「<時事座談>今日の世界 米国の人権を究明する」:米国の人権を座談会形式で糾弾、新しいスタイルの座談会番組、朝鮮人民はどう思うのか (2015年3月6日 「朝鮮中央TV」)

    3月6日から「今日の世界-米国の人権を究明する」という新しい座談会番組がシリーズで始まった。これまで第2回まで放送され、今日は第3回が放送されるはずである。

    過去記事で紹介した「独島」に関する座談会番組も比較的新しい形式であったが、今回の「今日の世界」は、透明なテーブルの使用、出演者が同時に発話する、発話者以外の出演者にカメラを向けるなど、これまでにない手法が使われている。加えて、米国等のテレビで放送されたフィルムをたくさん使っており、「人権不毛地帯米国」、「人権生き地獄米国」を朝鮮人民に見せようとしているが、それを見て朝鮮人民がどう思うのかも興味深いところである。以下では、それらについて紹介していくことにする。

    「今日の世界」、シリーズ化して様々な「国際問題」を扱う番組となるのであろうか。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「今、この地球上に口を開けば人権について騒ぎ立てる国があります。それは、まさにありとあらゆる人権に関する罪悪に満ちている、最悪の人権生き地獄であり、世界の人権破壊の主犯である米国です。我々は、悪の帝国、米国の醜悪な人権実態を究明することにします」とナレーションが入り、番組は始まる。

    「米国の人権を究明する (1)」
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    全員が正面を向いて座談会をするスタイルはこれまで変わらないが、これまでは背景が木製の壁でその前に、植木鉢が置かれていたりしたが、この「座談会」では裏面前面がスクリーンになり、机も半透明なガラスかアクリル製らしきものが使われている。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    この「座談会」の出席者は、ほとんどが北朝鮮メディアの関係者であるが、「放送員」まで所属等を紹介するところもこれまでにはあまりなかった。

    「朝鮮中央放送委員会 放送員(アナウンサー) 鄭スンファ」この人は、「声明」や「談話」」など重要報道のアナウンスなどをしばしば担当している。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    毎度おなじみの「朝鮮中央放送委員会 論評員(論説委員) 李チョンソン」も出演している。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    このカットもこれまでにはあまりなかった。今、上で紹介した「論評員 李チョンソン」が発話しているのだが、カメラは話を聞く他の出演者を写している。この場面は、黙って聞いているだけであるが、同時に何人かが同時に発話する場面もある。台本にあるのかどうかは別とし、これまで座談会は整然と進行していた。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    この人も座談会によく出演している。「朝鮮中央放送委員会 論評員 ユン・チルリョン」
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「社会科学院法律研究所所長 博士 副教授 ホン・チョルファ」この人も解説者としよく出てくる定番出演者だ。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「朝鮮中央放送委員会 部長 ファン・ドンチョル」
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    ファン部長は米国でのデモの様子を紹介しながら、「『我々は99%だ。』この意味は、米国の人口の1%にしかならない億万長者と特権層が、99%に達する人々が分け合わなければならない物質的な富を独占し、99%の人々が享受しなければならない権利を奪っているので、99%が絶望と貧困に陥ったということなのです」と説明している。

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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    ここから「99%の人口がいかに悲惨な生活をしているのか見ていくことにする」といくつかの場面を見せながら解説をする「朝鮮中央通信社 副局長 カン・ヒョンミン」
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「統一新報 論説員 高ヨンスク」は、「米国ネバダ州の南部にあるラスベガスは、一名、享楽の都市、賭博の坩堝として知られています。ここには、賭博場が250もあるということです。ここには米国各地から億万長者が集まって、一晩で1600万ドルという高額な金を使っています。贅沢と享楽で一晩に巨額な金を浪費している一方で、地上では何メートルも離れていないところで、地下の汚水溝の中で3~4000人にもなる人々が、金がなくて寒さに震え、空腹にさいなまれながら、死ぬこともできず生活をしているのです」と下の映像を見せながら説明している。

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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    溝の中で生活しているという男女。この人たちの衣服や家財道具を見て朝鮮人民は自分たちの生活と比較してどう思うのであろうか。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「デトロイト市周辺にあるテント村を紹介している」このように、2画面を同時に見せるやり方もワイドスクリーンならではの技法ではないのだろうか。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    テントの内部、薪を燃料とするストーブもあるし、棚には食料品らしきものが積まれている。朝鮮人民はどう思うのか。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    続けて、医療について「病気になったら死ななければならない国が、まさに米国です」と紹介を始める。「米国は医療保険制度があると自慢しているが、加入費が高いので大多数の人が加入できていません」と米国が抱える問題の一面をしっかりと説明している。

    「テネシー州の農村の人々が、慈善団体が治療に来たということで、夜中から列を作って順番を待っている」、「貧乏な人々」と説明。やせこけた貧乏人はいないのを朝鮮人民はどう見るのだろうか。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    そして、「この男性は、10年前から泌尿器系の病気を患っており、手術をすれば治療できるのだが、手術費用が10万ドルと高額なので、手術もできずにいます。10万ドルというのは、この夫婦が一生働いても稼げない金です」と説明。夫婦は、「病気も苦しいが、絶望感がもっと痛切だと語った」とも。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「絶対多数が貧困ライン以下で悲惨な生活を送っている一方、1%の億万長者が贅沢な暮らしをしている」とその様子を紹介する。繰り返すが「貧困ライン以下」でなぜ米国人はあんなに太っているのかと朝鮮人民は考えないのだろうか。「10万ドルの手術」ができない夫婦を見ても然りだ。高GDPの資本主義国では、規則正しい食生活をして、ダイエットに金と時間をつぎ込める層が裕福であるということを知っていれば話は別なのだが。

    まず見せる写真がこれである。「ご覧下さい。このペットの犬の首に掛かっているのは1万5千ドルの首輪です。米国の億万長者は、人ですら使うことができない高価な首輪を競い合って犬の首にかけてやっているだけではなく・・・」
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「犬ホテルの高級ベッドに金を使っています。さらに、犬の誕生日に立派な食事を準備して、祝杯のためのワインまで注いである高級な食卓で、様々な高価な食べ物を腹がふくれるまで食べされるなど、本当に一部の金持ちだけが、日々増え続ける富の使い道がなくて、愚かなことばかりしているのです」と解説。写真を見る限りでは、特段「高価な食べ物」とは思えないのだが、どうだろうか。少し前、某ホームセンターのペットコーナーを歩いていた。その時、「ほんだしの餌」なるものを見て、目を疑ったが、日本の普通の人が犬に「高価なほんだしの餌」を与えてると知れば、朝鮮人民は仰天するのであろう。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「本当に腐って、病を患った米国社会は、犬のような世の中といわざるをえません」と解説者。周知のとおり、朝鮮では「犬」は卑しむべき生き物。

    それだけでは留まらない。「今、米国は犬のような世の中といったのですが、米国では億万長者が犬だけではなく、見ただけで気持ちの悪い蛇をペットとして育てるという変態的な風潮が蔓延し、今、米国社会では蛇産業という言葉が流行し、蛇企業が成長しているといいます」。「蛇産業、蛇企業という言葉を聞いたことがある人はいますか?」というと、一同、「あります」と答えるが、私には初耳だった。「こういう言葉は、世界のどの国の百科事典を調べても、探すのが難しい言葉だと思います」と言っているが、まさにそのとおりだと思う。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    「米国では、250万匹以上の各種の蛇が億万長者の宮殿のような家で飼われています」と下の動画を見せる。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    確かに、北朝鮮では蛇は焼酎に漬け込んで「蛇酒」を作る材料であり、ペットにするものではない。

    「米国という国は、絶対多数の人民には地獄である反面、犬の王国、蛇の王国といえますね」と解説者。

    この番組で特徴的なのは、欧米の動画映像を使っているだけではなく、言質を引用したり、世論調査を引用している点である。こんなことも言っている。

    「米国の世論調査機関であるギャロップが、昨年6月に米国人を対象に我々の共和国と米国を比べながら、どちらがよりよいかという質問をした。驚くなかれ、回答者の過半数が我々の共和国がよりよいと回答したという。この衝撃的な結果を受け、米国社会では大きな波紋が生じた」

    本当か嘘かは未確認であるが、本当だとしたら「平等さという点で」という付帯条件がついていたのかもしれない。番組でも解説者が、この「世論調査」に回答した「ミシガン州に住むメリーという女性は、米国の高い失業率を根拠に『私は4年間も仕事がない。しかし、金正恩最高指導者が領導する朝鮮では誰もが職業を持っているという。だから、私は米国よりも金正恩最高指導者が領導する朝鮮がもっいい』と話し、多くの人々を驚かせた」とその理由を説明している。

    続けて、米国の銃器犯罪について解説をする。こういう画面編集も新しい。
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    Source: KCTV, 2015/03/06放送

    翌日放送された第2回では、「子供と女性の権利」、「黒人差別」などについて解説している。第2回でも興味深い解説があった。

    「昨年6月、前国務長官のヒラリーが、2016年の大統領候補として誰が出馬しても、米国の政治制度が最も残忍であるということを認めなければならないと言い、米国よりも朝鮮で女性がより大きな人権を享受していると言いましたね」

    と説明している。彼女の発言については未確認であるが、北朝鮮と比較しながら本当にこんなことを言ったのであれば、大統領候補は諦めた方が良い。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

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