「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍第851軍部隊管下女性放射砲区部隊の砲射撃訓練を指導された」:金ヨジョン軍指導に同行、党人と軍人の分離 (2014年12月30日 「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央通信」では、金ヨジョン同行したと伝えられていたが、少し前の「朝鮮中央TV」の「録画報道」で金ヨジョンの姿が映し出された。軍部に対しても彼女の影響力を示すためなのか。民生部門への指導での同行はしばしば報道されたが、軍事訓練への同行は初めてである。

    「録画報道」で1枚目に紹介される写真。少し離れて平服で軍事訓練を見る金ヨジョン(金正恩の肩の右、白いマフラーの女性)。例によって、金正恩の腕や肩に近い部分に写っている。
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    Source: KCTV, 2014/12/30放送

    『労働新聞』の同記事が伝える同行者と順序は以下のとおり。「崔龍海(党中央委員会常務委員)、黄炳瑞(人民軍総政治局長)、玄永哲(人民武力部長)、金英哲(人民軍総偵察総局長)、吳金哲(人民軍総参謀部副参謀長)、金ミョンシク(海軍司令部司令官)、崔ヨンホ(航空及び反航空軍司令官、2014年12月から)、金ヨンブク(不明)、呉日正(党中央委員会副部長、呉振宇の息子)、ハン・クァンサン(党財政経理部部長)、李炳鐵(航空及び反航空軍司令官2012年5月から2014年12月まで、国防委員会委員)、金ヨジョン」となっている(肩書き等は、韓国統一部資料による)。

    『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서 조선인민군 제851군부대관하 녀성방사포병구분대들의 포사격훈련을 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-12-30-0001&chAction=L

    金ヨジョンが写った写真が紹介された後には、崔龍海など党関係者が写った写真が紹介される。その後、紹介される写真には軍人(軍服着用者)しか写っていない。金ヨジョンが写っている写真で、崔龍海など党関係者はどこに立っているのかを知りたいところである。
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    Source: KCTV, 2014/12/30放送

    「偉大な最高司令官を高く頂いた朝鮮の栄光」:金正恩最高司令官就任3周年記念「朝鮮記録映画」、吹雪の白頭山、金正恩操縦桿を握る (2014年12月30日 「朝鮮中央TV」)

    金正恩の人民軍最高司令官就任3周年を記念したと思われる「朝鮮記録映画」が12月30日に「朝鮮中央TV」で放送された。

    「偉大な最高司令官を高く頂いた朝鮮の栄光」
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    Source: KCTV, 2014.12.30放送

    「2011年12月30日」に金正恩最高司令官就任
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    Source: KCTV, 2014.12.30放送

    吹雪の白頭山の岩肌に刻まれた「革命の聖山白頭山 金正日」の文字
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    Source: KCTV, 2014.12.30放送

    夜間、吹雪の白頭山に来たという設定。
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    Source: KCTV, 2014.12.30放送

    「革命家は白頭の刃の風の味を知らなければなりません」とナレーション。「刃の風」の中に立つ「最高司令官同志」ということのようだが、フラッシュが光った瞬間をキャプチャするとスタジオ撮影のようにも見える。風の関係かもしれないが、「最高司令官同志」の上から雪が落ちてきているように見える。
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    Source: KCTV, 2014.12.30放送

    以下、放送中に書いた部分であるが、追記しておく。

    今(2014.12.30)放送中の「朝鮮記録映画」で、形式的かもしれないが金正恩が操縦桿を握っている。
    『The Inverview』もよくできた映画のようだが、「元帥様」というか北朝鮮の現実もなかなか『The Inverview』が想定した以上のようだ。

    フライトプラン(?)を確認する金正恩
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    Source: KCTV, 2014/12/30放送

    操縦桿をコントロールする金正恩
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    Source: KCTV, 2014/12/30放送

    操縦桿を握る金正恩(自動操縦で飛行中なのかもしれない)
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    Source: KCTV, 2014/12/30放送

    <追記>
    右に座っているパイロットの服装からして民間機のようである。機種はAn-148のようである。高麗航空が保有する最も新しい機体ではないだろうか。一応、左側が機長というルールがあるらしいが、「最高司令官同志」はしっかりと左側に着座している。

    An-148(アントロノフ148)
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    Source: Wikipedia, http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%BA%97%E8%88%AA%E7%A9%BA#mediaviewer/File:Air_Koryo_Antonov_An-148-100B_Belyakov-1.jpg

    操縦席も飛行情報表示画面の縦位置と横位置という違いがあるものん0お、非常にAn-148に似ている。
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    Source: Wikipedia, http://ja.wikipedia.org/wiki/An-148_%28%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%29#mediaviewer/File:AeroSvit_An-148_UR-NTA.jpg

    比較的操縦席がよく見えるシーン
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    Source: KCTV, 2014.12.30放送

    着陸する場面。飛行術はよく分からないが、着陸時のコントロールの要はスロットルではないのか。「最高司令官同志」は、スロットル操作はしていない。下手をすれば墜落なのでさすがに「ベッチャン(勇気)」がある「最高司令官同志」も触れなかったのであろう。
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    Source: KCTV, 2014/12/30放送

    操縦シーンのナレーションは以下のとおり。

    「いつも、空の哨兵と共に飛行機に乗って祖国の青い空を飛びたいのが自分の心情であるといつも言っておられた敬愛する最高司令官同志。自ら、飛行機の操縦桿を力強く握られ、赤い鷹の胸に勝利への直線航路を深く刻み込んで下さりました。飛行機に乗るのが大変で危険なので、飛行訓練をするたびに指揮官が手に汗を握り、家族も安心できないでいる。だから自分で必ず乗らなければならないと仰り、飛行機に乗られた我々の元帥様です。祖国と人民の運命を一人で守られる最高司令官同志が再び危険な飛行機に乗られないことを強くお願いするたびに、敬愛する元帥様は仰りました。『最高司令官が飛行士と共にいるということはどういうことでしょうか。僕が直接飛行機に乗ってみてこそ、飛行士にいつも飛行航路に最高司令官が共にいるという気持ちを抱かせ、力と勇気を持つことができます。』敬愛する最高司令官同志は危険千万な飛行をなさり、いつも我々の赤い鷹たちと祖国守護の航路に一緒におられました。」

    「金正恩同志が朝鮮の魂と気性を反映した意味深い名前を抱かせて下さった」:金正恩時代の新たな「創造物」の名前、日本での誤報、「未来」を強調、「1月8日水産事業所」には深く触れず、<追記>「朝鮮中央TV」が見せたカレンダーの1月8日、<追記2>金正日事業開始日祝日化(6月19日)を指示する金正恩? (2014年12月28日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」が「敬愛する金正恩同志は過去3年間、偉大な金正日同志の偉勲を開花させる革命領導の道で偉大な首領様の思想と偉業を長く輝かせ、主体革命の新たな時代の総進軍を力強く領導する意味深い名前を朝鮮の軍隊と人民に抱かせて下さった」とし、金正恩時代に新設された記念日、建設や改築された施設等の名前を列挙しながら紹介している。以下、一覧にしておく。

    ・「光明星節」:「偉大な先軍太陽を高く頂いた2月16日を光明星節と制定」(金正日の誕生日)

    ・「錦繍山太陽宮殿」:「錦繍山記念宮殿」から名称変更

    ・「金正日軍事研究院」:「金日成軍事総合大学の研究院に父なる将軍様のお名前を頂くようにされた」とする「新しく建設され」た「研究院」。一部報道で「金日成軍事総合大学を金正日軍事研究院に改称」とか「金日成軍事研究院を金正日軍事研究院に改称」などと報じられているが誤報の模様。

    「朝鮮中央通信」の2013年11月20日付け記事「김정은동지께서 김일성군사종합대학에 새로 건설하고있는 김정일군사연구원을 돌아보시였다(金正恩同志が金日成軍事総合大学に新たに建設している金正日軍事研究院を視察された)」参照。

    例:朝日DEGITAL、「北朝鮮の軍事研究院、「金日成」から「金正日」に改名」、http://www.asahi.com/special/08001/TKY201210290276.html (ただし、2012年12月29日付けの記事なので、当時の「朝鮮中央通信」報道ではそのように報じられた可能性あり。そうであるとすれば、その後、北朝鮮側の事情で変更されたのかもしれない)

    ・「金正日人民保安大学」、「金正淑平壌紡績工場」:「白頭山将軍たちの領導業績が刻まれた様々な単位(職場)に」命名。

    ・「先軍節」:8月25日

    ・金正日XX勲章:「偉大な将軍様のお名前を頂いた勲章と賞が制定された」。XX部分には勲章等の種別が入る。

    「金正恩同志は、この地壮大な創造と変革を新たな時代と規定して下さり、人民の美しい夢と理想が込められた意味深い名称を付けて下さった」施設等。

    ・「馬息嶺速度」、「朝鮮速度」:「人民軍隊が先頭に立ち先軍朝鮮の繁栄期を切り開く21世紀の新たな時代速度」として。

    ・「モランボン」:「朝鮮式の新たな軽音楽団を組織され、楽団の名称を父なる将軍様が好まれた『モランボン』と」した。

    ・「ルンラ人民遊園地」、「ミリム乗馬クラブ」、「オンリュ児童病院」、「リュギョン口腔病院」、「ルンラ人民体育公園」、「マンスギョ肉商店」、「チャンジャ江人民遊園地」:「文化情緒生活基地、奉仕基地などの名前を共に、朝鮮の社会生活は日々文明化している」と。

    ・「銀河科学者通り」、「未来科学者通り」、「衛星科学者住宅地区」、「未来商店」:「敬愛する元帥様は、科学者が利用する類い希な住居と奉仕基地を贈り物として」提供。

    ・「平壌建築総合大学」:「主体的建築人材養成基地の名称」。「(「元帥様」)自ら名誉総長になられ」る。

    ・「未来院」:「2013年6月、平安北道チャンソン軍を現地指導されながら、各道の現代的な図書館の見本として建設され、市、郡に新たに建設された科学技術知識普及基地である図書館を『未来院』と呼ぶ」ことにした。

    ・「10月8日工場」、「カルマ食料工場」、「チョンアポ水産研究所」、「千里馬タイル工場」:「(これらの)名称は、将軍様が蒔かれた種を結実されようとする敬愛する元帥様の崇高な意により新たに命名された」。

