「敬愛する最高領導者金正恩同志が朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊の弾道ロケット発射訓練を指導された」:「日本駐屯米帝侵略軍基地を打撃する任務」 (2017年3月7日 「朝鮮中央通信」)

    3番目のミサイルの発射が遅れている。恐らく、このミサイルは失敗し、日本のEEZに落とせなかったのであろう。日本語字幕付き。6分45秒頃の「最高領導者同志」の「領(령)」の発音で李チュンフィ放送員が、噛んでいるように聞こえる。ストリーミングの関係かも知れないが。

    Source: KCTV, 2017/03/07

    <追記>
    『労働新聞』に写真が掲載された。写真には車両は写っておらず、地下のサイロから発射されているようにも見える。
    2017-03-07-01-02.jpg
    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군 화성포병부대들의 탄도로케트발사훈련을 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-03-07-0001_photo


    2017-03-07-01-04.jpg
    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군 화성포병부대들의 탄도로케트발사훈련을 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-03-07-0001_photo

    この写真を見ると、「できるものなら、THAADでも何でもいいから、まとめて4発打ち落としてみろ」という挑発が感じ取れる。
    2017-03-07-01-05.jpg
    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군 화성포병부대들의 탄도로케트발사훈련을 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-03-07-0001_photo

    ********************************************************************
    7日、「朝鮮中央通信」が昨日の短距離ミサイル発射について報じた。

    ***************
    訓練には、有事、日本駐屯米帝侵略軍基地を打撃する任務を与えられている朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊が参加した
    훈련에는 유사시 일본주둔 미제침략군기지들을 타격할 임무를 맡고있는 조선인민군 전략군 화성포병부대들이 참가하였다.

    ミサイル落下地点である日本海を指す「最高領導者同志」
    20170307kctvasf_000712277.jpg
    Source: KCTV, 2017/03/07
    *****************

    日本のEEZ付近に落下させたのは、明らかに意図的。三沢基地を想定しているに違いない。やはり、昨日書いた記事の「追従勢力」は日本、しかもピンポイントで狙ってきている。

    ****************
    瞬間、同時多発的に大地を揺らして打ち上がった弾道ロケットが雷鳴のような爆音を轟かせながら飛び上がり、明るくなる東の空に敵撃滅の飛行雲を誇らしき刻んだ

    순간 동시다발적으로 대지를 박차고 솟구친 탄도로케트들이 천둥같은 폭음을 터뜨리며 날아올라 밝아오는 동쪽하늘에 원쑤격멸의 비행운을 자랑차게 새기였다.
    ******************

    「東の空に」と敢えて書き、日本を狙ったことを重ねて暗示。

    4発同時発射については、

    ****************
    敬愛する最高司令官同志は、祖国の青い空を埋めた弾道ロケットの飛行雲を眺められながら、戦略軍火星砲兵部隊が、ついに火力打撃組織と指揮に熟達したように本当に上手にしている、火力打撃の迅速性と一致性を徹底して保障している、我々の弾道ロケットがどれほど高度に精密なのか、同時発射された4発の弾道ロケットがまるで航空アクロバット飛行隊が編隊飛行をするよう、一つの形で飛んでいったと喜びに満ちて仰った。

    경애하는 최고령도자동지께서는 조국의 푸른 하늘을 가득 메운 탄도로케트의 비행운을 바라보시며 전략군 화성포병부대들이 이제는 화력타격조직과 지휘를 능숙하게 정말 잘한다고,화력타격의 신속성과 일치성을 철저히 보장한다고,우리의 탄도로케트들이 얼마나 고도로 정밀한지 동시발사된 4발의 탄도로케트들이 마치 항공교예비행대가 편대비행을 하듯 한모양새로 날아간다고 기쁨에 넘쳐 말씀하시였다.
    ***************

    そして、弾道ロケットに搭載する兵器が核であることを示しながら、

    **************
    実戦を彷彿する弾道ロケット発射訓練を通し、水中と地上の任意の空間から、飛びかかる敵共を無慈悲に核強打で最も正確で、最も迅速に、最も徹底して種も残さず殲滅できる最強の核攻撃武力に成長強化された朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊の軍事的威力が残さず誇示された。

    실전을 방불케 하는 탄도로케트발사훈련을 통하여 수중과 지상의 임의의 공간에서 덤벼드는 원쑤들을 무자비한 핵강타로 가장 정확하고 가장 신속하게,가장 철저하게 씨도 없이 죽탕쳐버릴수 있는 최강의 핵공격무력으로 장성강화된 조선인민군 전략군 화성포병부대들의 군사적위력이 남김없이 과시되였다.

