「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民戦略軍の戦術ロケット発射訓練を指導された」:日本海に発射された短距離ロケット、日本への揺さぶり、日朝交渉、安倍政権の外交能力 (2014年6月30日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信が」30日、金正恩が「朝鮮人民軍戦略軍の戦術ロケット発射訓練を指導した」と報じた。同行したのは人民軍総政治局長の黄炳瑞他、人民軍戦略軍司令官・戦略軍上将金ラクキョムなどである。

    「訓練は、敵の個別目標と集団目標殲滅のための精密誘導及び散布射撃の方法で行われた」としており、数日前の精密誘導弾射撃訓練に関連する訓練のようだ。

    発射に際しては「発射の全過程を科学的に計算し、飛行軌道と目標水域に関する安全検閲捜索を徹底的に行った」ので「国際航海秩序と生態環境に小さな影響も与えない」としている。

    そして、訓練の結果「主体的なロケット射撃方法が完成した」としている。金正恩は「我が共和国に対する病的な拒否感と体質的な敵対視政策を追求する米帝とその追従集団の盲動を抑制」するとし、「ロケット射撃方法の完成」が強力な「抑止力」であるという自信を示している。

    北朝鮮は、これまでも日本海に向けて短距離ミサイル発射を行ってきたが、「通常の訓練」というだけで、少なくとも金正恩時代に入ってからは最高指導者の「指導」があったとは伝えていない。しかし今回、金正恩がこの短距離ミサイル発射訓練を直接指導したことを伝えているのは、やはり日朝会談を翌日に控えた日本に対する揺さぶりであろう。

    恐らく北朝鮮は、29日早朝(5時頃)短距離ミサイル発射をしておき、日本の出方を見ていたのであろう。2012年の「銀河3-2号」ロケット発射は別の意味合いを持つものであるが、状況としては「弾道ミサイル技術」を用いた「発射」を日朝会談直前に行ったという点では変わりない。2012年には、「銀河3-2号」発射通告を受け、日朝会談は流れてしまった。しかし、今回、日本政府は北朝鮮の短距離ミサイル発射を非難しつつも、日朝会談は予定通り行うと発表している。国連安保理決議の枠組みで行けば、2012年の「銀河3-2号」ロケット発射も今回の「戦術ロケット」発射も「弾道ミサイル技術」を使っているので同じ扱いであるが、考えようによっては、今回の方が挑発的である。というのは、前回はあくまでも「衛星発射」であると北朝鮮は主張しており、軍事訓練の扱いはされていない。しかし、今回は「戦略ロケット軍」の訓練とはっきりいっており、その目的を「米国とその追従集団に対する抑止力」としているので、北朝鮮のミサイル防衛に歴代政権の中でももっとも強力に取り組んでいる安倍政権は「追従集団」の筆頭である日本もその対象に含まれている。

    これだけ強く日本を挑発しておき、それでも日朝会談をやるのかというのを北朝鮮は見極めたかったのであろう。この「見極め」を「本気度」と解するのか、あるいは「瀬戸際戦術」と解するのかは難しい。ある意味、今回の短距離ミサイル発射で、日朝会談の困難さのハードルは1段高まった。日本は、国際社会、特に米国(と韓国)との協調を維持しなければならず、その系で北朝鮮には短距離ミサイル発射について相当強く抗議する必要がある。一方で、拉致問題解決という人道問題を抱えており、拉致問題解決と国際協調のバランスをどのように維持していくのかがポイントとなる。

    「日朝合意文書」が発表されたときは、「こんなに順調にいくのか」と驚いたが、やはり北朝鮮、一筋縄には行かない国である。ただ、日本政府が今回の短距離ミサイル発射で日朝会談を中止しなかったのは賢明な判断だと思う。今後の成り行きは予断を許さないにしても、中止してしまえば全てが振り出しに戻るだけである。背景には、安倍政権の「拉致問題解決への強い意志」と経済政策がさしあたり上手くいき高い支持率を維持しているという自信があるはずだが、国際社会は「拉致問題」以上に、金正恩政権がどのような外交を展開するのかというところで注目しているであろう。

    日本にとって「拉致問題解決」が最重要であることは間違いないにしても、広い視点から北朝鮮と交渉を進めていって欲しいものである。安倍政権がこれまでやってきた米国、アフリカ、アジアでの「スマイル外交」はイージーな部類である。北朝鮮との交渉で、安倍政権の外交能力の優劣が判断されよう。

    <追記>
    6月30日、「朝鮮中央TV」が「朝鮮人民軍戦略軍ロケット発射訓練」の様子を静止画で報じた。

    「弾道ロケット」発射の様子
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    Source: KCTV, 2014/06/30放送

    上昇していく「弾道ロケット」
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    Source: KCTV, 2014/06/30放送

    打ち上げられた「弾道ロケット」を眺める金正恩。どうやら発射場からかなり離れた高台から、発射の様子を眺めているようである。ピンポイントの発射地点や発射台、運搬車両などを公開したくないのであろう。また、発射は朝5時頃と発表されているが、写真からも早朝であることが分かる。このところ、北朝鮮も高温状態が続いており、7月2日の平壌の最高気温は30度と予想されていた。そういうこともあってか、「元帥様」はニューファッションの白い半袖シャツを愛用している。昨年、暑い日は黒い人民服の前のボタンを外し、下着らしきシャツを見せて歩いていたが、この半袖白シャツの方がカッコイイ。っそれにしても「弾道ロケット」発射というよりも、花火を見ているようなのんびりした雰囲気だ。
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    Source: KCTV, 2014/06/30放送

    6月30日の米国務省定例記者会見では、「飛翔体」という表現を使っており、「弾道ミサイル」だという断定はしていなかった。

    Department of State, Daily Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2014/06/228570.htm#DPRK

    ロシアの楽団がジャズ! (2014年6月28日 「朝鮮中央TV」)

    BGM代わりに「朝鮮中央TV」で放送中の「ロシア連邦国防省中央軍楽団」公演を聞いていたら、米国のビッグバンドジャズみたいな曲を演奏していた。

    ジャズは資本主義の堕落した音楽の典型のはず、よいのだろうか。
    それとも、演奏した曲のジャンルはジャズではないのか。

    私の音楽知識では分からないのだが。

    「砲声なき戦区1」:紹介は取りあえず断念 (2014年6月25日 「朝鮮中央TV」)

    『砲声なき戦区』(『砲声のない戦区』から改め)については、過去記事やコメントで紹介したが、本記事ではキャプチャ画像を使ってもう少し詳しく紹介していく。

    まず、オープニングであるが、これまでの北朝鮮映画と違うのは、オープニングクレジットで「創作団」をカッコヨク紹介している点である。

    しかも、単に文字を出すだけではなく、下の写真のようにアニメーションを使っている。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    「ヌンポラ(雪嵐)創作団」、この時のBGMは『ターミネーター』のオープニングのBGMと似ている。続けて、「第1部」というキャプションが入るが、そこのBGMは『暴れん坊将軍』に使われていた挿入曲に似ている。コピーというよりも、外国の作品を色々と事前に研究したのであろう。「モランボン楽団」でも、最初の公演で外国曲をたくさん扱い世の中を驚かせたが、今度は映画の世界で「第二のモランボン楽団」のようなものを創造しようとしているのかもしれない。「元帥様」もなかなかやる。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    映画は、日本の敗戦により朝鮮が解放された頃から始まる。「1945年8月15日。抗日の伝説名英雄であられる英明な金日成将軍様が組織・領導された抗日大戦は、東方盟主を夢見た日本帝国主義を打ち破り、朝鮮に解放をもたらした」
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    「しかし、全民族が渇望した平和は、未だに遠いところにあった」と1945年8月20日マニラに着陸する米軍機。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    ここまでは白黒の当時の記録映画を使っているのだが、次に今回撮影したフィルムとの絶妙なトランジションを行う。そして、だんだんと白黒からカラーに変化させていくのだが、ここで原作者などのクレジットを入れるというやり方も「朝鮮芸術映画」ではあまり見られなかった手法である。「テレビジョン連続劇」などでは使われていたような記憶がある。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    マニラ(フィリピン)の米軍基地という設定であるが、なかなか上手く様子を表現している。特に、背景の処理をしたのかそうしたアングルで撮影したのかは分からないが、広々とした様子がよく表現されている。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    「米極東軍司令部情報局(G-2)局長、ウィロビー」、G2もチャールズ・ウィロビーもノン・フィクションである。第3部まで見た限りでは、ウィロビーが「敵」の頭目という設定である。ウィロビーはマッカーサーの配下で「日本帝国主義再生を背後で操作した」と説明している。映画での階級は少将。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    G2、チャールズ・ウィロビーの事実関係にについては、以下。
    国立国会図書館リサーチナビ、The Intelligence Series G2, USAFFE-SWPA-AFPAC-FEC-SCAP、https://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/ISG-1.php