    ・「タンプン(カエデ、紅葉)」:「軍人と人民の食生活向上のために現代的な漁船を贈呈され」て命名。

    ・「漁村タンプン村」:「朝鮮人民軍1月8日水産事業所の漁労工住宅地区」の名称。「1月8日水産事業所」も「意味深い1月8日」としていたが、今回はその「意味深さ」について特段言及していない。一部報道で、1月8日が赤字から黒字(休日から平日)へと北朝鮮のカレンダー上で変更されているというが、それとの関連か。

    <追記>
    1月8日のカレンダーを12月28日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」で確認できた。報道は、1月8日についてではなく、多種多様なカレンダーが印刷されたという内容である。

    3月のカレンダーであるが、左側に縦に表記されている1月のカレンダーをよく見ると8日は黒字になっている。なぜ、同じカレンダーを3枚も並べたのかは分からないが、「1枚に3ヶ月出す党の方針により」と「出版指導局処長」が説明しているので、それとの関連かもしれない。報道で1月8日を見せているのはこのカットのみである。2月を見ると日曜日の15日と「光明星節」の16日が赤字になっており、連休である。
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    Source: KCTV, 2014/12/28放送

    <追記2>
    コメントで6月の「金正日事業開始日休日化」が話題になったので、こちらも写真を掲載しておく。この日については、「Daily NK」が以下のように報じている。

    「北韓がはじめて2015年から金正日の党事業開始日(6.19)を法定休日に指定されたことが確認された。『党事業開始日』は、1964年6月19日に金正日が金日成(総合)大学を卒業し、労働党組織指導部指導員として業務を始めた日で、北韓が毎年各種行事を行っている主要な記念日の一つである」

    Daily NK, 「 북한, '김정일 黨사업 개시일' 공휴일로 첫 지정 2015年 달력 입수] 6월 19일 '빨간날'로 표기…김정은 생일 아무런 표시 없어」、http://www.dailynk.com/korean/read.php?cataId=nk00100&num=105200

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    Source: KCTV, 2014/12/28放送

    「偉大な領導者金正日同志が党中央委員会で事業を始められてから50周年慶祝中央報告大会」で黄炳瑞に何か指示をする金正恩。「休日にするように」とでも言っているのだろうか。こういう場面を見せておき、後でさらっと休日にするところなど、なかなか芸が細かい。
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    Source: KCTV, 2014/06/19放送

    **********以上<追記>**********

    ・「フェプル(松明)」:「国家のサッカー熱風を起こし、消えることのない松明になれと」命名。

    ・「万福花」:「敬愛する元帥様が『万福花」と名付けて下さった花は、全国で咲き乱れ、奥ゆかしい香りを漂わせている」。この花については、今まで報道されていなかったかもしれない。「朝鮮中央通信」等の検索では出てこない。

    ・「金正淑平壌紡績工場」、「デソンサン総合病院」、「マンポヨンハ発電所」:「強盛国家建設で名が受け継がれる名称にも敬愛する元帥様が自ら付けて下さった」ものがある。

    「モスクワが金正恩を戦勝70周年記念日に招待-クレムリンスポークスマン」:金正恩は出席するのか、そして欧米日の指導者は? (2014年12月19日 「TASS通信」)

    少し前から話が出ていたにもかかわらず、きちんと確認するのが遅れていたロシアによる金正恩招待説であるが、「TASS通信」で確認できた。

    TASS, Moscow invites Kim Jong-un to attend 70th Victory Day anniversary — Kremlin spokesman, http://itar-tass.com/en/russia/768080

    同通信が12月19日に配信した記事によると、ロシア大統領府のスポークスマンが「(戦勝70周年記念行事参席の)招待状が送られたことは事実だ」と確認したという。ロシアは2015年5月9日に戦勝70周年記念行事を行うが、「60周年行事には、米国、日本、フランス、ドイツ、中国の指導者が出席した」という。ウクライナ状勢が2015年5月までに大きく動くことはないと思うので、西側の米国と欧州の指導者が式典に出席するかどうかは不透明である。日本は、ウクライナで欧米と足並みを揃えるのか、北方領土で独自の判断をするのかは分からないが、中国だけの出席であったとしても、金正恩が中ロ首脳と握手するのは意味がある。そこに、欧米日の指導者が一人でもいれば大変おもしろい状況になるのだが、どうなるのであろうか。北朝鮮は、この招待について今のところ報じていない。

    「故意の悪行にしがみつけば、想像できないさらに大きな災いを招くということを知らなければならない-朝鮮民主主義人民共和国国防委員会政策局スポークスマン談話」:オバマ大統領をサル扱い、北朝鮮のメディアに対する攻撃を認める、NCND、「反テロ条約」の解釈 (2014年12月27日 「朝鮮中央通信」)

    「The Interview」が米国の一部の劇場で公開されてから数日過ぎたが、今のところ「9.11を思い出」させるような事態は起こっていない。万が一の場合の賠償額を考えたSPEの経済的判断に対し、米大統領自ら「表現の自由」を理由に横槍を入れて映画を公開させることになったわけだが、現状では大統領の政治的判断が正しかったということであろう。少なくとも、ハッキングというサイバー攻撃と「9.11」のような物理的攻撃を結びつけた今回の事件が「結果的には失敗であった」ということを証明できたわけである。もちろん、サイバー攻撃には成功したわけだが、こちらは決して新しい事態ではないので、やむを得ないという話なのであろう。

    一方、「不純映画の全面配給を諦めた『ソニー・ピクチャーズ』の措置に対しても幸いに考えてい」た北朝鮮にとっては、映画公開にSPEが踏み切ったのはおもしろくない。それを示すかのように、国防委員会政治局が12月27日に「談話」を出している。以下では、その内容をかいつまんで紹介していく。

    「談話」ではSPEが映画公開に踏み切ったことについて「米行政府と悪質保守勢力の執拗な煽りに耐えきれず、今後訪れる悲惨な運命も考えずに映画配給に再び走った」とした上で、そうさせたのは「『ソニー・ピクチャーズ』に『無差別的な配給』を強要し、米国内の映画館を懐柔・恐喝してこの不純反動映画配給を煽るのに先頭に立った張本人は米大統領オバマである」と米大統領を非難している。

    オバマ大統領への非難はエスカレートし「熱帯樹林の中に生息するサル顔そのもの、いつ見ても言っていることと行動が限りなく軽々しいオバマは、無慈悲な報復打撃に仰天した『ソニー・ピクチャーズ』が不純反動映画の配給を中止したという声明を発表するや『ソニーピクチャーズの恥は米国の恥だ』、『なぜ大統領に知らせもせずに白旗を掲げるような声明を出したのか』、『表現の自由に対する蹂躙であり、米国の安保状況に対する危険である』、『ハッキングの背後がはっきりしないが、北朝鮮と断定して相応に対処しなければならない』などと騒ぎ立て、無条件の上映を求めた」としている。「熱帯樹林の中に生息するサル顔そのもの」とは、黒人大統領を意識して使った人種差別性の強い表現である。米国がクリスマス休暇に入り、国務省の定例記者会見が開催されていないので米側の反応は確認できないが、コメディー映画が「最高尊厳」を暗殺するのと、北朝鮮憲法が定める国家最高権力機関が「談話」の中で一国の大統領を「サル顔」呼ばわりするのとは異質である。英語にはどのように翻訳されているのか調べたところ「 Obama always goes reckless in words and deeds like a monkey in a tropical forest. (オバマは、熱帯の森林のサルのように、いつも軽率な言葉を言ったり行動をする)」と訳されていた。

    「サル顔」で煽っておき、「聞きたいのだが、オバマが自分に対するテロをストーリーとした映画をどこかの誰かが作れば、また自分を直接殺害するテロを誰かが煽ろうと画策するなら、今のように『表現の自由』と『現代文明の価値』に対して騒ぎ立て、それら全てを喜んで歓迎することができるのか」と続けている。過去記事で紹介した米国務省定例記者会見での質問に近い内容であるが、「テロをストーリーとした映画」は「喜んで歓迎」しないにしても、「嫌」でも「表現の自由」を尊重とするであろう。しかし、「自分を直接殺害するテロを誰かが煽る」のであれば、これは完全にNoである。この辺り、北朝鮮がコメディ映画とテロを同一扱いしているところなど、「絶対尊厳」と「表現の自由」の扱いが米国と全く異なっていることを示している。

    次に、「我々はこの機会に再び明らかにしておく。『ソニー・ピクチャーズ』に対するハッキング攻撃は我々と何の関係もない」とし、「米連邦捜査局の表現どおり『敏感な情報源保護』のために証拠を公開できないのであれば、我々と非公開で共同調査をしても構わない」としている。FBIと北朝鮮当局が「非公開で共同調査」とは奇抜な提案である。

    そして、「現実的に体のでかい米国が、まるではなたれ小僧が鬼ごっこでもするように、恥も外聞もなく我々共和国の主要報道メディアのインターネット稼働に妨害を与え始めた」と北朝鮮の官営メディアに対して「米国による」サイバー攻撃があったことを認めた。その上で、米国務省定例記者会見のやりとりを持ち出し「米国は、今回も我々の報道メディアにハッキング攻撃を加えながら、世論の反発が高まると、卑劣にも『北朝鮮に聞いてみろ』、「米国は肯定も否定もしない』とすっとぼけている」としている。そして、「これは、既に50年代に南朝鮮に初めて核兵器を持ち込んだ時から今日に至るまであらゆる核戦争殺人装備をいつでも構わず持ち込みながらも、朝鮮半島に対する米国の核政策が『肯定も否定もしない政策』である」と核兵器の有無について米国がずっと使ってきたNeither Confirm Nor Deny(NCND)の方針と結びつけている。確かに、今回の国務省報道官の対応もNCNDの典型である。

    しかし、今回の北朝鮮に対するサイバー攻撃について「米国にある『ソニー・ピクチャーズ』が被った悲惨なハッキング事件を我々と無条件結びつけ、我々の最高尊厳を誹謗するテロを扇動する不純反動映画上映までついに強行した米国の凶悪な腹の内は明らかである」とそれが米国によるものであると断定している。

    そして最後に、『The Interview』上映がなぜ「テロ」になるのかという実におもしろい説明をしている。「それは『The Interview』が、主権尊重と内政不干渉、人権擁護を法的根幹とする国連憲章と国際法にも全面的に反する不法無法の不純反動映画であるからである。1994年に採択された『国際テロ根絶条約に関する宣言』をはじめとした反テロ条約には、民衆が支持する国家元首の生命と健康、名誉に対する侵害を国際テロと明白に規定している。今、米国が『反テロ』を唱えながら特定国家に対するテロを扇動することは、どこにも通じないダブルスタンダードの極致であり、その破廉恥性を再び白日の下にさらしたものである。『The Interview』は、米行政府のクラスの高い政治家が関与して制作されたテロ扇動手段であり、米国の対朝鮮敵対視政策に基づく新たな政治的挑発となるからである」としている。「テロ根絶条約」で確認する必要があるが、「名誉に対する侵害」も書かれているということは知らなかった。本当にそう書かれているならば、「民衆が支持する国家元首」である「元帥様」の「名誉に対する侵害」をするような映画はコメディーであれ何であれ「国際テロ」ということになってしまう。

    そして、締めくくりは例によって「テロは報復の悪循環をもたらすという。オバマは、新年に米国の地が平穏であることを望むのであれば、対朝鮮敵対視政策に基づく不純な全ての悪行を自ら解決するという立場で収拾に奔走することだ。そうすれば、全てのことが無難になるであろう。嵐が過ぎ去れば、静けさが戻るというものである」と警告とも威嚇とも取れる表現で「談話」を結んでいる。

    なお、本「談話」は、12月28日までの『労働新聞』には掲載されていない。

    「北朝鮮でインターネット接続不能、完全オフライン-監視会社」:『労働新聞』、「朝鮮中央通信」昨日よりアクセス困難に、攻撃の主体は?、米国は早期に現実的な対応措置を、『労働新聞』、「朝鮮中央通信」への攻撃には反対、米国務省、関与は曖昧に、<追記2> 『The Interview』一部劇超公開へ(2014年12月23日 「Bloomberg」)

    Bloomberg, 「北朝鮮でインターネット接続不能、完全オフライン-監視会社」、http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20141223-00000009-bloom_st-nb

    昨日朝辺りから、『労働新聞』と「朝鮮中央通信」へのアクセスが非常に困難になっている。終日不能というわけではなかったが、かなり繋がりにくい状態になっていることは間違いない。状況は、「アノニマス」により攻撃されていた時と非常に類似している。現在も両サイトには接続できない状態になっている。uriminzokkiriには接続することができているが、そこから接続されている「ネナラ(私の国)」や「朝鮮の声」には接続できない状態になっている。

    これが米国による「報復」なのかは分からない。ハッカー集団程度でもできる攻撃なので、どこかのハッカー集団がメディアで大きく報じられることを見越して、おもしろがって攻撃している可能性もある。もっといえば、SPEに対する攻撃もハッカー集団によるものであったかもしれないし、北朝鮮の関与があったとしても、それがどこまでであったのかは切り分けにくい。特に、過去記事にも書いたように、「最高尊厳」である「元帥様」の顔が溶けるシーンを敢えてリークしていることなど、北朝鮮が『The Interview』公開に反対したことの根本的な理由であることからすれば考えにくい。もちろん、偽装工作まで言い出せば切りがないが、偽装工作に「元帥様」の顔が溶けるシーンを使ってしまうのであれば、そもそも「米国の地のどこかにある」取るに足らない「芸術的価値のかけらもない」ような映画にクレームを付ける必要などなかったはずだ。

    FBIが「北朝鮮の犯行」と結論づけたのがどこまでなのか。SPEに不正アクセスしたことまでなのか、不正取得したデータを流出されたことまでなのか、はたまた「映画館攻撃予告」までしたことなのか明らかにされていない。オバマ大統領まで出てきて「報復」を云々しているのは、「映画館攻撃予告」があり、それにより上映が中止されたからであることは間違いない。米国の基本理念である「言論の自由が侵害」されたからである。また、過去記事にも書いたとおり、この手法が通用することが今回確認されてしまったので、国家組織も非国家組織(テロリスト集団)も有効かつ手軽な攻撃手段としてこれから利用する可能性がある。加えて、ハッカー集団も面白半分に実力誇示のためのイタズラをすることも考えられる。

    では、北朝鮮系インターネットサイトに対する攻撃は誰がやっているのか。これもまた分からない。「アノニマス」でもできてしまう程度のことなので、他のハッカー集団ができないはずはない。もちろん、米国政府であれば朝飯前であろう。ハッカー集団が攻撃しているのであれば、その理由はよく分かる。面白半分に実力誇示ができる絶好の機会であるからだ。しかし、米国政府によるものであるとすれば、「言論の自由」を侵害したから「言論の自由」を侵害することでその報復とするのは本末転倒である。米国のルールは、彼らにとってはグローバルなルールであるはずである。それが、北朝鮮のプロパガンダ官営メディアであるから許されるという論理は通用しない。百歩譲って北朝鮮には通用するにしても、我々のような情報を受け取る側の権利を著しく侵害していることになる。

    それにしても、uriminzokkiriだけ攻撃対象から除外しているのはなぜであろうか。同サイトが中国国内のサーバーを使っているので、中国に対する攻撃と取られることを警戒しているからであろうか。ハッキング集団であれば、そんなことは構わず攻撃をするはずであるが、この辺に対する配慮があるとすれば、米国政府による攻撃の可能性も排除できない。それとも、1つのサイトだけ生かしておき、北朝鮮のリアクションを晒そうという目論見なのだろうか。

    この状態が続けば、北朝鮮は何らかのリアクションに出るであろう。それがどのようなものになるのかは分からないが、このままでは負の連鎖に陥り、非常に危険な状態に至る可能性もある。映画会社や官営メディアに対するサイバー攻撃どころの話ではなく、物理的な衝突に発展する可能性すら否定できない。この事態は、何としてでも避けなければならない。

    米国としては、北朝鮮に懲罰を加えたいのであれば、「テロ支援国」に再登録すればよい(その効果は限定的であるが)。そして「北朝鮮の官営メディアに対するサイバー攻撃は行わない」と宣言すればよい。もちろん、本格的な報復として北朝鮮の軍事ネットを攻撃する手法もあろうが、それでは双方その被害や手の内を公開しないので、今回のようなまさに「劇場犯罪」に対する明示的な対処にはならない。

    誰がやっているにせよ、『労働新聞』や「朝鮮中央通信」サイトへの攻撃には反対である。「言論の自由」はそれを受け取る側にもあるはずだ。黒く墨塗にするのは最高機密が解除されたCIA拷問関連の公式文書だけで十分である。

    <追記>
    米国務省定例記者会見で、報復サイバー攻撃問題に関するやりとりがあった。

    北朝鮮系サイトへのアクセスが困難になっていることへの米国の関与に関する記者からの質問に米国務省報道官は、以下のように答えている。

    「大統領は、様々な報復オプションを考えていると言った。我々は公に(報復)作戦の詳細については語らないし、(北朝鮮のインターネットアクセス障害に関する報道についての)コメントもしない。我々が言えることは、我々(米国)は報復(複数)を実行するということだけである。そうした報復は、可視的であったり不可視的であったりする。私は{北朝鮮系サイトのインターネット接続障害)報道について確認はできないが、一般的にはそれが大統領が述べたことである」

    この発言からすると、米国は北朝鮮系サイトへの攻撃を否定していない。「可視的」な攻撃が北朝鮮系インターネットメディアへの攻撃であり、「不可視的」な攻撃が北朝鮮軍事ネットへの攻撃ということで、同時並行的に行われているということであろうか。

    また、米国は北朝鮮がSPEへの損害賠償をすることも求めている。記者の現在北朝鮮に課されている制裁との関連から、「どのように送金するのか」という質問に対し、報道官は「例外措置があるだろう」と答えている。

    それでは、米国の報復による「損害」への北朝鮮からの賠償請求はどうなるのだろうか。

    U.S. Department of State, Daily Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2014/12/235472.htm#NORTHKOREA

    <追記2:12月24日>
    SPEが『The Interview』を「当初の計画通り25日に米国の一部劇場で公開すると発表した」と「時事通信」が報じた。しかし、「米大手映画館チェーンの多くは来場者の安全を考慮し、上映見合わせを決めているため、25日から上映するのはごく一部の独立系映画館にとどまる見通し」だという。また、SEPのCEOが「DVDやネット配信など劇場以外での提供を検討する方針」であることも伝えている。

    時事通信、「『金正恩暗殺』映画、一転公開へ=中止に批判相次ぎ―米ソニー・ピクチャーズ」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141224-00000007-jij-n_ame

    大統領に「上映中止は間違いだ」と言われ、判断を翻した形だ。観客の安全性を確保できるDVDでの販売やインターネット配信はあるのではないかと思っていたが、映画館上映まで踏み切るとは思わなかった。しかし、「独立系映画館」ということなので、規模や数も少なく、比較的警備が容易なところで上映し、安全性を確認した上で、大規模映画館にも広げていくのではないだろうか。

    サイバー攻撃をする側にとっては、インターネット配信をすることになれば、攻撃対象としやすいということになる。しかも可視的効果も絶大である。DVD販売についても、amazonなどの大手インターネット通販会社がターゲットとなる可能性はある。

    米政府は、北朝鮮に「損害賠償」を求めているが、小出しに公開していけば、『The Interview』は当初想定した以上の興行収益を上げることができることになるのかもしれない。米国大統領が言及するにまで至った映画なので、そもそも関心がなかった米国人も見るであろうし、さらに世界的にも注目度は高まっているはずである。したがって、予定した「損害賠償」分など、その収益の増加分でカバーして余るのかもしれない。民事的にそうした「計算」はしないのであろうが、この騒ぎがこの映画に対する注目度を格段に高めたことは間違いない。

    北朝鮮はそのうちに「米行政府と映画制作配給会社は、我々を装うサイバー攻撃をでっち上げ、『最高尊厳』を中傷する映画の拡散と収益拡大を画策した」とでも言い出すのかもしれない。

    一方、12月23日の米国務省定例記者会見でもこの問題について再び多くの質疑が行われた。まず、北朝鮮でのインターネット障害への米政府の関与が質問されたが、国務省報道官は「確認できない」を繰り返すだけで、インターネット障害については「北朝鮮政府に問い合わせろ」と言っている。

    『労働新聞』や「朝鮮中央通信」HPへの接続は、昨日記事を書いてしばら後から概ね良好になっており、現時点では全く問題ない(『労働新聞』と「朝鮮中央通信」で確認)。これで収まってしまうのであれば、「アノニマス」による攻撃よりもずっと軽いことになる。

    また、「可視的と不可視的報復」についても質問が出されたが、こちらについても何が可視的で何が不可視的なのかということについて報道官は明言しなかった。不可視的報復は明言できないだろうが、可視的報復については何をするのであろうか。

    それとの関連で、「テロ支援国家指定」による「効果」についても質問が出された。報道官は「その効果については金融制裁も含めて検討中」であるとしているが、可視的かつ象徴的な効果以上を期待するのは難しそうである。