    今回の弾道ロケット発射訓練は、戦略軍火星砲兵の核弾頭部取り扱い方法と迅速な作戦遂行能力を判定検閲するために行われた。
    이번 탄도로케트발사훈련은 전략군 화성포병들의 핵전투부취급질서와 신속한 작전수행능력을 판정검열하기 위하여 진행되였다.
    **************

    としている。

    そして、今後も、

    ****************
    敬愛する最高領導者同志は、同行した幹部に戦略部力に関する最高司令官の唯一的領導体系、唯一的指揮管理体系をしっかりと確立し、実戦化、科学化、現代化を基本とする主体的なロケット打撃戦法をさらに完成し、我々式の超精密化され、知能化されたロケットを連続発射し、質量的に強化していくことに関する綱領的な課業を提示された。

    경애하는 최고령도자동지께서는 동행한 일군들에게 전략무력에 대한 최고사령관의 유일적령도체계,유일적지휘관리체계를 확고히 세우고 실전화,과학화,현대화를 기본종자로 한 주체적인 로케트타격전법을 더욱 완성하며 우리 식의 초정밀화되고 지능화된 로케트들을 련속개발하고 질량적으로 강화해나가는데서 나서는 강령적인 과업들을 제시하시였다.
    ****************

    「唯一的」をことさら強調しているのは、金正男事件と関係しているような気がする。また、弾道ロケットに「知能化」という表現を使ったのは今回が初めてだと思う。それほど、今回発射した弾道ロケットがコンピューター制御で迅速・正確にコントロールされたということであろう。

    ****************
    <追記>
    6日の中国外交部定例記者会見(英語版)が出ていた。北朝鮮の短距離ミサイル発射については上記のとおりであるが、中国はむしろ「大規模な」米韓軍事演習とTHAAD配備により強く反対している。武大偉朝鮮半島特別代表が、米韓の担当者と電話会談し、「大規模な」米韓軍事演習とTHAAD配備に中国が反対している意を伝えたと報道官は述べている。

    また、北朝鮮が「知能化」という表現を使っているのと関連しているのかも知れないが、米国が北朝鮮のミサイル発射を「電子妨害」しているという報道があるらしく、中国がそれを確認しているのかという質問も出された。中国報道官は、「知らない」と答えているが、米国の「電子妨害」については、米国メディアの報道を追って確認することにする。

    Ministry of Foreign Affairs of the PRC, oreign Ministry Spokesperson Geng Shuang's Regular Press Conference on March 6, 2017, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1443498.shtml
    ***************

    **************
    <追記2>
    「電子妨害」に関して、興味深い記事があった。米国が検討している「left of launch」(ミサイルが発射される前に阻止する)と関連するらしい。記事には、「昨年春、北朝鮮がミサイル実験で失敗を重ねた。その際、(The New York Timesの)調査が、新たなミサイル防衛アプローチを称賛する米軍の文書を発見し、その文書で北朝鮮が喫緊のターゲットの一つとされていた」と書かれている。長い記事ではあるが、大変おもしろい記事である。

    The Times inquiry began last spring as the number of the North’s missile failures soared. The investigation uncovered the military documents praising the new antimissile approach and found some pointing with photos and diagrams to North Korea as one of the most urgent targets.