    「日本軍参謀本部次長カワベ」(左)、「前日本関東軍参謀長、大将カサハラ」(右)。カサハラが「前」を付けているのは、カワベが「前」を付けずに自己紹介をし、ウィロビーに叱られたからだ。二人とも「連合軍が探している一級戦犯」という。「朝鮮征服作戦の関連文献を我々に渡せ」とウィロビーは2人に命じる。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    「1945年8月25日、(中国黒竜江省)牡丹江岸、日本軍捕虜の移送埠頭」
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    ここで主人公の「スミコ」が初めて登場する。スミコは捕虜の隊列を離脱し、ソ連軍のジープを奪って逃走する。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    場所は明らかにされていないが、旧満州のどこかであろう。日本人が「盗賊だか国民党か分からない奴ら」に略奪されている。着物を着た女性の帯など非常に効果的に使っている(当時、満州にいた日本女性が一般的に和服を着ていたのかは別として)。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    スミコは、列車を乗り継いで「夫」のスギモトを探しにやってくる。しかし、実はこの男性は「夫のスギモト」ではない。
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    Source: KCTV, 2014/06/25放送

    と、ここまで書いたのだが、この映画はこれまで紹介してきた北朝鮮映画と異なり、どんでん返しや過去と現在を何回も行き来するので、とても紹介し切れそうにない。

    一度ここで断念することにする。

    「錦繍山太陽宮殿の樹木園に飛来した南方の鳥が繁殖」:「20時報道」では珍しいニュース、「超」自然現象ではなく自然現象 (2014年6月27日 「朝鮮中央TV」)

    27日「朝鮮中央TV」の「20時報道」を見ていたら、珍しいニュースを伝えていた。「錦繍山太陽宮殿に鳥が来た」という話だったので、例によって「超自然現象」の話かとも思ったのだが、このタイミングで「超自然現象」が起こる理由はないし(あっても朝鮮戦争ぐらい)、何のことかと思って見ていた。

    「錦繍山太陽宮殿の樹木園」に飛来した南方の鳥
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    Source: KCTV, 2014/06/27放送

    「国家科学院動物学研究所の観察によると、南方に生息するチュウサギとゴイサギ」だという。(左がチュウサギ、右がゴイサギ)
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    Source: KCTV, 2014/06/27放送

    これらの鳥が「錦繍山太陽宮殿の樹木園」で繁殖し、1600わ以上になったという。下はチュウサギであるが、「世界的に生息数が減少しており、積極的に保護されている」と説明している。
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    Source: KCTV, 2014/06/27放送

    ゴイサギ
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    Source: KCTV, 2014/06/27放送

    科学番組ならまだしも、「20時報道」ではあまり聞かない「自然」報道がおもしろかった。

    「開城工業地区北南共同委員会第5回会議開催」:朴槿恵攻撃はどこ吹く風、南北への共同利益 (2014年6月27日 「労働新聞」)

    昨夜「朝鮮中央TV」の「20時報道」を見ていたら、開城工業団地「北南共同委員会第5回会議」が開催されたという短い報道があった。『労働新聞』にも同文の報道がなされている。

    *********
    開城工業地区北南共同委員会第5回会議が現地で開催された。

    会議は、全体会議と団長接触の形で開催された。

    我々の側は、会議で開城工業地区を正常化することについて優先的に解決しなければならない原則的で重要な問題についての立場を表明し、一連の問題で合意した

    双方は、今後、協議を継続することとした。
    *********
    『労働新聞』、「개성공업지구 북남공동위원회 제5차회의 진행」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-06-27-0016&chAction=S

    これだけの内容であるが、南北間で合意があった上、今後も協議を続けていくという内容である。北朝鮮は、朴槿恵政権攻撃の度数を上げており、最近では、26日に「朝鮮人民軍西南前戦軍司令部」が「残っているのはただ一つ、待っている最高司令部の打撃命令だけだ」という「重大報道」を発表している。

    『労働新聞』、「남은것은 오직 하나 기다리고있는 최고사령부의 타격명령뿐이다 조선인민군 서남전선군사령부 중대보도」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-06-27-0008&chAction=L

    同報道では、「傀儡軍部好戦狂共は、如何なる事前通報もなく、ヨンピョン島周辺海上から我が方の水域に向け砲弾を発射する重大な軍事的挑発を行った」と韓国側を非難し、「造成された状勢に対処するために、朝鮮人民軍西南前戦軍管下の全ての打撃集団は、完全な報復体制を整え、殲滅的な打撃準備を終えた状態であ」り、「最高司令部の打撃命令」をまっているとしている。ヨンピョン島を再び「火の海」にするという威嚇なのだろうが、何とも上の「開城」の話とは対照的だ。

    もちろんこれは良い話で、いくら開城工団外の状勢が変化しても、開城工団内はそれと関係なく協力関係を維持していくという本来の姿勢が再び貫かれるようになったのだろう。2013年春から夏にかけて、開城工団の操業が停止し、最悪の状態に至った経験から双方が学んだ教訓が生きているのであろう。

    「The Interview」:金正恩暗殺をテーマとしたコメディー映画秋に劇場公開 (2014年6月27日)

    詳細は分かっていないが、米国のコロンビア・ピクチャーズ(SONY)がこの秋劇場公開の『The Interview』という米国のスパイが金正恩を暗殺するというコメディー映画を制作中という。予告編は、You Tubeで見ることができる。

    『The Interview』に登場する「元帥様」。髪型と服装以外はあまり似ていない。
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    Source: You Tube, " The Interview - Official Teaser Trailer - In Theaters This Fall", https://www.youtube.com/watch?v=Mj3uHftd5FQ#t=84

    コメディー映画なので細かいことを言っても仕方がないが、葉巻ではなくタバコだし、同行している軍人の階級が低すぎるようだ。予告編は、1分半ほどなのだが、この中だけでも突っ込み所はたくさんある。ま、コメディーだから良いのかもしれないが、以前拙ブログで紹介した『Team America: World Police』の方がよく「北朝鮮研究」をしていたような気がしないでもない。「最高尊厳」を侮辱して北朝鮮を激怒させる映画なのだろうが、公開が楽しみだ。

    『Team America: World Police』に登場する「将軍様」。こちらは人形劇だ。
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    Source: You Tube, "Team America: World Police" - Official Trailer , https://www.youtube.com/watch?v=RPBX47zSktc

    代を継いで「米帝」のコメディー映画の主人公となってしまったのだが、お爺さんは無事だったのだろうか。

    以前、「銀河-9号に乗って」という米国の都市を火の海にする「uriminzokkiri TV」制作の短編を紹介したことがあるが、「砲声のない戦区:2014」とでも題した現代バージョンを制作して、北朝鮮の美人スパイが米国に潜伏して現職大統領を暗殺するコメディー映画を作ったらどうだろうか。「砲声のない戦区」にも腰抜け・極悪の米帝軍人が登場するが、「元帥様」の「映画革命の火風を力強く吹かせよう」というスローガンを「高く頂き」ここ一番、「砲声のない戦区:2014」を作って欲しいところだ。もちろん音楽は「モランボン楽団」でお願いしたい。

    しかし、米国映画の強みはコメディーの中で自身もおちょくってしまうところである。『Team America: World Police』の中にもゲイを登場させていたし、今回の『The Interview』にも予告編からはゲイの予感がする。下は、『The Interview』のポスターであるが、朝鮮語部分を読むと「この馬鹿な(知識のないアホな)米国野郎を信じないで下さい」と書かれている。文末を「마시오」とした方が北朝鮮らしいのだろうが、それはよいとして、こういうところが「米帝」の強みなのであろう。北朝鮮に言わせれば「腐って堕落した資本主義」の象徴ということになるのだろうが、仮称「砲声のない戦区:2014」でそこまでできるのであれば、「映画革命の火風」が本当に吹くのかもしれない。

    『The Interview』のポスター
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    Source: COMINGSOON.NET, "The Interview", http://www.comingsoon.net/films.php?id=101854

    The Interview Offcial Site: https://www.facebook.com/TheInterview

    「<朝鮮芸術映画>砲声のない戦区」:金正恩時代初の大型映画、終戦直後の日本が舞台に、このタイミングは偶然か (2014年6月26日 「朝鮮中央TV」)

    詳細は、映画をきちんと見ながら紹介することにするが、昨日から「朝鮮中央TV」のゴールデンタイムに「朝鮮芸術映画」、「砲声のない戦区」が放送されている。昨日は、雑用に追われてみることができなかったのだが、今夜は何気なく見ていた。これまで、日本が映画の舞台となる映画についてはいくつか拙ブログで紹介したが、この映画は見たことがなかった。途中から見たので、時代背景などについてはよく分からないのだが、今日は金日成の凱旋演説や帝銀事件がその題材とされていた。帝銀事件については、キャノンという米軍将校が行員に毒を盛り、金を奪ったという話になっている。

    VOAによると、この映画は「朝鮮芸術映画撮影所ヌンブンリ創作団で多部作芸術映画」として創作されたとのことである。また、この映画製作に先だち金正恩はる「映画革命の火風を力強く吹かせよう」という指示を出していたということなので、この映画が彼の私事に対する初めての結実と言うことになる。