    日本との関連では、SPEの本社が日本のSONYであることなどからして、日本の対応について質問されている。日本の官房長官記者会見などについては未確認であるが、日本政府はサイバー攻撃については非難するものの、それが「北朝鮮によるものであると断定することはしていない」と記者は質問している。これに対し報道官は、「とりわけ地域の国が、我々と共に立ち上がり、こうした行動は許されないという声明を出すことを歓迎する」と答えている。この発言は「FBIの調査結果に自信がある」と述べた上での発言なので、日本政府に北朝鮮を名指しで非難することを求めるものとも受け取れる。拉致問題を巡る協議が進行中の日本としては、北朝鮮を「人権」と関係ない部分であまり刺激したくないということなのだろうか。

    また、この問題に対処するための米中両政府の電話協議についても質問が出ている。記者は、米国側から中国に対して「北朝鮮のインターネット回線を中継するサーバーを停止する」、「北朝鮮に誤った行いであると(中国政府)が警告する」、「ハッカー集団を見つけ出し、中国国内にいるのならば北朝鮮に送還する」などを求めたのかと質問したのに対して、校務相報道官は「この問題についての意見の相違はあったが、こうした悪意のサイバー活動は世界の平和と安全にとって危険であるという点で一致した」と述べるにとどまった。結局、中国は今回の攻撃が北朝鮮によるものであると認めず、一般的に「サイバーテロは認めず」とするに留まったのであろう。

    おもしろかったのは、「ロシアのような米国と悪い関係にある国が、オバマ大統領を暗殺映画を制作したらどうするのか」という質問である。報道官は「そのような映画を作られることについては嫌だが、だからといって何をするわけでもない」と「表現の自由」を尊重する立場を取っている。北朝鮮の映画にも「米帝の悪人」は何人も登場するが、さすがに現職大統領のそっくりさんを登場させ、顔を溶かす映画を制作したことはない。まあ、北朝鮮が作るとそれはコメディーでなくなってしまうというところが違いなのだろうが、「芸術的価値がない」などと言っていないで、金正恩時代の新しい「創造物」として「米帝」をオチャラかすコメディー映画を制作すれば、朝鮮人民は楽しめるし、宣伝効果も期待できるというものである。ただ、「米帝」は自らもオチャラかしの対象としているところが「信念のなさ」であり偉大なところなのだが、北朝鮮にそれを期待するのは無理であろう。

    U.S. Department of State, Daily Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2014/12/235508.htm#NORTHKOREA

    「不正義の行為は正義の対応を誘発させるものである、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会政治局スポークスマン記者の質問に回答」:12月7日に出された「回答」 (2014年12月8日 「労働新聞」)

    別記事のコメントで予告したとおり、SONY Pictures Entertainment(SPE)へのハッカー事件と関連して「国防委員会政治局」が出した「回答」を全訳しておく。「外務省」ではなく、「国防委員会政治局」に「回答」を出させている点も興味深い。

    『労働新聞』、「부정의의 행위는 정의의 대응을 유발시키는 법이다 조선민주주의인민공화국 국방위원회 정책국 대변인 기자의 질문에 대답」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-12-08-0013&chAction=S

    **************
    最近、南朝鮮傀儡共が米国の地で発生したいわゆる特大ハッキング事件というものを我々と結びつけ、荒唐無稽な世論を拡散させている。

    事大と屈従が体質化した傀儡共がボスの反共和国騒動に調子を合わせて騒ぎ立ててているだけだということが分からない我々ではない。

    そうはいっても、滅茶苦茶に我々を挑発していることについては座視することはできない。

    これと関連し、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会政治局スポークスマンは、7日、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように回答した。

    報道によると米国の「ソニー・ピクチャーズ」という映画制作配給会社が、誰それから正体不明のハッキング攻撃を受けているという。

    攻撃があまりにも致命的であり、映画制作配給会社の全ての体系が完全に麻痺し、関連業務が全般的に中止される事態に至っており、数億ドル台の莫大な損害を被ったということである。

    慌てた米国がFBI、CIA、NSAをはじめとしたありとあらゆる捜査機関を総動員してハッキング攻撃に関する緊急捜査を行う、滅茶苦茶に破壊された映画制作配給会社の体系復旧に努める等と言いながら、大騒動になっているという。

    我々は、米国最大の映画制作配給会社という「ソニー・ピクチャーズ」が米国の地のどこに位置しているのか、またどんな悪事を働いたがために致命的な災難に遭っているのかといった類いのことについては知るよしもなく、ましてやそれについて知る必要性を大きくは感じていない。

    ただし、少し前から米行政府の対朝鮮敵対視政策に便乗し、我々の最高尊厳を中傷ししながらテロを煽る不純な映画を作り、上映しようとした映画制作配給会社がまさに「ソニー・ピクチャーズ」であるということはとてもよく分かっている。

    したがって、極悪非道な犯罪を犯した当事者が、まさにこの「ソニー・ピクチャーズ」映画制作配給会社であることからして、相応の懲罰を受けなければならないというのが揺るぎない我々の立場である。

    我々は、既に平和的で安定的に暮らしている人間の普遍的な権利とそれぞれの国の自主権をむやみに踏みにじる侵略の元凶であり、人権蹂躙の親分である米国とその追従勢力を罪悪の墓穴に埋葬するための正義の協力、反米協力に出ることを全世界に呼びかけている。

    反米協力で正義が不正義を、真理が虚偽を打ち破ろうという我々のこの呼びかけは、世界の至る所で反米、反帝闘争の熱風を力強く吹き起こしている。

    今回、米国の「ソニー・ピクチャーズ」映画制作配給会社に対するハッキング攻撃も、我々のこうした呼びかけにこたえ、立ち上がった我々の支持者、同情者たちの義挙であることは明らかである。

    結局、「ソニー・ピクチャーズ」映画制作配給会社が被った大きな災難は、徹頭徹尾、悪事に対する相応の懲罰であり、不正義に対する正義の対応であることに違いはない。

    だからこそ、悪名をはせているこの映画制作配給会社に無差別的な打撃を加えている人々は、自らを「平和の守護者たち」とはっきりと公開しているのではないだろうか。

    ところが、問題となることは、被った災難を恥と思わなければならない当事者である米国は、悪事を反省するのではなく、我々を照準とした捜査をしている一方、ボスのご機嫌取りがうまい南朝鮮傀儡共は、同族対決の体質化した悪習を捨てることなく、米国の地で発生した事態を出鱈目に我々と関連させ、「北犯行説」を流布している。

    北の最高尊厳を冒涜するテロ映画を制作し、その予告編が紹介された時から、我々の強硬な立場が言及されたので、「北の犯行」が明らかだと言うが、米国に対して核による洗礼まで布告した我々の報復がその程度だとでも思っているのであろうか。

    北のハッキング能力が高いから「北の犯行」であると騒ぎ立てているが、高いというその能力をそんなに易々と使う我々だとでも考えているのだろうか。

    米国に対する今回のハッキング攻撃で「ハングル文字」が発見されたから「北の犯行」であると言うが、出てきた英文文字が大部分である状況であることからすれば、誰それというのではなく、米国自体あるいは英国の犯行であると考えなければならないのではないのか。

    特に、「ハングル文字」は、北と南だけではなく、世界各国で暮らす我々民族全てが使っているのに、それがいったい「北の犯行」と断定する初歩的な根拠にでもなるということなのであろうか。

    それだけではなく、今回の「ソニー・ピクチャーズ」映画制作配給会社に対するハッキング攻撃の手法が、最近何回も南朝鮮傀儡共を唖然とさせたハッキング攻撃の手法と同じであるから「北の犯行」であるというが、今も人々は南朝鮮が被った被害が傀儡共内部の犯行でなければ、我々ではない他の所からもたらされたものと考えているということをはっきりと知らなければならない。攻撃手法が同じであるからといって「北の犯行」という根拠自体が出鱈目である。

    いったい「北の犯行」でなないという明白な根拠がないというそれ自体が、まさに「北の犯行」となりうる「直接的根拠」になるという、あきれるような根拠を信じる人がこの世に何人いるのだろうか。

    いくら謀略と捏造が習慣化して頭がおかしくなったにしても、度というものがある。

    元来、米国と南朝鮮傀儡は、同様に自分の家の中で何か不祥事が発生すると、やたらと他人のせいにする癖がある常習犯であり前科者である。

    南朝鮮傀儡共についてだけ見ても、「『天安』号沈没事件」、ヨンピョン島砲撃戦、「7.7電算大混乱」、「農協電算網麻痺事件」、「3.20ハッキング事件」、「GPS電波妨害事件」、「無人機事件」など、自分の家の中で非正常的な事件が発生する毎に何でもかんでも我々と結びつけた。これについては、誰もが知っていることである。

    悪い癖が続けば、悪習となり、いずれそれが本業となってしまうものである。

    今、自分の地ではない大洋を越えたボスの地で発生した事件まで「北犯行説」で世論を混乱させるにに至ったのがまさに南朝鮮傀儡共である。

    罪のない同族を責めることでボスのご機嫌を取ろうと恥も外聞もなく媚びを売る植民地下手人の卑屈な為体ぶりに全民族がつばを吐いている。

    今のように、米国にやたらと媚びを売っていれば、世界規模で起こった反米聖戦の坩堝の中で恐ろしい懲罰を免れることができなくなるということを肝に銘じなければならない。

    米国もしっかりと知らなければならない。

    我々には、米国の汚い映画制作配給会社である「ソニー・ピクチャーズ」に対する打撃を加えている「平和の守護者たち」だけではなく、世界各地に数億、数千万の支持者、同情者がいる。

    彼らは、これからも人類共同の敵であり、侵略と戦争の元凶である人権蹂躙の親分である米帝国主義の鼻をへし折るための様々な形式の聖戦を至るところでさらに力強く行うであろう。

    さらに米国は災難を被る前に他国の最高尊厳を冒涜し、自主権を踏みにじり、極悪なテロを煽る「The Interview」のような不純な映画を即時焼却処分する緊急措置から取らなければならない。

    不正義の行為が続けば続くほど、それを叩きつぶすための正義の対応はさらに強まるであろう。

    ***********************************

    <追記:12月22日>
    「朝鮮中央通信」が12月21日に出された「米国はなりふり構わず他人を責める前に、行った悪行を人類の前にきちんと謝罪しなければならない -朝鮮民主主義人民共和国国防委員会政策局声明-」という記事を配信した。

