Google Earthで見た北朝鮮 (2015年11月26日)

    カルマ飛行場がgoogle earthでも確認できるというコメントを頂き、専用のソフトをダウンロードして北朝鮮を久しぶりに見たところ、かなり解像度の高い写真を見られることが分かった。驚いたのは、都市部だけではなく、山間の小さな村まで建物が確認できるぐらいの解像度の写真があることだ。韓国や米国の情報に基づき、いくつか調べてみた。

    写真をクリックして拡大しないと見えないが、「2015/8/7」の直ぐしたが「金正日の執務室」そして、「2015 CNES」の直ぐ上にあるのが「金正恩」の自宅とのことで、二つの建物は「地下トンネルで連結されている」とされている。
    kims office 2
    Source: Google Earth
    報道ソース:『NK朝鮮』, 「'北김정은 위한 호화주택 건설 잇따라'」、http://nk.chosun.com/news/articleView.html?idxno=129935
    緯度経度:39°01'12.07"N, 125°44'28.95"E

    これらの建物に至る道路には何重ものブロックがあるので、要人の家ということは間違いないであろう。

    下の写真も「元帥様」の邸宅といわれる建物である。普通江区域のソジェコルに位置するという。
    kims residence new 2
    Source: Google Earth
    放送ソース:『ハンキョレ』、「[포토] 북한 새 ‘로켓발사’ 지휘소, 평양 도심 김정은 저택 옆에」、http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/689966.html
    緯度経度:39°02'26.65"N, 125°42'54.43"E

    また、「元帥様」邸宅の左上の白い楕円形の建物が「衛星管制総合指揮所」、左下に点在する建物が幹部の邸宅という。
    space control and h-r houses
    Source: Google Earth
    緯度経度:39°02'26.65"N, 125°42'54.43"E 周辺

    また、「第25管理所」なるものも調べてみた。
    25 camp
    Source: Google Earth
    情報ソース: One Free Korea, North Korea’s Largest Concentration Camps on Google Earth, http://freekorea.us/camps/#sthash.7nsO69cl.dpuf
    緯度経度:41°49'59.36"N, 129°43'34.15"E

    いずれも真偽のほどは明らかではないが、Google Earthでみると、探検をしているようでおもしろい。

    (追記)
    コメントに書いた謎の機体。
    aircraft in question1
    Source: Google Earth

    「<朝鮮記録映画>人民のための領導の日々に(3)」:崔龍海登場、「意義深い1月8日」 (2015年11月24日 「朝鮮中央TV」)

    24日、「新しく出た朝鮮記録映画」として、「人民のための領導の日々に(3)」が放映された。韓国統一部DBには、「2015.2.13再放送」となっているが、同映画ではその後に発生した「羅先水害復旧」の様子も紹介されているので、エラーであろう。

    この映画の副題は「敬愛する金正恩元帥様の現地指導、千万里の道に刻まれた数多い革命エピソードの中からその一部を世の中に伝える」と付けられている。過去記事で紹介した(翻訳がストップしてしまっている)『偉人逸話』との関係は調べていないが、重複するエピソードも紹介されているのだと思う。

    20151124_kctvasf_010926000.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    この記録映画、なかなか良いできだと思う。スライドショーやBGMを効果的に使いながら、友好的日本人民さえも感動させられる場面があった。純粋な朝鮮人民であれば、なおさらであろう。

    記録映画の前半は、「元帥様」が現地指導をした結果、激変した工場をいくつか紹介している。資金や資材不足で増産や建物の改築ができない工場に「元帥様」が「恩情深い措置」として資金、資材、「軍人建設者」を派遣してくれた結果なので、当然といえば当然ではあるが、やはりそういう対象となる工場は、「首領様」や「将軍様」の指導実績がある見込みのある工場ということのようだ。では、beforeとafterを見ていくことにしよう。

    まず、2014年7月25日の「元山靴工場現地指導」の話から始まる。「元帥様」の車列ということであろうが、そうだとすると、特段の警備もなく、人民が傘を差して歩いているのがおもしろい。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    before。2014年7月25日、「元帥様」の初めての指導の日
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    「元山靴工場」には、「将軍様」の「現地指導」も入っている。「生涯の最後の時期、ご不自由な体で不滅の領導足跡を残された」とナレーション。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    「腰痛がある人でも履きやすい靴なのか」と「靴の専門家でも考えつかないような」質問をしたとナレーション。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    話題にしたので、「元帥様」ヘヤーの変遷もついでに見ておく。そり込みがなく、真ん中で分けている。若い頃の「お祖父さん」に近い髪型。ただし、お祖父さんはこれほど刈り上げてはいなかった。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    before
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    工事中の様子
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    after。労働者に制服が支給され、照明や床面が改善されたことが分かる。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    「我々の軍隊と人民の気概と勝利を象徴した『メボン山』商標」を「元山靴工場」の製品にと「元帥様」。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    after。2015年1月30日。この日、再び「元帥様」の「元山靴工場現地指導」があった。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    「元帥様」ヘアー。ソリが入り、オールバック風にしている。この写真では確認困難であるが、オールバックというよりも、上に上げて横に流している感じ。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    この他にも、新しく建設した「合宿(社員寮)」に半分の労働者しか収容できないという話を聞いて、直ぐに増築を決定した話し、羅先の一部住民が新しい家が欲しいがために補修可能な家を壊してしまっていることを「問題視」する幹部の話を聞き、「(問題視しては)いけない」と言ったという話しなどが紹介されている。

    羅先から夜、平壌に向かう「オオタカ1号機」
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    同映画の中に崔龍海がはっきりと分かる形、しかも「元帥様」の直ぐ横の立っている姿(人民軍総政治局長時代とその後)が写っている。この扱いからして、「一時的な解職」の可能性が高まった。

    「人民軍総政治局長」時代の崔龍海。「元帥様」ヘアーにも注目。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    「総政治局長」解任後の崔龍海
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    また、2015年のカレンダーでは休日ではなくなった1月8日を「意義深い1月8日」とナレーションしている。このことから、依然として1月8日が特別な日であることが分かる。

    ナレーションで説明されることなく出てくる空港。写真上部は海だと思うのだが、どこの空港だろうか。
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    Source: KCTV, 2015/11/24放送

    クライマックスは、YouTubeに日本語字幕を付けてアップロードしておいた。「モランボン楽団」の『人民の歓喜』とともにどうぞ。
    https://youtu.be/cmwQTYXg6pU

    マイナンバーカードの証明写真:250億の需要創出? 4本目の矢? 安くするには (2015年11月23日)

    数日前、マイナンバーが届いた。カードを申請するためには、証明写真が必要という。私も含めて、家族も最近、証明写真を撮ったことなどなく、自動撮影機で撮影しようと思った。しかし、1枚700円X3人で2100円。300円タイプのフチ子さんが7人は買える価格である。

    それにしても、国民のどれぐらいがカードを申請するのであろうか。仮に半分弱が申請したとして、5000万枚ぐらいか。実際には、もっと少ないような気はするが、仮に5000万枚だとすると、コンビニの200円写真から写真屋での人間による撮影までの平均を取れば、500円ぐらいか。すると、5000万円X500で250億円(ゼロの数は間違っていないと思うが)の需要創出となる。250億もの需要が創出できるのならば、「アベノミクス」の隠し4本目の矢ともいえるかもしれない。

    さて、拙宅では2100円は勿体ないので、デジカメとPCで処理をすることにした。以前もデジカメで撮影した証明写真を使ったことがあるが、面倒なのはサイズの調整である。検索したら、Free DPEというサイトがあった。加工に使うデータについての若干の不安はあるものの、FAQには「アップロードされた画像は一定時間後、自動的に削除されます。画像を利用、保管することはございません」と書かれている。

    どのようなできになるのかと、適当な写真を探していたら、いかにも証明写真らしい「元帥様」の写真があったのでそれを使わせていただいた。

    4.5X3.5で印刷した結果が以下である。拙宅のプリンターでは大きすぎた。
    FreeDPE.jpg

    そこで、4X3を試してみた。こちらだと少し小さすぎる。任意設定の枠を使い、4.3X3.3ぐらいでやるとよさそうだ。
    FreeDPE(1).jpg

    「(朝鮮日報日本語版) 北朝鮮、若者に金正恩・李雪主夫妻のヘアスタイルを強要」:報道を見てもそうは感じないが (2015年11月21日 「朝鮮日報日本語版」)

    21日、『朝鮮日報日本語版』が、消息筋の情報として「『つい先日、若い世代に責任を持つ青年同盟が若者たちのヘアスタイルについて、男性は2センチ以下、女性はおかっぱにするよう指示を出した』『平壌市内では大学生からなる監視チームがはさみを持って見回り、長髪の若者を見つけるとその場で短く切ってしまっている』」などと伝えた。

    『朝鮮日報日本語版』、「(朝鮮日報日本語版) 北朝鮮、若者に金正恩・李雪主夫妻のヘアスタイルを強要」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151121-00000510-chosun-kr

    まず、女性、つまり「李雪主ヘア」につて先に書いておく。北朝鮮の「報道」を見ていれば直ぐに分かることだが、同夫人が登場して以来、平壌の若い女性を中心に「李雪主ヘア」にする女性が増えた。これは、ダイアナ妃が登場したとき、「ダイアナ・ヘア」が日本でも流行したのと同様に、若くて素敵な「王様(=元帥様)」夫人の髪型を「時代の先端を行く」平壌の若い女性達が真似するのは普通の出来事である。そんなことは、強要・強制しなくても自然にそうなる。一方、そんな余裕のない首都の女性や、農場の若い女性達は、相変わらずポニーテールが多い。この現象から分かるのは、北朝鮮内の格差でこそあれ、髪型の強要ではない。

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    Source: KCTV 「20時報道」, 2015/11/19放送


    一方、男性のヘアスタイルであるが、「報道」に登場する若い男性を見ていても「金正恩スタイル」が増えているとは全く思えない。北朝鮮では、「元帥様」が登場する久しい前から、長めの髪の毛は「思想・精神的」に問題ありとされてきているはずである。それは、北朝鮮のテレビドラマや「芸術映画」に登場する悪役、特に「南朝鮮」の堕落した青年達の役を演じる役者の髪型を見れば分かる。

    では、実際の映像を見てみよう。今、北朝鮮では「青年前衛、忠誠リレー・マラソン」が行われている。このような行事に参加する若者は、間違いなく「若い世代に責任を持つ」若者であろう。耳に被さったり、襟首に髪の毛がかぶるような人はいないが、「金正恩ヘア」と言われるような人はいない。
    20151119_kctvasf_018354769.jpg
    Source: KCTV 「20時報道」, 2015/11/19放送

    参考までに、2013年11月21日の「20時報道」から。あまり変化は見られないと思う。
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    Source: KCTV, 2013/11/21

    どちらかというと、「元帥様」と同じ髪型で歩いていたら、不審者ということで「内務軍」に捕まりそうなのだが。ましてや、下の写真を床屋に持参して、「こんな感じでお願いします」とでもやれば、「愛国者」どころか高射砲の餌食になるような気がする。

    金正恩 スーツ 2014410
    Source: 『労働新聞』、2014/04/10

    「敬愛する金正恩同志をお招きし、新たに作った地下電車の試運転が行われた」:車内に灰皿、「専用座席」、「定員220人」 (2015年11月20日 「労働新聞」)

    20日、『労働新聞』が「元帥様」が新型地下鉄車両の実走テストに乗車したと報じた。

    『労働新聞』、「경애하는 김정은동지를 모시고 새로 만든 지하전동차의 시운전이 진행되였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-11-20-0001

    「元帥様」は10月に「金ジョンテク電気機関車連合企業所」を「現地指導」し、完成した車両は見ている。今回は、その実走車両に乗り込んでの「現地指導」ということになる。