    VOA, [뉴스 풍경] 북한 김정은 정권 첫 다부작 영화 '포성 없는 전구' ,http://www.voakorea.com/content/north-korea-new-movie/1938890.html

    同記事によると、北朝鮮ではこの映画の予告編を流されていたとのことであるが、少なくとも「朝鮮中央TV」では確認されていないので、他のチャンネルか、そうでなければ映画館での話であろう。

    それにしても、日朝交渉が進行しているこの時期に日本を舞台にしたこのような映画を製作、公開したのは単なる偶然なのだろうか。映画をきちんと見ていないので、映画の中で日本や日本人がどのように扱われているかについては分からないが、今日見た部分については悪者は例によって米帝のようだ。

    「朝鮮映画」の映像も変わっており、ワイドスクリーンのサイズでの放映となっている。
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    Source: KCTV, 2014/06/26

    「砲声のない戦区」
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    Source: KCTV, 2014/06/26

    この映画の詳細については、追って紹介していくことにする。

    「朝鮮で内閣副総理を任命」:元建設建材工業省副相か?(2014年6月19日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」が6月19日、内閣副総理が任命されたと伝えた。任命されたのは崔ヨンゴンで、韓国統一部のポータルサイトに掲載された情報によると、2004年に開城工業団地着工1周年の記念行事に北朝鮮側の代表として出席している人物が同名である。その人物の当時の肩書きは、建設建材工業省副相であった。

    韓国統一部ポータルHP、「[개성공단 시범단지 준공식]개최 동향」、http://nkinfo.unikorea.go.kr/nkp/trend/viewIssue.do?diaryId=9114&issueMenuId=ISSUE_0009

    その後、どのような職責にあったのか分からないが、2004年当時の職責からすると経済畑の幹部のようである。前日の「対外経済省」設置に関する報道と相まって、経済に強い人物を内閣副総理に任命した可能性が高い。

    「<朝鮮記録映画>絶世の愛国者金正日将軍6 我が党を百戦百勝の革命的党に」:金正日党中央事業開始50周年記念映画、金正日の足跡の概略を把握するための良い映画 (2014年6月19日 「朝鮮中央TV」)

    金正日の党中央事業開始50周年を記念する「朝鮮記録映画」が作られた。金正日を題材とする「朝鮮記録映画」は数多くあるが、この映画は彼の50年間の活動をコンパクトにまとめたもので、金正日時代の動画をきちんとフォローできていない私にとっては貴重な映画である。では、この「朝鮮記録映画」を基に金正日の50年を紹介していく。

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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「記録映画」では、まず金正恩の言葉が紹介される。

    「将軍様は、我が党を首領の思想体系と領導体系が確固として確立した革命的党として、人民大衆と渾然一体をなす人民大衆のために服務する母なる党として、鋼鉄のような規律と戦闘力を持つ不敗の党として強化発展させられ、金日成朝鮮の尊厳と威容を四方八方に輝かせたことは、我が党の歴史に輝かしく刻み込まれる最も特出した業績です。 金正恩」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日が活動を始めた1960年代中盤の世界情勢を「記録映画」では次のように説明している。

    「革命の状勢は、首領の思想と領導の唯一性の試練(の過程)にあり、党をさらに組織思想的に強化していくことを切実に要求している。」  

    「現代修正主義を断固として反対することは、ベトナム労働党の国際主義的義務である」という『労働新聞』の記事。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    そんな「革命の状勢」の中、1964年6月19日に金正日は「党中央委員会で事業を始め」た。角のエアコンが設置された部屋が金正日の当初の執務室であったようだ。金正恩が、初めから言葉通りに「党中央」の部屋で執務を始めたのとは対照的だ。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    執務室の金正日。白黒動画ではあるが、60年代半ばの映画フィルムとしては非常に状態が良い。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日の最初の労作か。『我が党を永遠に金日成同志の党として強化発展させよう』。画像の関係で判読できないが、本書の初版は1984年、画面に出ている緑の書籍は2004年の出版のようだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    そして、万寿台の丘に金日成銅像を建立する。金正恩が就任当初、金正日の銅像をあちこちに建立したのもお父さんをまねたのであろう。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日はその後、何日も徹夜をして「労働階級の百年思想史を全面的に分析・総括」したと紹介される。金正恩は、こうした勉強をする余裕もないまま指導者になってしまった点に違いがある。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    続けて、次のような金正日の言葉が紹介される。

    「我々がしなければならないことは、とても多いです。眠らずに働いても時間が足りません。今、首領様の偉大な革命事業を首領様のお名前と結びつけて科学的に正式化し、世の中に宣布する事業を確信性を持ってできるようになりました。我々は近い将来、偉大な首領様の革命思想、主体思想を金日成主義として正式化して世の中に宣布し、金日成主義の旗を時代の前面で掲げていくつもりです。 金正日」

    この作業も金正恩は「金日成-金正日主義」や「金正日愛国主義」という言葉を創造することで、まねている。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「金日成主義を宣言」する金正日。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    『全社会を金日成主義化するための党思想事業の当面するいくつかの課業について』
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「党中央委員会で事業を開始され、党内に隠れていた反党修正主義分子の策動を断固として暴露、粉砕された将軍様」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    張成沢が実際に何をしたのかはさておき、金正恩も実に「反党修正主義分子の策動を暴露、粉砕」している。その業績を宣伝するためにも、小物ではなく大物の張成沢がターゲットとされたのであろう。

    そして、金正日は「党中央委員会第4期第15回全員会議で反党修正主義分子の策動が暴露・粉砕」し、「首領の唯一思想と唯一的領導体系を強固に打ち立て」た。下は「全員会議」について伝える『労働新聞』の記事。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日『全党と全社会に唯一思想体系をさらに強固に打ち立てよう』
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正恩もこの流れで、張成沢処刑後に「思想幹部会議」を開催するなど、「唯一的領導体系」を確立するための作業を行っている。

    そして、「党の唯一思想体系を打ち立てる闘争で人民軍隊が先頭に足すように導いてくださりました」とナレーション。下は新聞『朝鮮人軍』に「党の唯一思想でさらに強固に武装し、党の軍事路線を徹底して貫徹しよう」という記事。戦車が写っているのは、トランジション部分をキャプチャしたため。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    ここから「先軍革命領導」が始まるわけであるが、金正日は「偉大な首領金日成同志を首班とする党中央委員会を体で死守しよう!」というスローガンを「人民軍隊が先頭に立って掲げていくように」したとナレーション。下は、スローガンが掲げられた建物。「革命史跡」なのだろうが、何に使われた建物かは分からない。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正恩の場合は、「党中央」ではなく「最高司令官を体で死守しよう」というスローガン(歌)をまず打ち出した。

    「全社会の金日成主義化の要求に合致するよう、党組織思想事業を改善強化し、党の領導的役割を高めるための多くの不滅の古典的労作を発表された」とナレーション。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日『全党に新たな党生活総括制度を打ち立てることについて』
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「朝鮮労働党党員証」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「党員証」の中身。党員証の1枚1枚に金正日が「親筆(サイン)」をした。サインの位置や傾き方が違うので、誰が書いたかは別とし、手書きであることは間違いない。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「親筆」をする金正日
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    1974年10月9日、党中央委員会及び政務院責任幹部と道党委員会責任秘書の協議会にて「全党が動員され、70日戦闘を力強く展開しよう」と、経済建設に動員を掛ける。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「党思想事業は、常に経済事業密接に結びつけられなければならず、思想事業の成果も経済建設の成果から現れなければなりません」と金正日。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正恩の経済建設のスローガンは、「馬息嶺速度創造」辺りからだと思うが、これも「70日戦闘」から来たアイディアなのかもしれない。「70日戦闘」は、思想と経済建設を無理矢理に「密接に結びつけ」たために、効率が非常に悪かったという話をどこかで読んだことがある。

    全国各地の「革命戦跡地」を整備したり、金日成銅像を建立する。金正恩についていえば、「錦繍山太陽宮殿」に改装したり、全国各地に「太陽像(金日成と金正日のモザイク壁画)」を建立したのがこの事業に当たる。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「第1回全国芸術人学習競演大会」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「芸術人」がどんな「競演」をするのかと思いきや「問答式学習方法」の「競演」だったようだ。下は、「問答式学習方法」の「競演」をする「芸術人」。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「問答式学習方法」という知らない言葉が出てきたので、Web「朝鮮語大辞典」で調べてみが、

    「問答式学習方法:一定の問題を出し、それに基づきお互いに答える形式で進められる学習方法。偉大な首領金日成同志が抗日武装闘争時期に創造された戦闘的な学習形式を現実発展の要求に合うように継承発展させた革命的で戦闘的な学習方法である。」

    と分かるような分からないような説明しか書かれていない。問題集を与えておきそれを暗記させ、お互いに問答させながら競わせるということなのだろうか。「党の革命戦士としてさらに強固に準備された」と言っているので思想学習なのだろうが、時期的には中国の文革期と重なるので、「毛沢東語録」を暗記させるやり方から得たアイディアなのであろう(北朝鮮は、文革期に中国から批判されてはいるのだが・・・)。