    The New York Times, rump Inherits a Secret Cyberwar Against North Korean Missiles, https://www.nytimes.com/2017/03/04/world/asia/north-korea-missile-program-sabotage.html?_r=0

    この「新たなミサイル防衛アプローチ」なるものが「電子妨害」で、北朝鮮は、電子妨害を遮断できる「知能化」されたミサイルの開発に成功した、あるいはそうした能力を高度化しろという「綱領的な課業」を「元帥様が提示した」ということなのかもしれない。
    **************************************

    そして、

    *****************
    敬愛する最高司令官同志の大きな信頼を抱かされた朝鮮人民軍戦略軍の全ての将兵は、米帝と南朝鮮傀儡軍が我が共和国の自主権が行使される領域に一粒の火の粉でも飛ばしてきたら、核弾頭を満載した無敵の火星砲で侵略と挑発の本拠地を生存不可能に焦土化し、祖国の安全と人民の幸福をしっかりと死守する決死の覚悟を固く誓った。
    경애하는 최고령도자동지의 크나큰 믿음을 받아안은 조선인민군 전략군의 전체 장병들은 미제와 남조선괴뢰들이 우리 공화국의 자주권이 행사되는 령역에 단 한점의 불꽃이라도 날린다면 핵탄두를 만장약한 무적의 화성포로 침략과 도발의 본거지들을 생존불가능하게 초토화해버리고 조국의 안전과 인민의 행복을 믿음직하게 사수할 결사의 각오를 굳게 다지였다.
    *****************

    なぜ、これほどまでにこのタイミングで日本を意識した行動に出ているのか分からない。過去記事にも書いたとおり、米軍が在日米軍基地から米韓合同軍事演習に参加しているのは「恒例」であり、自衛隊がこの訓練に直接的にコミットしているという報道はない(追って、もう一度確認してみるが)。合同訓練に参加している、北朝鮮が特に嫌がっているステルス戦闘機や核搭載可能戦略爆撃機B1、航空母艦などが在日米軍基地から参加している可能性はある。だとしても、これほどまでに日本を意識した行動に出る理由にはならない。

    また、安倍政権に対する揺さぶりだとしても、選挙もまだしばらく先になるし、日本首相が北朝鮮の核・ミサイルを問題視し、国際舞台でしばしば持ち出しているのも昨日今日の話ではない。トランプ新政権との同盟関係の話もあるが、特段、それを強化して北朝鮮を締め上げるという話もない(言ってはいるが、継続のレベルである)。

    米国の国務長官が日韓を訪問し、北朝鮮問題などについて話し合うことになっているが、それもしばしばあることで、北朝鮮が突然怒り出す理由にはならない。もちろん、それと関連して「軍事オプションもあり得る」という報道があり、北朝鮮がそれに敏感に反応している可能性はある。何をするか分からないトランプ政権による軍事オプションを選択は、北朝鮮にとっても予測不能で、恐怖を感じていることは間違いない。それを牽制するために、今回のような行動に出ている可能性はあるが、米国新政権が日米安保をどれほど重視するのかという試金石ともなりえる。しかし、そうした試金石を北朝鮮がこのタイミングで提供する必要はあるのだろうか。

    ************
    <追記>
    米国が軍事オプションも考慮しているとされる現時点で、日本の米軍基地を正確に打撃できるという能力を示すことには意味がある。通常兵器で「ソウルが火の海」は既に言い尽くされたことなので、今度は米国が軍事力を行使すれば、「追従勢力」(日本)も無事ではないということを北朝鮮は、強く主張したいのであろう。しかも、移動式車両からの発射で、日米は事前に発射を全く予期できていなかったようである。日本首相の発射されたという報告を受け慌てふためいた様子が、日本の高度な偵察能力を隠すための芝居でなかったのならば、発射されるまで全く知らなかったのであろう。北朝鮮のミサイルが、日本を正確に射程圏内に収めている状況にもかかわらず、米国本土を攻撃できる北朝鮮のミサイル開発を阻止するためという名目で、安易に「日米同盟」を強調しながら、軍事オプションに賛成、便乗することは極めて危険であるということを認識する必要がある。守るべきは、日本国民である。
    ***********


    中国外交部は、「安保理決議に反する弾道ロケット発射に反対」という立場を表明しているが、周辺国に対しても「平和的に話し合いで」と、これまで以上に踏み込んだ発言はしていない。もちろん、全人代の最中に面倒を起こしてくれることについては、迷惑以上のことを感じているであろう。

