夫人:「国家の物を窃取しながらですか」
    科学者A:「窃取だと?」
    夫人:「研究者が自分の仕事をせず、他のことをしてお礼をもらうのが窃取じゃないの?本当に、時が経ってあなたが私に残すのは幻滅だけです。あなたはいったい何を願って生きているのですか」
    科学者A:「俺は家庭の幸福を願って生きている。名誉もあり、生活もあり、その何が悪い。お前が自慢する隣の家に何が残ったというんだ?家庭不和だけだろうが。それなのに俺にそういう生き方をやめろというのか」
    夫人:「生き方ですって。では、一つ質問しましょう。あなたの知識はあなたの両親が譲ってくれたのですか。それともあなたの金で買った物ですか。他人がご飯を食べているときにおかゆを食べるのが生き方ではなく、人が祖国を輝かして栄光の壇上に上がるとき、その人に拍手をする人と暮らす、そんな家庭が悲しくて不幸なのです」
    科学者A:「おい、それは形式だろう。生活はそうじゃない」
    夫人:「昔から、愛には報いがあり、信用には忠誠が伴わなければならないと言います。それなのにあなたは、自分を育ててくれた党の懐も分からずに生きる人になってしまったのよ。だからあなたは人が自分をどう見ようが、集団が自分をどう評価しようが関係ないというのですか」
    科学者A:「もういいから、黙れ」
    夫人:「一方で、美しい我が国の郷土を守り、我々の赤旗を守ろうと必死になっているときに、横の家に住んでいるあなたは自分だけのために必死になり、2人の妻は他の人の前でどんな顔を見せたら良いのか、あなたは考えたことがあるの。あなたはピョリのお父さんのようには生きられません。私は本当にそんな立派な夫と暮らすピョリのお母さんが羨ましくて我慢できません」
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    続いて、科学者A夫婦が幸せに暮らしていた頃の回想シーンが入る。

    深夜、仕事を終えた科学者Bが家に戻ってくる。例によって、再び研究室に戻らなければならないと夫人に話す。そしてまた演説を一つぶつ。
    科学者B:「俺はお前やピョリ(息子)には本当に罪深い限りだ。しかし、今、俺の心情が変わったと思うか。俺も子供がいる父親だし、妻がいる夫なのだから、俺がお前の気持ちを知らないはずない。しかし、今我々科学者は、発明を一つして、それが国家の富強と人民生活に役立とうがなかろうが、名誉さえ手に入れば、それでよいという式に仕事をするので、人々は科学者を信じていないのです。今、敵共がこれまでになく我々に対して経済的封鎖を悪辣に課しているときに。実際、我々科学者が自分の仕事をきちんとすれば、こんなに困難な時期は経なくてもすんだはずだ。それなのに、俺が自分の安楽だけを求めなければならないのか。俺が、人民生活に役立ち、将軍様に喜びを差し上られるような、そんな研究をしたことがあるのか。ヨンフィ(妻の名前)、幸福はどこにあるのだろうか。笑い声が聞こえるアパートの窓辺だけにあるのだろうか。そうではない。あなたが、スポットライトを浴びた舞台の上で歌を歌っているときも、国中の数多くの経済関係者たちは、胸を打たれながら、無念な気持ちでいる。彼らの無念さは、将軍様の書類として積もり、それを一つずつ開いてみれば、解決策を求め、金を求める書類なんです。その1枚1枚が、積もり積もり、将軍様の心労が増えるのに、ご苦労が多い将軍様はどれほど。俺は、将軍様に喜びを差し上げることだけが願いです。お前も将軍様に喜びを差し上げようと約束したよな。それなのにお前が、いくら美しい声で歌を歌って差し上げても、将軍様の心労が全てぬわれるだろうか。そうじゃないよな。将軍様は、人民の幸福のために夜昼なく、険しい道を歩かれ、1日に2時間もお休みになれないというのに、その懐で生まれた科学者がいるというのに、我々が将軍様にこのようにお仕えすれば良いのだろうか。俺は、それはできない。俺は、将軍様の工学者として、将軍様の心労をなんとか、少しでも減らして差し上げなければなりません。おいお前、俺はこんな生き方しかできないんだ。ありがとう」

    演説をして、再び研究所に向かう科学者B
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Bは、ついに「ニッケルを全く使用せず、その効率を2倍に高めた溶接棒」の開発に成功する。その成功を伝えるのは科学者Aの夫人(講師)で、会場には科学者Bはおらず、夫人が来ている。人々は、科学者Bの夫人に花束を与えて祝福する。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    会場の後ろの方には科学者Aが立っており、夫人の話を聞いている。お互いは見つめ合い、心の中で会話を交わす。
    科学者A:「おい、お前は俺を憎むだろう」
    夫人:「いいえ、私は信じます」
    科学者A:「ありがとう」
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    科学者Bは研究所の机で居眠りをしている。夫人は夫の周りに花束を置く。
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    Source: KCTV, 2013/11/13放送

    映画はここで終わる。最終的には「将軍様の心労を減らすために、朝鮮人民は家庭を犠牲にしてでも貢献するべきである」ということのようだ。前半部分では、科学者Bが悪者扱いされており、北朝鮮映画としては珍しい内容だと思ったのだが、実はそうではなかった。