    「首領様が抗日革命闘争時期に自ら創作された不滅の古典的名作を映画や歌曲、演劇にして、全社会の金日成主義化を力強く支えよう」と金正日は、芸術指導を積極的に行った。
    『朝鮮芸術映画 血の海』
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    『朝鮮芸術映画 花を売る娘』
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    いずれも有名な北朝鮮映画である。金正恩は、映画指導ではなく「モランボン楽団」の創設で「芸術指導」を開始し、その総括が今年の「第9回全国芸術人大会」ということになる。

    1974年5月7日「我が党の出版報道部門は、全社会の金日成主義化を支える威力のある思想的武器である」と「出版報道部門」を指導。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    つづく・・・・

    <追記>
    『労働新聞』のレイアウト
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    それをチェックする金正日
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「社説のタイトルから内容に至るまで細心に指導」したと、金正日が手を入れた部分を紹介している。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    『労働新聞』の印刷工場で紙面をチェックする金正恩。70年代後半と思われるが、この時、既に同新聞はカラー印刷されていたようだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日が「宣伝・扇動」活動を指導していたことを紹介する映像であるが、下の写真の背景に写っているのは板門店から見える機井(キジョン)洞のように見える。というのは、このカットは川沿いの有刺鉄線柵を映してからカメラを回しているが、この川が臨津江のように見えるからである。70年代の映像を使っているので、機井洞だとしても建てられた国旗掲揚タワーはまだない。

    「全党が群衆の中に入ろう!全党が宣伝員、扇動員になろう!」、「扇動」される農民
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    臨津江(あるいはその支流)と軍事分解線か?「南朝鮮」との分解線で「宣伝・扇動」するというのは、象徴的である。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日が指導したとされる各種経済建設関連スローガン

    「速度戦」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「全撃戦」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「殲滅戦」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正恩時代の「馬息嶺速度」、「朝鮮速度」もこれらのスローガンの流れを受けたものであろう。

    1970年代の北朝鮮の工場(製鉄工場か?)。この時代の北朝鮮は、韓国よりも経済的にまだ優位であった。しかし、その後、こうした工場が改築もされないままそのまま使い続けら、老朽化しているのかもしれない。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    1980年10月10日に開催された「朝鮮労働党第6回大会」。「偉大な首領、偉大な領導者を高く頂き開催された党6回大会は、我が党を永遠に首領の党として強化・発展させる組織思想的な基礎が強固になり、党と革命の将来の運命を左右する主体革命偉業継承問題が輝かしく解決されたことを世界に誇示しました」とナレーション。

    「朝鮮労働党第6回大会」。「全世界の労働者は団結せよ!」とスローガン。中東からの賓客と思われる白い服を着た人物など、外国人も数多く参席している。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    そして、正式に後継者指名された金正日
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    80年代の北朝鮮建設現場や鉱山。稼働している重機やトラックの台数が今と比べても圧倒的に多い。最近は、このように多くの重機やトラックが動き回っている映像は流れない。その状況を肯定的に捉えるならば、「知識経済時代」になり必要性が減少したということなのだが、やはり80年代と比べると状況はまだ良くないのであろう。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「全党、全軍、全員を新たな『80年代速度』創造へと力強く導いてくださった偉大な将軍様」80年代に入り、金正日は経済部門の指導に力を入れたという説明である。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「人民生活をさらに高めることについて 金正日」重工業部門の建設が一段落ついた80年代初頭、「人民生活の向上」をスローガンに軽工業部門にも力を入れ始めた。金正日曰く「我が党の活動の最高原則である人民生活の向上」のための「戦闘」は金正恩時代も続けられているが、質的に80年代と比較してどのように違ってきているのかに関心がある。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    商店で軽工業品をチェックする金正日。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「社会主義国で革命が次々と挫折を経験した時期、我が党員は、如何なる政治風波が押し寄せてきても、心を一つにして将軍様だけに従う信念をさらに強く誓いました」とナレーション。下は「親愛なる指導者金正日同志に差し上げます」という手紙。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    それに対する金正日の「親筆」の返事、「偉大な主体思想の勝利のために同志たちと共に戦っていこう」と書かれている。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正日は「党細胞を強化することは、全党を強化するための第一歩である」といい、1991年5月に「第1回全国党細胞秘書講習会」を開催。金正恩も2013年2月に「朝鮮労働党第4回党細胞秘書大会」を開催している。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「20世紀90年代。我が党の歴史でこれまでにない試練を勝ち抜いていかなければならなかった時期、革命の赤い旗を変わりなく高く掲げて守り、我が党を偉大な金日成同志の党としてさらに強化・発展させる堅い意思を宣言された偉大な金正日同志」とナレーション
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「首領永世偉業」の契機となる「労作」、「朝鮮労働党は偉大な首領金日成同志の党である 金正日 (1995年10月2日)」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「1990年代中頃は、我が党と革命の前に試練と難関が積み重なった実に厳しい時期でした。帝国主義者共の奴隷となるのか、そうでなければ自主的近衛兵になるのかという革命の生死の分かれ目となった微妙な時期、死ぬか生きるかの決断の意志を抱かれ先軍の道に上がられた敬愛する将軍様」前戦から「南朝鮮」の軍事ポストを指さす「将軍様」
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「南朝鮮」のポスト
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「偉大な将軍様は、先軍政治を我が党の政治方式、革命領導方式として定立され、我が党を先軍革命の政治的参謀部、共同的力量を強化・発展させ、革命発展の新たな歴史的時代を開かれました」とナレーション。下は、『我が党の先軍政治は威力のある社会主義政治方式である 金正日 (2001年7月)』。ナレーションの時期とこの本の出版時期が随分ずれている。再版なのか、さもなければ2001年になって初めて公開されたのであろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金日成の死去が1994年7月であり、金正日はその後3年間喪に服して前面に現れなかったとされている。この当時の北朝鮮一次資料をきちんと調べてはいないが、日本で出版された権威ある著者による北朝鮮研究にはそのように書かれている。しかし、この映画の中では「喪」の話は一切出てこない。見ている限りでは、金日成死去後、直ぐに「首領永世偉業」に着手し、先軍革命の道に舵を切るというように描かれている。上の「労作」が2001年の出版であることもそれと関連しているのかも知れない。

    「軍人に対する思想教養事業」に用いられるテキスト。「革命は信念だ」と書かれている。軍隊を前面に押し出して優遇する一方で、忠誠心を高めさせて金正日体制を強固にする事業も合わせて行われたようだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    上のテキストらしきものが置かれた軍部隊の学習室を視察する金正日。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    続けて、興味深い「労作」が出てくる。『全軍が革命の首脳部を決死擁護する今日の7連隊になろう (朝鮮人民軍指揮官と行った談話 1995年1月1日)』がそれであるが、一番上に「全軍を金日成-金正日主義化しよう!」というスローガンが記されている。単なる私の不勉強なのかもしれないが、「金日成-金正日主義」という用語は金正日死去後に登場した用語だと思っていた。ところが、実は金正日の在命中に父親と並列にして「金日成-金正日主義」とやっていたようだ。金正恩は、まだ「主義」や「思想」を発表していないが、それらを発表した暁には「金日成-金正日-金正恩主義」とでもするんであろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「呉仲洽7連隊称号争奪運動」を展開し、党中央への忠誠心を高めた。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    また、「先軍政治」とは「軍」を「民」より優先したのと同時に、「軍」を「民」に引き寄せることもやったようだ。金日成時代は、軍は軍事に専従していたが、金正日時代になると軍を積極的に「民」の建設事業に動員したようだ。
    金正日は「人民軍隊は、党が一度課業を与えると山岳のように立ち上がり、無条件やり遂げる」と言い、「党と首領に対する絶対的な忠実性を持った我々の人民軍隊を先軍革命偉業遂行の斥候隊に」したとナレーション。

    「敬愛する最高司令官同志の命令を貫徹するまでは祖国の青い空を見るのを止めよう!」というスローガン。描かれた男性は軍人である。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    そして、炭鉱かダム工事に動員された軍人
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    そして、「人民軍隊の創造物」としてダムが紹介される。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    そして、金正日は「首領決死擁護精神、決死貫徹精神、英雄的犠牲精神を革命的軍人精神と命名し、その精神を全国が模範とするように」した。「軍」に「民」がやるべき事業をやらせておき、その「精神」を「民」にフィードバックするところなど実に巧妙である。「先軍政治」は「軍事優先で民を疎かにする」というコンテクストで捉えられることが多いが、その傾向があるにせよ、実は「軍」と「民」を融合させながら国家経済を発展させていく「政治」であったのではないかという気がする。下の「労作」は、『革命的軍人精神を手本に学ぶことについて 金正日 (朝鮮労働党中央委員会XX幹部とのした談話 1997年3月17日) 2001年出版』
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「偉大な将軍様が抱かせてくださった革命的軍人精神。その不屈の精神力を高く発揮していく時、この世に克服することができない難関がないということを闘争の真理と心に刻み込みました」と、労働「闘争」をする朝鮮人民。「偉大な将軍様の6000里強行軍・・・我々の歩みを・・・・」というスローガンと労働者。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「革命的軍人精神に基礎を置く軍隊と人民の思想と闘争気風を一致を実現させるように導かれ、我が党の隊伍は最も戦闘力がある必勝不敗の革命隊伍へと強化された」とナレーション。「千万軍民」という用語がどの時代から使われていたのかは分からないが、上記のとおり実に巧妙な「軍」と「民」の活用である。下の写真などそれを象徴するのもである。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    もちろん、「革命的軍人精神」というスローガンを使って、「苦難の行軍」を朝鮮人民に強いたという側面もある。例えば、食料不足の影響が深刻であった慈江道江界市の人民を称えた「江界精神」という言葉がそれに当たろう。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    『党の提示した先軍時代の経済建設路線を徹底して貫徹しよう 金正日 (党、国家、経済機関の責任幹部と行った談話、2003年8月28日)』
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    上の「労作」に続いて出てくる指導風景。2003年頃の金正日だろうか。説明はないが、触っている白いものは「ビナロン」のように見える。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「偉大な生涯の最後の瞬間まで超人間的な精力で現地指導の道を歩み続け、我々の軍隊と人民の大高調進軍を勝利へと導いて下さった父なる将軍様」とナレーション。下は、煕川1号発電所建設現場での現地指導の様子。2008年に脳卒中で倒れた後の映像で左手が不自由になっているようだ。金正日の「生涯の最後の時期」のスローガンとして「煕川速度創造」と盛んにいっていたのを思い出した。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    「絶世の愛国者、偉大な金正日将軍様の不滅の革命業績がもたらした輝かしい結実です」とナレーション。「銀河3-1」号ロケットの発射であろうか。この発射までは、「将軍様の不滅の革命業績がもたらした輝かしい結実」ということなのだろう。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    世界の指導者が敬慕するとして紹介された写真の中から何枚か紹介しておく。
    江沢民と握手
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    プーチンと握手
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    金正恩が未だにできていないのは、こうした外交である。米国のバスケットボール選手ロッドマンとは会っているものの、肝心の中国、ロシアの指導者との会見は実現していない。7月初旬の習近平韓国訪問も決まっており、これに北朝鮮はどう反応するのか。中韓が対日政策、特に対北朝鮮政策で結束を強めれば、北朝鮮は中国への不満から日本との関係を強めようという動きに出る可能性がある。特に、拉致問題を巡る日朝交渉が続いている中、状勢が急展開して金正恩が初めて握手をする外国首脳が日本の首相となる可能性さえも決して排除することはできない。

    最後に再び金正恩の言葉「朝鮮労働党総秘書であられる将軍様の慈悲深いお姿は我々党員と人民の心の中に永遠にあり続けます 金正恩」が紹介される。上記の「首領永生偉業」の「将軍様」版である。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    そして、金日成銅像の横に金正日銅像が建つ。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    この「朝鮮記録映画」では、金正日の軍事関連の指導や業績は紹介されることなく、思想と経済関連の業績が紹介された。「絶世の愛国者金正日将軍」のこれまでに発表されたシリーズはきちんと見ていないので既に以前に紹介されているのかどうか分からないが、今回は「党事業開始50周年」の記念版なので思想・経済のみを紹介しているのであろう。ともあれ、金正日の50年がコンパクトにまとめられた興味深い「朝鮮記録映画」であり、これまで気付いていなかった「先軍政治」の別の側面を垣間見ることもできた。

    「金正日同志が党中央委員会で事業を始められてから50周年慶祝中央報告大会開催」:人民軍総政治局長解任後の崔龍海の順位、崔富一謝罪して昇格、李ヨンギルとチャン・ジョンナム消える (2014年6月19日 「労働新聞」)

    6月18日に開催された「金正日同志が党中央委員会で事業を始められてから50周年慶祝中央報告大会」の様子を伝える記事を19日付けの『労働新聞』が掲載し、同日「録画実況」として「朝鮮中央TV」が放送した。

    『労働新聞』、「김정일동지께서 당중앙위원회에서 사업을 시작하신 50돐경축 중앙보고대회 진행」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2

    大会では、金己男が「報告」を行ったが、金正日の業績を列挙した上で、金正恩がその業績を継承しさらに輝かせるといういつもの内容で特段注目すべき点はなかった。

    今回の「大会」は、崔龍海と黄炳瑞の人民軍総政治局長ポスト後退後初めて国家的行事であったので、2人の序列がどのように確定したのかを確認する良い機会である。『労働新聞』では、「金永南、朴奉珠、黄炳瑞、金己男、崔泰福、崔龍海、朴道春、楊亨燮、姜錫柱、李勇武、金元弘、崔富一、金平海、郭範基、吳秀容、盧斗哲、チョ・ヨンジュン」 の順で紹介されている。

    一方、4月14日に開催された「偉大な首領金日成同志誕生102周年慶祝中央報告大会」での序列と比較すると、崔龍海が「金永南、朴奉珠、崔龍海」と序列3位から6位に、序列4位に位置していた李ヨンギル人民軍総参謀長、同5位に位置していたチャン・ジョンナム国防委員会委員が消え、姜錫柱と李勇武は順位が逆転、アパート工事現場崩落事故で頭を下げた崔富一人民保安部長は序列が2つ上がり12位となっている。崔富一については責任を取らせての左遷あるいは粛清説があったが、アパート建設現場事故報道がセウォル号沈没事故への当てつけだったので、むしろ「清い謝罪」を評価して序列を引き上げたのであろう。崔龍海については、序列は下がっているものの金正恩の現地指導などに精力的に同行しており、人民軍総政治局長の肩書きがなくなった理由による形式上の序列低下であり、実態としては黄炳瑞に継ぐ実力を有しているのではないかと考えられる。

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    Source: 前掲、『労働新聞』

    「朝鮮で貿易省を対外経済省にすると決定」:対外経済交流強化か (2014年6月18日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」の報道は以下のとおり。

    ***********
    朝鮮民主主義人民共和国貿易省に合営投資委員会、国家経済開発委員会を統合し、貿易省を朝鮮民主主義人民共和国対外経済省とすると決定した。

    これと関連し、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会政令が18日に発表された。
    ***********

    貿易省と合営投資委員会、そして国家経済開発委員会の統合であるが、この組み合わせからすると、貿易と直接投資を通じての経済開発に一層力を入れるための組織改編の可能性がある。

    <追記>
    6月19日付けの『労働新聞』には「政令第70号」として本件が掲載されている。上記に加えて「内閣と該当機関が本政令を執行するための実務的対策を策定する」と記されている。これを読んで思ったのだが、これまで軍や党の機関に分散していた対外貿易権益を「対外経済省」統合しようという意味合いも含まれているのかもしれない。張成沢を粛清したことで、党内にはこれに不満を言う者はいないだろうが、軍部からどれほど権益を移管させることができるのかが問題である。

    金正恩が前面に出ることなく、「内閣」に責任を負わせているので、軍との摩擦が生じて収拾できなくなれば、朴奉珠を切るということになるのだろうか。

    ともあれ、北朝鮮との貿易や投資は「不確実性」がゆえに成立しない場合が多い。中国企業の投資が多いのは、北朝鮮との地理的関係、外交的関係に加え、彼らが中国国内での体験から「不確実性」への対処能力に長けているからであろう。北朝鮮は対中依存度を下げるために貿易・投資の多角化を狙っているが、今回の「政令第70号」により、一元的かつ「確実性」のある貿易・投資環境が作られるのかが、今後の「国家経済開発」の重要な要の一つとなっていくことは間違いない。

    『労働新聞』、「政令第70号、朝鮮民主主義人民共和国貿易省を朝鮮民主主義人民共和国対外経済省とすることについて」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2

    「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が呉仲洽7連隊称号を授与された海軍第167軍部隊を視察された」:潜水艦の乗船する金正恩、潜行はしていない模様 (7月16日 『労働新聞』)

    潜水艦部隊が「白頭山訓練熱風で無敵の強軍を育てられ」という「朝鮮記録映画」に登場したことは過去記事に書いたが、16日の『労働新聞』には金正恩が潜水艦部隊を視察したという記事が掲載された。

    『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서 오중흡7련대칭호를 수여받은 조선인민군 해군 제167군부대를 시찰하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-06-16-0001&chAction=L

    同行者で注目されるのは、「朝鮮人民軍総参謀部第1副参謀長兼作戦局長、陸軍大将ピョン・インソン」である。「第1副参謀長」なる職責は、今回初めて見た。総参謀長の李ヨンギルは4月27日に『労働新聞』で報道された金正恩の「長距離砲兵軍部隊砲射撃訓練」以降、彼の視察や指導に同行していないようであるが、どうしてしまったのであろうか。

    조선인민군 총정치국장인 조선인민군 차수 황병서동지,조선인민군 총참모부 제1부총참모장 겸 작전국장인 륙군대장 변인선동지가 동행하였다.

    潜水艦に乗船する金正恩
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    Source: 前掲、『労働新聞』

    潜水艦内部にいる金正恩。赤い星が描かれている部分は、魚雷口であろうか。
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    Source: 前掲、『労働新聞』

    潜望鏡を覗く金正恩。軍人が潜望鏡を固定しているが、何かに照準を合わせて金正恩に見せようとしているのであろうか。
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    Source: 前掲、『労働新聞』

    随分錆が見受けられる潜水艦である。
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    Source: 前掲、『労働新聞』

    上の写真からも分かるように、潜水艦の上部は濡れていないので、潜行はしていないようである。古い潜水艦というのは、潜行すると内部の居心地が極端に悪くなるという話をどこかで読んだことがあるが、そのような事情で「勇敢な元帥様」もさすがに潜行するのは止めたのであろう。

    『労働新聞』の記事にも「敬愛する最高司令官金正恩同志は、艦長に針路も定めて下さり、航海術における妙術も教えてくださり、攻撃精神を発揮するよう力と勇気を抱かせてくださった」と書かれており、指示しているのは「針路」だけで「深度」は指示していないことが分かる。

    「敬愛する金正恩同志が気象水門局を現地指導された」:アクションを多用してきめ細かな天気予報に、「元帥様」の指示を素早く貫徹 (2014年6月10日 「朝鮮中央TV」)

    金正恩が「気象水門局」の現地指導をした。金正恩としては初の気象水門局現地指導である。

    『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 기상수문국을 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-06-10-0002&chAction=L

    後ろに立っているのが気象水門局の人々。こういう部署に行くと、大体、人民服かそうでなければ暗い色の服を着ているケースが多いが、気象水門局の人々はそれと比してカラフルである。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「今、気象観測事業が、現代化・科学化されていないために、誤報が多い」、「気象観測と予報事業をきちんとすれば、異常気象現象による災害から人民の生命と財産を保護し、農業と水産業をはじめとした人民人民経済の様々な部門で自然災害を防ぐことができる」、「短期・中期・長期予報の正確性を保障するための科学研究事業を深め、世界各国との科学技術交流事業を活発に進めなければならない」と金正恩。
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    Source: 『労働新聞』

    これだけならば記事にすることもなかったのだが、なんとこの報道があった日から「天気予報」のスタイルが変わった。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    変わったのは、下で詳しく見るようにアクションを導入したことと、天候による影響を人民に喚起するなど、きめ細やかさが増したことである。また、アクションを使いやすくするように、スクリーンの位置も移動されている。

    では、少し大変であるが、変わり様を比較するために、6月9日の「天気予報」と10日の天気予報を全訳しておく。

    2014年6月9日、20時台の「天気予報」

    「今日、我が国は北部地方にある弱い低気圧の影響で、平壌、ピョンソン、恵山、元山で弱い雨が降り、チョンジン、ハムンでは、曇り空でした。その他の地方では、曇りのち晴れでした。」
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    「衛星画像で見られるように、大部分の地方で午後に部分的に雲がかかりました。今日の平壌地方の最高気温は、29度で平均よりも2度高かったです。」
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    「明日は、6月10日火曜日、陰暦で5月13日です。明日我が国は、北部地方にある弱い低気圧と朝鮮西海南部にある高気圧の影響を受けます。」
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    「地方別の天気をお知らせします。平壌市、南東の風が3から6メートルで吹き、しばしば曇り、夜一時、散発的に弱い雨が降るでしょう。明日朝の最低気温は18度、昼間の最高気温は28度ぐらいと予想されます。」以下、同じパターンで平壌、江界、元山、サリウォン、白頭山密営、チョンジン、新義州、海州、恵山、ハムフン、ピョンソン、開城の天気を伝える。
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    「明日、地球物理学的な要因により不利な時間は、チョンジン地方で9時から11時半なので、循環器疾病の患者の方は、特に注意して下さい。」(「地球物理学的要因」については、過去記事を参照のこと)
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    「明日、気温が一番低いところは白頭山地区で5度ぐらいであり、気温が一番高いところはトサン地方で30度ぐらいと予想されます。」
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    「海の天気です。朝鮮東海上では、7メートルから10メートルの北東の風が吹き、波は1.5メートルになり、曇りで1、2回の雨が降るでしょう。朝鮮西海上では、7メートルから10メートルの南東の風が吹き、波は1.5メートルになり、曇りで1、2回の雨が降るでしょう。」
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    「天気をお伝えしました。」
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    Source: KCTV, 2014/06/09放送

    *****************

    6月10日、20時台のの「天気予報」

    「今日、我が国は北部地方にある弱い低気圧の影響で、平壌とピョンソンでにわか雨が降り、恵山と東海岸地方では、弱い雨が降りました。海州では概ね晴れ、その他の地方では曇りのち晴れでした。特に、平壌市の中心部とクソン市の一部地域では、午後に大気が大変不安定になり直径20ミリほどのひょうが降りました。」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「衛星映像に見られるように、大部分の地方に雨雲がかかりました。今日、平壌の最高気温は29度で平均よりも2度高かったです。」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「明日は6月11日水曜日、陰暦の5月14日です。明日、我が国は北部地方から東に移動する低気圧の影響を受けるでしょう。」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「地方別の天気をお知らせします。平壌市、3メートルから6メートルの北東の風が吹き、曇りのち晴れるでしょう。明日朝あの最低気温は17度、昼の最高気温は29度と予想されます」以下、同様に各地の天気。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「明日、午後と夜一時、西海岸の一部地域でにわか雨が降り、雷、ひょうが降ることが予想されます。野外で活動する人と電力工業部門をはじめとした人民経済の様々な部門で被害を受けないように徹底した安全対策を立てるようお願いいたします。」このように、スクリーンを見るアクションもこれまではなかった。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「そして、東海岸地方では、明日昼の最高気温が平年よりも低く、寒い日となるでしょう。農業部門では適切な対策を取るようお願いいたします。」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「明日、地球物理学的要因による不利な時間は、平壌で10時から12時、ええ、10時から12時の間なので(ママ)、循環器疾病の患者の方は、特にご注意下さい。」「ママ」部分のリピートも読み間違えたわけではなく、強調をしているようだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「明日、気温が一番低い地方は、白頭山地区で4度程度、気温が一番高い地方はシンゲ地方で30度程度と予想されます」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「海の天気です。朝鮮東海上では7メートルか10メートルの北東の風が吹き、波の高さは1.5メートルから2メートル。曇りで夜に弱い雨が降るでしょう。朝鮮西海上では、北東の風のち北西の風が7メートルから10メートルで吹き、波の高さは1.5メートル。北部海上で曇りのち弱い雨、中部海上では概ね曇りでしょう。明日、朝鮮東海上で活動する小型船は、比較的波が高いので安全に注意し、海で作業をする人々は、午後に流れ込んでくる冷たい湿った空気の影響で肌寒くなりますので、健康管理にご注意下さい。天気をお伝えしました」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    金正恩の「気象水門局」訪問は通達されていたのだろうが、そうでないとすれば「朝鮮速度」的な速さの変更である。

    「<朝鮮記録映画>母なる党の懐(1)-我々の父-」:「学習帳」、李忠道、金正恩の手紙、金正恩ポロシャツ姿 (2014年6月10日 「朝鮮中央TV」)

    6月6日の「第68回朝鮮少年団創立記念日」を前に6月4日に「朝鮮中央TV」が「<朝鮮記録映画>母なる党の懐(1)-我々の父-」と題する番組を放送した。放送当日も他事をやりながらこの番組は見ていたのだが、使われる映像のほとんどが既に見たものだったので「新しく出た朝鮮記録映画」ということに気付かなかった。しかし、昨日(6月10日)にもこの番組は再放送されており、韓国統一部のデータを調べたところ「6月4日の再放送」と書かれており、10日放送分を初めから見直すことにした。

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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    上に書いたとおり、これまで紹介された動画が多いのであるが、おもしろい部分をキャプチャーして紹介していく。

    「元帥様」が「国家の重大事である後代教育事業に投資を惜しんではいけない」と「新しい教科書と学用品も準備して下さった」というナレーションとともに紹介される教科書と学用品。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    左のピンク色のものは「学習帳」である。日本の小学校・中学校でも学習帳が使われているが、その由来はどこまで遡るのであろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    日本で学習帳といえば「ジャポニカ学習帳」が有名である。この学習帳を作っているのは「ショウワノート株式会社」という会社なのだが、この会社のHPを見ても学習帳の由来については書かれていない。「学習帳」自体は今では普通名詞なので(しかし、未確認)、それが北朝鮮で使われていても不思議ではないが、日本の植民地統治下でも存在したのであろうか。ちなみに、「ジャポニカ学習帳」は、1970年に発売されたという。