    地下鉄車両は、「我々の技術で」と言っているので、完全な北朝鮮製なのであろう。ロケットを打ち上げることができる国なので、資金とやる気があれば、地下鉄車両ぐらいはできるはずである。平壌地下鉄というのは、ショーケースの象徴的存在なので、ある意味、その車両を今まで「我々の技術」で製造してこなかった方が不思議である。「首領様」と「将軍様」が地下鉄を作った当時は、トンネルを掘ることが重要で(軍事的にも)、そこを走る車両には関心を向けなかったのであろう。それは、冷戦期間中だったので、車両は社会主義兄弟国(東ドイツ)から中古車両をいくらでも調達できる状態でもあったからであろう。

    ここで、「我々の技術」で製作した車両を走らせたのは、中古車両を譲ってくれる社会主義兄弟国が中国を除いてなくなったことと、車輌製造技術が向上したこと、「人民生活の向上」に「元帥様」が力を入れていることをアピールするためなどの理由が考えられる。

    実は、10月の時点では、車両は中国製の中古を改良したものではないかと思っていたのであるが、今日に至るまでその疑問は残るものの、なんとなく純粋な「我々の技術」で作ったような気がしている。それは、中国地下鉄の歴史が短い(最も古いものでも北京1号線で1969年:wiki情報とコメントでの指摘)ので、車両の交換時期に至っていないこと、動力部分は北朝鮮仕様と互換性がなさそうなことなどであるが、はっきりとしたことは分からない。もちろん、地下鉄から地下鉄への移転という必要もない。

    平壌地下鉄は標準軌であるが、車内はあまり広そうに見えない。
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    Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지를 모시고 새로 만든 지하전동차의 시운전이 진행되였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-11-20-0001_photo

    友好的日本人民が案内員同志と(当時はソウル訛りの)朝鮮語で話しているのを見て、不思議そうな顔で乗客に見られていたのだけははっきり覚えているのだが、平壌地下鉄が禁煙だったかは覚えていない。少なくとも私が乗ったときはタバコを吸っている人はいなかった。「元帥様」はそれほどタバコを我慢できないのか、車内に灰皿を持ち込んで喫煙している。権力者としての威厳を見せたいのかもしれないが、せっかく「専用座席」(左の青いシール)のマークの横に座り、障害者等への配慮を見せる写真を使っているのに勿体ない。「足を朝鮮につけ、世界に目を向け」ていれば、世界は「禁煙」・「分煙」に向かっている趨勢ぐらい分かるはずなのだが。
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    Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지를 모시고 새로 만든 지하전동차의 시운전이 진행되였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-11-20-0001_photo

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    Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지를 모시고 새로 만든 지하전동차의 시운전이 진행되였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-11-20-0001_photo

    しかし、北朝鮮では恐らくこの青マークは必要ない。80年代の韓国がそうであったように、マークがあろうがなかろうが、高齢者等には競って席を譲るのが北朝鮮社会だと思うからだ。「元帥様」は、車両を「美男子」と褒めたが、韓国では見られなくなってしまった、北朝鮮の「美男子」的側面(もちろん、席を譲るのは男性だけではない)をいつまでも守ってほしいものである。日本社会を「腐った資本主義社会」とは思っていないが、老人が前に立っていても優先席で足を広げてスマホをいじっている若者は、醜さの極みである。

    この車両、ドアーがとても大きい。平壌地下鉄ラッシュ時の乗客数は分からないが、これほど大きなドアーにする必要があるのだろうか。さらに、「乗車人員220人」と書かれている。日本の主要地下鉄の「定員」を調べると、中間車両で大体150人である。上の写真から分かるように、日本の地下鉄と比べて特段大きな車両にも見えないのだが、「220人」というのは、算出根拠が日本とは違うのであろう。日本でも混雑時には2倍ぐらいの乗客が乗るわけだから、実際には300人以上が乗っているということになる。
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    Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지를 모시고 새로 만든 지하전동차의 시운전이 진행되였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-11-20-0001_photo

    つり革がないのはまだよいとし、荷物棚がないように見えるが、なぜだろうか。

    <追記:2015年12月4日>
    「元帥様」の11月の民間部門「現地指導」の様子を伝える「朝鮮記録映画」が放送された。その中では、地下鉄試運転の「現地指導」も含まれており、そこに移った車両には一部つり革があった。また、コメントでドアーのサイズや開閉速度が話題になったが、動画で見るとドアのサイズはさほど大きくなく、また開閉速度も日本の車両とさほど変わらないように見える。

    『<テレビ連続劇>保衛者たち 第3部』:「南朝鮮」の堕落した女スパイと男スパイ、「思想・精神的」問題楽曲の時代考証難あり (2015年11月18日 「朝鮮中央TV」)

    11月16日から『保衛者たち』という「テレビ連続劇」を「朝鮮中央TV」が放送している。制作は最近ではないようだが、韓国・統一部のDBには、以前の放送のデータがない。「テレビ連続劇」なので、過去に放送されていないのであれば、制作されたままお蔵入りになっていた可能性はある。今夜(19日)には第4部が放送されたが、第1部では、計画実行の日にちを言う部分の音声が消されている。全体の流れからして、消す理由はよく分からない。

    ストーリーは、1950年代初めに北朝鮮に潜入した「南朝鮮」のスパイ組織を内務軍が摘発するというもので、なかなか面白い。第3部を見ていたら、北朝鮮に潜入している「南朝鮮」スパイの女ボスと愛人とも部下とも分からぬ男スパイの密会シーンが出てくる。「思想・精神的」に堕落したシーンを見るのもおもしろいのだが、その部屋でレコードで流されているという設定になっているBGMが、なんとポール・モーリアの『オリーブの首飾り』である。この楽曲、たしか「モランボン楽団」も「示範公演」で演奏したようなしなかったような。

    それはよいとして、私が調べた限りでは、1950年代初めにはポール・モーリアはもちろん、他の奏者による演奏でもこの楽曲は存在しなかったようだ。この曲が登場したのは、1970年代。つまり、北朝鮮は「思想・精神的」に堕落した楽曲の時代考証を間違ったということになる。朝鮮人民にはどうせ分からないことだが、ポール・モーリアの「堕落した」楽曲を若き日に聴いた友好的日本人民にはとても気になる部分であった。

    第1部の冒頭に出る時代設定。第3部だから少しは時が経ているが、数ヶ月であり、どう考えても70年代ではない。
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    Source: KCTV, 2015/11/16

    問題の部分をYouTubeに日本語字幕付きでアップロードしておいた。
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    Source: YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/KoNe1nmrjlA

    「2015年アジアサッカー連盟16才未満女子選手権大会で優勝した我々の選手帰国」:国家体育指導委員会委員長出迎えに出ず、崔龍海解任確定、劉雲山の地位、中朝関係 (2015年11月18日 「労働新聞」)

    16日、「2015年アジアサッカー連盟16才未満女子選手権大会で優勝した」北朝鮮選手が帰国したと『労働新聞』が報じた。北朝鮮チームは、「準決勝戦で中国を2対1で、決勝戦で日本を1対0で痛快に打ち破り、今回の選手権大会で名誉の1位を獲得し、2016年の国際サッカー連盟17才未満女子ワールドカップ参加資格を獲得した」とのことである。16才未満チームではあるが、中国と日本に勝って1位となったことは、北朝鮮にとっては意味深い勝利である。

    さて、そんな栄誉を獲得したチームが平壌に戻ってくれば、国家体指導育委員会委員長が出迎えに出ても良さそうなものだが、出てなかった。出迎えたのは、「李ジョンム朝鮮人民軍将領.、金ジョンス体育省第1副相」だけであった。

    『労働新聞』、「2015년 아시아축구련맹 16살미만 녀자선수권대회에서 우승한 우리 선수들 귀국」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-11-18-0025

    9月6日に「国別総合で1位の栄誉を獲得した」「テコンドー世界選手権大会に参加した我が国テコンドー選手団」が帰国した際には、「平壌駅で国家体育指導委員会委員長である朝鮮労働党中央委員会秘書である崔龍海同志、国家体育指導委員会副委員長である内閣副総理兼国家計画委員会委員長盧斗哲同志」などが出迎えに出ている。

    『労働新聞』、「제19차 태권도세계선수권대회에 참가하였던 우리 나라 태권도선수단 귀국」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-09-07-0019

    全体として、少女サッカーだからなのか、出迎え陣の格が低いのかもしれないが、ともかく、崔龍海は出ていない。

    李乙雪「国葬委員会」名簿から漏れたのは葬儀期間に海外出張するからだと推測したが、「元帥様」の民間部門への「現地指導」にもその後同行していないことからすると、やはり解任されたのであろう。「農場で教化」されている、「地方の党学校に飛ばされた」など諸説出ており、解任原因は「青年発電所」事業の失敗などが言われている。しかし、「青年発電所」は「元帥様」が出席してあれだけ大々的な竣工式をやっているのだから、実際の発電状況までは把握できないものの、失敗とはいえないのではないだろうか。

    彼に対する叱責があるとすれば、やはり対中事業ではないだろうか。本来であれば、中国の戦勝記念日式典に出席した際の冷遇で北朝鮮の体面を「南朝鮮」の前で大きく傷つけた訳だから、叱責の対象となってもよいはずだったが、恐らく、「元帥様」は寛容にもそれを許し、もう一度機会を与えたのであろう。そして、崔龍海は劉雲山を「労働党創建70周年慶祝行事」に出席させたものの、それ以上の成果を出せなかったのであろう。同「慶祝行事」期間、崔龍海は「元帥様」と劉雲山にピッタリ付いて行動していたのもその関係かもしれない。劉雲山と「元帥様」との会合や観覧をセットするも、経済協力パッケージや「元帥様」訪中の道筋を作ることができなかったことの責任を問われたのかもしれない。

    しかし、「序列5位」と言われる劉雲山であるが、某中国専門家からは、「共青団系、江沢民系なので、事実上、習近平からは遠ざけられていて、影響力は少ない」との話も聞いた。だとすれば、劉雲山を北朝鮮の行事に派遣しただけで、お土産は何も無しという説も成り立つ。

    崔龍海の処遇と中朝関係、年末にかけて動きがあるのだろうか。

    「故李乙雪元帥同志葬儀」:お父さんの同志に強い弔意、黄炳瑞の泣くタイミング (2015年11月12日 「朝鮮中央TV」)

    11月11日に執り行われた李乙雪葬儀の模様を12日、「朝鮮中央TV」が放送した。既にコメントを色々頂戴しているが、「最高司令官同志」は、他の参加者よりも深く頭を下げているところが印象的である。

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    Source; KCTV, 2015/11/12放送

    弔辞を読む黄炳瑞が泣いているが、お祖父さんやお父さんと李乙雪元帥の関係の部分ではなく、「最高司令官同志」との関連部分である。李乙雪元帥は、「最高司令官同志」に「素朴な手紙」を出したと黄炳瑞が弔辞の中で言っているが、年齢と病状から「素朴な手紙」が書けたとしても、本当に「素朴な手紙」であったのであろう。そんなことからしても、「最高司令官同志」と李乙雪元帥との関係は希薄であったと思われるが、この部分で泣き声になるのは、「最高司令官同志」を持ち上げるための演出なのか、そうでなければ、「首領様」との関係から始まる弔辞に感銘してこらえきれなくなってしまったのかどちらかであろう。

    途中まで日本語字幕を付けた動画をYouTubeで既に公開済みであるが、先ほど全字幕を付けたので、関心のある向きは参照されたい。

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    Source: YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/8A1qBKmDIEM

    『<漫画映画>答えを見つけた2人の少年』:4.26漫画映画撮影所の新作 (2015年11月11日 「朝鮮中央TV」)

    11日、「朝鮮中央TV」の「児童放送時間」で「4.26漫画映画撮影所」の新作「漫画映画」が放映された。一瞬、宇宙船に乗って「米帝」を攻撃しに行くのかと思ったが、そうではなく「漫画映画」らしい内容であった。もちろん、科学教育番組であるので、科学教育的内容も十分に含まれている。ワイドサイズで、デジタル処理されているため画質も良い。3D技術も使われているようだが、どの部分かは分からなかった。

    日本語字幕を付けてYouTubeにアップロードしておいた。
    20151111tabuboys.jpg
    Source: YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/s70aklyEmz0

    「北朝鮮拉致 国主導示す 工作員養成の内部文書入手」:「金正日主義」、「拉致」の朝鮮語表記の解釈 (2015年11月11日 「東京新聞」)