    「朝鮮中央通信」によると、平壌では11月13日に「科学者・技術者大会」が開催された。金正恩さんは参席しなかったが、朴奉珠さんが報告をし、14日には「科学者・技術者に送る訴え文」が出された。この「訴え文」の主語は「我々」となっており、その主体は明確にされていない。この映画も「科学者・技術者大会」に合わせて放映されたものであろうが、結論的にはあまり新しいものではなかった。しかし、少なくとも「家庭と仕事」という問題が北朝鮮にも存在しており、それが「形式と現実」の間で揺れているということを垣間見ることができるおもしろい映画であった。

    「キムチ その1」:キムチの漬け方紹介 (2013年11月11日 「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」が白菜キムチの漬け方を紹介する番組を放送した。料理番組は時々放送されるし、拙ブログの過去記事でも何か紹介したはずである。今回は、日本でも馴染みのある白菜キムチの漬け方ということなので、紹介しておく。

    「キムチ 白菜の酢漬け」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「水をバケツ1杯(10リットル)、塩をお椀一杯(約1キロ)を入れます」。北朝鮮では日本語発音式英語が使われていることが確認されているが、この「バケツ」も英語のbucketを日本語式発音「バケツ」のまま用いている。
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「この塩水に半分に切った白菜を一つずつ通します」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「塩水を通した白菜を漬け物容器に入れ、塩を振りかけます。塩は、白菜を積み重ねるたびに振りかけるようにします」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「塩の量は、白菜100キロ当たり1.5キロほどです」白菜100キロとは、さすがにキムチの国だ。
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「漬け物容器の一番上に漬け物石を置きます。10~15時間後に上の白菜が下に来るように入れ替えます」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「漬ける時間は白菜の量により、18~20時間あるいは24~30時間が良いです」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「白菜の形に応じて、外の葉よりもを中の葉は軽く漬けるようにすると、キムチの味が良くなります。また、柔らかい白菜の場合、漬ける時間を短くした方が良いです」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「漬けた白菜をきれいな水で2、3回洗うのですが、白菜が水に浸かっている時間を短くするようにします。水に長時間つけておくと塩味やうまみが抜けてしまい、キムチの味を落としてしまいます」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「洗った白菜は、根っこの方が上に来るようにして、水気が落ちるようにします。この時、洗った白菜を5つ以上重ねないようにした方が良いです。それは、あまり重ねすぎると白菜が傷み、うまみだけではなく栄養分も出てしまうからです」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「また、この状態で水を落とす時間は、2時間を超えないようにします。2時間を超えるとうまみと栄養分が出てしまい、白菜が乾いて味が落ちます」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「このように準備した白菜にキムチの材料をどのように入れていくのかがとても重要です。これは次の時間にお話しします」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    続く・・・

    「大同江岸に広がる愛の海、水の宮殿-ムンス水遊び場を訪ねて-」:ムンス・ウォーターパーク紹介番組 (2013年11月10日 「朝鮮中央TV」)

    標記のような番組が「朝鮮中央TV」で放送された。以前にも「ムンス水遊び場」についての記事は書いたが、その時分からなかったいくつかの点がこの番組の中で明らかにされた。また、同水遊び場で遊ぶ朝鮮人民のインタビューもなかなか面白い。前記事に合わせ、本記事で使用する同水遊び場名は、以下「ムンス・ウォーターパーク」とする。

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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    ムンス・ウォーターパークの支配人、李・チョルナム
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    朝鮮語の「支配人」とはイメージとして「やとわれ社長」で良いと思うが、北朝鮮が提供するweb「朝鮮語大辞典」で調べたところ、下記のように記されていた。

    ①工場、企業所の全ての事業についての行政的責任を持つ職位、あるいはその職位にある者。国家から企業管理運営に関する行政的権限と責任を委任され、国家財産を管理して生産を組織・指導し、労働者の生活水準を高めるなど、企業所の全ての事業を党委員会の指導の下で組織・執行し指導する。
    ②資本主義社会で、会社の本店あるいは支店の営業上の業務一切についての責任を持ち、経営する者。一定の範囲の人事権を持つ。

    となっている。「資本主義社会」についての記述があるのはおもしろかった。

    「室内プールは9つです」と答える作業班長、金ギョンホ
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    波プール。作業班長は当初は壁があり波が岸まで上がってこなかったが、「敬愛する元帥様」の指導で壁をなくして砂浜のようなスタイルにしたと述べている。おもしろいのは、設計段階で「元帥様」が指導をしてくれなかったのか、作ってから壁を壊して砂浜スタイルに変更するという無駄なことをやっている点である。
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    ウォーター・スライド。よく見ると白い服を着た係員がおり、滑ってきた男性を滑り台から離れるよう誘導している。衝突の危険を回避するためのしかるべき誘導ではあるが、ムンス・ウォーターパークでもぬかりない。
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    「お母さん・子供プール」周囲は子供が利用できるよう浅く、内側はお母さんが利用できるように深くなっているという。ビキニのお母さんはさすがにいない(北朝鮮では、ビキニ着用は禁止されているのであろう)が、水着のデザインがカラフルになってきている。水泳帽の着用を義務づけている(多分、皆着用しているから)ところなど、レジャー施設ながらきちんとしている。
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    滝を浴びる女性。よく見ると日本でも使うようなロッカーの鍵が手首にある。
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    「僕は、ウォーターパークに来てウォーター・スライドに6回も乗ったよ。すっごく気分が良い!」と語る男性。この男性もそうだが、この番組での朝鮮人民に対するインタビューは「やらせ」ではなく、普通に話させているものが多い。
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    ウォーターパーク内の食堂などは外部の「単位(企業)」に業務委託をした形になっているようだ。ベーカリー(「パン屋」と初めに書いたがベーカリーと書き換えた。なかなかしゃれたパンも売っているからだ。下の写真参照)、ソフトドリンク店、生ビール店は、過去記事でも紹介した「ヘダンファ館」に委託したようだ。「ヘダンファ館」の支配人によると、「接待奉仕服」をよく作ったと「元帥様はとても満足された」とのことである。若干、秋葉原にたくさんいそうなお姉さんぽい感じもするのだが。