    過去記事で、「石炭輸入一時停止」後の北朝鮮籍船舶の動きについて書いたが、中朝間を往来する船舶の動きを見ていると、どうやら、石炭以外の鉱物(例えば、鉄鋼)の輸入と貨物(食糧か?)と石油(LNGかもしれないが、タンカーの往来が確認できている)の輸出は続いている。しかし、石炭輸入については徹底しているようで、石炭を積んで中国に向かったと思われる北朝鮮船籍船舶は、ずっと入港を許可されないのか、港外に停泊している状況が続いている。

    金正男事件と日本との接点は見えないが、敢えて言うならば、金正男と石井元自治相が会談する予定があったという程度である。元自治相とはいえ、北朝鮮にとっては金正男が国際舞台に顔を出すのを嫌がり、それが金正男暗殺に繋がった可能性は否定できないが、日本を「打撃」する理由にはならない。石井元自治相と金正男の仲介人は、「韓国の実業家」とのことなので、北朝鮮にとっては、ますます嫌であった可能性は充分にあるが。

    『産経ニュース』、「金正男氏が石井元自治相と会談計画 暗殺11日前に確約」、http://www.sankei.com/politics/news/170301/plt1703010005-n2.html

    いずれにせよ、米韓軍事演習の一粒の火の粉が飛」んだことを理由に、日本に向けて「核弾頭を満載した」弾道ミサイルを発射されてはかなわない。そんな、危険千万な米韓合同軍事演習に対する恐怖心を造成し、同演習に反対する日本の世論を造成しようとしているのかも知れないが、現状では、安倍政権の防衛力強化、防衛費大幅増加の追い風にこそなれ、北朝鮮に同調する世論など造成されようもない。いずれにせよ、迷惑な話だ。

    경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군 화성포병부대들의 탄도로케트발사훈련을 지도하시였다

    コメントの投稿

    非公開コメント

    No title

    「地下のサイロから発射されているようにも見える」と追記で記されているが、映像を見た限りでは、どうやらおなじみのTEL(起立輸送発射機)から発射された模様。
    飛距離は約1000kmだそうだから、ノドンのような10輪の車両ではなく8輪の車両だった。
    ということは、今回発射したのはスカッド-ERなのだろうか?

    Re: No title

    コメントありがとうございます。『労働新聞』に掲載された静止画を見たときはサイロのように見えましたが、動画では車両が写っていますね。兵器の専門家は、発射されたミサイルについて、スカッド-ERと考えているようです。

    > 「地下のサイロから発射されているようにも見える」と追記で記されているが、映像を見た限りでは、どうやらおなじみのTEL(起立輸送発射機)から発射された模様。
    > 飛距離は約1000kmだそうだから、ノドンのような10輪の車両ではなく8輪の車両だった。
    > ということは、今回発射したのはスカッド-ERなのだろうか?

    いつでも・どこでも

     映像によると、8輪の装輪型発射機のようです。前回の無限軌条型発射機ではないですが、整備された場所ではなく、田圃のような場所から、打ち上げられています。
     つまり、「いつでも・どこでも」攻撃できる体制であることを、誇示しているようです。それに、対処しにくい多頭ミサイル攻撃が可能であることを誇示しているようです。

    Re: いつでも・どこでも

    コメントありがとうございます。8輪の車両のように見えますね。「いつでも・どこでも」ですし、今回は4発でしたが、軍事パレードで見せている車両+αが総動員されれば、何発飛んでくるのか分かりません。米国が軍事攻撃、北朝鮮が壊滅覚悟で総反撃に出れば、「ソウルが火の海」だけでは済まないことが、改めて証明された形だと思います。不思議なのは、日本の上空を飛び越していく「地球観測衛星」の時は大騒ぎするのに、今回は騒ぎが小さいことです。諦めているのか、ことの深刻さが認識できていないのか。あるいは、打つ手がないから隠しているのか。

    >  映像によると、8輪の装輪型発射機のようです。前回の無限軌条型発射機ではないですが、整備された場所ではなく、田圃のような場所から、打ち上げられています。
    >  つまり、「いつでも・どこでも」攻撃できる体制であることを、誇示しているようです。それに、対処しにくい多頭ミサイル攻撃が可能であることを誇示しているようです。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

          dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR