「<韓国映画> ヨンピョン海戦(Northern Limit Line)」:北朝鮮が怒るような内容ではない (2016年8月23日)

    注文しておいた『ヨンピョン海戦(Northern Limit Line)』のDVDが届いたので、早速見た。映画は非常に良くできているし、おもしろかった。この種の映画には関心がないと思っていた拙宅の中学生も、スマホをいじりつつ、一緒になって見ていた。初めは、「戦争は嫌だね」と言いながら見ていたが、韓国側に死傷者が出る場面になると「北朝鮮は悪い」と言い出した。こちらは黙っていたが、戦争とか南北関係について、少しは考える機会になったのではないかと思っている。

    字幕については、さすがにプロが付けただけあって、「モランボン楽団」DVDのような稚拙さは全くなかった。

    2002年の第2ヨンピョン海戦については、韓国側が報道した資料程度しか読んでいないが、ほぼフィクションはなかったと思う。韓国側の哨戒艇357号は北朝鮮の警備艇に激しい砲撃と銃撃を受け、結局沈没する。一方、北朝鮮の警備艇は、はじめは優勢であるが、韓国側の哨戒艇が合流し攻撃を加えた結果、激しい損傷を受けNLLの北側に退散する。

    当時、北朝鮮がどのような報道をしたのかは確認していないが、想像では「南朝鮮傀儡軍艦艇が我が方水域を侵犯し発砲。朝鮮人民軍海軍艦艇は、侵略者を勇猛果敢に懲罰し、水葬した」というような内容ではないだろうか。

    映画には一部、北朝鮮の司令部のような場面の映像があるが、共和国旗こそ出てくるものの、「最高尊厳」の写真などは出てこない。北朝鮮軍兵士が話す、北朝鮮訛りは、何ともわざとらしいところがあっておもしろかったが、苦労の痕跡はあった。

    この映画は、韓国では2015年6月にリリースされているが、北朝鮮は、「朝鮮映画人同盟談話」が出るまで問題視していなかった。上にも書いたように、最終的には韓国側艦船から攻撃を受けるも、かなり長い間、北朝鮮がほぼ一方的に韓国哨戒艇を攻撃する内容となっている。また、「最高尊厳」の写真も彼らに関する台詞も出てこないので、激怒するような内容ではないと思う。

    そうなってくると、「仁川上陸作戦」が彼らを激怒させる直接的な原因だったのであろう。そうなると、「仁川上陸作戦」を早く見なければならないわけだが、これは韓国でDVDがリリースされたら輸入してでも見たいものである。

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    No title

    お世話になります。

    当然、まだ観ていない映画なので、どの辺が気に障ったのかわかりませんが、あえて言うならば、仁川上陸作戦の南北双方が主張する「史実」についてでしょうか。

    北朝鮮では仁川での戦いを「祖国解放戦争5大激戦」の一つとしていて、これを題材にした映画や音楽、モニュメントは数知れず。

    有名どころとしては「月見島」「我らを待つな」「命令を下されよ」など。

    壮絶に戦い、玉砕したり特攻したりして、挙句「重巡洋艦を海の藻屑に変えた」とかなんとか言っているのが北朝鮮の「史実」ですが、米韓の主張する仁川上陸の「史実」には無論そのようなものはなく、「月見島ではほとんど抵抗らしい抵抗もなく、守備兵も無理矢理徴兵された韓国人が多かった」とか「指揮官を狙撃したら他の兵士達は逃げ出した」とかいうもの。

    映画「仁川上陸作戦」でもある程度南の「史実」に基づいて製作されているのでしょうが、北の映画や記録映画では米兵はズルくて腰抜けばかりなのに、実際には北朝鮮軍バリに勇敢だったり、死を顧みず戦う姿はとうてい「悪しき侵略者」「強盗」の姿ではないので、具合の悪いものでしょう。

    北の主張するこの「史実」は、現在の思想の根幹を成すものの一つであるので、南の「史実」は、それを根底から覆しかねないので、非難しないわけにはいかないのでしょうね。

    Re: No title

    コメントありがとうございます。仁川上陸の映像は、米韓側が撮影したものはたくさん見ました。特に印象的だったのは、全裸にされた北朝鮮兵士が手を挙げて歩いている姿です。一方、北朝鮮側が出してくるものは、米韓が撮影したと思われる海上に「米帝侵略軍」が集結しているものが多いです。上陸後の映像は、「朝鮮芸術映画」として出てきますが、それ以外は目にしていないと思います。まあ、朝鮮戦争勃発の経緯からして、北朝鮮はソ連崩壊前の主張を続けていますからね。