    「ヘダンファ館」の支配人
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    「ベーカリー」のパン
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    「接待奉仕員」のチーフであろうか、「奉仕服」が少し異なっている。
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    撮影場所、秋葉原ではなく平壌
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    「ヘダンファ館」の「感想録」。上がソフトドリンク、下左がパン、右がビール店、それぞれの店舗について朝鮮人民の感想が書かれている。「元帥様」に対する感謝の言葉が綴られている。
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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    続いて番組は室外プールを取材する。室外には15のプール、11のスライダーがあるというが、「寒くなったので営業はしていない」と職場長(右の男性)が答えている。ムンス・ウォーターパークは10月中旬の完成なので、今年の室外プール営業は2週間そこそこだったのであろう。そうだとしても、過去記事に書いたとおり、最高気温が15度そこそこの中、室外プールでの水泳は厳しいと思う。一方、室内は営業を続けているところからすると、暖房と温水供給がしっかりとされているということであろう。「緊張した(北朝鮮では、不足気味とはいわずに、このようにいう)」エネルギー供給がある程度緩和されてきているのか、それともここは特別扱いなのかは分からない。

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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    ところで、以前紹介したムンス・ウォーターパークの金正日石膏像の写真と下の写真を比べると何か違っているような気がする。左に設置してあったビーチパラソルが撤去されているように見えるのだが、もしかすると画面が切れていて写っていないだけなのかもしれない。「大元帥様」の横にビーチパラソルとは安っぽいなと思ったのだが、撤去したのであろうか。この石膏像については、金正恩さんの「細心の指導」がなされているので、簡単に撤去はできないはずだが、もし撤去したとするとそれを見せないようなカットを使った可能性はある。

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    Source: KCTV, 2013/11/10放送

    「祖国平和統一委員会スポークスマン、朴槿恵の反共和国対決妄言を糾弾」:ファッションと外国語使用も非難、『中央日報』のコラム (2013年11月11日 「朝鮮中央通信」)

    北朝鮮は、「朝鮮中央通信記者が提起した質問に対し、祖国平和統一委員会スポークスマンが回答した」という形で、朴槿恵さんのヨーロッパ歴訪中の北朝鮮関連発言を非難した。「核廃棄」や「人権」など毎度彼女が外国要人に協力を要請する事柄についての非難に加え、今回は大統領が「頂上会談(南北首脳会談」を臭わせたことに対しても、「頂上会談を云々するのは礼儀を守ってからだ」、「頂上会談を云々するのは偽善だ」などと非難している。外面的には南北首脳会談をやりたいといっておきながら、外国にまで行って北朝鮮の核や人権について「騒ぎ立てる」のは何事かという非難であるが、北朝鮮としては朴さんの発言を統一部長官がすぐに否定するといった不釣り合いな対応への苛立ちの表れでもあろう。

    朴さん非難は、「青瓦台の主人」というソフトな表現から、「スカートの風を吹かせて(女伊達らに)」などだんだんとエスカレートしてきているが、今回は「外国に行ってまで同族を悪辣にけなすのは、朴槿恵こそが自分の恥であるということも分からず、人まねをするのが好きなあまちゃんの田舎娘を彷彿指させる」とした上で、「特に、一日に何回も服を着替え、オウムのように覚えたその国の言葉で愛嬌を振りまくのは、恥ずかしい限りである」と彼女のファッションや英語や中国語での演説も非難している。

    では、韓国では彼女の欧州歴訪はどのように評価されているのかと、韓国メディアの記事を読んでいたら、『中央日報(日本語版)』におもしろい記事が出ていた。『中央日報』はしばしば北朝鮮から「御用メディア」の代表選手のように叩かれているし、私ももう少し慎重に書いた方が良いのではないかという北朝鮮関連記事もしばしば掲載される。しかし、ペ・ミョンボク論説委員による「【コラム】朴大統領のオールドスタイル欧州歴訪(1)(2)」というコラムは実によく書けていて、共感する部分も多い。特に、拙ブログにも書いたように、朴さんの就任式の演説を聞いたときは、私も彼女に大きな期待を掛けた。ところが、このところ何かその期待が裏切られているような気がしてならない。これは、南北関係然り、日韓関係然りである。もちろん、北朝鮮や日本に問題がないとは言い難いが、それでももう少し何とかならないのかという感がある。

    『中央日報(日本語版)』、「【コラム】朴大統領のオールドスタイル欧州歴訪(1)(2)」
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131112-00000036-cnippou-kr
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131112-00000037-cnippou-kr

    「開城高度科学技術開発区着工式開催」:開城工団外に第二の外資誘致地域建設か (2013年11月12日 「労働新聞」)

