「金正男殺害:3人の北朝鮮人を逮捕する強い証拠はない-マレイシア警察長官」:やはり、実行犯処罰で幕引きか (2017年4月1日 「New Stratis Times」)

    1日、New Straits Timesに掲載された記事によると、、マレイシア警察長官が、帰国した北朝鮮人3人(2等書記官、高麗航空職員、ジェームスと呼ばれる李ジュウ)は、「逮捕するほどの確証がなかった」と語った。そして、金正恩事件の捜査は継続され、「北朝鮮に対しては既に帰国したと思われる4人の容疑者の引き渡しを求めていく」としている。

    New Straits Times, Jong-Nam Murder: No Strong Evidence to Arrest Three North Koreans - IGP, http://www.nst.com.my/news/2017/04/225995/jong-nam-murder-no-strong-evidence-arrest-three-north-koreans-igp

    しかし、現実的に北朝鮮が4人の容疑者を引き渡す可能性はなく、結局、この事件は、殺人罪で起訴されているベトナム人とインドネシア人女の処罰で幕引きとなりそうだ。マレイシアの刑法を見ると、殺人罪の刑罰は、死刑のみとなっている(マレイシア刑法第302条)。一方、過失殺人が認定されれば、量刑は一気に軽くなり、2年以下の懲役または罰金、あるいはその両方となっている(マレイシア刑法304A)。「殺人」は「殺害目的を持って行われた行為」、「死に至らせることを知りながら行う傷害行為」、「一般的に死因となり得る傷害行為」、「差し迫った危険が死に至らす、傷害が死に至らす、何の理由もなく死に至らす危険を生じさせる行為であることを知りながら行う行為」とされており(マレイシア刑法第300条)、殺人罪の審理では、2人の女の行為がこれらに該当するのかどうか、あるいは「悪戯」という過失がきっかけで金正男を殺害した「過失殺人」と認定されるのかについて、検討されるのではないかと思う。争点は2人の女が手に付けた「物質」が殺傷力があるものと認識していたかどうかということになるのだろうが、素手でその物質を触っているのであれば、「殺傷力」の認識はなかったと認定されるのではないだろうか。手を洗っていることについては、手がベトベトする、変な男の顔を触ったので気持ち悪いなど、普通に考えれば理由はいくらでもある。

    マレイシア刑法、http://www.agc.gov.my/agcportal/uploads/files/Publications/LOM/EN/Penal Code [Act 574]2.pdf#search='malyasia+ciriminal+law

    ともかく、即断死刑のような裁判は止めて欲しいが、仮に彼女らが無罪となり帰国すると、北朝鮮工作員による証拠隠滅作戦の対象となり、かえって危険なような気もする。皮肉な話だが、一番安全なのは、マレイシアの刑務所の中なのかもしれない。

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