    11日、『東京新聞』に「北朝鮮拉致 国主導示す 工作員養成の内部文書入手」という記事が掲載され、その文書の写真が掲載された。

    「金正日主義対外情報学」という「対外秘密」に指定された文書ということである。まず、文書のタイトルに使われている「金正日主義」という言葉が引っかかる。金正日時代、私は一次資料を用いた北朝鮮研究はしていなかったので正確性に欠けるが、当時、「金正日主義」という用語は存在したのだろうか。「金日成主義」という用語は使われていたが、「金正日主義」という用語は二次資料の中では見た記憶がない。金正恩時代になって登場した「金正日愛国主義」、「金日成-金正日主義」などの言葉はあるが、金正日時代に自らの名前を「主義」とした用語が存在したとは考えにくい。もちろん、工作員養成機関で秘密裏に使われた可能性はあるものの、思想に関わる重要な用語、しかも「最高尊厳のお名前」をかぶせた用語まで作成するとは考えにくい。そのようなことからして、この「文書」は、「金正日愛国主義」、「金日成-金正日主義」という「主義」が金正恩時代に使い始められてから捏造されたのではないかと疑われる。

    もう一つは、『東京新聞』では「『拉致』など工作にかかわるいくつかの言葉は、北朝鮮の発音ではなく、韓国の発音に基づいて表記されるなど、工作員の主要な活動領域である韓国の実情に合わせて訓練されていたこともうかがわれる」と分析している、韓国式発音表記の問題である。「南朝鮮」発を装った偽装文書ならまだしも、北朝鮮国内で使われている文書の中、工作活動の実戦訓練と関わりのない部分で、韓国式の発音表記をする必要はない。新聞に掲載された写真では確認できないが、もし金日成あるいは金正日の「お言葉」の中で韓国式発音表記がされているとすれば、made in South Koreaの文書、しかも低質な捏造文書の可能性が相当に高まる。というのは、北朝鮮では「指導者」の言葉を勝手に変更する、ましてや「南朝鮮式」の表記に変更することなど、訓練のためであったとしても、許されないと考えられるからである。

    『東京新聞』が、「356ページ」の文書をしっかり読み込んだ上で報道しているのかは疑わしいが、どこかでチープな捏造文書を掴まされたのではないだろうか。

    『東京新聞』、「北朝鮮拉致 国主導示す 工作員養成の内部文書入手」、http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015111190070314.html

    「北南宗教人の集い金剛山で開催」:朝鮮カトリック協会 (2015年11月10日 「朝鮮中央通信」)

    10日、「朝鮮中央通信」が、金剛山で9日と10日に「北南宗教人の集い」が開催されたと伝えた。

    北朝鮮側からは、「朝鮮宗教人協議会会長であるカン・ジヨン朝鮮カトリック協会(ママ)中央委員会委員長」を団長とする宗教団体委員長を含む代表団、南側からは「韓国宗教人平和会議」代表会長李キョンシク、仏教チョゲ宗総務院長などが参加したとしている。

    離散家族再会に続けて、南北関係が依然として動き続けていることの証拠で、望ましい状況であることは間違いない。

    気になるのは、「朝鮮カトリック協会」なる団体である。「NK朝鮮」によると、この団体は「北朝鮮で最も遅く結成された宗教団体」で、「1987年10月に準備委員会」が結成されて、9ヶ月後の「1988年6月30日」に結成され、当時の名称は「朝鮮天主教人協会」、「1996年6月に「朝鮮カトリック協会」に改称されたという。

    「NK朝鮮」は、1988年7月2日の「平壌放送」の報道を引用しながら、「過去、北朝鮮に天主教人の団体がなかったので、天主教人を代弁する問題と各国の天主教人及び団体と連帯し、親善関係を発展させることに制約があるから」団体を結成したと伝えたとしている。

    2013年10月29日の「NK朝鮮」の記事では、「朝鮮カトリック協会」会長は チャン・チェオン<장재언(장재철)>とされているので、2年ほどの間にカン・ジヨンと交代したことになる。

    「NK朝鮮」が引用している「平壌放送」報道が述べているように、「朝鮮カトリック協会」は、海外宗教家との「連帯・親善」団体であり、北朝鮮における信教の自由を証明するために設立された団体であろう。しかし、北朝鮮映画『盾』に関する記事の中でも示したように、「聖書」が「反動出版物」とされている状況で、キリスト教が「反動宗教」ではないと言い難い状況であることは容易に想像できる。「主体キリスト教」や「主体聖書」のようなものが存在すれば、キリスト教系宗教団体という扱いはできるのかもしれないが。

    『NK朝鮮』、「 카톨릭교 - 조선카톨릭교협회」、http://nk.chosun.com/bbs/list.html?table=bbs_27&idxno=3305&page=10&total=214&sc_area=&sc_word=

    「「13%援助交際」に抗議=国連報告者の発言―外務省」:北朝鮮の政治犯の数と同じ根拠? (2015年11月10日 「時事通信」)

    9日、『時事通信』が、「外務省は9日、日本の児童ポルノなどの状況を視察するため来日した国連特別報告者が東京都内で開いた記者会見で、「(日本の)女子学生の13%が援助交際している」と発言したことに対し、抗議し撤回を求めたと発表した」と伝えた。

    『時事通信』、「「13%援助交際」に抗議=国連報告者の発言―外務省」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151109-00000126-jij-int

    私の教室には13人以上の女子学生がいるが、その中の最低1人は「援助交際」をしている(していた)という話し。出鱈目にもほどがある。

    日本のようにオープンな社会の状況についてこんな出鱈目な報告をしているのであれば、北朝鮮のようにクローズな社会の「政治犯収容所」にどれだけの政治犯が収容されており、どれほど非人道的な扱いをされているかなど、全く当てにならないということになる。

    なぜかといえば、「13%が援助交際」も北朝鮮の収容所の実態も国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報告だからである。

    北朝鮮は、これを「日本社会の退廃的風潮」と伝えるのか、「米帝」の追随勢力に落ちぶれた国連機関の謀略宣伝と伝えるのか。

    <追記>
    上と関連し、9日、「朝鮮中央通信」が「自分の家の子供の面倒を見ろ」という「朝鮮中央通信社論評」を伝えた。日本語バージョンも掲載されているが、朝鮮語からの訳出は次の通り。(  )内は、筆者コメント。

    ********
    日本で、子供に対する性虐待行為(日本語バージョンでは、「セクハラ」としているが、意味が異なる)が頻繁に行われている中、少し前、国連人権特別報告者(上の記事の報告者と同一人物と思われる)が、それと関連した現地調査を行った。

    8日間の調査を終えた彼女は、日本では、被害者が起訴(告訴)しない限り、子供の性虐待と関連した調査や裁判が全くなされておらず、仮に裁判になっても、その大部分は、犯罪者に執行猶予や少額の罰金刑を宣告するだけで終わっていると暴露した。

    彼女は、子供性虐待行為に対する社会的および制度的許容を象徴するこうした処罰法のため、犯罪行為が継続して行われているとし、当該法をさらに強化することを日本当局に求めた。

    日本の反人権実情を立証するもう一つの生きた証拠である。

    日本での子供性虐待行為は、今、国際的非難と糾弾を巻き起こすほど重大である。

    子供を対象とした色情犯罪(日本語版では、わいせつ犯罪)、性売買など、全ての醜悪な行為が次から次へと発生しており、インターネットを通しても公然と行われている(援交のことをいっているのか)。

    何年か前、日本の大阪市では、警察が白昼に10代の少女を強姦した事実が明らかになり、社会的物議を巻き起こした。

    現実がこうなので、駐日米軍まで町を歩く女性と少女に躊躇することなく襲いかかっているほどである。

    去る7月、警察庁は、子供を対象とした色情犯罪が昨年、1828件も発生したとし、これは、2009年と比べてほぼ2倍にもなる数字であると明らかにした。

    背倫・背徳(日本語版版では、不倫・背徳)が蔓延する末世紀的な国である人権蹂躙国日本でこそ発生する特大型の反人類的犯罪と言わざるをえない。

    日本で行われている子供に対する性的虐待行為は、徹頭徹尾、当局者の精神道徳的腐敗と反人民的政治にその根源を置く。

    他でもない国家の政治人と自称する者が、初歩的な人権問題解決を悪辣に妨害している。

    彼らは、国際社会が糾弾して止むことのない、過去の日本軍の性奴隷犯罪を問題視するどころか、公然と庇護、かばっている。

    こんな者たちに、子供虐待行為のような反人類的犯罪を根絶する初歩的な意志があるはずがないことはあまりにも明白である。

    結局、彼らは、性犯罪行為を煽るインターネット上での淫乱な動画映像伝播を法的に禁止することを要求する人民の声を聞くふりもせず、社会全般に腐った黄金万能主義と弱肉強食の生存競争をさらに呼び起こすことで、犯罪者に幼い子供にまで性売買の魔手を伸ばさせているのである。

    政治人に後れをとるまいと警察まで子供性虐待行為のようなことは、振り返ろうともしていない。

    日本こそが、人権分野で最も優先的に解決しなければならない問題中の一つである子供保護を社会的に、制度的に完全に無視している醜悪な人権蹂躙国である。

    見苦しいのは、こんな世にもまれな反人倫国家が、我々の「人権」についてつべこべ言いながら、やかましく騒ぎ立てていることである。

    「人権」を口実に対朝鮮圧迫を実現し、それを通して再侵略の機会を作ろうというのである。

    しかし、それはかなわぬ盲動に過ぎない。

    人権について騒ぎ立てる一片の対面も資格もない日本の対朝鮮「人権」ラッパをまともに聞く国はどこにもない。

    日本当局は、誰それの「人権」について騒ぎ回るのではなく、自分の家の子供の面倒でもきちんと見る方が良い。

    ***************

    国連報告を引用しながら、北朝鮮の「人権」問題を否定する形となっているが、日本を非難している同じ国連機関が北朝鮮の人権問題について、「騒ぎ立てている」ことには触れていない。

    <追記2>
    『産経新聞』によると、「援助交際13%「誤解を招くものだった」 国連特別報告者が日本政府に書簡を送ってきたそうだ。

    『産経新聞』、「援助交際13%「誤解を招くものだった」 国連特別報告者が日本政府に書簡 菅官房長官「発言撤回」との受け止め」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151111-00000553-san-pol

    『<朝鮮芸術映画>盾、第1部・第2部』:2013年に見逃したおもしろい映画、「思想・精神的」問題の実例を提示 (2015年11月8日 「朝鮮中央TV」)

    8日、「朝鮮中央TV」で「盾」という「朝鮮芸術映画」が放映された。韓国・統一部のDBで昨日確認した限りでは、2013年に放映されたことになっていたが、今、確認したところ2006年11月12日以来、放送されていないことになっている。2013年に放送されたとされる日は、ストリーミングの不具合だったのかもしれないが、録画がされていないので、この日に実際に放送があったのかどうかは確認できない。

    いずれにせよ、私は初めて見た映画なので、とてもおもしろかった。第1部と第2部までしか制作されていないようなのだが、北朝鮮に浸透した「南朝鮮」のスパイ組織を北朝鮮の「内務部」が暴き出すというストーリーである。ただ、映画を見る限りでは、3部以降も制作されるような流れで終わっている。というのは、2部まで北朝鮮のために二重スパイをしていた父親が病死し、その後を息子が継承するという形で終わっているのだが、肝心のスパイ組織の頭目(日本人の名前を使う男)は確認されたものの、泳がせておくのかどうかは不明のまま、終わっている。普通の北朝鮮映画であれば、「勧善懲悪」で終わるところであるが、それが達成されていない。過去に紹介した「日帝」と戦う映画でも、一度終了した上で、続編で「日帝」の頭目を掃討している。

    そのような意味で、続編が予定されていたのかもしれないが、今日に至るまで、制作されていないようである。

    さて、この映画はストーリー自体もおもしろいのだが、「思想・精神的」問題がかなり具体的に提示されている点である。「青峰楽団」問題も、もし韓国メディアが報じるように崔龍海が解任されたのであれば、「青峰」の「思想・精神的」問題に連座させられている可能性もある(しかし、依然として崔龍海の解任説はないと考えている)。