    『労働新聞』に掲載された記事はさして大きくないが、「朝鮮中央TV」の「17時報道」で放映された着工式の様子はなかなか興味深い。

    11日に開催された着工式で「着工辞を読み上げるチャン・スナム代表」
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    チャンさんは「平和経済開発グループ代表」とのことである。下は「平和経済開発グループ」の横断幕
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    着工式の様子。関係者が全員作業用ヘルメットをかぶり真っ赤な繋ぎの作業服を着ているのは異様である。北朝鮮の建設現場は、「軍人建設者」が軍服を着ていたり、暑い時期は軍服の上着を脱いで作業をしている。「軍人建設者」ではない場合は、地味な色の日常着を着て、人民帽をかぶった労働者が作業をしているのが一般的である。この、赤い服を着た集団が「平和経済開発グループの構成員」なのかどうかは分からないが、「科学技術開発区」ということで差別化をしようとしているのかもしれない。
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    チャン代表は、「朝鮮民主主義人民共和国では、各国の企業が投資できる全ての条件を保障している」と「強調した」とのことであるが、着工式には複数の外国人の姿もあり、「演説をした」とのことである。彼らが「科学技術開発区」完成後にこの地に投資するためにやって来たのか、あるいは「科学技術開発区」の造成自体に投資しているのかは明らかにされていない。しかし、北朝鮮側の企業が「平和経済開発グループ」と名乗っていることからすると、造成の時点から合資の形で開発を進めているのかもしれない。

    中国人とみられる外国人
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    南アジア系とみられる外国人
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    その他の外国人参席者
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    「着工式終了後、工事が始まった」とのことであるが、比較的新しく、質の良さそうな重機が投入されているので、これらもこの建設のために中国から持ち込まれたものかもしれない。
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    Source: KCTV, 2013/11/12放送

    『労働新聞』、「개성고도과학기술개발구 착공식 진행」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-12-0025&chAction=S

    <追記>
    「朝鮮中央通信」が13日「開城行動科学技術開発区建設に着手した平和経済開発グループ」という記事で、「平和経済開発グループ」について紹介している。

    記事によると、同グループは「中国・香港、シンガポール、オーストラリア、中近東、アフリカの企業の経済協力体である」としている。上の記事で紹介した中国人はシンガポール人か香港人、そして坊主頭の人は中近東系の人なのかもしれない。おもしろいのは、中国企業が加わっていないことである。同報道の記事では「中国」と「香港」の間にカンマはなく、中国本土ではなく香港企業であることが分かる。

    また「開城高度科学技術開発区には、情報技術開発センターとホテル、住宅、学校などが建設され、独立した発電所が建設され、この地区に対する電力需要を充足させる」としている。マレーシアに「Cyaberjaya」という情報産業を集積させた人工都市があるが、イメージとしてはこれを目指しているのであろう。マレーシア企業の参入はなく、代わりにシンガポール企業が参入している点も気になるが、北朝鮮のインフラ整備でネックとなる電力を独自の発電所から供給するなど、本格的な国際共同事業の展開を考えているのかもしれない。

    CYBERJAYA HP, http://www.cyberjaya-msc.com/index.asp

    韓国との話し合いで、開城工団を国際化しようということになっていたが、その後、韓国との関係が再び悪化したので、韓国に対するバーゲンチップとして独自の国際展開を図っているのかもしれない。上に中国企業の参入がないと書いたが、開城に対する韓国の影響力低下を避けるために、韓国が中国に対して同国企業を同開発区事業に参入させないよう要請した結果という可能性も排除できない。

    ただ、開城という場所を選定したことからしても、北朝鮮は将来的には開城工団との統合を考えているはずである。問題は、労働党がこの事業にどれほどオープンにコミットするのかということである。朴奉珠首相の現地視察はあるのか、そして金正恩さんがこの事業について何か言及するのかなどが注目される。

    同記事では「グループの総経理(社長)ホ・テクシュン(夏德祥)」としているので、サングラスを掛けて演説をしている中国系男性であろう。彼は「我々は開城高度科学技術開発区の開発単位(企業)である」としているので、開発事業を外国人が社長を務めるグループに丸投げしたということで、これも注目される。ただ、同記事の中で北朝鮮人と思われる「張秀男」を「グループ代表」としており、「総経理(社長)」と「代表」が上下関係も含め、どのような関係にあるのかは今一つ明確ではない。

    夏德祥総経理は着工式の演説で、「開城高度科学技術区建設は、地域の信頼と経済発展、安全を図ることで、人民の生活を改善する」と述べたと同通信は伝えているが、「信頼」という言葉を使っているところなど、やはり相当に韓国を意識しているのではないだろうか。

    <追記終わり>

    「朝日体育大学チーム間のサッカー競技開催」 (2013年11月8日 「朝鮮中央通信」)

    猪木議員は帰国したが、松浪理事長以下、日体大関係者はまだ平壌に滞在している。「朝鮮中央通信」は8日、朝鮮体育大対日体大の男女それぞれのサッカー試合の様子を動画付きで配信した。「朝鮮中央TV」の「20時報道」でも、このサッカー試合に関する動画映像付きの報道があった。試合結果は、男子は3対1で朝鮮体育大チームの勝ち、女子は0対0の引き分けであった。

    サッカーを観戦する松浪理事長、李ジョンム体育相など
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    Source: KCNA

    朝鮮体大チームの2点目が決まった瞬間
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    Source: KCNA

    フリーキックで日体大が1点目を得た瞬間
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    Source: KCNA

    なお、女子バスケットボールの試合は、7日夜にダイジェスト版が「朝鮮中央TV」で放送され、その再放送が今日(8日)の夕方にも放送されていた。

    何回も書いているとおり、私にスポーツ評論をする能力はないが、ダイジェスト版を眺めていた限りでは、日体大チーム(女子)は試合の波に乗るまではフリースローの機会も逃していたようだ。しかし、波に乗ってからはフリースローも確実に決めていたが、残念ながら64対51で朝鮮体大チームに敗れた。

