中朝関係:崔龍海、石炭輸入中止、金正男事件 (2017年2月19日 「中国外務省定例記者会見」、「中国商務省」)

    崔龍海であるが、依然として、出てこない。18日、「朝鮮中央通信」が「最高人民会議訪問団を第6回パレスチナ人を支持する国際会議」に参加するためにイランに向かった報じた。団長は崔泰福。

    中国外務省の定例記者会見では、いくつか興味深いやりとりがなされている。まず、崔龍海が中国にいるという噂については、中国外務省報道官は「知らない」と。北朝鮮が公式訪問を発表していないのだから、そのような回答しか出せないはずだが、まだ中国にいるのだろうか。

    温州での北朝鮮からの石炭船下し拒否については、「特定の案件については知らないが、安保理の石炭輸入制限措置履行を完璧かつ誠実に行うというのが中国の原則」と述べている。中国商務省の中国版サイトを見ると、2017年2月19日から2017年12月31日を「有効期間」とし、北朝鮮産の石炭の輸入を「一時停止」としている。翻訳ソフトでの訳出なので、間違っているかも知れないが、この告示が有効なのは「2月19日から12月31日まで」で、2月19日から「一時停止」に入ったと読める。つまり、12月31日まで「一時停止」するということではなく、「2月19日から当面」という話ではないだろうか。中国語がお分かりの方、ヘルプをお願いしたい。

    *************
    商务部 海关总署公告2017年第12号
    为执行联合国安理会第2321号决议,根据《中华人民共和国对外贸易法》和商务部、海关总署2016年第81号公告,本年度暂停进口朝鲜原产煤炭(包括海关已接受申报但尚未办理放行手续的煤炭)。

    本公告自2017年2月19日起执行,有效期至2017年12月31日。

    商 务 部
    海关总署

    中華人民共和国商務部、http://www.mofcom.gov.cn/article/b/c/201702/20170202518342.shtml
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    金正男殺害事件については、「マレイシア当局が出す情報を中止している」と中国外務省報道官は答えるに留まっている。

    中国が「一時停止」を発表したのは、「北極星-2」型の発射が原因なのか、金正男事件が原因なのか、あるいはその両方なのか、よく分からない。ミサイル発射については、中国はこれまでも比較的寛容であったので、今回の発射が「一時停止」に結びついたような感じはしない。もちろん、石炭輸入制限措置付きの安保理決議が出されて以来、初のミサイル発射となるので、中国がそれに不快感を表明した可能性はある。また、北朝鮮のミサイルを理由に韓国にTHAADが配備されることを嫌がり、北朝鮮によるミサイル発射を自制させたいという意図もあるかのかもしれない。

    よく言われるように、中国が金正男を警護してきて、北朝鮮がその隙を突いたように彼を殺害したのであれば、中国の顔は潰されたことになり、それが「一時停止」に繋がっている可能性はある。北朝鮮としては、中国の主権が及ばないマレイシアでの殺害という方法を選択したのであろうが、それでも中国が「保護」していた人物を中国の裏をかいて殺害したとすれば、中国は怒るに違いない。中朝という特殊な関係の中で、顔はミサイル以上に重要だと思う。

    残る可能性は、G20で中国外相が米国国務長官に「北朝鮮をもっと締め上げろ」と言われたことへの対応なのかもしれないが、米国に言われて「さようでございます」と言うことを聞く中国ではないし、王毅は直ぐに反論しているので、これは関係なさそうだ。

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    来年も継続の含意は見当たらない

    原文の「本年度」という単語が「暂停」(=一時停止)にかかっているので、それと公告有効期限の「2017年12月31日」との関係が問題になると思われます。

    中国語で「年度」といった場合、どうやら一般的には1月1日から12月31日までを指すようです。
    例えば、日本の「今年の漢字」に対応するのが「年度漢字」(http://baike.baidu.com/item/%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%B1%89%E5%AD%97)で毎年年末に発表、中国政府の会計年度も1月1日から12月31日までだそうです(http://baike.baidu.com/item/%E8%B4%A2%E6%94%BF%E5%B9%B4%E5%BA%A6)。
    (ちなみに、二番目のページによると北朝鮮政府も会計年度は12月31日締めということです。)

    そこで、原文の「本年度」というのは「本年は」と訳すのが適当で、単に有効期限のことだけを指しており、その期限内で「一時停止」するということは、むしろ来年は「正常化」することを示唆していると取れます。

    参考までに、拙訳は以下のとおりです。

    ----------
    商務部 海関総署 公告 2017年第12号

     国連安保理の第2321号決議の執行のため、中華人民共和国対外貿易法および商務部・海関総署2016年第81号公告にもとづき、本年は朝鮮原産の石炭(既に税関が申告を受けたが、まだ通過の許可手続きをしていない石炭を含む)の輸入を一時停止する。
     本公告は2017年2月19日から執行し、有効期間は2017年12月31日までである。

    Re: 来年も継続の含意は見当たらない

    今回も中文に関するご指南、ありがとうございます。別の記事にも書きましたが、英訳された外国部報道官の発言と、中国と思われる国が国連安保理機関に報告した内容からすると、2017年末までの期間内で一時停止し、期間内でも再開する可能性があると言っているような気がします。こちらも、中国語原文をご覧頂ければ、もっと正確な解釈ができるのではないかと思います。

    > 原文の「本年度」という単語が「暂停」(=一時停止)にかかっているので、それと公告有効期限の「2017年12月31日」との関係が問題になると思われます。
    >
    > 中国語で「年度」といった場合、どうやら一般的には1月1日から12月31日までを指すようです。
    > 例えば、日本の「今年の漢字」に対応するのが「年度漢字」(http://baike.baidu.com/item/%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%B1%89%E5%AD%97)で毎年年末に発表、中国政府の会計年度も1月1日から12月31日までだそうです(http://baike.baidu.com/item/%E8%B4%A2%E6%94%BF%E5%B9%B4%E5%BA%A6)。
    > (ちなみに、二番目のページによると北朝鮮政府も会計年度は12月31日締めということです。)
    >
    > そこで、原文の「本年度」というのは「本年は」と訳すのが適当で、単に有効期限のことだけを指しており、その期限内で「一時停止」するということは、むしろ来年は「正常化」することを示唆していると取れます。
    >
    > 参考までに、拙訳は以下のとおりです。
    >
    > ----------
    > 商務部 海関総署 公告 2017年第12号
    >
    >  国連安保理の第2321号決議の執行のため、中華人民共和国対外貿易法および商務部・海関総署2016年第81号公告にもとづき、本年は朝鮮原産の石炭(既に税関が申告を受けたが、まだ通過の許可手続きをしていない石炭を含む)の輸入を一時停止する。
    >  本公告は2017年2月19日から執行し、有効期間は2017年12月31日までである。
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