    ショウワノート株式会社HP、http://www.showa-note.co.jp/company/business/

    過去記事でも金正恩が飛行士夫婦の子供も名付け親になったと紹介したが、この番組ではその子も登場させながら、そのいきさつをより詳しく説明している。

    金正恩が名付け親になった李忠道(チュンド)という赤ちゃん。ナレーションでは触れていないが、歩行器は「党からの恩情に満ちた贈り物」なのかもしれない。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    金正恩に名付け親になってくれと頼む母親(人民軍飛行士)。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「第1回飛行士大会」で名前を発表する金正恩。「代を継いで忠誠の情一途に進めという意味で忠道と命名しよう」と。子供の名前が本当に「忠道」なのかどうかは未確認であるが(「中央通信」などの中国語版に書いてあるのかもしれない)、意味からすればこの漢字が当てはまりそうである。おもしろいのは、北朝鮮で、少なくとも公式的には漢字を全廃しているにもかかわらず、「충정의 한길만 가라 (忠情の一つの道だけ行け)」(括弧内は上記ナレーションの直訳)という言葉から「忠道」に繋がる点である。「忠」はよいとしても、「길」が「道(도)」に繋がるのは漢字を介さずに「길も도もミチのことである」という教え方をしているのであろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    金正恩に感謝をする夫婦。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    この種の逸話は事前に設定されているものなのか、それとも本当にその場の雰囲気で女性飛行士が頼んでしまったことなのかは興味深い部分である。お爺さんの時代からこの種の逸話はあるので、朝鮮人民が機会があればこういうことを気軽に頼んでも良いと思っているのか、それともそんなことは恐れ多くて出来ないのだが「特別許可」をもらってやっているのか。

    それとの関連で、朝鮮人民は「元帥様」にたくさんの手紙を送っているようである。番組では「元帥様」が「人民が差し上げる多くの手紙の中でも、子供が送る手紙をまず見て下さり、愛と情を込めて返信を必ず送って下さりました」と言っている。これもおもしろい話で、「返信を必ず」であるならば「特別許可」された人たちだけが送っていることになり、誰もが気軽に送っているのであれば、いくら「元帥様」でも時間的に全てに返信を出すことなど不可能である。

    「元帥様」に手紙を書く子供。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    上の子供にかは不明であるが、金正恩の返信。「立派に育ちなさい。未来の主人公になりなさい。金正恩 2012.2.9」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    それでも、たくさん返信はしているようである。ゴーストライターがいるのだろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「元帥様」が子供病院を視察した際の動画におもしろいカットがあった。右端の軍人がカメラで撮影しているのは「元帥様」ではなく、夫人の方である。多数のカメラマンが正面にいるにもかかわらず、軍人が敢えて夫人を撮影しているのが奇妙である。軍人がカメラを持っているのは、このカットだけではないが。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「徹夜をして全国の育児院、愛育院、初等及び中等学校の実態を確認する敬愛する元帥様」とナレーション。左に写っている白いもほは、冷蔵庫か金庫のように見える。金正恩の執務室にある金庫だとすると、さぞ重要な書類が入っているのであろう。しかし、そんなものを見せてしまっても良いのだろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    そこで金正恩が「責任秘書同志」に送ったとされる手紙。よく見ると下の方は、加筆したり修正したりしてある。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「喜びと幸せに溢れる園児の写真を見ると、本当に疲れても革命を最後までやり遂げなければならないという覚悟と新たな力が涌いてくる」と「元帥様」。ポロシャツ姿の「元帥様」は初公開だと思うが、お爺さんもお父さんもポロシャツで登場したこはなかったはずだ。襟を立てているのかはよく分からないが、立てているとすれば、ファッションに精通しているということになる。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    そして、幹部に送った手紙。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「松島園国際青年団野営所」での誕生日会と思われるカット。後ろの壁には朝鮮語で「誕生日を祝賀します」、つまり日本語の「誕生日おめでとう」という言葉が書かれており、下には英語で「HAPPY BIRTHDAY TO YOU!」と書いてある。ロッドマンが金正恩にハッピーバースデーの歌を歌った記事に書いたかもしれないが、北朝鮮でも「誕生日おめでとう」という表現は韓国と変わらないようだ。しかし、英語でも書いてあるところがいかにも「国際青年団野営所」らしい。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    モランボン楽団が歌う「この世に羨むものはない」が流れる中、お爺さん、
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    お父さん、
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    そして、「元帥様」が登場する。「私たちの父である金正恩元帥様。私たちの家は党の懐。代々偉大な太陽を高く頂き、全国に子供たちの幸福な笑い声、喜びの歌声が・・・」
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「世代と世代を繋ぎ、限りなく響き渡ります」というナレーションと共に金ヨジョンを登場させる。「世代と世代を繋ぎ」とは金敬姫から金ヨジョンへということなのだろうか。お父さんの時代は終わったか ら金敬姫も終わり、今度は自分の妹の金ヨジョンということの暗示なのかもしれない。
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    Source: KCTV, 2014/06/10放送

    「白頭山訓練熱風で無敵の強軍を育てられ」:北朝鮮潜水艦、金正恩専用機内公開、恐ろしき人民軍兵士、ミサイル? (2014年6月3日 「朝鮮中央TV」)

    5月31日に放送した標記タイトルの番組を6月3日夜、「朝鮮中央TV」が再放送していた。5月31日といえば、「日朝交渉熱風」が冷めやらぬ中だったので、この番組は見落としてしまっていた。

    「白頭山訓練熱風で無敵の強軍を育てられ」
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    「元帥様が強軍建設の不滅の進路を明らかにされた2013年2月の党中央軍事委員会拡大会議」で「将軍様」の名前が刻まれた拳銃を授与される崔龍海。拳銃授与のトップで紹介されている。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    下で潜水艦も紹介するが、金正恩の軍事部門指導ではあまり出ることがなかった、「潜水系」の部隊が出ている。空気タンクを装着して泳ぐ潜水部隊か。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    市街戦を想定した特殊部隊か。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    手で飛行機を模し、飛行編隊の組み方を訓練する女性飛行士か。金正恩が女性飛行士部隊を視察した際にも紹介されていたが、また出てきた。こういう訓練や教育というのは、空軍の訓練として一般的なのか知りたい。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    板門店北側地域だと思われるが、金正恩が地図を地図を指しながら何かを指示している。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    地図は韓国南海の多島海のように見える。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    「我々の人民軍隊を最高の革命強軍に育てようと戦車部隊訓練を指導され、自ら戦車に乗られ上げられた滅敵の砲声は今日も千万将兵の胸を力強く奮い立たせています」
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    左右に揺れる机の上で、電文受信訓練をする女性兵士。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    「画像捏造」と韓国メディアに叩かれたホバークラフトによる上陸訓練か。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    一般道への離着陸訓練か。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    前にも紹介したが、「砲射撃訓練」で「戦闘準備がきちんと出来ていない」と怒る金正恩。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    金正恩専用機の内部の写真。これが初公開のはずだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    「飛行技術勤務成員」と話をする金正恩。飛行士との体面はよく報じられていたが、整備隊員と話をしている様子はあまり見ていない。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    北朝鮮の潜水艦。あまり画面には登場しない。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    浮上する潜水艦
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    拷問ではなく、人民軍軍人の訓練。横になっている軍人を手前の軍人が腕部分を棒で強打し、右の軍人が腹部を同様に強打する。棒は粉々に割れるが、討たれた軍人はびくともしない。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    腕の上に置いた木材を鉈のようなもので割る。軍人の腕は切れない。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    腹の上に置いた石のようなものをハンマーでたたき割る。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    同様に背中の石をたたき割る。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    額に置いた石をたたき割る。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    動きが速くてよく分からないのだが、ひもでぶら下げられたガラス瓶のようなものを指で突き刺して割っているように見える。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    首と腹に1本ずつロープが巻かれ2人の人民軍人は繋がれている。その後何が起こるのかは分からない。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    体に巻かれた鉄筋のようなものを自分の力で振り払う人民軍人
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    石を投げられ、それを胸で受け止める人民軍人
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    腹部をハンマーのようなもので強打される人民軍人
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    複数の棒で一気に叩かれる人民軍人。棒は折れバラバラになって飛び散る。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    その後、この強者、粉々のガラスの上に1回転して背中から落ちる。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    手首を木の板の上に置き、鉈のようなもので叩かれる。下の期だけが割れ、手首は切れていないように見える。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    上の演目でどれだけ手加減がされ、専用の小道具が使われているのかは分からないが、それにしても恐ろしき朝鮮人民軍の軍人という感じだ。

