「主体的確強国建設史に特記すべき偉大な事変 地上対地上中長距離戦略弾道ロケット「火星-12」型試験発射成功 敬愛する最高領導者金正恩同志が新型のロケット試験発射を現地で指導された」:正確な日本の発表、「大型重量核弾頭搭載」可、米本土を攻撃できるのかできないのか、「太陽節」から1ヶ月の日に発表、一帯一路フォーラムの日は偶然か意図的か、ロシア方向に発射の理由 (2017年5月15日 「朝鮮中央通信」)

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2017/05/15


    15日、「朝鮮中央通信」に14日朝発射されたミサイルに関する記事が掲載された。

    発射されたのは「火星-12」とされており、公開されていない「火星-11」がこの間、「失敗」とされたミサイルのいずれかとなろう。「火星-12」は、「核弾頭ではなく、大型重量核弾頭装着が可能な新型の中長距離戦略弾道ロケット」としている。敢えて「大型重量核弾頭装着が可能」と言っているところからすると、北朝鮮は核弾頭の小型軽量化ができておらず、それに繋げるための6回目の核実験を見送っているので、ならば重くて大きい核弾頭を装着できるミサイルが完成したということをアピールしたいところに狙いがあるのだろう。この辺り、核実験を当面やらないことにしていると見るべきか、あるいはそれとは関係なくミサイル技術の高度化を誇っているのか判断は難しいが、一応、留意しておく必要はある。

    「火星-12」は、「朝4時58分」に「周辺国の安全を考慮し、最大高角発射体制で」発射されたとしている。そして、ミサイルは「最大高度2111.5kmまで上昇飛行し、距離787kmの公海上に設定された目標水域を正確に打撃した」としている。日本政府が発表していた高度と着水地点とほぼ一致しており、今回の発射では最も正確な情報を、最も適切内発表したという点評価できる。韓国国防部については、昨日、ウェブに接続が難しく未確認ではあるが、『聯合ニュース』が日本発の情報を多く使っていたことからして、韓国国防部からは詳細な情報が出されていなかった可能性が高い。

    「元帥様」は、「米国とその追従勢力共が、正気に戻って正しい選択をするときまで、高度に精密化、多種化された核兵器と核打撃手段をさらに多く作り、必要な実験準備をさらに進めていくことに関する命令を下された」としている。「米国と追従勢力」は、北朝鮮に対し「核放棄」という「正しい選択」を求めているが、「正しい選択」をするのは北朝鮮ではなく「米国と追従勢力」であると言いたいようである。過去にこの種の記事が際、「南朝鮮傀儡一味」も名指しされていたのか、あるいは「追従勢力」とまとめられていたのかは要確認であるが、この記事には「南朝鮮」も「傀儡一味」も出てこない。

    繰り返し出てくるのは米国で、「世界で最も完成された武器システムが決して米国の永遠の独占物ではなく、我々も相応の報復手段を使える日が来ると確信する」、「米国は、その機会に朝鮮の弾道ロケットが米国に実際の脅威となるのかならないのかをすっきりと見ればよい」と「元帥様」は言ったとしている。注目すべき点は、「相応の報復手段を日が来ると確信する」と未来形の表現を使い、また「その機会に」と今後そうなるという表現も使われていることである。米国が「ICBMを持てば先制攻撃」と宣言している中、現時点ではまだ保有していないようなことを言っている。

    ***************
    <追記>
    上記の点、「朝鮮中央TV」のアナウンスを通しで聞いて、「日が来ると確信する」のは、実戦で「使える日が来る」、そしてその日にこそ米国は、「実際の脅威になるのかならないのか」が「すっきりと見ればよい」、つまり見れば分かると言いたいことが分かった。準備は万端、あとは実戦だけだという話のようだ。
    **************

    しかし、一方で「元帥様」は、「米本土と太平洋作戦地帯が我々の打撃圏内に入っている現実、殲滅的報復打撃の全ての強力な手段が、我々の手中にあるという現実を無視したり誤算してはならないと協力に警告」している。斜め読みしただけなので、何かを読み落としている可能性があるが、「米本土を打撃できる」と言いたいのか、「今はまだできない」と言いたいのか、よく分からない。この点については、追ってきちんと読み直してみる。

    14日に発射、「太陽節」から1ヶ月後の日に北朝鮮国内メディアで発表する(現時点ではまだ未確認だが、『労働新聞』や「朝鮮中央TV」で間違いなく報じられるはず。特に「朝鮮中央TV」では、動画を公開する可能性大)という、1ヶ月遅れの「主体弾」の「祝砲」を打ち上げたかったのであろう。

    その系からすれば、北京で開催されている一帯一路フォーラムの日と偶然重複してしまったとも言えるが、それが偶然の重複なのか、意図的な重複なのかは、もう少し様子を見なければならない。

    また、一部報道では、ロシア付近に着水させているのは、「ロシアに対する威嚇」というようなことが書かれているが、ミサイルの飛行コースはカールビンソンの日本海展開を意識したもので、できるだけカールビンソンから遠い公海上に落とすためのものであったはずである。前回、北朝鮮領空で自爆させたミサイルは、ロシア領内に向けて飛んで行ってしまったので、自爆させたのであろう。

    中露は、北朝鮮のミサイル発射は、安保理決議違反で「反対」という意志を示したという報道があるが、中露については、追って確認していくことにする。

    <追記>
    『労働新聞』HPで写真が公開された。

    「火星-12」型発射。
    2017-05-15-01-02.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-05-15-0001_photo

    「火星-12」の飛行コースと着水地点。飛行コースと着水地点をこれほどまでにはっきりと見せるのは珍しい。一部で「ウラジオストックから100km地点に落下」という報道があるが、そうではなかったことを示している。
    2017-05-15-01-12.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-05-15-0001_photo

    移動式発射台と「火星-12」。黄色く目立つ色で着色しているのは、「大型重量核弾頭装着可能」を強調するためであろう。
    2017-05-15-01-21.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-05-15-0001_photo

    後ろにいるワンボックスは日本車だろうか。敢えて見せていることからすると、日本車の可能性はある。平和自動車製かもしれないが。
    2017-05-15-01-22.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-05-15-0001_photo

    次は、「朝鮮中央TV」での動画公開。

    北朝鮮もGoogle Earthを使っていると思われるが、「元帥様」が見ている画面にある着水地点からすると、ロシアからは170km、日本からは430kmの公海上となる。
    20170515 from ru and jp
    Source: Google Earth

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    No title

    >移動式発射台と「火星-12」。弾頭部分が長細いミサイルは軍事パレードには登場していない。

    これの色違いのようにも見えます。
    https://youtu.be/kz79p64VH7Y?t=1h36m22s

    Re: No title

    コメントありがとうございます。そうですね。これだと思います。記事の方、修整しておきます。

    > >移動式発射台と「火星-12」。弾頭部分が長細いミサイルは軍事パレードには登場していない。
    >
    > これの色違いのようにも見えます。
    > https://youtu.be/kz79p64VH7Y?t=1h36m22s
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    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
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