    「月尾島」は、今年も放送していたはずです。8月上旬に仁川に行ったのですが、本当に変わってしまいました。新空港ができたので当たり前ですが、改めて行ってみると、80年代の月尾島の面影さえなくなっていました。

    「仁川上陸作戦」のトレーラーだけは見ることができたのですが、「ヨンピョン海戦」以上に北朝鮮兵士が登場するようで、極悪か腰抜けの扱いになっているような雰囲気があります。民間人を殺しているようなシーンもあるのかもしれません。

    とにかく、早く見たいです。

    > お世話になります。
    >
    > 当然、まだ観ていない映画なので、どの辺が気に障ったのかわかりませんが、あえて言うならば、仁川上陸作戦の南北双方が主張する「史実」についてでしょうか。
    >
    > 北朝鮮では仁川での戦いを「祖国解放戦争5大激戦」の一つとしていて、これを題材にした映画や音楽、モニュメントは数知れず。
    >
    > 有名どころとしては「月見島」「我らを待つな」「命令を下されよ」など。
    >
    > 壮絶に戦い、玉砕したり特攻したりして、挙句「重巡洋艦を海の藻屑に変えた」とかなんとか言っているのが北朝鮮の「史実」ですが、米韓の主張する仁川上陸の「史実」には無論そのようなものはなく、「月見島ではほとんど抵抗らしい抵抗もなく、守備兵も無理矢理徴兵された韓国人が多かった」とか「指揮官を狙撃したら他の兵士達は逃げ出した」とかいうもの。
    >
    > 映画「仁川上陸作戦」でもある程度南の「史実」に基づいて製作されているのでしょうが、北の映画や記録映画では米兵はズルくて腰抜けばかりなのに、実際には北朝鮮軍バリに勇敢だったり、死を顧みず戦う姿はとうてい「悪しき侵略者」「強盗」の姿ではないので、具合の悪いものでしょう。
    >
    > 北の主張するこの「史実」は、現在の思想の根幹を成すものの一つであるので、南の「史実」は、それを根底から覆しかねないので、非難しないわけにはいかないのでしょうね。

    No title

    仁川上陸作戦時のタイミングは、北朝鮮軍が釜山まで攻め入りソ連からの弾薬待ちだった時期ですね。
    主要な兵隊は解散され故郷に帰った後。
    月見島は実際は少年兵みたいなのが、一応警備らしいことをしていたらしい状態。
    実際は砲門などあるわけもなく、自爆突撃するのがせいぜいだったということ。
    韓国からしたら北朝鮮は当然敵ですから、そりゃ見る影もなく敗走したと言うでしょうね。
    ただ、2-3日ほど足止めしたのは事実らしいです。
    その足止めがあったので、北朝鮮軍が山脈の峰沿いに撤退ができたらしい。
    足止めがなければ挟み撃ちで即死だったそうです。
    そういう意味で英雄なんでしょう。
    そんなこと韓国では口が裂けても言えないでしょうけど。

    Re: No title

    コメントありがとうございます。北朝鮮映画で『ウォルミ島』というのがありますが、その中では女性も含む勇敢な兵士が米海軍の仁川上陸を数日間阻止し、全滅したということになっていました(全滅かどうかは、しっかりと記憶しておりませんが)。

    北朝鮮軍の撤退については、「米軍が敢えて撤退路を残した」という説を米国で発行された本で読んだことがあります。

    > 仁川上陸作戦時のタイミングは、北朝鮮軍が釜山まで攻め入りソ連からの弾薬待ちだった時期ですね。
    > 主要な兵隊は解散され故郷に帰った後。
    > 月見島は実際は少年兵みたいなのが、一応警備らしいことをしていたらしい状態。
    > 実際は砲門などあるわけもなく、自爆突撃するのがせいぜいだったということ。
    > 韓国からしたら北朝鮮は当然敵ですから、そりゃ見る影もなく敗走したと言うでしょうね。
    > ただ、2-3日ほど足止めしたのは事実らしいです。
    > その足止めがあったので、北朝鮮軍が山脈の峰沿いに撤退ができたらしい。
    > 足止めがなければ挟み撃ちで即死だったそうです。
    > そういう意味で英雄なんでしょう。
    > そんなこと韓国では口が裂けても言えないでしょうけど。
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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
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    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
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