    次は、米軍機に爆弾を仕掛ける訓練のようだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    結果は・・・
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    「今日の射撃訓練の判定は俺がやる」と自ら射撃手の後ろに立つ金正恩
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    そして、射撃姿勢を指導する金正恩。「射撃姿勢をきちんとしなければ、目標に命中させることは出来ない」と指導。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    自ら射撃のポーズをする金正恩。実際の射撃はしていないようだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    「朝鮮人民の天敵である米帝侵略者を消滅させろという滅敵のスローガン・・・」とナレーションが入り写る車両。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    そして、その内部か。なかなか珍しい映像である。ミサイルかロケット砲発射車両のコントロールパネルのようだ。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    なかなか広く見える。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    レーダーで捕捉しながら攻撃するロケット砲か。かつて、金正恩が視察した人民軍兵器工場に置かれていた新型兵器もこんな形だったような記憶がある。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    こういう映像も少しだけ見せる。短距離ミサイルだろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    さらに、かなり大型の車両が何かを掲載して登場する。移動式ミサイルか。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    そして、「白頭山大国の勝利の象徴であられ、天下第1将軍であられる我々の敬愛する最高司令官金正恩同志を銃隊で決死擁護する信念の誓い」とナレーションが入り、金正恩を「天下第1将軍」と呼ぶ。金正恩と「将軍」を結びつけた表現はこれまでもあったような気がするが、「天下第1将軍」とはお父さんを超越したような表現だ。「第1秘書」が永遠の「総秘書」の下の概念だとすれば、この「第1」もそういう意味なのかもしれないが。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    ミサイルのようなものを積んだ車両が登場
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    金正恩が電話で何かを命令
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    何かが発射される。「銀河ロケット」系の発射映像と異なる映像が使われているところがポイントである。こちらは「ミサイル」ということを強調したいのであろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    凄い速さで飛んでいく物体
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    こういう発射シーンも出る。日本海に撃ち込んだ短距離ミサイルなのかもしれない。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    艦艇から発射されるミサイルかロケット砲。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    そして、クローズアップ。これだと思うが、何だろうか。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    どれがどんな武器なのかということはよく分からないのだが、これまで見せなかった(少なくとも私は見ていない)兵器を出しているところからすると、戦力誇示目的の「朝鮮記録映画」なのだろうか。

    <追記>
    貴重なコメントを頂いたので記事上で紹介しておく。上の写真のどれに該当するのか分からないが、いずれかの写真のミサイルのようなものがロシア製対艦巡航ミサイルの可能性があるという。

    詳細は下記を参照。
    『ロシアの声』、「米シンクタンク;北朝鮮 ロシア製対艦ミサイルのコピー保有か」、 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_17/273616509/

    もし本当にこのミサイル(あるいはその改造型)だとすると、朝鮮人民に対してではなく対外向けの宣伝ということになろう。

    「今日の号の中央新聞概観」:北朝鮮の新聞に広告が? (2014年6月4日 「朝鮮中央TV」)

    少し前に書いた「ウォーター・スライド」の記事もそうだが、昨日の「朝鮮中央TV」は発見が多い。注意して欲しいのは、私にとっての発見であって、必ずしも「異例」とか「これまでなかった」という話ではないという点である。

    「朝鮮中央TV」は「17時報道」の後に「今日の号の中央新聞概観」と題する番組を放送し、以下の主要紙の内容を報道している。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    『労働新聞』
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    『民主朝鮮』
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    『青年前衛』
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    この番組は毎日放送しているが、どの新聞も『労働新聞』の記事を転載しているだけのようなので、私のワッチではパスの対象であった。この日も、早送りでパスしていたのだが、『青年前衛』の紙面に広告らしいものが掲載されているのを発見した。

    下の静止画が紙面であるが、中央に缶や箱が並んだ写真が見える。この解像度ではそれが何なのか、何が書かれているのかはとても読むことが出来ないが、箱の下の黒い枠の中に電話マーク「☎」が書かれており、横に数字が並んでいるように見える。北朝鮮の製品展示会ではこの種の広告が掲げられているのをよく見るので、もしかすると何かの広告なのかもしれない。形状からすると、医薬品か健康サプリメント(過去記事でも紹介したが、サプリは北朝鮮にも存在する)のように見える。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    上記のとおり、この番組は「パス対象」だったので私が確認できなかっただけで、これまでも出ていたのかもしれないが、なかなか興味深い。というのは、「朝鮮中央TV」で「大同江ビール」のCMを流し、金正日が「資本主義的だ」と激怒したという話を何かの本で読んだことがあるからだ。私自身、このCMは見たことないし、そういう話や逸話を北朝鮮発のメディアで目にしたこともない。にもかかわらず、金正日が広告は「資本主義的だ」という認識を持っていたのであれば、テレビに限らず、新聞、しかも中央の主要紙に広告を出すことはよろしくないことであろう。日本で『青年前衛』は読むことができるのかどうか、総連本部にあるのかどうかも分からないが、高解像度で見たいものである。

    平壌の地下鉄駅構内で撮影した新聞掲示板。『文学新聞』が入っている。
    Pyongyang Subway stn
    Source: 2010/07 撮影

    「敬愛する金正恩同志が人民軍隊で新たに製作した急降下ウォーター・スライドをご覧になった」:ウォーター・スライドの国産化、日本の事例、人民軍のFRP加工技術 (2014年6月2日 「労働新聞」)

    6月2日の『労働新聞』に金正恩が朝鮮人民軍で製作したウォーター・スライドを視察した記事が掲載された。同視察については、「朝鮮中央TV」でも「録画報道」として伝えられていたが、またウォーターパーク系の話かと思いあまり真剣に見ていなかった。昨日の「朝鮮中央TV」録画を見始めたところ、放送開始直後に3本の視察関連「録画報道」があり、その最後にこの視察が入っていた。静止画を見ながらナレーションを聞いていたら、興味深いことを言っていた。

    『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 인민군대에서 새로 제작한 급강하물미끄럼대를 보시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-06-02-0004&chAction=L

    「敬愛する元帥様は、急降下ウォーター・スライドを我が国で初めて製作したことについて、よく作った、本当にカッコイイ、原価を削減したにもかかわらず、技術的に完璧に作ったのことが気に入ったと仰り、喜びを表明された」

    実は、ウォーター・スライドが製作にそれなりの技術水準を要するということを知らなかった。したがって、「元帥様」が建設した「ムンス・ウォーターパーク」のウォーター・スライドも当然、北朝鮮で製作したものだと思っていた。ところが、この「元帥様」の言葉からすると、これまでのスライドは全て輸入品ということになる。これは意外であった。そこで、ウォーター・スライドの価格などについて調べようと検索してみたところ、「日本ウォータースライド安全協会」のHPにたどり着いた。

    「日本ウォータースライド安全協会」HP、http://www.jwsa.org/index.html

    このHPの「ウォータースライドについて」という項目は大変興味深い。たとえば、ウォータースライドの定義は「ウオータースライドとは、曲線又は直線の傾斜する滑走路内に水を流し、これを媒介として、滑走者が直接または専用補助用具(マット、浮輪等)を使用し当該滑走路内を滑り降りる遊戯施設をいう」とされており、北朝鮮のウォーター・パークに設置されているスライドもテレビ等で紹介されている限りでは、全てこの定義に当てはまる。

    同HPには色々なことが書かれているのだが、今回の「元帥様」の人民軍ウォーター・スライド製作現場視察との関連では、その材質が何かと言うことに注目される。同HPでは、「4.滑走路表面材質の違いによる分類」としていくつかの材質を紹介している。ウォーター・スライドに使われる材質は、

    4-1.繊維強化プラスチック製(FRP)の滑走路
    4-2.金属製の滑走路
    4-3.鉄筋コンクリート製の滑走路
    4-4.ソフトマット製の滑走路
    4-5.キャンパス製(テント布)の滑走路

    と5種類に分けられるようだ。個人の経験では、国内外で4-1~4-4までの材質のウォーター・スライドは経験している(ウォーター・スライド・マニアではなく、子供の遊びのつきあいとして)。水流、傾斜、表面処理など、条件が異なるので経験からはどれが一番よく滑るとは言い難い。

    では、人民軍が「初めて製作した」ウォーター・スライドの材質は何であろうか。『労働新聞』の記事にはそれが何であるかは書かれていない。

    人民軍が「初めて製作した」ウォーター・スライド
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    下の写真を見ると、湾曲した黒いウォーター・スライドが置いてあり、机の上には青い液体と白い粉が入っているように見える箱が置かれている。恐らく、黒い湾曲部分は未塗装のウォーター・スライドで、青い液体が塗料、白い粉が表面処理をするための素材でであろう。
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    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    「日本ウォータースライド安全協会」HPに、「4-1.繊維強化プラスチック製(FRP)の滑走路」として、「工場で成型された多種類のFRP製滑走路パーツを現地で組み立てたもので、曲線ウォータースライドのほとんどがFRP製です」と書かれていることからすれば、人民軍が「初めて製作した」ウォーター・スライドはFRP製ということになるのだろう。

    また、送水用とみられる黒いパイプも展示されているので、これらもセットとなってウォータ・スライド一式ということになるのであろう。
    20140603_kctvasf_002580301.jpg
    Source: KCTV, 2014/06/03放送

    金正恩は、このウォーター・スライドを「6月末までに松島園国際少年団野営所に設置してやろう」と提案しているので、人民軍が「初めて製作した」ウォーター・スライドと輸入品のウォーター・スライドを比較できる日も近い。

    FRP加工にどれほどの技術力を要するのか分からないが、もし人民軍が小型ボートなどをFRPで製作していたのならば、ウォーター・スライドの製作など朝飯前ということになろう。素人考えでは、複雑な形状の船体を成型できるのであれば、ウォーター・スライドのような単純な形状の成型は簡単そうだからである。すると、これまで製作できるのに単に「元帥様」の命令がなかったからやらなかっただけなのか、ウォーター・スライドから進化させ小型ボートの製作に向かうのか、興味がある。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

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