    その中に書かれている興味深い事項をいくつかピックアップして紹介しておく。

    「朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は、住所も居住地もまったく分からないが、『平和の守護者たち』が断行した義挙を高く評価する。また、時遅しという感はあるが、反動映画上映を中止することにした映画、演劇配給会社と強い圧力に耐えられなくなり、やむを得ず不純映画の全面配給を諦めた『ソニー・ピクチャーズ』の措置に対しても幸いに考えている。これが米国で発生した今回の事件に対する我々軍隊と人民の公式的な立場である。」

    「特に『平和の守護者たち』の行動が、テロがテロを生む報復の悪循環を事前に断ち切るための正義の行動なので、我々はそれについてさらに高く評価するところである。」

    「問題の深刻さは、米国大統領オバマまで直接出てきて、『ソニー・ピクチャーズ』事件の『北の犯行』説を既成事実化し『相応の対応』や『しっかりとした計算』、『追加的な報復制裁』の悪態をつきながらみっともなく騒ぎ立てていることである」

    「我々は、今回の不純な反動映画制作に米行政府が深く関与しているという明白な根拠を持っている」

    「オバマのいわゆる『相応の対応』が何であれかあれこれと考える必要もないが、それに驚く我々軍隊と人民ではない」

    相変わらず勇ましい。

    「朝鮮外務省スポークスマン自国映画制作普及社に対するサイバー攻撃を巡って共和国を取りざたする米国を断罪」攻撃をするなら責任者、その能力はある、名誉毀損、共同調査提案、「対応措置」(報復)には厳しい結果 (2014年12月20日 「朝鮮中央通信」)


    조선외무성 대변인 자국영화제작보급사에 대한 싸이버공격을 놓고 공화국을 걸고든 미국을 단죄

    Sony Pictures Entertainment(SPE)へのハッカー攻撃について、北朝鮮外務省が朝鮮中央新聞社記者の質問に「回答」した。

    「回答」では、北朝鮮が今回のSPEに対するサイバー攻撃に関与したことを否定しながらも、「我々の最高尊厳を冒涜する不純分子を絶対に見逃しはしないが、報復するにしても映画館の罪のない観客を目標とするテロ攻撃ではなく、反共和国敵対行為に背金がある者共と本拠地に対する正々堂々たる報復攻撃を加える」としている。実に北朝鮮らしい「回答」である。北朝鮮は「無差別殺人」によるテロリスト的な手法ではなく、攻撃をしてもターゲットを定めて「懲罰」すると主張し、「我々の軍隊は、そうした意志も能力も持ち合わせている」としている。

    実際、「そうした意志や能力」よりも、映画の劇場公開を中止さに追い込み、米国大統領にまでこうした問題に対する「一般的」な深刻さを公式に発言させた「攻撃手法」はたいしたものである。ハッカー集団ではなく、北朝鮮という国家がそれをやったのであれば、米国に対する非常に有効な攻撃を国家レベルで成し遂げたということになる。成果は確認できたわけだから、能力を誇りつつ、関与を否定するのは戦術的には正しい。その系では、拙部録に書いた、「最高尊厳の頭が吹っ飛ぶ」映像をリークすることすら、躊躇しなかったのかもしれない。ハッカーが北朝鮮だとすれば、ハッキングで入手した「最高尊厳暗殺シーン」を流布したことは、「戦術」「作戦」以外にはあり得ない。対内的にはそうした事実について公開しないだろうが、これは「北朝鮮の関与否定」の重要な「証拠」として今後言及されるであろう。

    北朝鮮は、「米国が表現の自由についてだけこだわりながら、一主権国家の最高尊厳を冒涜した映画制作を正当化しようとしていることが国際法実践では名誉毀損に対する処罰もあるということを知らなければならない」と主張している。「名誉毀損」というのは、その「名誉」の認定から入るのであろうが、そもそもその対象に国家元首がはいるのか、「名誉」の認定をどこでするのかという問題がある。「南朝鮮」の大統領の「名誉」を日本の新聞記者が毀損したという問題とも全く無関係ではない。

    しかし、北朝鮮はこの機会を米国との接触に利用しようともしており、「我々は米国と今回の事件に関する共同調査を行うことを主張する」ともしている。その上で、「我々は、米中央情報局のように拷問という方法を使わなくても、今回の事件が我々と関連しないということを立証する方法がある」としている。この辺り、実にタイムリーで上手なレトリックだと思う。

    もちろん「回答」は、「我々に対して対応措置を云々するならば、重大な結果をもたらすことになる」という警告も忘れてはいない。

    今回のSEPに対する攻撃が北朝鮮によるものであったにせよ、第三者によるものであったにせよ、現時点では北朝鮮が優勢である。

    現実的に、米国は報復手段を持ち合わせていないのではないだろうか。オバマ大統領は「弱小国が我々に対してサイバー攻撃をする恐れがある」と漏らしていた。この発言は、今回の攻撃とその結果が、「弱小国」のみならずテロリストなどの非国家組織にも非常に有効な攻撃手法を提示することになったということを認めざるを得なかったのではないだろうか。

    いずれにせよ、北朝鮮による仕業であったなら当面は戦勝、そでなかったとしてもそれに便乗して当面は戦勝ということであろう。

    日本政府のレスポンスはこれまで確認できていないが、SONY本社が日本であることを忘れてはならない。そして、世界はSONY会長の防衛的後退が「米国式民主主義の理念と合致するのか」また「本当に有効であったのか」について議論することになろう。

    ハッカー集団は「9.11」を挙げたが、今回の事態は「2014.12.19」ともいえる事態なのかもしれない。

    「The Interview」上映中止、米映画館攻撃予告、日本のSONY本社からの要請、米国務省の反応、<追記>金正恩の顔が焼けるシーンリーク、<追記2>FBI北朝鮮の犯行と断定、オバマ北朝鮮への報復に言及、「国防委員会政治局スポークスマンの回答」 (2014年12月18日)

    過去記事でも取り上げた「The Interview」の上映が中止された。最大の原因は、映画を制作した米SONY is Entertainmentのコンピュータがハッキングされたことである。ハッキングされた事実が公表されたのは11月末であるが、SONYは金正恩暗殺部分の取り扱いにそれ以前から苦慮していたようである。

    New York Postによると、SONYのCEO平井一夫氏が同社のハリウッドスタジオに「金正恩がミサイルで爆殺される部分のリアルさを下げろ」と指示したという。同社のハリウッド・スタジオはこの指示に従い、「(金正恩)の顔が溶ける部分を削除、髪の毛が燃える部分の炎を減らした、彼の顔の残り火を減らした、焼かれて彼の頭が破裂する部分を曖昧にした、はっきり見えないように場面を暗くした」などの処理を行ったと9月28日に平井氏に報告した。

    しかし、Sony Pictures共同代表のアミ-・パスカルによると、「東京の上司からこうした指示を受けるのは25年間一緒にやって来て初めて」と漏らしたという。

    New York Post, Sony CEO demanded ‘The Interview’ tone down assassination scene, http://nypost.com/2014/12/13/sony-ceo-demanded-execs-tone-down-kim-jong-un-assassination-scene/

    そして、クリスマス上映を前にして「平和の守護者(Guardians of Peace)」が「まもなく、世界はSONY Pictures Entertainmentが制作した恐ろしい映画を目にすることになる。世界は恐怖におののくであろう。2001年9月11日の攻撃を思い出すがよい。我々は、人々にその場所(映画館)に近づかないことを勧めておく」という脅迫文を公開したという。

    Fox News, 'The Interview': Sony Corporation geniuses, what were you thinking?, http://www.foxnews.com/opinion/2014/12/17/interview-sony-corporation-geniuses-what-were-thinking/ (同ページの動画より)

    日本のSONY本社が、このような脅迫文が公開される前から金正恩暗殺部分の修正を求めていた理由は分からないが、日本を含む世界各国に展開するSONY傘下企業への攻撃(サイバーであれ物理的であれ)が行われることを予想したのかもしれない。その意味では、映画上映が未定の日本も攻撃の対象となっているわけで、十分な警戒が必要である。

    加えて、昨日の米国務省定例記者会見では、米国務省がこの映画の扱いについてSONY Pictures Entertainmet側に「指示をした」のではないかという疑惑に関する質疑が行われている。米国務省は報道官は、「(北朝鮮)は米国を継続的に威嚇している(ので)、我々は公開された情報を企業幹部に伝えることはある」としているが、「指示した」ことについては否定している。

    U.S. Department of State, Daily Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2014/12/235370.htm#DEPARTMENT

    「平和の守護者」が北朝鮮のハッカーなのかは明らかではないが、北朝鮮の警告など無視して上映されるであろうと思われていた映画が大事に発展したようだ。

    DVDのリリースはあるのだろうか?

    <追記:2014年12月19日>
    金正恩が乗った軍用ヘリに砲弾が命中し、彼の顔が焼けるスローモーションのシーンがリークされた。上記の平井氏が変更指示をしたシーンかどうかは分からないが、リアルである。一方、「元帥様」をほぼ毎日見ている者にとっては、役者は元帥様に似ていない。衣服と髪型は意識しているが、顔は「元帥様」ではない。

    SONYをハッキングしたのは北朝鮮ではない可能性が高まった。北朝鮮であるのならば、ハッキングで入手した「最高尊厳」の顔が焼ける場面をリークすることなどしないであろう。もちろん、「次の作戦」に出るための工作の可能性はあるが、「最高尊厳を毀損」してまでの工作はさすがにしないのではないだろうか。

    いくつかのサイトがリークシーンを公開しているが、現時点では、下記で見ることができる。YouTubeには釣りが多かった。

    http://www.mediaite.com/tv/the-kim-jong-un-death-scene-from-the-interview-has-leaked/
    または
    http://www.theverge.com/2014/12/16/7400963/sony-hack-leaked-clip-the-interview-kim-jong-un-death-scene
    いつ削除されるか分からないので、見たい方は早めにどうぞ。

    <追記2:2014年12月20日>
    「SONYをハッキングしたのは北朝鮮ではない可能性が高まった」と書いたとたんに米FBIが「我々の調査の結果・・・北朝鮮政府が(SONYハッキング事件)に責任があると結論づけた」と発表した。

    FBI, Update on Sony Investigation, http://www.fbi.gov/news/pressrel/press-releases/update-on-sony-investigation

