「豊かな売り場、溢れる喜び-普通門通り肉商店を訪ねて-」:バナナ (2016年8月17日 「朝鮮中央TV」)

    17日、「朝鮮中央TV」で「普通門通り肉商店」を紹介する番組が放送された。内容的には、これまで紹介してきた新しい商店とあまり変わりはないが、一つだけ、目に付いたことがある。

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    Source: KCTV, 2016/08/16

    果物売り場の様子であるが、これを見てあっと思った。日本のスーパーの果物売り場と比べると、商品の量や種類は少ないが、それでも、今まで北朝鮮の商店では目にしなかったものが置かれている。バナナである。北朝鮮が配信した過去の動画をくまなく確認はしていないが、恐らく、これほど大量のバナナが写るのは初めてだと思う。
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    Source: KCTV, 2016/08/16

    たかがバナナで騒ぐこともないと思うかもしれないが、バナナは北朝鮮では生産できない(植物園のような所で観賞用として育てられている可能性はある)。つまり、100%輸入に依存しなければならない果物であるが、ただでさえ外貨が不足しているのに、バナナを輸入するなど、贅沢極まりない。

    これは、北朝鮮だけの話ではない。私が子供の頃(つまり、$1=\360の時代)、バナナは高級品だった。母親がたまにバナナを買ってきてくれ食べてはいたが、あまりにも美味しいので、2本食べたらとても叱られた記憶がある。私は、北朝鮮風に言えば、「平凡な労働者の家庭」で育ったが、そのような家庭では、バナナは大切に食べるものであった。

    80年代中頃に韓国に行き、3年ほど過ごしたが、その頃、日本ではバナナは一房100円、何本食べても誰にも叱られないような値段で売られていた。ところが、当時の韓国では、バナナは、ちょうど私が子供の頃の日本のような扱いであった。市場では、バナナは1本ずつ売られ、1本500ウォンであった。当時、500ウォンあれば、中華料理屋でジャジャン麺を食べることができたので、バナナがいかに高かったのか分かるであろう。そんなこともあり、日本から韓国に戻るときのお土産には、大きなバナナの房を持って行った。今考えれば、なぜ、植物検疫に引っかからなかったのか不思議であるが、隠すこともせず、税関検査(当時はとても厳しかった)で調べられても、フリーパスであった。

    話を北朝鮮に戻すと、極端に外貨が不足している北朝鮮では、バナナは超高級品であることは間違いない。下の写真にあるように、売り場には大量のリンゴが置かれているが、これらは北朝鮮産のリンゴのはずなので、それは理解できる。
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    Source: KCTV, 2016/08/16

    バナナが置かれている場所もそうであるが、やはり番組ではバナナを視聴者に見せたかったのであろう。

    売り場を整理する奉仕員。
    20160816 풍성한 매대, 넘치는 기쁨mp4_000680966
    Source: KCTV, 2016/08/16

    バナナの大きな房を買い物かごに入れて歩く「戦争老兵」夫婦。通常、こんなにたくさんのバナナを買う必要はないので、明らかに演出である。
    20160816 풍성한 매대, 넘치는 기쁨mp4_000640726
    Source: KCTV, 2016/08/16

    なぜ今回、これほど大量のバナナを並べたのか分からないが、少しずつ輸入を始めたのだろうか。

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    川口智彦

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