    後半部分でフリースローを決めた日体大チーム
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    Source: KCTV, 2013/11/07放送

    試合の解説は、北朝鮮チームがミスをすると「残念」というようなことは言うものの、日体大をけなすなどということは一切ない実に客観的なものであった。また観衆も日体大大チームが得点したときには、拍手を送っていた。さらに、この試合の様子を見ていて驚いたのは、選手交代などのアナウンスが朝鮮語と日本語で行われていたことである。これまでの日朝親善試合でどのようにしていたのかはきちんと確認していないが、張成沢さんの日本語での挨拶もそうであったように、少し驚かされた。同様に、上で紹介したサッカーの試合でも朝鮮語と日本語によるアナウンスがされていた。

    「朝鮮中央通信」が7日に配信した「平壌を2回目に訪問した日本体育大学代表団」の動画の中で松浪理事長は、「落ち着いた静かな町で、素晴らしい空気で、人々が親切で、感激しております。」、「スポーツ交流で、若い学生たち、生徒たちが友好関係を構築して、相互の理解を深めることができれば、ありがたいと思っております」と述べている。
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    Source: KCNA

    また、日体大の学生は平壌訪問の感想を求められ「凄い道が広かったり高いビルがあったり、凄い都会だなという印象を受けました」と述べ、朝鮮側の選手に対する印象は「シュートが入ったり、それからのドライブだったりが、抑えるのが大変でした。高さもあったので、そのブロックに対して工夫するということが日本ではないものだったので、良い経験になりました」と答えている。
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    Source: KCNA

    松浪理事長の後半の発言は、実にその通りだと思う。また、日体大バスケ部学生が言っていることもスポーツを学ぶ学生らしい。やはり、国家レベルで色々な摩擦があったとしても人レベル、特に若い人々がスポーツなどを通じて交流していく必要はあると思う。日朝関係に大きな転換がそうすぐに訪れるとも思わないが、バスケの試合をやっている日朝の若い学生たちがそれぞれの国の社会の中心を担う頃までには、大きな変化が起こっているかもしれない。そうではないにしても、彼らが社会に中枢を担うとき、若い頃にバスケットボールの試合をした時の思い出は必ずや双方の国にとって良い方向に作用するはずである。

    松浪理事長も力を入れているようなので、日朝スポーツ学生交流は、是非とも続けていって欲しいものである。

    「日本体育大学代表団到着」:猪木議員ら平壌観覧、張成沢と会談、日朝大学生バスケットボール試合 (2013年11月5日、6日 「朝鮮中央通信」、「朝鮮中央TV」)

    猪木議員一行の後を追い、日体大一行が平壌に到着したと「朝鮮中央通信」が11月5日、動画と共に報じた。

    平壌空港に到着した松浪健四郎日体大理事長らを出迎えた猪木議員
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    Source: KCNA

    記念撮影をする日体大学生ら
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    Source: KCNA

    松浪理事長他、日体大関係者と学生が金日成・金正日銅像に献花・挨拶。なお、猪木議員については銅像への献花等は報じられていない。参議院議員という身分を考慮し、辞退したのであろうか。
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    Source: KCNA

    以下、6日の「朝鮮中央TV」放送より。

    祖国解放戦争戦勝記念館を訪問した松浪理事長一行
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    Source: KCTV, 2013/11/6放送

    金日成総合大学教員住宅を訪問した猪木議員と松浪理事長一行
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    Source: KCTV, 2013/11/6放送

    また、ミリン乗馬クラブも一行は訪問した
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    Source: KCTV, 2013/11/6放送

    以上は「20時報道」からであるが、以下は「今日の報道中から」というその日最後の報道番組からである。

    同報道番組では、6日、猪木議員一行と松浪理事長一行が張成沢国家体育指導委員会委員長、李ジョンム体育相、金ソンナム朝鮮労働党中央委員会副部長、マ・チョウス朝日友好親善協会書記長、シン・ドンギュ朝鮮体育大学学長などが会談した。張成沢さんが出てきたのは、前回の訪朝時と同様である。

    <追記>
    7日朝、「朝鮮中央通信」を見たら、猪木議員らと張成沢委員長会談の模様を伝える動画が配信されていた。

    握手をする猪木議員と張成沢委員長
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    Source: KCNA

    「他の部門の事業も・・・その・・指導・・」と意味深長なことを朝鮮語で語る張成沢。彼の肉声を以前聞いたことがあるのか記憶がないが、低い声でぼそぼそ話しているように聞こえる。演説を崔龍海にやらせるのはそのためか。
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    Source: KCNA

    また、張成沢さんは訪問団関係者に「こんにちは」とか「はじめまして」とか日本語で挨拶をしている。下の写真では、「はじめまして」と言っている。彼は1946年生まれといわれているので、日本植民地統治下での日本語教育は受けていないはずである。学校に行く年齢に達する頃には、完全に朝鮮語教育が行われていたはずなので、日本語は後から学んだのであろう。この部分からだけでは、挨拶言葉をいくつか覚えただけなのか、ある程度日本語が話せるのかは分からないが、公式な場所で北朝鮮の要人が日本語を話すのは初めて聞いた。
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    Source: KCNA

    通訳が「・・・もっと頑張らなければいけない・・・」と日本語で話している。
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    Source: KCNA

    通訳が「我が国訪問団を組織して来られたことについて感謝申し上げます」と日本語で言っている。
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    Source: KCNA

    <追記終わり>

    猪木議員、松浪理事長、張成沢委員長らは、その後、平壌体育館で開催された日朝大学生バスケットボール試合を観戦した。
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    Source: KCTV, 2013/11/6放送

    男女それぞれ試合があったが、両試合とも朝鮮体育大チームが勝った。
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    Source: KCTV, 2013/11/6放送

    金正恩さんとのバスケット試合観戦はなかったが、帰国前に出てくるのだろうか。

    <追記2>
    7日付けの「朝鮮中央通信」報道によると、猪木議員は7日、帰国したとのことである。結局、金正恩さんには会わずじまいであった。

    「朝日友好親善協会と日本の特定非営利活動法人体育平和交流協会間の平壌代理事務所開設に関する合意書調印」:猪木訪朝に関するテレビ報道、新設病院訪問 (2013年11月4日、5日 「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」が11月4日、「20時報道」でアントニオ猪木議員の訪朝中の活動の一つを伝えた。報道では、猪木議員と北朝鮮のマ・チョルス朝日友好親善協議会書記長が猪木議員が会長を務める体育平和交流協会の平壌代理事務所開設に関する調印書に署名、交換する様子を伝えている。

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    Source: KCTV,2013/11/4放送

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    Source: KCTV,2013/11/4放送

    同事務所開設については「朝日両国人民間の友好的雰囲気を造成していくことを目的とした日本体育平和綱領協会平壌代理事務所は、両国間に体育をはじめとした様々な分野での交流と協力を実現するための相互関係および代理業務活動を行う」としている。

    『労働新聞』、「조일우호친선협회와 일본의 특정비영리활동법인 체육평화교류협회사이의 평양대리사무소개설에 관한 합의서 조인」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-05-0030&chAction=T

    11月5日、ユギョン口腔病院を参観、この病院は金正恩さんの指導の下、10月10日の建国記念日に際して建設された。
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    Source: KCTV, 2013/11/5放送

    また、同様に建設されたオリュン児童病院も参観
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    Source: KCTV, 2013/11/5放送

    猪木議員のHPを見ると平壌からfacebookに投稿しているので、北朝鮮でのインターネットアクセスは許可されているようだ。もしかすると、過去記事に書いた「外国人専用のSIMカード」を使い自分の端末から投稿しているのかもしれない。

    猪木議員HP、http://www.antonio-inoki.jp/

    今回の訪朝でこれまで猪木議員と会った最高位者は、北朝鮮の報道によれば「朝日友好親善協会顧問、金ヨンイル朝鮮労働党中央委員会秘書」ということになる。前回の訪朝と比べると、格の低い人々しか出ていないが、今後誰が出てくるのか注目される。

    「南朝鮮当局は人間の屑共にやらせている反共和国謀略盲動を直ちに中止しなければならない-在中朝鮮人総連合会声明-」:偽ウリミンゾクキリ、北朝鮮の目論見、武大偉訪朝と中国の目論見 (2013年11月4日 「朝鮮中央通信」)

    表題のような記事を「朝鮮中央通信」が配信した。記事は「最近、南朝鮮で保守当局の指図と支援の下、一部の脱北出身の人間の屑共が北の『ウリミンゾクキリ(uriminzokkiri)』インターネットを模倣したサイトを開設し、共和国を悪辣に誹謗する酷い内容のものを掲示するだけではなく、それを通して『新たな指導者推戴署名運動』というものまで行っており、民族を激憤させている」と始まり、「(南朝鮮当局は)北のインターネットを模倣した反統一的な同族対決サイトを即時閉鎖させるなど、実践的措置を取らなければならない」と結んでいる。ただし、北朝鮮が直接非難をするのではなく、「在中朝鮮人総連合会声明」という形を取り、在中国の朝鮮人が怒っていることにしている。

    <追記>
    なぜ「在中朝鮮人総連合会」にものを言わせたのかと考えてみたのだが、開城工団正常操業への影響に配慮したのではないだろうか。開城工団を巡る南北対立の背景の一つとして「尊厳冒涜」問題がある。下記のサイトに接続してみれば分かるが、その「尊厳冒涜」の度合いはかなり高い。これに対して北朝鮮政府が直接非難をすると、「尊厳冒涜」問題として取り上げざるを得なくなり、大きな問題に発展しかねない。もちろん、「総連合会声明」を借りて「即時閉鎖」を要求しているが、韓国側がこれに応じて閉鎖する可能性ははい。開城工団問題の際の「尊厳冒涜」は、韓国メディアの報道内容にも重点が置かれていたが、これとて韓国政府がコントロールできるものではないということを彼らは承知しているはずである。したがって、どうしようもないことに触れるということは「対決モード」に入るシグナルであるが、今回はそこまで事を荒立てたくないということなのであろう。

    中国の朝鮮半島問題特別代表の武大偉さんが4日平壌に到着したと「朝鮮中央通信」が同日夜報じている。武大偉さんは10月28日に訪米しグリーン・デービス北朝鮮担当特別代表と会談している。米国務省定例記者会見でもその時に何が話し合われたのかという質問が出されているが、国務省は「我々の北朝鮮に対する態度は一貫している。ボールは北朝鮮側のコートにある」という基本的立場表明を繰り返しているだけである。

