デニス・ロッドマンが再び北朝鮮へ、北朝鮮で有罪判決を受けた米国青年は米国へ、<追記3>盗もうとしたボードは「金正日愛国主義」で2m超の大きさ (2017年6月13日)

    13日、ロッドマンが「再び北朝鮮へ向かう」とツイートした。

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    Dennis Rodman‏認証済みアカウント @dennisrodman 16時間16時間前

    北朝鮮向かった。PotCoin.comよ、私のミッションをサポートしてくれてありがとう。戻ったら、私のミッションについて話す。
    Headed back to North Korea. Thank you http://www.PotCoin.com for sponsoring my mission. I'll discuss when I return.
    ************

    上記に関するロッドマンなどによるYouTubeメッセージ。


    訳文:
    PotCoin:我々は、明日、北朝鮮に向かう。PotCoinがデニス・ロッドマンを北朝鮮に再び送る。ロッドマンは、独特の驚くべき関係をトランプ大統領と金正恩元帥様と持っている。彼は、両者と関係を持つたった1人の人物だ。ロッドマンは、明日北朝鮮に向かい、両者の対立関係を平和と対話へと向かわせることに努める。PotCoinが同行するのもそれが理由だ。
    ロッドマン:PotCoinが我々を支援してくれていることに感謝する。我々は前向きな姿勢で訪朝する。そして、(対話の)ドアがまだ少し開かれていることに期待する。我々が幸運を祈ってくれ。我々がしていることは、全て平和のためだ。

    このタイミングでロッドマンが登場するとは思っていなかった。しかし、ロッドマンが出てくるのは、不思議ではない。特に、トランプのようなキャラクターの人間は、熟考することなくロッドマンに米朝関係打開協力を打診する可能性は充分にある。現国務長官ティラーソンの前職が石油会社の会長であったことからもそれは分かる。

    「朝鮮中央通信」をはじめ、北朝鮮メディアは、この記事を書いている時点では、ロッドマン訪朝について報じていないが、既にロッドマン外交の成果らしきことが起こっている。それは、北朝鮮で政治的スローガンが書かれたボードの窃盗未遂で「国家転覆陰謀罪」が適用され、懲役15年(労働教化刑)の判決を受けたウァムビアが釈放され、米国に向かっていると米国務省HPによると、「大統領の命で、米国務省はウァムビアを北朝鮮から解放した。米国務省は、北朝鮮と拘束されている3人の米国市民についても話し合いを続けている。」と書かれている。

    US Dept of State, Release of Otto Warmbier From North Korea, https://www.state.gov/secretary/remarks/2017/06/271710.htm

    つまり、「大統領の命で」、「米国務省が・・・北朝鮮と・・・話し合いを続けている」ということになる。目的は北朝鮮に拘束されている米国市民の解放であったとしても、これは米国と北朝鮮が公式(track 1)に接触していることを意味する。その経緯に関しては明らかにされていないが、ロッドマン訪朝のタイミングと一致していることからすれば、彼の訪朝と関連している可能性は充分にある。

    上記の通り、北朝鮮メディアは、ロッドマン訪朝を現時点で報じていないが、今後、彼の訪朝を伝え、さらには「元帥様にご挨拶申し上げた」というような事態になれば、前回の米国務省には全く相手にされていなかった彼の訪朝とは異なる意味合いが今回の訪朝には付与されている可能性が高くなる。

    「朝鮮中央通信」の14日付けの記事に注目したい。

    <追記>
    PotCoinのHPには、ロッドマンとトランプの関係について、次のように記されている。

    **********
    ロッドマンは、トランプ版アプレンティスで2回キャストをした。(シーズン8と13)
    Rodman was a cast member on two seasons of Trump’s Celebrity Apprentice (seasons 8 and 13).
    *********

    そして、ロッドマンの言葉として

    *************
    「私は、北朝鮮の素晴らしい人々と共に時間を過ごすことをとても楽しみにしているし、もちろん、金正恩最高領導者に会うこともだ」
    “I’m really looking forward to spending time with the wonderful people of North Korea and of course, visiting with the Supreme Leader, Kim Jong Un.”
    *************

    PotCoin, Dennis Rodman Heads Back to North Korea, NBA legend Dennis Rodman traveling for his fifth time to the Communist country, This historic trip made possible by PotCoin, http://www.potcoin.com/2017/06/13/potcoin-sends-dennis-rodman-back-north-korea/

    <追記2>
    ウァムビアが昏睡状態との報道もある。

    『時事』、「北朝鮮で拘束の米国人学生、「昏睡状態」で釈放」、https://news.yahoo.co.jp/pickup/6243205

    過去記事でも紹介したウァムビアのインタビュー。日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2016/03/01