    では、『盾』で紹介されている「思想・精神的問題」を紹介していく。ちなみに、この映画のテーマ音楽は『社会主義を守ろう』である。

    banpe1flv_000020291.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    北朝鮮の二重スパイ、カン・ソサンが、香港にいる「南朝鮮」のスパイ組織のボスの司令を傍受する受信機。懐かしい、日本製受信機Fair Mate、CR-312を使っている。この受信機は、中波から短波帯の6MHzまで受信できる仕様(「日本短波放送」の競馬中継を受信できる仕様)。

    ラジカセ博物館、http://www.geocities.jp/yumesawanachi/radio/fairmate-cr312.html

    fairmatecr-31220151108.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    指令を受信する、二重スパイのカン・ソサン。司令は「詩」として流され、カン・ソサンは辞書のようなものを見ながら、解読する。
    irei5flv_000135893.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    「南朝鮮」の暗号放送を傍受して解読する北朝鮮の施設。「科学特捜隊」のような感じで、「人民軍」あるいは「国家安全部」らしさがない。
    waching facility 20151108flv_000117444
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    北朝鮮当局は、港の税関検査台のビデオ撮影をしている。外国人の鞄から出されるビデオテープ。北朝鮮内務部の「副局長」は、「あのようは反動出版物と録画物が、以前は気球で我々の地域のばらまかれたのだが、最近は、合法的な経路を通して旅行者が持ち込むのが問題」と言っている。
    20151108videotapes noflv_000255719
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    また、中国・図们対岸の北朝鮮・南陽駅でも、観光客の手荷物から「聖書」が出てくる。
    namyano20151108flv_000268032.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    東洋人の鞄から出てきた「聖書」
    20151108songyonglv_000274458.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    こうした、北朝鮮の社会主義を崩壊させようという陰謀は、香港にアジトを持つ「南朝鮮」のスパイ組織の仕業という。その、「南朝鮮」のスパイ組織の頭目が、女スパイのアジトである「料亭」にやってくる。ここででは、「思想・精神的」に問題がある沢田研二の『TOKIO』が流れている。客の女がカラオケで歌っているという設定であるが、なぜか、TOKIOの部分以外は歌わない。
    歌が流れる場面は、以下のYouTubeを参照のこと。
    YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/R-ImXYDXI9Q

    また、別の女スパイが、「思想・精神的」に問題がある曲が収録されたカセットテープを、北朝鮮の合作会社社長(支配人)の車で流す。これが、退廃的な曲調の典型。後に、この社長は、北朝鮮の二重スパイから「全てにおいて、原則を捨ててはならない。」、「今、帝国主義者達は、我々を目に刺さった棘のように思っている。だから、奴らの魔手にかかることもある。」と、社長が女スパイのテープを受け取ったことを非難する。社長は、素直に謝罪する。
    cassettenoguudflv_002317071.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/08放送

    歌が流れる場面は、以下のYouTubeを参照のこと。
    YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/UogCJDr_e80

    「故李乙雪同志の葬儀委員会を構成」:葬儀委員会構成からみる最新序列、崔龍海の名前が消えた、体調不良か?中国出張か? (2015年11月8日 「朝鮮中央通信」)

    8日、「朝鮮中央通信」が、「朝鮮労働党中央委員会委員であり、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議代議員であり、朝鮮人民軍元帥である李乙雪同志は、長期間肺がんで治療を受けていたが、2015年11月7日、10時10分、94才で悔やまれながら逝去した」と報じた。これで、元帥は、金正恩「元帥様」だけになった。

    2015-11-08-02-01.jpg
    Source:『労働新聞』、「리을설동지의 서거에 대한 부고」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-11-08-0006

    李乙雪死去にともない、「葬儀委員会」が構成された。下に、「朝鮮中央通信」で報道された朝鮮文をそのまま貼り付けておくが、上位陣についてみておく。

    委員長・金正恩、金永南、黄炳瑞、朴奉珠、金己男、崔泰福、朴ヨンシク、李ヨンギル、ヤン・ヒョンソプ、姜锡柱、李ヨンモ、呉グッチョル、金ウォンホン、金ヤンゴン、クァク・ポムギ、オ・スヨン、金ピョンヘ、崔ブイル、ロ・ドチョル、チョ・ヨンジュン・・・

    2014年7月の「故田炳浩、葬儀委員会」では、
    委員長・金正恩、金永南、朴奉珠、黄炳瑞、李ヨンギル、玄永哲、金己男、崔泰福、崔龍海、朴ドチュン、ヤン・ヒョンソプ、姜锡柱、李ヨンム、呉グッリョル、金ウォンホン、金ヤンゴン、金ピョンヘ、クァク・ポムギ、オ・スヨン、崔ブイル、ロ・ドチョル、チョ・ヨンジュン・・・

    最大の違いは、2014年7月には序列9位にあった崔龍海の名前がないことである。「党創建70周年」関連行事では、金正恩の横にいたし、10月31日には『労働新聞』に「朝鮮労働党秘書 崔龍海」と署名がある「主体革命の新時代を迎える歴史的な大会」と題する「第7回党大会」に関する一文が掲載されている。

    『労働新聞』、「주체혁명의 새시대를 빛내일 력사적인 대회」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-10-31-0005

    この流れからすると、突然、粛清されることもないと思われるが、体調不良、あるいは海外(中国)出張だろうか。『労働新聞』を「崔龍海」という文字列で内容検索しても、10月31日の上記記事以降では出てこない。10月31日以降、金正恩は「反航空部隊高射ロケット射撃訓練」を「指導」し、「第7回軍事教育幹部大会」に出席しているが、いずれも軍関連行事なので、崔龍海の同行がなくてもおかしくはない。

    また、玄永哲の名前も消えており、「高射砲で銃殺」されたかどうかはさておき、失脚は確定した。それとの関連では、2014年7月には序列45位にいた朴ヨンシクが「人民武力部長」に任命され、序列7位に急浮上している。

    金ヨジョンの名前はない。

    고 리을설동지의 장의위원회를 구성
    (평양 11월 8일발 조선중앙통신)
    조선로동당 중앙위원회,조선로동당 중앙군사위원회,조선민주주의인민공화국 국방위원회,조선민주주의인민공화국 최고인민회의 상임위원회에서는 고 리을설동지의 장의식을 국장으로 한다고 발표하고 국가장의위원회를 구성하였다.
    국가장의위원회 위원장은 경애하는 김정은동지,위원은 김영남,황병서,박봉주,김기남,최태복,박영식,리영길,양형섭,강석주,리용무,오극렬,김원홍,김양건,곽범기,오수용,김평해,최부일,로두철,조연준,임철웅,김덕훈,김용진,리무영,리철만,김영대,류미영,황순희,김철만,김옥순,박경숙,리영숙,리일환,김춘섭,김만성,최상건,리영래,김정임,김중협,홍인범,김경옥,최휘,김충일,리병철,전일춘,김용수,정명학,김히택,전경남,김영춘,현철해,김정각,리하일,서홍찬,림광일,노광철,조남진,렴철성,조경철,윤동현,김형룡,윤정린,김명국,려춘석,리명수,최경성,리태철,정명도,강동윤,전창복,김윤심,김기선,박재경,손청남,전태룡,리용주,최영호,김락겸,김영철,오금철,김정관,김성덕,리창한,동영일,리문국,한광상,리규만,김택구,리동춘,전경학,김상갑,김수학,방관복,안지용,윤병권,김명균,주동철,최재복,위성일,방두섭,리성국,장정남,김명남,김영복,리봉죽,최두용,한창순,박수일,김상룡,김금철,리봉춘,송석원,강순남,송영건,리태섭,김송철,김광수,허성일,리철,리영철,김광혁,리국준,정경택,김준식,김용일,허영춘,손철주,박영래,김국창,주동철,리영철,장동운,김도운,로흥세,리정래,윤희환,신기철,김경룡,한표섭,리영남,한명선,리호철,김정철,조기복,주송남,권영진,고원남,주재욱,장영길,김동철,진광철,박일수,태종수,김수길,박태성,리만건,박영호,박태덕,김재룡,박정남,전승훈,리상원,강양모,림경만,최영림,홍선옥,조춘룡,전용남,주영길,리명길,김정순으로 구성되였다.
    장의위원회는 고 리을설동지의 령구가 중앙로동자회관에 안치되여있으며 고인과 영결하기 위하여 찾아오는 조객들은 8일 16시부터 10일 19시까지 맞이하고 11일 9시에 고인의 령구를 발인한다고 알렸다.(끝)

    2014年7月9日に発表された「故全炳浩、葬儀委員会」名簿(「朝鮮中央通信」より)
    (평양 7월 9일발 조선중앙통신)
    조선로동당 중앙위원회,조선민주주의인민공화국 국방위원회에서는 고 전병호동지의 장의식을 국장으로 한다는것을 발표하고 국가장의위원회를 구성하였다.
    국가장의위원회는 위원장 경애하는 김정은동지,위원 김영남,박봉주,황병서,리영길,현영철,김기남,최태복,최룡해,박도춘,양형섭,강석주,리용무,오극렬,김원홍,김양건,김평해,곽범기,오수용,최부일,로두철,조연준,리일환,김만성,한광복,오일정,안정수,김정임,김중협,한광상,홍인범,김경옥,리재일,최 휘,전일춘,정명학,김히택,강관일,홍영칠,홍승무,장창하,림춘성,변인선,서홍찬,박영식,렴철성,조경철,윤동현,강표영,김형룡,김명식,리병철,김춘삼,김영철,오금철,박정천,김정관,노광철,동영일,리창한,리용주,리규만,전경학,김택구,리문국,김수학,방관복,윤병권,안지용,주동철,최재복,김수길,태종수,박태성,리만건,전승훈,박영호,박태덕,김춘섭,박정남,리상원,강양모,림경만,조춘룡,주규창,최춘식,리제선,유 진,리성학으로 구성되여있다.
    장의위원회에서는 고 전병호동지의 령구가 평양시 보통강구역 서장회관에 안치되여있고 조객들은 9일 10시부터 19시까지 맞이할것이며 10일 8시에 고인의 령구를 발인한다고 알렸다.(끝)

    <朝鮮映画>『高い教壇』:「第7回朝鮮人民軍軍事教育幹部大会」に合わせたタイムリーな映画 (2015年11月6日 「朝鮮中央TV」)

    6日夜、「朝鮮中央TV」で『高い教壇』という「朝鮮映画」が放送された。この映画は、軍官(指揮官)学校教員オム・チュンギルを主人公に彼の家庭と学校での人間関係を中心としたストーリーである。

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    Source: KCTV, 2015/11/06

    韓国・統一部のデータでは、2006年6月19日に放映されて以来、2009、2010、2012、2013、2015に放映されており、今回が5回目の放映となる。2012年と2013年は10月28日、今年は11月6日の放映と、金正恩時代に入ってからは10月末から11月初旬に放映されているのが特徴である。以前の「人民軍教育幹部大会」が開催された時期と関連しているのかも知れない。