    しかし、武大偉さんは北朝鮮側のコートにあるボールを何とかしようと、米国のメッセージと中国の考えを伝えに北朝鮮を訪問した可能性は大いにある。もちろん、彼の役割ではないにせよ金正恩訪中と掛け合わせているはずである。中国側の論理としては、金正恩訪中を実現するためには「核問題についての俺たちの対面も少しは考えよ」と北朝鮮に要求するはずだ。

    また、天安門「テロ」事件も中国を朝鮮半島核問題で活発に動かす要因となりえる。というのは、新疆の民族問題が国際的にクローズアップされる前に、朝鮮半島核問題前面に押し出し、それを中国がリードする形になれば、自ずと新疆問題への国際的注目度は下がる。国際的注目度が下がれば、後は国内の治安に集中すれば良い。天安門「テロ」事件は偶発的事件なので、武大偉さんの動きが元々それとリンクしていたわけではないが、今後、このような可能性も十分に考えられる。

    <追記終わり>

    このようなサイトが存在することすら知らなかったのだが、検索してみたらあった。北朝鮮のuriminzokkiriを模倣したというよりも、パロディー化したサイトであり、金正恩さんを中心に北朝鮮の指導者を「誹謗」する内容で溢れている。また、urlも北朝鮮サイトと一文字しか違わないという念の入れようである。

    北朝鮮のオリジナルサイト:http://www.uriminzokkiri.com/
    韓国のパロディーサイト:http://www.uriminzokiri.com/

    くまなく調べてはいないが、パロディー動画の投稿は2012年の5月には既になされているので、もしかすると1年以上前から存在するのかもしれないが、動画はyoutubeに投稿されたものなので、それらを探してきてリンクさせているだけなのかもしれない。

    例えばこれ。オリジナル報道は北朝鮮の「最高司令部(あるいは、国防委員会)声明」であるが、一部の声を吹き替え「李明博特別作戦行動小組が金正恩ネズミ一味と逆賊一味を攻撃し、朝鮮民主主義人民共和国を焦土化すると通告する」という内容になっている。

    http://www.uriminzokiri.com/bbs/board.php?bo_table=s_board02&wr_id=78

    検索エンジンの対応状況は、yahoo japanでは検索語「uriminzokkiri」でも「uriminzokiri」でも北朝鮮のオリジナルサイトがトップに来る。カタカナの「ウリミンゾクキリ」でも同様で、朝鮮語で「우리민족끼리」とするとトップはオリジナルサイトではあるが、下の方に「韓国版」が出てくる状況である。

    「日本の国会参議院議員一行到着」 (2013年11月3日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」がタイトルのような短い記事を動画付きで配信した。動画には、数人の北朝鮮関係者が空港に出迎えに来た様子が映っているが、誰が出迎えたという記述は記事にない。しかし、2012年11月12日付けの「朝鮮中央通信」報道「猪木寛二一行と日本体育大学代表団到着」の動画と比べると、同じ人間が出迎えているようだ。同記事にも朝鮮側の誰が出迎えたは記されていないが、動画の音声からは「朝鮮体育大学副学長、(日朝)親善協会の書記長」などが出迎えに来ていたことが分かる。

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    Source: KCNA

    日本側は猪木議員を含めて3名だけが写真に写っている。

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    Source: KCNA

    猪木さんの参議院議員の身分ではない時の訪問では「猪木・ゲノム・フェデレーション(連合)株式会社会長」と紹介していたが、今回は「参議院議員」としている。

    「会社会長」として訪朝した際は、張成沢などと会談しているが、今回は誰と会談するのであろうか。モンゴル大統領が訪朝しても顔を出さなかった金正恩との会談は実現するのであろうか。北朝鮮側が「参議院議員アントニオ猪木」をどのように評価するのか(北朝鮮にとっては、「利用する」と言った方が適切かもしれないが)というのは、北朝鮮が日朝関係についてどのように考えているのかを示す一つの指標となることは間違いない。

    2012年11月の猪木訪朝についての拙ブログ記事、http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-372.html

    猪木議員が「国会の許可を得ず訪朝」したという手続き上の問題はあるにせよ、北朝鮮との有効なパイプがある数少ない国会議員の1人なのだから、彼の訪朝が日朝間の懸案解決に繋がることに期待したい。

    今思えば、過去記事で紹介した「北朝鮮版の力道山ストーリー」は、猪木さんの訪朝を前提としたものであったのかもしれない。

    「<科学映画>3世代移動通信」:2010年頃の北朝鮮携帯電話事情 (2013年11月1日 「朝鮮中央TV」)

    昨日は一日中、ストリーム配信サーバがストップしており「朝鮮中央TV」の生放送を見ることができなかった。韓国の統合進歩党事件と関連し、とうとう当局が配信サーバを摘発したのかと心配していたが、今朝、9時頃からまたストリーム配信が始まったのでほっとした。2011年12月13日付けの『東亜日報』記事「北朝鮮放送をソウルでリアルタイム視聴?」によると「政府の当局者は『北朝鮮放送を大韓民国個人が視聴するのは自由であるが、これを再び創出する行為には国家保安法違法である余地がある』と語った。公安当局も今年、上半期におけるサイトの利敵性の有無を検討したが、結論を留保し、動きを鋭意注視しているものと伝えられた」とのことなので、統合進歩党事件後も一応このスタンスは維持しているようだ。

    『東亜日報』、「北朝鮮放送をソウルでリアルタイム視聴?」、http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2011121362798