    <追記3>
    ウァムビアが盗もうとしたとされるボードの写真をReuterが配信していた。ボードには、「(金正日)愛国主義でしっかりと武装しよう!」と書かれているはずだが、なぜか「金正日」の部分は隠されている。このスローガンは隠すような代物ではなく、日常的に使われている。だとすると、「最高尊厳」の「お名前」を守るために隠す必要があるのは北朝鮮となり、削除した上でウァムビアの所持品に含ませたのかも知れない。写真自体を削除することもできたはずだが、敢えて残したとすれば、ウァムビアの「犯罪行為」の証拠としてであろう。ウァムビアは、従業員エリアの下見を1人でしているということになっているので、同行した他の外国人が撮影した写真ではないだろうし、そうでなければ無関係の写真から捏造されたことになる。

    また、天井のボードの大きさと比較するとこのスローガンが非常に大きいことが分かる。日本で売られている天井用の石膏ボードのサイズを調べると長方形の短い辺は455mmである。北朝鮮とは規格が違うにしても、短い辺は300mm以上あるはずである。そして、スローガンは天井ボードの約8枚分の長さになるので、少なく見積もっても2m以上の長さになる。北朝鮮では、出国時の手荷物検査もしっかりとやられるので、常識的に考えて、こんな大きなものを持ち出せるはずがない。

    ウァムビアが昏睡状態から覚めれば、色々な事実が明らかになってくるだろうが、本当にこのスローガンを盗もうとしたのであれば、何を考えていたのか知りたいところだ。

    _96481355_9767a4b2-9fdf-4c95-ad63-7ab21786b49a.jpg
    Source: BBC, Otto Warmbier 'was brutalised by pariah N Korea', parents say, http://www.bbc.com/news/world-asia-40271202

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    No title

    いつも、字幕付きの動画や明晰な分析、ありがたく拝見させていただいております。

    昨日、たまたま機内で見た韓国KBSニュースの中に、この学生がスローガンを外している最中とされる
    防犯カメラの映像がありました。不鮮明な映像ではありましたが、大人が両手を広げて看板を抱えて外してる様子からして、
    川口さんが推測された大きさとほぼ一致しているように思います。

    もちろん、映像の真贋について検証の余地はありますが、この罪状自体が真実であるとすると、
    ご指摘の通り、空港まで持っていくなどということはほぼ不可能なわけで、
    外すだけ外してその場に放置した、ということだったのでは、とも思ったりします。

    欧米のツアーグループは(現地ガイドも交えて)、時に、夜遅くまで多量の大同江ビールやソジュを飲むこともあるので、
    飲み明かした挙句に、ハメを外しすぎた結果起こってしまった事件だったということも、考えうるシナリオの1つかなと思います。
    そのように考えると、何らかの活動家であった他の韓国系米国人のケースとはまったく異なる、
    きわめて偶発的で、北朝鮮にとっても「余計な」事件だったんじゃないかな、と推測したりします。

    同行していた旅行者の一人が、「彼は法を犯すようなことは何もしていないと思う」とのコメントも出してはいますが、
    詳細な言及が無い上に、ツアーメイトの行動を徹頭徹尾把握するなんてことはほぼ不可能なわけで、
    このコメントは、あまり参考にはならないかな、という印象です。
    http://www.bbc.com/news/av/world-40358819/otto-warmbier-wouldn-t-have-broken-law-in-north-korea?ocid=socialflow_twitter

    最後に、名前が隠されている理由について。
    私もこれについては不思議に思っていたのですが、考えられるケースの1つとして、
    この学生が外す際、何らかの形でこの部分が損傷した、または故意に損傷させた(落書き等)
    ということも考えうる理由のひとつかと思ったりします。
    それがたとえ、この外国人の罪状を具体的に示すものであっても、
    そのように傷つけられた指導者の名前を、対外的に公開するというのは、
    肖像画や銅像ひとつとっても、不完全に撮影されることを嫌う彼の国にとっては、
    極めて恥ずべきことであるので、結果、このような対応になったという推測です。

    長文、失礼いたしました。

    Re: No title

    コメントありがとうございます。こちらこそ、ご覧頂き感謝しております。

    北朝鮮が公開している「犯行」の状況も、「外したはよいが、大きかったことと、怖くなって持ち去るのは諦めた」となっていたはずです。また、「他のメンバーがホテル内のバーでビールを飲んでるときに1人で抜け出して」とも言っております。私もこの旅行社が主催したツアーに参加したことがありますが、かなり緩いです。一方、参加者同士の交流は密で、別のツアー参加者のコメントも信憑性がある程度あるのではと思われます。

    名前の部分が隠されている件ですが、毀損はあり得ますね。もしかすると、毀損したことが彼の「罪状」を重くしたのではないでしょうか。指導者の肖像画を命がけで守る国ですから、故意でなくても「お名前」に傷を付けるようなことがあれば、「最高尊厳の冒涜」とされる可能性は充分にありますし、故意に落書きでもしようものなら、それは北朝鮮では重罪となるでしょう。しかし、彼がコレクション目的で盗もうとしたのであれば、落書きなどすれば価値が落ちるわけで、傷を付けてしまったならば、やはり外す際に誤ってということなのだと思います。

    これからもよろしくお願いします。

    > いつも、字幕付きの動画や明晰な分析、ありがたく拝見させていただいております。
    >
    > 昨日、たまたま機内で見た韓国KBSニュースの中に、この学生がスローガンを外している最中とされる
    > 防犯カメラの映像がありました。不鮮明な映像ではありましたが、大人が両手を広げて看板を抱えて外してる様子からして、
    > 川口さんが推測された大きさとほぼ一致しているように思います。
    >
    > もちろん、映像の真贋について検証の余地はありますが、この罪状自体が真実であるとすると、
    > ご指摘の通り、空港まで持っていくなどということはほぼ不可能なわけで、
    > 外すだけ外してその場に放置した、ということだったのでは、とも思ったりします。
    >
    > 欧米のツアーグループは(現地ガイドも交えて)、時に、夜遅くまで多量の大同江ビールやソジュを飲むこともあるので、
    > 飲み明かした挙句に、ハメを外しすぎた結果起こってしまった事件だったということも、考えうるシナリオの1つかなと思います。
    > そのように考えると、何らかの活動家であった他の韓国系米国人のケースとはまったく異なる、
    > きわめて偶発的で、北朝鮮にとっても「余計な」事件だったんじゃないかな、と推測したりします。
    >
    > 同行していた旅行者の一人が、「彼は法を犯すようなことは何もしていないと思う」とのコメントも出してはいますが、
    > 詳細な言及が無い上に、ツアーメイトの行動を徹頭徹尾把握するなんてことはほぼ不可能なわけで、
    > このコメントは、あまり参考にはならないかな、という印象です。
    > http://www.bbc.com/news/av/world-40358819/otto-warmbier-wouldn-t-have-broken-law-in-north-korea?ocid=socialflow_twitter
    >
    > 最後に、名前が隠されている理由について。
    > 私もこれについては不思議に思っていたのですが、考えられるケースの1つとして、
    > この学生が外す際、何らかの形でこの部分が損傷した、または故意に損傷させた(落書き等)
    > ということも考えうる理由のひとつかと思ったりします。
    > それがたとえ、この外国人の罪状を具体的に示すものであっても、
    > そのように傷つけられた指導者の名前を、対外的に公開するというのは、
    > 肖像画や銅像ひとつとっても、不完全に撮影されることを嫌う彼の国にとっては、
    > 極めて恥ずべきことであるので、結果、このような対応になったという推測です。
    >
    > 長文、失礼いたしました。

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    Re: No title

    返信ありがとうございます。「管理人のみ閲覧可」で頂いていますので詳細は控えますが、私が参加した際も、ツアコンが一番酔っていました。いい人なのですが、プロフェッショナル意識は欠如しているというのが、私を含む何人かの参加者の共通の感想でした。

    こちらは、朝鮮ガイドと話ができればよかったので、あまり気にはしませんでしたが、少し朝鮮ガイドが気の毒に思える場面もありました。私に朝鮮語で愚痴を言ってきましたが・・・

    No title

    たびたび、失礼いたします。

    その旅行はひょっとして、2014.08の羅先訪問でしょうか?

    朝鮮語および朝鮮事情にたいへん精通されている川口さんの羅先訪問記は、他にはない読み応えがあり、
    私も訪朝前から、何度も何度も興味深く拝読させていただきました。

    また、その後は訪朝されましたか?
    もしそうでしたら、またああいう記事を読みたいな、などと思っております。

    差し支えない範囲で、ご回答いただければ幸いです。

    Re: No title

    はい、そうです。その後、複数の海外旅行社を通じて何回かビザや通行証申請をしましたが、全て拒否されています。ということで、残念ながら、あれが最後の訪朝です。総連系旅行社からの申請はまだしたことがありません。

    > たびたび、失礼いたします。
    >
    > その旅行はひょっとして、2014.08の羅先訪問でしょうか?
    >
    > 朝鮮語および朝鮮事情にたいへん精通されている川口さんの羅先訪問記は、他にはない読み応えがあり、
    > 私も訪朝前から、何度も何度も興味深く拝読させていただきました。
    >
    > また、その後は訪朝されましたか?
    > もしそうでしたら、またああいう記事を読みたいな、などと思っております。
    >
    > 差し支えない範囲で、ご回答いただければ幸いです。

    No title

    なるほど、そうなんですね。
    ありがとうございました!

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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

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