    主人公のオム・チュンシルは、「軍官学校」教員一筋に生きてきた人物で、彼が教育した学生の中からは「将軍様(金正日)」を喜ばせるような優秀な指揮官もたくさん出ている。オム・チュンシル(左)と学生。学生が「私は、この(軍事の)本をよく勉強したので何でも答えられます」と言うと、オムは「では、君の人生の目標は何か?」と質問し、学生を困らせる。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    そうした中、オム・チュンシルが教えた学生たちはどんどん昇格し高い階級になるが、オム・チュンシルだけは「教員同志」をずっと続けており、自分が教えた上官に敬礼をする場面なども出てくる。下は、元学生が「軍官学校」に副校長として戻ってきたときの場面。元学生とは知らず、敬礼している。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    2人は昔話をする。言葉遣いは、上官の元学生が丁寧語で、「教員同志」が目下に対する言葉遣いで話している。この辺り、「最高司令官同志」演説の中での「階級が上でも師匠を敬え」という部分と符合している。もちろん、年齢的にも「教員同志」が上になる。軍の階級ではないが、工場などの若い「支配人」や「(労働党)責任秘書」が、年長の労働者に対して敬語を使って話すのと同じである。左が上官の「副校長」。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「教員同志」が指導する山林での訓練中、炊事に使った火の不始末で小さな山火事を起こしてしまう。火事は自分たちで直ぐに消し止めるが、一部の樹木が燃えてしまう。「教員同志」は学生に燃えた場所に木を植えさせるが、ある学生(この学生については、後述)は、「俺たちは、指揮官になるためにここに来ているんだから、木なんて適当に植えとけばいい」と言い、一緒に植えている学生の提案を無視して腐葉土を入れようとしない。右がその学生。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    実はこの学生、「副校長」の甥で、父親も「教員同志」の教え子。さらに、祖父は抗日パルチザンの英雄という家柄。頭も良いのだが、「祖国愛」が足りないという欠点がある。植樹を適当に終えようとするのもその一例。「教員同志」は、この学生を判定試験で学科目成績が優秀であったにもかかわらず、落第とする。

    この点に関し、おもしろいことを「教員同志」はいう。それは、「血筋による継承ではなく、思想で継承しなければならない」、「思想は遺伝しない」という台詞であるが、「血筋による継承」を否定すれば「白頭山の血統」も否定されることになる。もちろん、「思想での継承」で逃げられるが、危なっかしい感じがした。

    学生は、自分の伯父である「副校長」のところにやって来て、判定試験で落第したことについて不満を言う。「伯父さん」というと、「副校長同志と呼べ」と叱られる。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「副校長同志」は、自分の兄弟(不満を言う学生の父)が「教員同志」の学生だった頃を回想する。それが、昨夜、放送を見ながら書いた魚を助ける場面である。昨夜書いたとおり、「川の水が乾きかけたところに取り残された魚を泉の水を注いで助けている」のはそうであったが、「魚の生命」ではなく、「植物であれ魚であれ祖国のものは全て愛す」というところがポイントであった。

    死にかけた魚
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    ヘルメットで水を注いで魚を助ける学生の父親(訓練生時代)
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「将軍様」やってきた部隊を訪問するための列車の中で、過去に教えたことのある今となっては上官(師団長)と遭遇する。右側が道を譲る「教員同志」、左が上官となった元学生。この元学生は、「教員同志」の顔を覚えていて、昔の話をする。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    この元学生は、ジャンプが怖くて1人でできず、「教員同志」が一緒に飛び込んでやった。しかし、「教員同志」はこの飛び込みで足を負傷する。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    元学生は、「教員同志」に、「名節(正月など)や誕生日に教員同志にご挨拶できず申し訳ありませんでした」と詫びる。板門店を案内してくれた北朝鮮の「軍官同志」が、私が教員であることを知り、「正月などは大変でしょう?」と言ったのは、まさにこのことである。ちなみにこの「軍官同志」、私が友好的日本人民だと知るまでは、とても怖い顔をしていた。

    そして、元学生に『指揮官 百科常識2』という本をやる。朝鮮人民軍指揮官の「百科常識」だとすると、そこらでは手に入らない本であろうが、表紙だけは見ることができた。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    前にも一度少し登場しているのだが、服務中に腰を負傷して人民軍病院に入院している男性が登場する。この男性は、「教員同志」の娘の婚約者であったのだが、怪我をして歩けなくなったので「教員同志」の娘はこの男性のもとを去ってしまう。その事実を「看護員」から聞いた「教員同志」は悩む。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「教員同志」の娘は医師で、今は「研究所」に勤務している。「教員同志」に娘は、怪我をした男性と別れた理由を「彼が障害者になったとき、軍服を着た立派な婿を望んでる親を考えたら・・・失望させるようで、最後の一歩を踏み出せなかったの、父さん」と泣きながら走って行ってしまう。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「教員同志」はさらに悩む。川で顔を洗っていると娘がやってくる。娘は、父の気持ちを理解し、「彼」が入院している人民軍病院に戻り、彼のリハビリを手伝うと話す。また、娘が努めている「研究所」も彼女をサポートするという。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「教員同志」には、「副校長同志」の甥の「思想・精神状態」を正す仕事が残っていた。ある日、「教員同志」は、訓練生達に甥の父親が戦死したときの話をする。甥の父親は指揮官として前戦に配置されていた。しかし、「教員同志」が彼を訪ねたその日、戦闘が始まり、父親は戦死する。下は、親からもらった「抗日パルチザン」の赤い星を「教員同志」に見せる、甥の父(左)。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    この話を聞いた甥は「思想・精神状態」を正して、勉強と訓練に励む。教室では、「教員同志」から敵のトーチカに手榴弾を持って突撃した李スボク英雄の話を聞く。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    入院していた娘の婚約者は、リハビリの甲斐があり歩けるようになる。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「思想・精神状態」が良くなった「副校長同志」の甥は、訓練中、土砂崩れを体を張って防ぎ負傷、入院する。「教員同志」は、そんな彼のために、病院にまでやって来て授業をしてやる。下は病室の壁に掛けられた時計。「白頭山、1992.2.16」と文字がある。「将軍様」の誕生日に配られた記念時計だろうか。時刻を見れば12時過ぎ、「教員同志」は、疲れてペンを持ったまま眠ってしまう。学生と病室にやって来た「副校長同志」は、その姿を見て感動する。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    そして、最終判定試験の日、甥は「李スヨン」英雄のように、勇敢な行動に出る。そして、「教員同志」の学生たちは、全員優秀な成績で合格となる。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    「教員同志」は、「党の上部組織」から、年齢的問題もあり、現役教員を引退することを薦められていた。結局、どうなったのかはよく分からないのだが、下の写真を見ると、現役は引退をし、階級が上がっているようである。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    コメントにあるシーンは、判定試験が終わり、学生たちが「教員同志」に駆け寄ってくるシーン。
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    Source: KCTV, 2015/11/06

    そして、最後に「将軍様」の言葉が披露される。「英雄も博士も、立派な軍事・政治幹部も、全て彼らを育てた師匠がいる。そのような教育者こそが、隠れた努力家、隠れた愛国者だ」と「高く評価した」とナレーションが入る。

    「第7回朝鮮人民軍軍事教育幹部大会」に合わせたタイムリーな放映であったが、「最高司令官同志」の演説とも関連し、いくつかの事項が確認できた。

    「朝鮮外務省スポークスマン日本軍性奴隷被害は全朝鮮的に解決しなければならないと強調」 (2015年11月5日 「朝鮮中央通信」)

    5日、「朝鮮中央通信」が日韓首脳会談で「従軍慰安婦問題」について話し合われたことと関連し、北朝鮮外務省スポークスマンが「朝鮮中央通信」記者の質問に回答したとして次のように伝えた。

    ****************
    報道によれば、11月初め、ソウルで開かれた日本と南朝鮮首脳会談で「日本軍慰安婦」問題を早急に解決するための協議を「継続することにした」という。

    世界に知られているように、日帝の朝鮮占領と第二次世界大戦期、日本国家により組織的に行われた日本軍性奴隷犯罪は、余生の尊厳と情緒、肉体を丸ごと蹂躙した時効不適用の極悪な特大人権蹂躙犯罪であり、日本が必ず清算しなければならない罪悪の一つである。

    日本は、過去40年間の朝鮮占領期間、我々人民に、840万人の強制連行、100万人の虐殺、20万人の女性に対する性奴隷化、「創氏改名」、生体実験のような全体未聞の犯罪を犯したにもかかわらず、それに対する清算を敗亡後70年過ぎた今日に至るまで回避してきた。

    最も残虐で醜悪な犯罪行為は、加害者が被害者の片方にとだけ、誤魔化して解決するような問題ではない。

    日本軍性奴隷被害者は、朝鮮半島の南にだけいるのではなく、北にもいるので、全体朝鮮民族が被った被害を全朝鮮的に解決しない限り、この問題は終局的に解決されない。

    日本は、日本軍性奴隷犯罪を含む朝鮮人民に犯した全ての特大反人類犯罪と被害に対する国家的責任を認め、一日も早く全体朝鮮民族が納得できるよう賠償しなければならない。

    *******************************

    朝鮮半島北半部(北朝鮮)に対する日本の植民地支配を清算できていないのは事実である。だからこそ、小泉-金正日会談で「日朝平壌宣言」が出されたのである。北朝鮮が求める「性奴隷問題」も含む全ての植民地時代の懸案(あるいは「特大反人類犯罪」)を解決する方途は、今のところ「日朝平壌宣言」に依拠して進めていく以外に方法はない。

    お父さん(金正日)が「一部の不届き者」をきちんと統制し、日本人を拉致するなどという「特大反人類犯罪」を犯させなければ、北朝鮮の日本に対する主張はもっと強くできたであろう。一方、お父さんがそれを事実だと認め、謝罪したことは大変勇気のある行動だったと思う。しかし、だから「解決済み」と一方的に主張しても相手は納得しない。これは、日本側が「性奴隷などいなかった」と一方的に主張しても北朝鮮が納得しないのと構造的には同じである。

    「被害者の片方」とは、ある意味、この問題を曖昧にしたまま今日に至ってしまったので、問題がより複雑になり、解決が非常に困難な状況になっている。北朝鮮外務省スポークスマンも、もう少し日本の報道をきちんと読んでいれば、それが「早急に(年内に)解決できそうにない」状況にあることなど分かるはずだ。

    とにかく、拉致問題解決のためのボールは北朝鮮のコートにあるのだから、納得できるボールを早急に日本側に投げ返さなければならない。それがなければ、「性奴隷」問題解決に繋がるキャッチボールは続けられないのだから。

    <追記>
    これと関連し、6日、「朝鮮日本軍性奴隷及び強制連行被害者問題対策委員会」も談話を出した。詳細は追って。(「朝鮮中央通信」と「朝鮮中央TV」で確認)。

    「<死>の4作戦概念」:四の「し」と死の「し」をかけて、米国は違うけど (2015年11月5日 「uriminzokkiri-TV」)

    恐らく、音的には日本語と朝鮮語でしか通用しない話し。北の弾道ミサイルが迎撃回避軌道に入るという部分がおもしろい。日本語字幕を付けて、YouTubeにアップロードしておいた。

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    Source: YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/Y66VyyUYVOo

    <追記>
    「迎撃回避軌道」について、以下のような記事があった。

    『聯合ニュース』、「「3月の北ミサイル発射は迎撃回避実験」=韓国軍当局 」、http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2014/06/19/0900000000AJP20140619001300882.HTML

    「朝鮮人民軍第7回軍事教育幹部大会盛大に開催」:軍事教育の質的向上、民生教育への接近、階級と師弟関係で師弟関係重視、「先党政治」への布石 (2015年11月5日 「労働新聞」)

    5日付けの『労働新聞』に「朝鮮人民軍第7回教育幹部大会」が開催され、「最高司令官同志」が演説したという記事が掲載された。

    『労働新聞』、「조선인민군 제7차 군사교육일군대회 성대히 진행 경애하는 김정은동지께서 대회에 참석하시여 강령적인 연설을 하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-11-05-0001

    「第7回」ということなので、「党大会」同様、長期間開催されていなかったのであろう。「元帥様」は、民生部門の教育では「義務教育12年生」を実施するなど改革を進めてきたが、軍事部門における教育改革にも着手したのかもしれない。以下、「最高司令官同志」の演説から、ポイントとなりそうな部分を抜粋してみた。

    まず、「軍事教育革命の目標は、全軍金日成-金正日主義化の要求に合うよう、軍事教育の質的水準を決定的に高め」、「今日、我が党では、教育事業、人材育成事業でも、当然、人民軍隊が社会の見本となり、先導者となることを望んでいる」と述べている。この発言を裏側から解釈してみると、「軍事教育」が旧態依然であり、質的にも低いので、「社会の見本」となり得ていないことを指摘しているのであろう。「社会の見本」というのは軍への配慮で、民生教育の水準に合わせろということを言いたいのではないだろうか。

    そして、軍事教育の教員が、「学生の学習と修養、知能発展過程をいかに設計し、調整するかにより」その成果は「左右される」とし、「党は、軍事学校の学生を全的に教員に委ねる」としており、「大きな信頼」という言葉で、軍事学校の教員に質向上という課題を出した。

    もちろん一方では、「教員を優遇し、地位を向上させながら、事業と生活条件を円満に保障しなければならない」とした上で、「先軍革命の未来を切り開く、軍事学校の教員の苦労につては忘れておらず、いつもありがたく思っている」と述べている。この辺り、民生部門での教員待遇改善と並行して軍事学校教員の待遇も改善するという意思の表れであろう。

    さらに、軍隊内での階級と師弟関係にも触れ、「いくら職位(階級)が高くても、自分を教育してくれる教員を師匠として尊敬し、礼節正しく接する気風を徹底して打ち立てる」とも述べており、軍内部での階級重視、一方で儒教的な師弟関係軽視の風潮を戒めている。これも、軍内部での教育を民生教育に近づけたいというところから出た発言であろう。

    また、「軍事学校では、学生を軍事家として育てる以前に、革命家として育てなければならないという観点を持ち、政治思想教育をしっかりと前面に打ち出し、学生に金日成-金正日主義原理と我が党の路線と政策、革命歴史を深く体得させ、党軍の指揮官としての資質と軍事活動で提起される全ての問題を主体の思想、理論、方法に基づいて解決できる能力を育てなければならない」としている。この部分は重要で、軍と党の関係を「党が上にあり軍が下にある」ことを再確認することで、それを軍事学校の教育でも徹底するよう求めている。「第7回党大会」での、「先党政治」強化宣言への布石であろう。

    「朝鮮人民軍第7回軍事教育幹部大会」で演説する「最高司令官同志」
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    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-11-05-0001_photo

    「総連を謀害しようとする日本検察当局のファッショ的暴挙」:東京地裁で松茸不正輸入被告に検察2年求刑 (2015年11月4日 「朝鮮中央通信」)

    4日、「朝鮮中央通信」が、『朝鮮新報』を引用する形で京都地裁で10月27日に行われた松茸不正輸入事件に対する論告求刑の様子を伝えた。

    「朝鮮中央通信」報道では、「日本検察当局は『朝鮮が中国に販売した松茸が、日本に輸出されたのを朝鮮特産物販売会社は知っていたはず』だの、『東方株式会社が中国人を通して松茸を購入し、日本に輸出したのだから、結局、朝鮮特産物販売株式会社と東方株式会社は間接的に連携があり、結果的に共謀となる』などと決めつけた」としている。

    11月2日付けの『朝鮮新報』の記事は以下。
    『朝鮮新報』、「총련탄압 노린 용납 못할 폭거/교또에서 부당한 론고구형공판 」、http://chosonsinbo.com/2015/11/20151102ilk/

    そして、「朝鮮特産物販売会社を主犯と断定し、社長などに懲役2年を求刑するファッショ的暴挙を躊躇することなく強行した」と断じている。

    一方、『産経新聞』の「産経WEST」は、「これに対し、政道被告は『不正輸入は事後に知った』と無罪を主張。金被告は『迷惑をかけ反省している』と謝罪し、情状酌量を求めた」と伝えている。

    「産経WEST」、「朝鮮総連議長次男らに懲役2年求刑 京都」、http://www.sankei.com/west/news/151027/wst1510270072-n1.html

    「懲役2年」の法的根拠はどこにあるのか調べてみた。

    根拠となる法律は「外国為替及び外国貿易法」第52条。経産省のHPによると「北朝鮮を原産地又は船積地域とする全ての貨物について、経済産業大臣の輸入承認義務を課すことにより、輸入を禁止します(関係条文:外為法第52条)。」となっている。

    経産省、「外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮輸出入禁止措置を延長しました」、http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150331001/20150331001.html

    そして、同法第69条の7により「次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」となり、該当する号は「五  第五十二条の規定に基づく命令の規定による承認を受けないで貨物の輸入をした者」ということになる。

    不正輸入の事実関係については知るよしもないが、京都地裁がどのような判決を出すのか、そして検察、被告側が抗告するのかしないのかなど、注目したい。

    「コップのフチ子さん」:超精巧なフチ子さん (2015年11月4日)

    北朝鮮とは縁もゆかりもない話で恐縮なのだが、拙ブログでは熱烈なファンからのリクエストにお応えして、「カワイィ」というコンセプトも守備範囲に入れたので書いておくことにする。

    実は、数ヶ月前、カーラジオで「コップのフチ子」さんの話を何となく聞いていた。何とも奇抜なネーミングと言葉で聞いた「使用法」に感心していたのだが、しばらく忘れていた。

    「元帥様」の銅像にもそろそろ埃が積もりだしたので、子供にダイソーで展示ケースを買ってきてもらった。サイズはちょうど良いのだが、割れている。数日後、交換に行かせたらまた割れたのを持ち帰った。ダイソー・クオリティーなので諦めつつ、自分で交換に行った。幸い、割れてないものが残っており、それと交換してもらった。

    その帰り、1階のフロアーにガチャポン・マシンがたくさん並んでいるのを見て、「フチ子さん」を思い出した。周りにいた小さな子供に「おじさん何買うの?」、「こっちの方がいいよ」とガチャポン・トミカの自動車を指さされながらも、勇気を振り絞って「フチ子さん」をひねり出した。出てきたのは「日焼けのフチ子さん」。

    「元帥様」を収納する「太陽宮殿」と「フチ子さん」という極めて珍な組み合わせとなってしまったが、持ち帰って「元帥様」には「太陽宮殿」にお入り頂き、「フチ子さん」はビールを入れたコップに置いてみた。何と、その精密なこと。驚くべきは、「フチ子さん」の小さな指でしっかりとコップの縁をホールドするような作りになっていることである。ダイソーの「太陽宮殿」は100円、「フチ子さん」は300円、共にmade in Chinaであるが、そのクオリティーたるや200円の差ではない。

    「元帥様」をお迎えして愛の記念撮影
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    「本のフチ子さん」。コスチュームは「青峰楽団」に通じる「思想・精神的」問題がある。
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    「フチ子さん」、おもしろいので色々な縁に置いてみたが、ビール缶の縁やティッシュケースの縁などにもフィットする。子供のアイディアで眼鏡の縁にも置いてみたが、こちらも大丈夫。現地工場での技術指導が行き届いているのか、大変精巧にできている。

    しかしこの「フチ子さん」、中の紙を見ると対象年齢は「15才以上」となっている。「オジサン何買うの?」と聞いてきた子供は幼稚園生ぐらいか。そんな子供たちが買うガチャポンに混じって、対象年齢「15才以上」という「フチ子さん」が置いてあってもよいのだろうかと心配になってしまう。「15才」という設定が、飲み込むと危険だからなのか、「思想・精神的」問題なのかは不明である。

    調べてみると、「フチ子さん」シリーズは多種あるようで、コレクター・アイテムにもなっているようでもある。

    「フチ子さん」コレクターになるつもりはないが、「コップの元帥様」が発売されれば、直ぐにでも購入したいところである。

    「<朝鮮記録映画>敬愛する金正恩同志が様々な部門の事業を現地で指導 2015.10」:「青峰楽団」一切紹介されず (2015年11月4日 「朝鮮中央TV」)

    4日、「朝鮮中央TV」で「元帥様」の10月の民生部門における「革命活動」を紹介する「朝鮮記録映画」が放映された。
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    Source: KCTV, 2015/11/04放送

    「記録映画」では、「功勲国家合唱団・モランボン楽団合同公演」を「元帥様」が李雪主夫人と共に観覧したことは紹介されているが、「青峰楽団」には一切触れられなかった。両楽団(功勲とモランボン)は、「革命が要求し、人民が志向する時代の聖歌、最終勝利の進軍歌を新しく、特色を持って形成し、歓喜に満ちた公演舞台を繰り広げた、党思想戦線の第一ラッパ手」と紹介されている。そして、「元帥様」を「独創的な音楽政治で先軍革命の勝戦歌を高く響かせて」いるとしている。

    「革命が要求」、「人民が志向する時代の聖歌」などと両楽団の音楽を評しているところから、「青峰楽団」の曲は「革命の要求」に合致せず、「人民が志向」しない楽曲ということになるのだろうか。

    「功勲・モランボン」公演を観覧する「元帥様」夫妻
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    Source: KCTV, 2015/11/04放送

    また、この「記録映画」には、金ヨジョンが登場していない。「記録映画」が扱っている「羅先現地指導」、「科学技術殿堂現地指導」に金ヨジョンが同行しているが、「記録映画」では全く確認できない。

    <20時報道>「未来科学者通り竣工式」:空中撮影、ドローン?ヘリ?、人民重視、人民尊重、人民愛と科学重視を強調 (2015年11月3日 「朝鮮中央TV)」

    3日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」で、「未来科学者通り竣工式」の様子を伝える報道があった。「1万人大公演」でも空中撮影が使われていたが、この報道でもドローンかヘリなのかは分からないが、空中撮影をしたと思われるシーンが多用されていた。ヘリはずっと前から持っていたにもかかわらず報道用にはあまり使っていなかったので、やはり高性能なドローンを入手し、コストのかからない空中撮影をしているのかもしれない。

    朴奉珠が竣工式辞を読み上げたが、「人民重視、人民尊重、人民愛」と「科学重視」を強調している。やはり、「第7回党大会」では、この辺りがキーワードとなっていくのではないかと思う。金正恩が登場した直後、「先軍」から「先人民」に彼は切り替えていくのではないかと書いたが、助走期間はお父さんの「先軍」を前面に掲げてきた。しかし、来年5月には、助走から飛躍に向かう段階で、いよいよ「先人民」を「思想」の形で持ち出すのかもしれない。その際、「先軍」と合わせた形にするのか、「先人民」だけにするのかは、「元帥様」の政権掌握力、特に軍部との関係で決まってくるのであろう。報道では、「未来科学者通り」を建設した「人民軍建設部隊」の指揮官らしき軍人も登場する。そう聞こえるだけかもしれないが、今一つおもしろそうではない話し方をしているところが気にかかる。

    そんなことも含め、「大同江の岸に立派に建設された未来科学者通り」を地上と空中から、「元帥様」のように眺めたい向きは、YouTubeにアップロードしておいた日本語付き動画をご覧頂きたい。
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    Source: YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/8S8gmDmwoyg

    「国連委、日本の核廃絶決議を採択 中国など3カ国反対」:「黒人じいさんジョー」の解釈 (2015年11月3日 「日本経済新聞」)

    3日、『日本経済新聞』(web版)が、「中国と北朝鮮、ロシアの3カ国は反対し」、「韓国や米英仏、イランなど17カ国は棄権」する中、「世界の指導者らに被爆地訪問を促すことを盛り込んだ」、「日本が提出した核兵器廃絶決議を賛成多数で採択」されたと伝えた。中国は「広島・長崎の悲劇は日本が始めた侵略戦争の必然的な結果だ」としているとのことである。

    『日本経済新聞』、「国連委、日本の核廃絶決議を採択 中国など3カ国反対」、http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK03H1G_T01C15A1000000/

    中国と北朝鮮は並べられているが、北朝鮮は、国連総会の場での北朝鮮国連大使発言は未確認ではあるものの、「広島・長崎の悲劇」は「米帝の横暴を抑えられなかった、核抑止力を持たない国の悲劇」であり、だからこそ北朝鮮は「自衛的核抑止力」を持つ必要があるのだと主張している。「朝鮮中央TV」でも「時事座談」番組などで、時々、広島・長崎への原爆投下が映像と共に扱われるが、私が見た限りでは、中国のような「侵略戦争の必然的な結果」という主張はしていない。もちろん、「米帝の残虐さ」を宣伝し、「自衛的核抑止力」の正当性を主張するために利用した方が有効であるという判断であろうが、「日帝」は「米帝」に破れたのではなく、「将軍様(金日成)の抗日パルチザン」に「殲滅された」という発想にも繋がっているのかもしれない。

    それにしても日本は、「核なき世界」を提唱し、昨年は共同提案した米国に裏切られてしまった。採択された「オーストリアが提出した核兵器の禁止や廃絶に向けた法的枠組みへの努力を誓う決議」には、「被爆国だが米国の『核の傘下』にある日本は棄権に回った」とのことなので、「核なき世界」などご都合主義の世界では実現しそうもない。

    そんなことを思いながらコメントへの返信を書いていたのだが、思い浮かんだのが「青峰楽団」が「南朝鮮」でも使われている訳詞をほぼそのまま使って歌った『黒人じいさんジョー(Old Black Joe)』である。朝鮮語に則した和訳はYouTubeの字幕に付けてあるので、本記事では「黒人じいさんジョー」が訴えていた「核なき世界」の虚しさを想起させる意訳をしておく。

    '흑인령감 죠' 「黒人じいさんジョー」 

    그리운 날 옛날은 지나가고   (「核なき世界」を訴えていた)懐かしい過去は過ぎ去り
    들에 놀던 동무 간곳 없으니   野原(ソウルでの核セキュリティ・サミット)で遊んでいた友達(米韓)もどこかに行ってしまい
    이세상에 락원은 어디뇨      この世に楽園(「核なき世界」)はあるのだろうか
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서  ブラック・ジョー(オバマ君)、君を呼ぶ声が虚しい

    나 홀로 머리를 숙이고서 가노니 僕(日本)は、一人、頭を下げて歩む
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서  ブラック・ジョー(オバマ君)、君を呼ぶ声が虚しい

    한 없건만 내 마음을 거울러  (日本もオーストリア提案に棄権したのだから)恨みはないが、僕(日本)の気持ちは重い
    그대 없는 설음에 한 주시네  あなた(オバマ君)がいない悲しみは、恨めしい
    떠나간 옛 모습 어디 있느뇨  (「核なき世界」を叫びながら)去っていた昔の姿は、どこに行ってしまったのか
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서 ブラック・ジョー(オバマ君)、君を呼ぶ声が虚しい

    나 홀로 머리를 숙이고서 가노니 僕(日本)は、一人、頭を下げて歩む
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서  ブラック・ジョー(オバマ君)、君を呼ぶ声が虚しい

    <追記>
    国連の関連資料を閲覧してみた。

    問題となる資料は、「A/C.1/70/L.26*」「General and complete disarmament: united action towards the total elimination of nuclear weapons(総合的かつ完全な軍縮:完全な核廃絶に向けた共同行動)」である。

    UNBISnet, http://daccess-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N15/327/01/PDF/N1532701.pdf?OpenElement

    この「L.26」と呼ばれる文書には、「2015年は、広島・長崎に原爆が投下され、第二次世界大戦終結から70周年となることを想起する」と冒頭に記されており、文書末には「被爆者の証言を聞いたり、核爆弾の使用により破壊された都市を若者や国家の指導者が訪問するなどして、核兵器の使用が人類に与えるインパクトに対する認識のレベルを上げる努力をすることを勧告する」と記されている。

    このドラフトに関する討議の様子は以下で参照することができる。

    United Nations, "Meeting Coverages and Press Releases", http://www.un.org/press/en/2015/gadis3538.doc.htm

    中国は、「第二次大戦中、日本の侵略により3500万人が犠牲となり、それは広島・長崎の犠牲者の数を下回るものではない」、「日本は南京大虐殺などの歴史的事実を認めることを拒んでおり、広島・長崎の犠牲だけを世界に記憶させ、南京大虐殺などの事実を認めないのは、あからさまな偽善であり、ダブルスタンダードである」、「日本は核の傘に守られており、必要以上の兵器級の核燃料を保有している」などと非難している。また中国は、「広島・長崎は歴史上の悲劇である」が、「人道主義を特定の国にだけ適用し、歴史を曖昧にしたり歪曲する道具とすべきではない」と主張している。「南京大虐殺」については議論の余地があるにしても、「広島・長崎」と結びつけるのは暴論である。

    一方、北朝鮮も「L.26」に反対しているが、中国とは視点が異なる。そもそも、「L.26」には北朝鮮の核実験やロケット発射を非難する条項がたくさん含まれており、そんな文書を北朝鮮が受け入れるはずがない。日本関連では、中国ほどの暴論は吐いていない。北朝鮮は日本に対し「日本が核兵器の完全な廃絶を語るのは、その偽善と欺瞞のレベルからして信じ難い。日本はことある毎に、惨めな核兵器の犠牲者の役割を演じているが、日本が米国の核の傘の下にあることからすれば、それはパラドックス(一見正しいと思える矛盾)に過ぎない」と発言している。やはり、「米帝の核にやられたくせに、今は追従勢力となり米帝の核に守られている」と言いたいのであろう。

    国連の文書、膨大な量なので読むのが大変であるが、よく読むと、色々なことが見えてくる。

    『人生の春』:朝鮮人医師と結婚した日本女性「みちこ」の運命 (2015年11月2日 「朝鮮中央TV」)

    11月2日、「朝鮮中央TV」で『人生の春』という「朝鮮芸術映画」が放送された。韓国・統一部のデータベースでは、過去に放送されたデータは出てこないので、初放送の可能性がある。制作年は不明であるが、画質からして新しい映画ではないようだ。

    <追記>
    コメントで、1990年制作と教えて頂いた。金丸訪朝で日朝関係が動きかけた時期の制作だとすると、(『光州は呼ぶ』に出てくるような)朝鮮人をたたき切るような極悪な日本人が出てこないことも理解できる。最悪のレベルでも、警察署長「さとうさん」の手術を優先させた「むらいいんちょう」ぐらいだ。

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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    ストーリーは、「日帝時代」に朝鮮人医師と結婚した日本人女性、「やまもとみちこ」が「指導者先生様(金正日)」に感謝の手紙を書きながら、自分の過去を回想する形で進行する。

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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    ソウルの「うえむら外科医院」で主人公の「みちこ」は看護師として働いていた(左の女性)。右が、夫となる外科医の羅ヨンウン。中央は「うえむら」院長。朝鮮人の子供の治療など後回しにして、警察署長「さぶろうさん」の手術を先にしろと命じている。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    いうことを聞かず、朝鮮人の子供の治療を羅医師と共にして、「うえむら院長」に叱られる「みちこ」。この映画では、日本語をバックで流しておき、その上に朝鮮語をかぶせている。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    「みちこ」は羅医師と共に、外科医院を開業するために平壌に向かう。平壌の元中華料理屋を改築して外科医院にするための準備をする「みちこ」と羅医師。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    後を追ってきた「みちこ」の兄(右)と姉(中)に羅医師(朝鮮人を「半島人」と訳している)との結婚を反対される。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    しかし、「みちこ」は羅医師との結婚を決意する。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    そして朝鮮は解放を迎える。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    羅医師は、自分の病院を国家に献上することを決意しているが、保安隊員がやってきて「病院は没取された。あなたたち家族は軟禁する」と告げる。理由は、羅医師が「親日派」だから。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    羅医師と「みちこ」の子供たちも、「お前達、チョッパリ(日本人の蔑称)だろ」と朝鮮人の子に虐められる。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    「みちこ」は、「日本人居留民後援会」に呼び出される。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    「日本居留民後援会」では、「朝鮮に残っている日本人を全員帰国させる。帰国に際して、身辺の安全は我々(朝鮮当局)が責任を持つ」と朝鮮人係官に通報され、大方の日本人は喜ぶ。しかし、「みちこ」は夫や子供がいることを告げて帰国を拒むが、係官は「ご主人と話し合って、子供たちを連れ帰ってもかまいません」と答える。その場には、他にも朝鮮人と結婚した日本女性がおり、自分たちも朝鮮に残ることを望むが、「上部の指示なので、全員帰国しなければならない」と係官は告げる。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    「みちこ」も羅医師も帰国問題で苦悩する。そんな羅医師のもとに党幹部がやってきて、羅医師を車でどこかに連れて行く。善人そうな党幹部、しかも車で来た時点でどこに行くのかは想像が付くが。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    看護師は「どうしましょう。どこに連れて行かれるのかしら」と話しているが、友好的日本人民ですら、どこに行くのかは想像できるのに、不要な演出。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    連行された話を聞き、「みちこ」は大同江に飛び込み自殺を図る。しかし、飛び込もうとした瞬間に子供たちの声が聞こえて気を失ってしまう。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    家に連れ戻された「みちこ」は、羅医師が「将軍様(金日成)」と会った話を聞く。「将軍様」は、「一部の変節者が、病院を没収した上、軟禁までした」が、羅医師に「保安幹部訓練大隊部直属病院の院長を」命じた。また、「将軍様」は、「既に朝鮮人と家庭を持った日本女性の問題を一律的に処理したことについて、きちんと対応するよう措置を取った」とし、「朝鮮人は昔から単一民族なので、日本女性と家庭を持ったのは例外的であるが、高尚な人格に魅了されて愛し合ったのであれば、それはとても美しい感情であり、そのような美しい愛を認めないのであれば、人間について語ることはできない」と述べ、「何の心配もなく温かい家庭で幸せに暮らしなさい」と述べ、「みちこ」にチマチョゴリを与えた。下は、チマチョゴリを受け取り感涙にむせぶ「みちこ」。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    上の「将軍様」の発言から、朝鮮人と外国人の結婚が原則的には禁止されていることが確認できる。

    「みちこ」は、羅医師と相談して朝鮮名を付ける。名字は夫の姓から羅、名前は「将軍様への義理を守るために純情(スンジョン)」。「将軍様」のために一生懸命「新国家建設」をする「みちこ」。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    しかし、「米帝」が朝鮮侵略を始める。「みちこ」は、軍医として服務する羅医師と別れ別れになってしまう。「米帝」の砲火の中、羅医師を探して彷徨う「みちこ」と子供たち。羅医師は、「米帝」の爆撃で大怪我をしながらも、野戦病院で手術の指導をしている。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    羅医師は還暦を超えるまで、陸軍の大きな病院の院長として勤務して死亡。「愛国烈士陵」に安置された。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    「みちこ」の兄と妹が万景峰号らしき船に乗って朝鮮にやってくる(下の写真)。「親愛なる指導者同志(金正日)が、お母さん(「みちこ」)が兄弟に会いたいだろうと、早く会えるよう、措置をして下さった」と党幹部が「みちこ」に伝える。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    そして、「高麗ホテル」で、「みちこ」と兄、姉は再会を果たす。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    「みちこ」家族のことが『労働新聞』の記事になる。「ある医師の愛国的良心を貴重に思われ」
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    羅医師は「指導者先生(金正日)」から死後、「英雄称号」を授与される。兄は、「みちこ」の幸せそうな暮らしぶりと、自分たちを「みちこ」と再会させてくれた「指導者先生」の恩を忘れることができないという。そして、羅医師の墓参りに行く。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    そして、兄は決め言葉を言う。「人間は、自分がどのように生きるのかも重要であるが、お前のように偉大な懐に抱かれてこそ、正しい人生を花咲かせることができる」。「みちこ」は、「お兄さんがそんなことを言うまで、50年もの時が流れたのね」と応じる。

    そして、「みちこ」が「親愛なる指導者先生」に送った手紙が『労働新聞』に掲載される。
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    Source: KCTV, 2015/11/02放送

    この映画のポイントは、「みちこ」という朝鮮人の夫を愛し、朝鮮のために生きた日本女性、彼女を受け入れた「将軍様(金日成)の偉大な懐」、そして、夫を失った「みちこ」に恩情を与え、兄や妹と再開までさせた「指導者先生(金正日)」というところであろう。「みちこ」は、「指導者同志」ではなく、「指導者先生」と金正日を呼んでいる。「みちこ」の国籍が最終的にどうなったのかは分からないが、「同志」と呼ばさせてもらっていないことからすると、ずっと日本だったのかもしれない。

    上にも書いたように、韓国・統一部のデータでは、この映画のテレビ放映は初めてということになっている。この時期に放映されたのが、『労働新聞』に記事が掲載された時期と重なっているのかどうかは、記事の掲載期日が分からないので何とも言えない。しかし、もしそれとは関係ないとすると、日朝関係改善へのシグナル、あるいは朴槿恵・安倍会談への牽制の可能性もある。

    『私が見た朝鮮』など、日本人が主人公となる映画は見たことがあるが、朝鮮人と結婚した日本女性の運命を取り扱った映画は初めてだったのでおもしろかった。

    「<時事座談>朝鮮の閲兵式、世界を驚かせた」:各国メディアを引用しながら、閲兵式を総括 (2015年11月1日 「朝鮮中央TV」)

    2015年11月1日、「朝鮮中央TV」で「時事座談」という形式で「党創建70周年慶祝閲兵式」を総括する番組を放送した。この番組では、「閲兵式」について伝える韓国、日本、米国、ロシアメディアの報道を引用する形で、「閲兵式」を通してアピールしたかったことの総括を行っている。特に、「引用」の形をとってはいるものの、今回、北朝鮮が見せた「新型兵器」について、具体的な名称を挙げながら解説しているところが注目される。また、金正恩演説の「人民愛」についても詳しく触れており、来年5月に予定されている「第7回党大会」では、この「人民愛」と「最新兵器」、そしてさらっと言っているだけであるが「西側の世界と異なり、党が軍を掌握している」という点もポイントとなろう。以下では、「朝鮮中央TV」が引用した西側テレビの画面と発言を見ていくことにする。

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    1.規模だけではなく、内容も新しく独特な閲兵式であった。
    ・「反ファッショ戦争勝利閲兵式」が世界各国で行われたが、「我が国で行われた閲兵式のように、メガトン級閲兵式」はなかったと、ロシアや中国で行われた閲兵式と暗に比較しながら優位性を強調。

    2.「南朝鮮」の新聞が「敬愛する元帥様」の演説を次のように伝えたと、次の通り。
    ・「北の労働党創建70周年記念閲兵式で、金正恩第1秘書、25分間肉声演説」
    ・「自信と確信に満ちた姿で演説」
    ・「金正恩第1秘書、国際社会を前に、すらすらと大衆演説を見せる」
    ・「演説で数十回、『人民』を強調した金正恩第1秘書」:「愛民精神を特に強調」、「愛する人民、人民重視・軍隊重視・青年重視、人民生活向上など、人民に関する表現を90数回使った」、「25分間の肉声演説は、人民に対する熱い感謝という表現から始まり、人民に対する滅私服務の誓いで終えた」、「演説内容は、人民を、人民に対する、人民のために」、「愛民指導者の姿そのもの」、「南朝鮮当局が『北労働党70周年閲兵式総合評価書』で、金正恩第1秘書が10日、閲兵式で労働党の人民第一主義に重心を置き、人民愛強調に大部分を振り向けた」
    ・「金正恩 第1秘書、米国に堂々と立ち向かうと強調」

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    2-1.外国メディアが伝えた「人民愛」
    ・「日本のインターネットメディアであるJNNが、『金正恩第1秘書は、我が党(労働党)が70年もの間、革命を進めてくることができたのは、我が党を全ての運命と信じて従い、党の偉業を忠実に支えてきた偉大な人民がいたからだ。我が党が達成した勝利は、偉大な人民の勝利だ。我が党が信じたのは、ひたすら偉大な人民だけであった』と強調された」

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    ・「日本のNHKも、我々の中継放送をそのまま放送し、その中で言ったことは、『演説で金正恩第1秘書は、党は人民の生活を全的に責任持たなければならないと強調され、人民が朝鮮労働党の旗の下に団結することを訴えられた』と伝えた」

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    ・「米国のAP通信は、北の核兵器や長距離ミサイルの力量については具体的に言及せず、党が人民生活向上に全力を尽くすということを強調することに大部分を振り向けた」

    2-2.「米帝に対する強硬な対抗意志を明確にした」
    ・「『我々の革命的武装力が、米帝が望む如何なる形態の戦争でも相手にできる』、世界メディアはこの部分をまるで約束でもしたように取り上げた」
    ・「その理由は、何としてでも我々共和国を窮地に追い込もうと、党創建70周年前夜から、北の衛星発射説、第4回核実験説をばらまきながら、国連の舞台でまで我々を圧迫しようとする米国の立場に対する強い応えとなったから」
    ・「ロシアのRIAノーボスチ通信は、『金正恩領導者は、閲兵式で行った演説で、北朝鮮の武力は、米帝が望むどのような形態の戦争にも備えができていると強調された』と伝える」
    ・「米国CNNは、今回の閲兵式と群衆示威に、取材団を直接派遣し、生中継までした。特に、敬愛する元帥様の演説を伝えながら、『北朝鮮が朝鮮労働党創建70周年に際し、軍事力を誇るものすごい閲兵式を行った。数万の軍人と市民が金正恩最高領導者に対する永遠なる忠誠を誓いながら一体化された敬礼をした』と感動的に評した」
    ・「また、CNNは、『北朝鮮の領導者は、自国が米国の如何なる脅威にも対処することができる万端の準備ができていると宣言された。恐らく、最も大きな脅威は、いつかは核弾頭を搭載することになるミサイルであろう。北朝鮮は、世界のどこでも打撃できると主張している。とほうない閲兵式だった』と評した」

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    「日本のNHKは、『長い間対話が断絶している米国を強く牽制された。北朝鮮指導部は、軍事力を誇示し、国威を轟かせ、体制を一層強固にしたようだ』と評した」

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    3.「閲兵式で注目される点」
    3-1.「南朝鮮の分析では、最大規模で、最も独特な方式で開催された」
    ・「今回まで31回の閲兵式を行ったが、今回の閲兵式は規模が最大で、形式が多様であるだけではなく、社会主義国家の独特な閲兵式の伝統をそのまま活かした」
    ・「閲兵式の参加兵力が、2万名あまりなので、今年、各国で行われた閲兵式を圧倒している」
    ・「金日成広場を舞台としたので、舞台の規模でも世界最高」
    ・「飛行機で70という数字や党マークを作ったのは、完全に新しいこと」

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    3-2.「朝鮮労働党の闘争史を見せている」
    ・「(南朝鮮のメディアは)今回の北の閲兵式は、朝鮮労働党の伝統と党争の歴史を彷彿させると意味で、抗日パルチザンの部隊と祖国解放戦争期の近衛部隊、民間部隊と少年パルチザン部隊が先導し、その後で、各軍部隊が行進したのが特徴」

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    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    3-3.「我々が武装装備の威力を見せたこと」
    ・「(南朝鮮当局は)我々が長距離ロケット発射と第4回核実験をしないことについて、安堵していた」(「長距離ロケット」はママ。解説者は、敢えて「長距離ミサイル」と「ロケット」を融合させたのかのか。2-2では「北の衛星発射」と表現。)
    ・「(しかし、南朝鮮当局は)閲兵式で、無人打撃機、地対空迎撃ミサイル、移動式大陸間弾道ミサイルに至る、各種の尖端武装装備を大々的に公開したことについて敏感に反応し、不安感を隠せなかった」
    ・「特に南朝鮮軍部は、我々が今回の閲兵式で戦略ロケットを公開したことについて、『この大陸間弾道ミサイルが、太陽節100周年行事の時は、弾道尖端が細かったが、今回は太くなったとし、それは小型化された核弾頭が複数個入った多弾頭戦略ミサイルに改良されたものと思われる』と泣き言を言った」
    ・「(また、南朝鮮軍部は)我々が初めて公開した新型放射砲を見て、『新型放射砲の射程距離が200キロに達するので、ソウルはもちろん、陸海空軍本部がある忠清南道鶏龍市鶏龍台、そして南朝鮮占領米侵略軍が居座っているオサン、ピョンテク米軍基地まで全て打撃圏内に入った」と恐怖に震え、『ミサイルではなく砲弾なので、迎撃も不可能だ。<火の海の砲>と呼ばれる新型放射砲の公開は、<韓国>軍と駐<韓>米軍において現実の脅威となる』と驚愕した」
    ・「日本の有名な軍事評論家である恵谷治(ママ)は、今回の閲兵式に登場した我々の新型放射砲について、『これは新しい兵器の可能性がある。車両も新しいので、間違いなく新兵器だ。最新型多連装ロケット砲だ」と驚きを表した」

    20151101tarensouroket1flv_001393393.jpg
    Source: KCTV, 2015/11/01放送

    ・「(南朝鮮メディアは)、『北は西側の世界と異なり、党が軍をしっかりと掌握しており、米国と堂々と戦えるほど強化された』と評する」
    ・「(南朝鮮報道は)、『米本土まで打撃可能な各種の新型兵器を見せ、南朝鮮<政府>と国際社会に向けて武力示威を行った。長距離ロケット発射や第4回核実験に劣らぬ軍事的効果を達成した』と評した」

    4.まとめで「我々の閲兵式のように、一国の閲兵式が世界的な事件となり、歴史を揺るがすような閲兵式は、これまでなかった」

    도와 주십시오! 청봉악단 노래 '흑인령감 죠' 가사

    2015년 10월18일에 조선중앙텔레비죤에서 방송된 '조선로동당창건70돐경축 청봉악단공연' 중에서 연주된 외국노래 '흑인령감 죠'의 가사를 받아쓰기 하려고합니다.

    그런데 일부 아무리 들어도 알수없는 부분이 있습니다. 그 음악은 YouTube에다 업로드하여놓았으니 한번 들으시고 밑에 있는 가사 중에 ???가 있는 부분과 틀린 부분을 가르쳐주셨으면 대단히 감사하겠습니다. (맞춤법은 북에서 쓰이는 식으로 써놓았습니다.)

    '흑인령감 죠'

    그리운 날 옛날은 지나가고
    들에 놀던 동무 간곳 없으니
    이세상에 락원으로 ???  
    흐르네 저 널 부르는 소리 슬퍼서

    나 홀로 머리를 숙이고서 가더니
    흐르네 저 널 부르는 소리 슬퍼서

    한 없건만 내 마음을 거울러
    그대 없는 설음에 한 주시네
    떠나간 애 ?? 어데 있느려
    흐르네 저 너를 부르는 소리 슬퍼서

    나 홀로 머리를 숙이고서 가더니
    흐르네 저 널 부르는 소리 슬퍼서

    YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=TRy2Wtij0Pk

    <追記>
    上の質問に対してコメントでお答えを頂いた。コメントにも書いたとおり、「オールド・ブラック・ジョー」がどこに入っていのかさっぱり分からなかった。朝鮮語訳のタイトルに「ジョー」が入っているので、どこかにあるとは思ったのだが、聞き取りに一番苦労した部分が「ブラック・ジョー」だった。

    ご教授頂いたものを基に作成した修正版は以下のとおり。

    '흑인령감 죠'

    그리운 날 옛날은 지나가고
    들에 놀던 동무 간곳 없으니
    이세상에 락원은 어디뇨  
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서

    나 홀로 머리를 숙이고서 가노니
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서

    한 없건만 내 마음을 거울러
    그대 없는 설음에 한 주시네
    떠나간 옛 모습 어디 있느뇨
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서

    나 홀로 머리를 숙이고서 가노니
    블랙죠 널 부르는 소리 슬퍼서

    YouTubeには日朝英字幕(英語はリバース翻訳)を付けてアップロードしておいた。
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    Source: YouTube, dprknow channel, https://www.youtube.com/watch?v=TRy2Wtij0Pk

    <追記2>
    「南朝鮮の歌詞と似ている」とのことだったが、「似ている」どころか繰り返し部分の最後の一語を除いて同じだった。すると、この訳詞を誰が付けたのかということになるが、訳者を探すことはできなかった。もしかすると、その他の「青峰楽団」が歌った米国の楽曲の訳詞も「南朝鮮」と同じなのかもしれない。この点は、追って確認することにする。「モランボン楽団」が歌ったディズニー系の歌の訳詞が韓国のものとはだいぶ違っていたので、今回も独自の訳出だと思い一生懸命聞き取っていたのだが、無駄な苦労をしていたようだ。

    韓国では、ベク・ナモク(백남옥)という人が歌う「Old Black Joe」が有名なようで、YouTubeにアップロードされていた。画像の方はあまりいただけないが、曲はよい。
    https://www.youtube.com/watch?v=SmgIiJxGSxg
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

          dprknow

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