    それだけではなく、オバマ大統領も19日の記者会見でこの問題について触れ、「SONYの関係者には同情するが、SONY Pictures Entertainmetが上映中止したのは間違いだ」と批判し、北朝鮮は米国のコメディアンが登場する映画を攻撃するとしていることを鼻で笑いながらも、「彼らは我々に大きなダメージを与えた」と映画の上映中止による経済的ダメージだけでなく、「米国の信念である表現の自由が脅迫に屈した」という事実も認めた。その上で「我々は(北朝鮮)に対して適切なタイミングで相応の報復をする」と述べている。大統領は、報復の具体的な方法についての言及は避けたが、北朝鮮をテロ支援国家に再指定するという象徴的な行動に留まるのか、北朝鮮に対するサイバー攻撃で報復をするのかは分からない。

    the White House, President Obama Holds a News Conference(2014. 12.19. 1:30PST), http://www.whitehouse.gov/live/president-obama-holds-news-conference

    関連記事を調べていたら、The New York Timesに興味深い関連記事があった。拙ブログにも書いた時系列的な事件の展開が分かりやすく書かれている他、北朝鮮が行ったとされるハッキングの手法や信憑性に関する分析、さらに米国が北朝鮮に対して行うサイバー攻撃による報復の困難さなどが書かれている。

    The New York Times, U.S. Said to Find North Korea Ordered Cyberattack on Sony, http://www.nytimes.com/2014/12/18/world/asia/us-links-north-korea-to-sony-hacking.html?_r=0

    19日の米国務省定例記者会見でもこの問題について多くの質疑が行われた。その中に「プーチンがFBIがハッキング事件で北朝鮮を名指しした火に金正恩を招待したが」という質問がある。国務省報道官は2つの出来事の関連性への言及はしていないが、「招待」を否定していないので、プーチンが公式に金正恩を招待したという報道が出されたのであろうか。コメントで招待関連の情報を頂いた時調べてみたが、その時点ではロシアの公式メディアにこの情報はまだ見られなかった。

    U.S. Department of State, Dairly Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2014/12/235448.htm#RUSSIA

    話が前後するが、北朝鮮が報じた「不正義の行為は正義の対応を誘発させるものである - 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会政治局スポークスマンが記者の質問に答える-」を聞き直した。この報道が12月7日に出された時点では、ことがこれほど大事になるとは思わなかったので、「また言っているな」という程度で聞き流していたのだが、ここまで発展してくると、やはりきちんと紹介しておく必要がありそうだ。これについては、追って、全訳を別記事に掲載しようと思う。

    KCNA, 「부정의의 행위는 정의의 대응을 유발시키는 법이다 --조선민주주의인민공화국 국방위원회정책국 대변인 기자의 질문에 대답--」 (日本語抄訳は同サイトに出ている)

    「北朝鮮、CIA拷問問題を安保理で議論することを要求」 (2014年12月16日 「TASS」)

    TASS通信によると、北朝鮮がCIA拷問問題を国連安保理で議論することを求めたという。安保理では22日と23日に北朝鮮の人権問題について議論することになっているという。この議論はオープンなので、北朝鮮の大使も出席できるという。

    安保理で北朝鮮の人権問題を扱うことについては、15カ国内ロシア、アルゼンチン、ナイジェリア、チャド、中国の5カ国が反対しており、ロシアと中国は国連人権委員会で扱うことを要求している。

    TASS, North Korea urges UN Security Council to discuss issue of CIA torture, http://itar-tass.com/en/world/767121

    「<朝鮮記録映画>父なる将軍様を永遠に高く頂き」:白頭山頂上の金正恩、金敬姫久々、金ヨジョン (2014年12月17日 「朝鮮中央TV」)

    金正日追悼スペシャルはまだ続いている。その中で今朝、新しく出た「朝鮮記録映画」が放送された。内容的には、「大元帥様たちと全く同じ」金正恩がお父さんの銅像を建設したことから始まり、軍事指導、経済指導などをしたという業績を紹介している。

    「<朝鮮記録映画>父なる将軍様を永遠に高く頂き」
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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    この「朝鮮記録映画」の冒頭では、白頭山が映し出され、続いて天池を眺める金正恩が登場する。金正恩は4月に三池淵を訪れているが、その時の報道では天池まで登ったことやその様子を伝える写真は出ていなかったはずである。写真を見ると、雪が見えるので4月頃の写真なのか、あるいは今年秋の写真なのかは分からない。ただ、秋口には足を痛めていたので、春登った時の映像を使ったのかもしれない。

    白頭山
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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    天池で何かを指さす金正恩。この場所はお爺さんもお父さんもしばしば訪れた定番の展望台である。
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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    過去映像を使っているということもあるが、金敬姫が久しぶりに登場した。張成沢は完全に抹消されているが、金敬姫はお兄さんの命日ぐらいには登場させてやろうということなのだろうか。
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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    妹の金ヨジョン「党中央委員会副部長」も「副部長」発表以前の映像の中に登場している。
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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    少し前の記事で金正恩が「水産事業所労働者公演」を見ながら涙している写真を紹介し、「初めてではないか」と書いたが、この「記録映画」の中には、万寿台の金正日銅像除幕式で涙を流す姿が紹介されている。過去に公開された映像にこの場面があったのかはよく覚えていない。その前後の映像でも、金正恩は泣きそうな顔をしているので、やはりお父さんのことを思い出すと涙が出てきてしまうのであろう。
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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    この「朝鮮記録映画」放送の「<叙事詩>永遠の愛国の炎 -この叙事詩を偉大な金正日同志逝去3周年に際して捧げる- チュ・グァンイル」という番組を放送していた。この「叙事詩」もやはり金正日時代を回顧し、それに続けて金正恩時代の成果を紹介するパターンとなっている。

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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    「朝鮮中央TV」:金正日追悼24時間スペシャルか (2014年12月16~17日 「朝鮮中央TV」)

    16日の「朝鮮中央TV」の番組予稿の雰囲気がいつもと違った。というのは、23時半頃に金正恩の「平壌子供食料品工場の現地指導」の様子を伝える「録画報道」があったからだ。通常、「朝鮮中央TV」は、22時半から23時の間に番組が終わるが、やたらと遅い時間まで放送が続くので、17日0時から金正日追悼番組があるのではと思い見ていた。そしたら、案の定、李春姫が涙声で金正日を追悼する詩を読み上げる追悼番組が始まった。ところが、その番組が終わっても、次々と番組が続いた。私は寝てしまったが、3時頃チェックしても放送は続いており、今朝チェックしてもまだ放送は続いている。

    昨年、「朝鮮中央TV」このような放送をしたのかはまだ確認していないが、「韓国・統一部」の資料では2013年12月17日の放送は8時半開始となっている。昨年、この日に生放送のストリームを見ることができており、さらにその録画ファイルが残っていれば確認できるが、そのような記憶はないので、今年初めての「金正日追悼スペシャル24時間テレビ」なのではないだろうか。現時点では、まだ24時間になっていないが、恐らく、このまま放送を続け、今夜は通常の時間帯で放送を終了するのではないだろうか。

    追って、番組を紹介する追記をする。

    「パラパラと降る白い雪でさえ、父なる将軍様に対する溢れ出す思いに限りなくさいなまれる12月の血に涙の17日がやって来ました」という詩のような一節で始まるナレーションを悲しそうに語る李春姫放送員。17日0時から始まった番組で。
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    Source: KCTV, 2014.12.17放送

    「パルコルム」:2014年末新バージョン、国立交響楽団演奏、2014年を振り返る、カッコイイ (2014年12月14日 「朝鮮中央TV」)

    今朝「朝鮮中央TV」の番組紹介直後、「将軍様は太陽として永生される」に続き、新バージョンの「パルコルム」が流された。演奏は北朝鮮の国立交響楽団、演奏に関しては以前使われたものの再利用かもしれないが、画像の方は2014年の総集編のような雰囲気がある。「首領永世事業」、「軍事指導(陸軍)」、「軍事指導(海軍)」、「軍事指導(海軍)」、「先軍政治」、「経済建設(採掘場の発破)」、「経済建設(鉄道)」、「経済建設(炭鉱)」、「経済建設(セメントか化学肥料)」、「経済建設(農業:ジャガイモ)」、「経済建設(工業:先端技術)」、「科学技術(ロケット発射)」、「人民の文化生活改善事業(馬息嶺スキー場)」、「人民の文化生活改善事業兼科学振興事業(衛星科学者住宅建設)」、「科学振興事業(金チェク工大教員住宅建設)」、「科学振興事業(ヨンプン科学者休養所建設)、「何か分からない建物、キノコ研究所か?」「体育振興事業(5月1日競技場改築)」、「人民の文化生活改善事業(ソンドウォン国際野営所)」、「思想事業(輝くチュチェ塔)」、「経済建設(チョンチョン江階段式発電所建設?)」、「思想事業(マドゥ山史跡地)」、「経済建設(製鉄所)」、「先軍政治(閲兵式)」、「先軍政治(閲兵式でのミサイル搭載車両)」、などが写っている。そして、最後に「金正恩」の人文字。「元帥様」自身は登場しない。

    そして、最後は「最後の勝利に向かって!」と2015年へのメッセージを見せている。

    なかなかカッコイイできだと思う。

    実は、「朝鮮中央TV」では、一昨日から「テレビで放送した2014年」のような2014年を振り返る番組を放送しており、その記事も書きかけているのだが、そんなものを見るよりも4分半少々の「パルコルム」を聞いた方が早いようだ。

    というわけで、YouTubeに早速アップロードしておいたので、関心のある方はご覧頂きたい。なお、音量はソースの関係で非常に高くなっているので、家中に「パルコルム」が鳴り響かないようにご注意を。また、画質と音質には、こちらもソースの関係で期待しないで頂きたい。

    발걸음 (국립교향악단) Footsteps by DPRK National Symphony Orchestra, Dec. 2104 version
    http://youtu.be/ATxuE1R76iA

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    Source: KCTV, 2014/12/14放送

    「米国会、中央情報局の野蛮的な拷問蛮行資料を暴露」:国連の北朝鮮人権決議との関連性、<追記>北朝鮮外務省談話で反応、<追記2>米最高裁判事北朝鮮と同様の見解 (2014年12月10日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」が10日、「米国会、中央情報局の野蛮的な拷問蛮行資料を暴露」という短い記事を配信した。記事の内容は以下のとおり。

    **********
    米国で中央情報局が収監者に対して行った野蛮な拷問蛮行資料が暴露され、社会的物議を醸している。

    最近、米国会上院の情報委員会は、報告書を発表し、中央情報局が9.11事件以後、119名のテロ容疑者をヨーロッパとアジアの秘密施設に監禁し、野獣的に拷問したことを暴露した。