    それで「朝鮮中央TV」を見ながら雑事をこなしていたら、おもしろい番組が放送された。北朝鮮の携帯電話事情を「科学的」に紹介する2010年に制作された番組であるが、その解説や映像がおもしろいので紹介しておく。3年前の番組なので再放送であろうが、韓国・統一部北韓情報センターに今日の番組表がまだ掲載されていないので、いつの再放送なのかは分からない。

    番組は、金正日の次のような言葉の紹介から始まる。「逓信部門では、通信の現代化を推進することに優先的に力を入れなければなりません。 金正日」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「3世代移動通信」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「通信を現代化することにおける世界的な趨勢は、急速に発展する情報技術に基づき、場所と時間の制約を受けずにどこでもできる移動通信を発展させることです」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    番組では、移動通信の発展の推移について、1970年代の「1世代移動通信」(「周波数分割方式」のアナログ移動通信)、1980年代末の「2世代移動通信」(周波数分割・時間分割方式」のデジタル移動通信)、2000年代開発された「3世代移動通信」(「符号分割方式」)

    「平壌」と書かれた携帯電話。ノキアかエリクソンのモデルに似ている(よくあるスタイルではあるが)。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「3世代移動通信では、1秒当たり3千84メガビットの速度で高速資料転送を提供します」、また「通路の帯域も5メガヘルツに広まり、様々な動画資料を高い画質で電送する映像通信も実現できるようになりました」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「3世代移動通信では、携帯電話の端末機能が非常に高いので、写真や動画を撮影して電送することができます」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    続けて番組では、移動通信システムについて解説をする。基地局を紹介する部分では「基地局には、加入者がネットワークに登録されているのかを確認する認証局と、携帯電話がネットワークに登録された設備かどうかを確認する設備識別登録機があります」と説明している。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「また、加入者の位置を登録しておく加入者位置登録機があります。そして、加入者が移動した場合、臨時で位置を登録しておく訪問者位置登録機があります。このように、移動通信交換局は全ての加入者の位置を常に掌握しているので、電話を掛けると即時その位置を認識し該当基地局に指令を与え加入者との通信を保障します」と続けている。移動通信システムについての技術的説明なのであろうが、取りようによっては「誰がどこから掛けているか全部分かるのだから、不純な目的に使えばすぐに見つかるぞ」と言っているようにも聞こえる。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「移動通信では、自動車に乗って移動するときの通信も円滑に保障します」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    携帯電話の販売所のようだ。番組ではこの場所について言及しない。販売員はSIMカードを挿入、バッテリーを入れて顧客に携帯電話を渡している。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    携帯電話とSIMカード
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「SIMカードには加入者番号と暗号(パスワード)が記録されています。ですから、SIMカードを加入者識別カードと呼んでいます」。千里馬のような馬が描かれている。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「3世代移動通信は、様々な便利な機能を提供します。固定電話の番号を携帯電話に転送することもできます」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「移動通信では、会議電話をすることもできます。移動会議をする場合、呼び出し者が参加者に順番に電話を掛け、待機状態にした後で会議をします」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「携帯電話では音声郵便奉仕(留守電録音サービス)を受けることもできます。携帯電話の電源が切られた状態で電話をすると、音声郵便奉仕機に音声を登録しておき、音声電話サービスを受けることができます」

    「国際通信局に行って、文献を受け取ってきました」とメッセージを録音する女性。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    会議中携帯の電源を切っておき、会議後にオフィスに戻り電源を入れて留守電メッセージを聞く男性。会議中に携帯の電源を切るというマナーが何気なく映っていたのが興味深かった。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「携帯電話では、短い文章の通報文サービス(SMS)も受けることができます。通報文の長さは朝鮮語の場合、76文字までです」文は「教授先生、誕生日おめでとうございます」。師を敬ういかにも北朝鮮らしい「通報文」である。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    誕生日メッセージを受け取り喜ぶ「教授先生」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「移動通信について質問があれば、呼び出しセンターに電話を掛けてサービスを受けることができます。999をダイアルした後で0を押すと奉仕員(オペレーター)が出ます」

    「呼び出しセンター奉仕員です。どうぞお話し下さい」と話す「奉仕員」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「呼び出しセンターには多くの奉仕員が配置されており、いつ電話をしても親切に対応できるようになっています」と説明しているが・・・・
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「携帯電話では、コンピュータ網(インターネット)通したサービスを受けることができます。携帯電話でコンピュータ網につなげれば、移動通信交換局でコンピュータ網に接続し、そこにある情報資料の電送を受けることができます。」
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「我が国では、敬愛する将軍様が強盛大国の姿に合うように通信を現代化することについて下さったお言葉を受け、最も高い水準の移動通信を全国的に実現しました。」写真は、移動通信局アンテナの設置風景
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    「我々人民が便利に利用できるよう、様々な機能のプログラムも開発しました」とナレーションは言っている。PC画面には「ケオキーホン合作会社加入者管理」と書かれているように見える。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    番組では鉄道沿線や高速道路沿いに基地局があるので、「旅行者の通話を円滑に保障できるようになりました」と説明している。写真は高速道路沿いの基地局
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    核施設のような印が付いているが、移動通信がカバーするエリアを示した地図であろう。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送

    この「科学映画」が制作されてから3年が経過しているので、北朝鮮の「移動通信も飛躍的に」進歩したのかもしれない。番組では191から始まる番号を繰り返し見せているので、北朝鮮の携帯認識番号は191なのだろう。
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    Source: KCTV, 2013/11/1放送
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

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