    そのうち、26名は法的手続きも経ずに不法監禁されたという。

    報告書は、眠らせないようにし、水拷問を行うことは日常的であり、服を脱がせて鉄の鎖で縛って凍死させたり、著しくは、性拷問などが、17日以上も行われたと明らかにした。

    報告書は、中央情報局が収監者に野獣的で残酷な拷問を行ったが、テロの危機を防ぐ価値ある情報を得ることに失敗したと指摘した。

    **************

    11日の『労働新聞』には、この記事はまだ掲載されていない。

    この「報告書」の全文をダウンロードしてみたところ、499ページの膨大な報告書であった。「極秘」は解除されているが、至る所に墨塗がされている。とても全文は読み切れないので、取り合えず冒頭の「総括」の部分だけ読んでみた。それによると、「朝鮮中央通信」が伝えている内容はほぼ正しいが、収容所が「ヨーロッパとアジア」にあったということは明らかにされていない。もしかすると、後半の詳細部分に記されているのかもしれないが、もしかすると別のソースから情報を得ているのかもしれない。後述の米国務省定例記者会見では、アフガニスタン大統領やポーランド元大統領が自国内に設置されていた収容施設やそこで行われた行為について言及したということなので、この辺りをソースにしているのかもしれない。

    National Post, The CIA torture report: The full text of the Senate investigation, http://news.nationalpost.com/2014/12/09/the-cia-torture-report-the-full-text-of-the-senate-investigation/

    これと関連し、10日の米国務省定例記者会見でもやりとりが行われている。ポイントは、「米国は拷問に関与した者を訴追するのか」、「他国に訴追を求めてきた米国自身が訴追しないでよいのか」という点が中心になっている。米国務省報道官は、「米国がその事実を公表したこと」、「大統領が5年前に(拷問を伴う尋問を)止める決定をしたこと」が重要であるとし、訴追については「その権限は米司法省」にあるとし、「国務省は訴追するか否かについてはコメントしない」としている。しかし、記者は「米司法省に訴追能力があると、国連拷問問題特別調査官に言えるのか」と切り返し、人権侵害や拷問について国際舞台でダブルスタンダードが適用されて良いのかと追求している。

    この日のやりとりの中では、訴追対象国や対象者の名前は挙げられなかったが、記者が北朝鮮や金正恩を意識していたことは間違いない。米国が音頭を取り北朝鮮と金正恩を国際刑事裁判所に提訴するよう国連安保理で働きかける中、その米国が自ら深刻な人権侵害を犯した事実を公表し、それに関与した者を訴追しないのであれば、北朝鮮や金正恩を訴追することは明らかにダブルスタンダードとなる。

    また、「その事実を公表したこと」と「大統領が止めさせた」ことだけで十分であるというならば、性質こそ異なれど、拉致という重大な人権侵害についても、金正日が謝罪をし、拉致を止めさせたことだけで十分ということになってしまい、日本側が求める拉致実行犯の訴追などとてもできないことになってしまう。

    国務省報道官は、「報告書の公開を止めさせようとしたのではないか」との質問に対しては「それは間違いだ」とはっきりと答えているが、「公開のタイミングについては(米上院情報委員会委員長)のフェインステイン上院議員が決めた」としている。同上院議員がこのタイミングで公開したのが米国内政治と関連するのか、それとも国際政治と関連するのかについてはきちんと調べていないが、国際刑事裁判所への金正恩訴追の動きとだけ関連させるのであれば、決して良いタイミングであったとはいえない。

    U.S. Department of State, Daily Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2014/12/234934.htm#DEPARTMENT2

    北朝鮮はこのところ、白人警官による黒人被疑者に対する過激な対応に抗議するデモが米国で発生していることに言及しながら、米国式「人権」や「民主主義」を攻撃しているが、自らの非人道的な行為が自らの手で「暴露される」システムこそが民主主義なのであろう。

    「我が国に人権問題は存在しない」と言い切れる国などないはずだ。

    <追記:12月13日>
    やはり、北朝鮮はこの問題をさらに大きく取り上げ、13日には『労働新聞』に「朝鮮民主主義人民共和国外務省スポークスマン談話」が掲載された。

    『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 외무성 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-12-13-0015&chAction=S

    同「談話」では、「米中央情報局」が行ったとして「報告書」に掲載された拷問を列挙し、「米中央情報局の広範囲な拷問蛮行を暴露した報告書が6000ページを超えるというが、米国の人権蹂躙の実態に照らしてみるなら、それは氷山の一角に過ぎず、米国の人権蹂躙の実状を全て明らかにするためには6000ページではなく、6万ページでも足りないだろう」と非難している。

    そして、「国連人権高等弁務官と反テロでの人権保護増進に関する特別報告者、国際アムネスティーなどの人権団体と多くの国々は、米中央情報局の極悪な人権侵害犯罪を指示し、執行した全ての責任のある者を速やかに審判台に立たせ、厳しく処罰することを求めている」としている。

    同「談話」の冒頭では、「こうした非人間的な中世的拷問行為が米国大統領の承認と庇護の下で体系的、計画的に広範囲にわたり行われた」としているので、「米国大統領」も「審判台に立たせる」ということなのであろう。

    <追記2:2014年12月14日>
    「Yahoo!ニュース」を読んでいたら、CNNが配信した『「拷問」は状況次第で容認 核テロなどで 米最高裁判事』という記事があった。記事によると、米最高裁のアントニン・スカリア判事は「人権はこうあるべきとする社会の考え方はそれぞれの社会に委ねられるはずだ」と主張したとのことである。この人権の普遍性を否定する主張は、北朝鮮の主張と全く同じであり、後日、米国務省定例記者会見などで問題視される可能性がある。

    Yahoo!ニュース(CNN.co.jp配信)、「『拷問』は状況次第で容認 核テロなどで 米最高裁判事」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141213-35057859-cnn-int

    「先軍朝鮮の繁栄期を切り開いた2014年 第1回」:北朝鮮の2014年をテレビ番組から振り返る特集番組 (2014年12月12日 「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」が2014年の出来事を振り返る特集番組の「第1回」を放送した。日本でも類似した番組は年末になると放送されるが、北朝鮮が2014年をどのように回顧するのかというのはとても興味深い。

    「先軍朝鮮の繁栄期を切り開いた2014年 第1回」
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    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    番組は、ディレクターがアンカーに着席の指示をする場面から本編に入る。この辺りも、新しい手法のようだ。
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    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    まず、平壌の雪景色が紹介され、続けて金正恩の「新年の辞」が紹介される。アンカーは「敬愛する元帥様が、歴史的な新年の辞で、皆、遠大な抱負と確固とした信念を持って、より大きな勝利のために力強く戦っていきましょうと熱烈に求められたのと同時に我が祖国の意味深い1年が始まった」と「新年の辞」の最後の一文を引用しながら紹介し、「(これは)希望に満ちた初進軍であった」と述べている。
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    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    続けて、1月6日に開催された「敬愛する金正恩同志が今年の新年の辞で提示された綱領的課業を徹底して貫徹するための平壌市群衆大会」の様子が紹介される。
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    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    「新年の初戦闘での見て見ろとばかりに満ちた気勢が、天地を震撼させました」と製鉄所や炭鉱の様子を紹介する。
    下は「鋼鉄で党を支えよう!」というスローガンが掲げられた製鉄所。
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    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    次に「我が党の思想事業で重要な意味がある革命伝統教養を何よりも重視される敬愛する金正恩元帥様がマドゥ山革命戦跡地への強行軍をなさりました」と「録画報道」で紹介された静止画と「元帥様」を案内した「講師」のインタビューが紹介される。
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    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    インタビューに答える講師(2014年2月撮影)
    KCTV what happened in 2014-1flv_000232232
    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    「平凡な講師の話を注意深く聞いて下さり、我々の将軍様は本当に革命的信念が強い偉大な革命家であられたと将軍様の崇高な一生を追憶される偉大な先軍霊将の切なるお気持ちと共に、この地には再び思い出深い2月がやってきました」と2月に話を進める。

    「白頭山密営故郷の家」前で「視聴者の皆さん、躍動する若さで限りなく飛躍する我が祖国に歓喜と追憶が溢れる2月がやって来ました(2014年2月撮影)」と述べるアンカーの女性。続けて男性アンカーも登場する。
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    Source: KCTV, 2014/12/12放送

    (書きかけの記事だが、これ以上書き進める予定はないので、一応公開しておく)

    「平壌に初雪」 (2014年12月10日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」が10日、「平壌に初雪が降った」と数枚の写真と共に配信した。金正日の命日まで1週間となった。11日は、9時から「朝鮮中央TV」の放送がある。

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    Source: KCTV, 2014/12/10

    「『北人権報告書』の実体を暴く」:「朝鮮中央TV」放送番組の英訳版 (2014年12月10日 uriminzokkiri)

    uriminnzoku-TVのファイルを確認していたら、「朝鮮中央TV」が放送した番組の英訳版があった。「朝鮮中央TV」でいつ放送されたのかは未確認であるが、確かにこの番組は見た。一番記憶に残っているのが、マイケル・カービー「北朝鮮における人権 に関する国連調査委員会(COI)元委員長」を「精神的にも道徳的にも堕落した変態で、40年以上ゲイであった」と罵っていたことであるが、英語版でも同様に罵っている。

    過去記事でも紹介した「脱北者」の家族のインタビューの一部も字幕で英訳されている。

    「『北人権報告書』の実体を暴く」(英語版)
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    Source: Uriminzokkiri, http://www.uriminzokkiri.com/itv/index.php?ppt=record&st=true&no=24782

    マイケル・カービー元委員長
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    Source: Uriminzokkiri, http://www.uriminzokkiri.com/itv/index.php?ppt=record&st=true&no=24782

    北朝鮮の人権侵害について証言する「脱北者」シン・ドンヒョク
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    Source: Uriminzokkiri, http://www.uriminzokkiri.com/itv/index.php?ppt=record&st=true&no=24782

    北朝鮮にいるシンの「父親」
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    Source: Uriminzokkiri, http://www.uriminzokkiri.com/itv/index.php?ppt=record&st=true&no=24782

    「敬愛する最高司令官金正恩同志が人民軍隊事業を現地で指導」:感涙を流す金正恩、滑走路に立つ金正恩 (2014年12月6日、「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」が、金正恩が杖無しで歩行を始めた後の動画を紹介する「朝鮮記録映画」を6日に放映した。このところ、2ヶ月分まとめた「朝鮮記録映画」が多かったが、10月の軍指導を紹介する「朝鮮記録映画」は出してしまったので、11月と12月と1ヶ月分で出すことにしたのかもしれない。

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    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    「記録映画」の中では、「朝鮮人民軍2月20日工場現地指導」、「朝鮮人民軍第534軍部隊管下総合食料加工工場現地指導」、「朝鮮人民軍第567軍部隊管下18号水産事業所現地指導」、「朝鮮人民軍航空及び反航空軍第991軍部隊現地指導」、「朝鮮人民軍第572大連合部隊と第630大連合部隊管下部隊の連合協同訓練を組織指導」、「朝鮮人民軍航空及び反航空軍女性追撃機飛行士の飛行訓練指導」を紹介している。

    11月15日以降に『労働新聞』で紹介され、「録画報道」のいくつかは拙ブログでも紹介した。今回の動画を見ると、金正恩の足の状態は明らかに回復している。「2月20日工場視察」(11月15日報道)では、依然として足を引きずっているが、「連合協同訓練組織指導」(11月23日報道)では、多少足を引きずっているものの、歩き方はだいぶ自然になっている。こうしたことからすると、彼の足の問題はやはり外科的な問題であり、それを外科的に対処することで順調に回復したということではないだろうか。一部で内臓疾患説もいわれたが、体型にも顔の丸さ(むくみ?)にも変化は見られないので、内臓疾患によるダイエットという話ではなさそうだ。今は太ってしまったが、スイス留学時代はバスケットボールを盛んにやっていたという話もあるので、体力は十分にあるというこのなのであろう。

    さて、今回の「朝鮮記録映画」の中では、足の回復の様子に加え、「元帥様」の二つの異なる側面を見せている。一つは、人民の「大元帥様へ」の敬慕の念と、自らに対する「忠誠の情」に涙する金正恩である。

    これは、「朝鮮人民軍第567軍部隊管下18号水産事業所現地指導」で労働者の公演を見ていた時の出来事である。

    満足げに笑いながら公演を見る金正恩
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    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    同行した幹部が涙を流し出し、ハンカチで目頭を拭く
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    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    「一生涯、我々、軍人と人民に魚をたくさん食べさせようと献身の労苦を全て捧げた偉大な大元帥様たちに敬愛する元帥様が作って下さった大漁をご覧に入れたいという切実な心情と、首領様と将軍様への忠誠の情を併せて、元帥様の領導をさらにしっかりとお支えしていく燃える心の大切さを感じられ、目に熱いもので濡らす敬愛する元帥様」というナレーションがあり、ついに「元帥様」も泣き顔になりハンカチを取り出して目頭を拭く。
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    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    「元帥様」色々な姿はこれまでも紹介されてきたが、涙を流す姿は初めてかもしれない。あったとすれば、お父さん死去の時であろうが、涙は流していたとしてもハンカチまで出していた記憶はない。ナレーション以外に公演の音声はないので、何が「元帥様」を涙させたのかは分からないが、笑いあり涙ありの非常によく演出された公演だったのであろう。演出したのも労働者なのであろうが、そのうちに平壌の劇団か映画製作所に抜擢されるのかもしれない。

    過去記事にも書いたのかもしれないが、この工場も「第18号」と、思えば意味ありげな数字が使われている。同じ水産加工工場で「1月8日工場」があるので、その名称変更かと思い調べてみたが、所属軍部隊が異なるので別の工場のようだ。

    もう一つの側面は、勇敢な「元帥様」である。勇敢な「元帥様」はこれまでも繰り返し紹介されているので、今回が初めてということはないのが、「女性追撃機飛行訓練」で「追撃機」が爆音を上げて飛び立つ滑走路に立って様子を見ている。耳栓をしているのかどうかは確認できないが、画としてはなかなかカッコイイ。

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    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    過去記事で「女性飛行士」の写真を自ら撮影する様子を紹介したが、この動画を見ていると金正恩が同行カメラマンを手招きで呼び、カメラを受け取り自ら撮影するということになっている。

    「<朝鮮児童映画>少年大将」:金正恩が100話まで作れと指示したアニメ、「元帥様」ではなくて「少年大将」、李雪主は「クックァ」、「ホビ」は処刑されたのか? (2014年12月4日)

    金正恩が「4.26漫画映画撮影所を現地指導」したニュースは過去記事に書いたが、この中で金正恩は「漫画映画『少年大将(소년장수)』は人気がとてもあった、今は50部で終わっているが、今後100部まで作って出せば、子供たちと人民が本当に喜ぶであろう」、「連続編で作る漫画映画『少年大将』を通じて、我々人民の高い愛国心と尚武気風、美風良俗、力強く勇敢な闘争話をしっかりと見せてやらなければならない」と述べ、「具体的な創作方向も教示」したとのことである。

    『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 조선4.26만화영화촬영소를 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-11-27-0001&chAction=L

    その『少年大将』を見ようとuriminzokkiriを検索してみたのだが、タイトルは出てくるものの、ファイルは空っぽの状態で見ることができなかった。YouTubeを検索したところ、1~49までアップロードされていた。アップロードしたのは誰か分からないが、北朝鮮系の動画をたくさんアップロードしている。「北韓」と書いているので、韓国人だと思う。

    YouTube, 북한애니매이션 소년장수 제1부, https://www.youtube.com/watch?v=CXcFSI0WlFY&list=UULIVfmylAIiQ8MZZGBr9k9Q

    『少年大将』を見る前に、このアニメについて調べてみた。韓国統一部の「北韓情報ポータルHP」で調べていると、「NK CHOSUN」の興味深い2つの記事があった。

    これらの記事によると、『少年大将』は1982から97年にかけて制作され、本来は10部で終わる予定であったが、金日成の指示で50部まで作られることになったという。

    『NK CHOSUN』、「신세대 애니메이터 北만화영화 이끈다」、http://nk.chosun.com/news/articleView.html?idxno=81201
    『NK CHOSUN』、「'원수' 칭호 받은 김정은, 주민들은 만화 주인공 별명 불러」、http://nk.chosun.com/news/articleView.html?idxno=141542

    1編は大体20分前後でできている。10部までのストーリーは、父親を「倭国(日本)」との戦いで失った少年が父の意を継いで15歳で勇敢な軍人になり、「倭国」と戦いに勝利するというものである。アニメではあるが「元帥様」が「子供たちと人民が喜ぶ」と言っているように、子供向けアニメというよりは、むしろ大人向けのアニメである。かつて、拙ブログで子供向けの「教育アニメ」を紹介したことがあるが、これとは全く異なる。というのは、ストーリーは子供向けにしては複雑で、「朝鮮芸術映画」に出てくるような、金持ちの息子、国よりも財物を好む資本主義的人間、複数の敵のスパイ、裏切り者などが登場する。

    主人公の「少年大将」の「セメ」と彼の恋人の「クックァ」。「セメ」の顔が若き日の金日成に何となく似ているような気がするのは私だけであろうか。
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    Source: 『소년장수7』より

    「セメ」の宿敵「ホビ」。「ホビ」は、金持ちの息子で「狩り大会」で「セメ」に敗れたことを契機に「セメ」を逆恨みする。「ホビ」の父親は裏切り者・スパイで、「倭国」の「首長」に通じており、「倭国」が高句麗を倒した後、スパイの功績で財物を得ることを狙っている。
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    Source: 『소년장수10』より

    「倭国」の「首長」の家来の中には「チョッパリ(日本野郎)」という変な名前の人物もいる。
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    Source: 『소년장수7』より

    「セメ」の母親が敵に拉致されたり、スパイが暗躍する中、「セメ」の活躍で高句麗は「倭国」との戦いで勝利する。「ホビ」と「首長」は高句麗に連行される。ここまでが10部のストーリーであり、「ホビ」と「首長」、そして「チョッパリ」の生死ははっきりと描かれていないが、「ホビ」と「首長」は処刑、「チョッパリ」は戦死という雰囲気になっている。

    どのタイミングで金日成が11部以降の制作を命じたのかは分からないが、11部では「ホビ」と「首長」は投獄されるもまだ生きており、「チョッパリ」も気を失っていただけということになっている。「首長」は「セメ」のお爺さんに殺されてしまうが、「ホビ」は「セメ」のお爺さんを殺して脱走する。12部以降は見ていないが、恐らく「ホビ」と「チョッパリ」、そしてスパイの息子が「セメ」に仕返しをするというストーリーなのだろう。それにしても、「代を継いで裏切り者」など、「朝鮮芸術映画」にもしばしば登場するパターンである。北朝鮮は、「家族共々収容所送りにする」、「3代まとめて収容所送りにする」というような話をよく聞くが、「後代を残すと、親の復讐をする」という発想があるのかもしれない。

    上で紹介した『NK CHOSUN』の二つ目の記事には、おもしろいことが書かれている。

    「北韓が最近、『重大発表』をとおして、金正恩第1国防委員長に『元帥』とし、『元帥様』と呼ぶように強要しているが、北韓住民の間では『元帥様』の代わりに『少年大将』という別名が通用しているという」

    「『北韓の住民は、北韓の有名な漫画『少年大将』から取り、金正恩を『少年大将』や『セメ』と呼び、最近北韓が公開した夫人李雪主も住民の間では『クックァ』で通っている」

    上記の記事では、住民が皮肉を込めてこのように「隠語」を使っているというニュアンスで書かれているが、『少年大将』を見れば、「セメ」は父の意を継いだ立派な軍人であり、超人的な力を持ったヒーロー、そして「セメ」を愛する「クックァ」も命を賭けて「セメ」と国を守ろうとする愛国者である。もちろん、バレても言い逃れできるようにこのような「隠語」を使った可能性もあるが、ストレートに考えれば若くて勇敢な「元帥様」は「セメ」のようだということではないのだろうか。

    また、「北韓の住民の間では、『セメはいるが、ホビがいないな』、『ホビがいなければ、少年大将じゃない、ホビはいつ頃出てくるのかな』などの話で金正恩に全権を与えた3代世襲を嘲弄・批判している」とも書いている。

    この記事は、2012年8月9日の記事であるが、その1年4ヶ月後には「ホビ」は処刑されたということなのだろうか。

    <追記>
    そういえば、「倭国」は「モンゴル」のように描かれている。高句麗の歴史を改めて確認するまでは、蒙古が来襲して、「チョッパリ」が蒙古の見方になって高句麗を奪おうとするという話かと思った。というのも、「首長」が登場する場面では、中東音楽のような(これまた蒙古ではないのだが)音楽が流れ、酒を飲みながら羊の丸焼きを食べている。さらに、「首長」の部下たちはパオのようなテントで寝ている。

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    Source: 『소년장수10』より
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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

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