「天池自動車」:トラックなどを生産 (2017年5月28日 「朝鮮の今日」)

    「朝鮮の今日」を見ていたら、「天池自動車」のポスターがあった。中国メーカのノックダウン生産と思われる。

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    「天池自動車、サムフン会社」
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    Source: 「朝鮮の今日」

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    Source: 「朝鮮の今日」

    天池
    サムフン会社では、貨物車組立生産体系を確立し、多様な形態の貨物自動車を生産しています。
    会社で生産している製品は、「天池」商標が付いた1トン半荷貨物自動車(4ドアのピックアップトラック?)、1.5トン貨物自動車、2.5トン貨物自動車、20トン貨物自動車等です。
    「天池」貨物自動車は、形態が新しく、性能が優秀で、丈夫なので、使用者に注目されています。
    会社では、特殊車(シャベルカー、フォークリフト、水輸送車、油輸送車、ガス輸送車等)、農業機械を含む全ての輸送機材についての注文販売サービスを迅速に行っており、販売後の技術サービスに大きな関心を向けています。
    また、会社で生産した輸送機材の部品を常に準備しています。
    品質を高め、低廉な価格、親切なサービスは、会社が一貫して堅持している原則です。
    今後、会社は製品の面貌を常に一新させることで、使用者の生活の中でより親しまれることでしょう。

    住所:朝鮮民主主義人民共和国平壌市楽朗区域チョンジン洞
    電話番号:輸送機材販売及び販売後サービス: 02-933-3754
          輸送機材委託部: 02-933-3769
    自動車部品部: 02-933-3769

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    4ドアのピックアップトラックは、「朝鮮中央TV」で見る平壌の街でもあまり見かけない。日本でもそんなに見かけるスタイルの車ではないが、たくさんの荷物を運べ、人もそれなりに乗れるという点では、北朝鮮の需要に合っているのかも知れない。

    やはり、「組立生産体系」と書かれているので、部品を中国から輸入し、注文に応じたスタイルで組み立てているのであろう。ポスターに出ている白いトラックは同じフレーム、同じボディーであろう。左上の青いトラックは、2.5トンぐらいであろうか。これも4ドアの仕様になっている。残念ながら、20トントラックは、このポスターには出ていない。

    「朝鮮中央TV」では、産業デザイン展をしばしば紹介しており、いくつかの商標に関しては「元帥様の直接的な指導」が入っている。「天池」のフロントグリルにあるSのようなロゴは、何を象徴しているのであろうか。白頭山の天池のようには見えないのだが。

    「社会主義文明国建設を支える産業美術図案(3)」:大同江ビールの缶ビール登場 (2017年5月10日 「朝鮮中央TV」)

    10日、「朝鮮中央TV」で放送された「社会主義文明国建設を支える産業美術図案(3)」という、製品デザインやロゴを紹介する番組の中で、大同江ビールの缶ビールが写った。過去記事で、炭酸含有量を増やしたアルミ缶入りのジュースを紹介したが、大同江ビールのアルミ缶入りも登場したようだ。

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    Source: KCTV, 2017/05/10

    「平壌のガソリン不足は中国の供給減少によるのではと噂」:AP平壌特派員リポート、パイプラインをGoogle Earth (207年4月27日 「TIME」)

    4月27日、TIMEに興味深い記事が掲載されていた。APの記者が平壌発で書いているので、脱北者情報などによる信憑性の低い記事ではないと思う。APは、副社長が今年の「光明星節」前に平壌を訪問するなど、北朝鮮との関係が比較的良い西側メディアである。

    TIME, Gas Shortages in North Korean Capital Spark Rumors China is Choking the Supply, http://time.com/4757190/north-korea-gas-shortages-china/

    記事によると、「平壌のガソリンスタンドで、給油量制限が制限され」、「価格も1キログラム(北朝鮮では、ガソリンを重量で販売しているそうである、ガソリン1リットル=約730グラム、同軽油=約830グラム)当たり70-80セントから1.4ドルに水曜日(4月26日)に値上げされた」という。

    給油量制限や突然の値上がりの理由は公式には説明されていないが、➀中国からの石油供給減少、②石油を軍事部門に優先的に配給(そもそもそうしているであろうが、特に不足状況の中で)、③中国からの石油供給カットなど、有事に備えた備蓄、④今回の急な値上げとは直接的には関係ないとは思うが、平壌の自動車数が増加したことによる需要超過などが考えられる。

    過去記事でも紹介したように、中国メディアは「6回目の核実験をすれば、石油供給を減らす」と言っているが、実は実施する前に、「やったらもっと苦しくなるよ」という警告の意味で石油の供給量を減らした可能性がある。だとすると、昨日記事にした「金チョル論評」は、「実施してもいないのに酷いではないか。トランプ言われるがままに締め付けをしてくるのか」という怒りの表出だったのかも知れない。そして、中国は「6回目の実験をしていないことが重要」と、さらっと流しているとも考えられる。

    朝鮮人民の生活を見ていると、それほど石油に依存していないと思う。首都の交通機関であるトロリーバスは石炭火力の電気で動いているし、鉄道も電車である。もちろん、軽油で走るバスが運行されているし、物流には軽油で走るトラックも使われている。特に農村では、トラクターに使う軽油は食料生産に直結する重要な燃料である。しかし、平壌のような大都市では、タクシーの急増からも分かるように、ガソリンで走る車の数が増え、中国からの石油供給が少しでもカットされると、それが直接人民生活に目に見える形で影響をお呼びしているのかも知れない。それが『労働新聞』の記事であり、「朝鮮中央TV」での記事紹介に繋がっているのかも知れない。

    「経済大国」を実現するためには石油依存型の社会は避けられず、「自力自強」とどれだけ叫んでも、ないものはないということになってしまう。鉄腕アトムではないが、爆弾の代わりに原子力自動車を開発するとか、より現実的には、「科学技術大国」を「世界に轟かせながら」、ソーラー・カーやソーラー・トラクターを開発することで、「自力自強」していくしかない。

    中国からの石油供給は、丹東からパイプラインで行われている。過去、丹東に行ったとき、パイプラインの中国側出口を通過したことがある。案内してくれた中国人に写真は撮らない方が良いと言われたので、そのまま通り過ぎた。その場所と、中国側の石油基地、北朝鮮側の製油所をGoogle Earthで見ると下のような位置関係になっている。

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    Source: Google Earth

    出口と受け口を拡大するとこんな感じである。水中のパイプラインがうっすらと見えており、北朝鮮側の受け口の周りには高いフェンスがあることが分かる。
    20170505outindprkchina.jpg
    Source: Google Earth

    そして経路は不明ながら、パイプラインが新義州市の東にある製油所まで繋がっており、製油所からは鉄道で平壌などに輸送されていると思われる。
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    Source: Google Earth

    ちなみにこの製油所、「元帥様」の新義州別荘からさほど離れていないところにある。
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    Source: Google Earth

    「私たちも俊馬娘」:製糸工場の様子やスローガンがおもしろい (2017年5月1日 「朝鮮の今日」)

    1日、「朝鮮の今日」にアップロードされた動画。製糸工場の様子は、しばしば「朝鮮中央TV」でも紹介されているが、製紙機械やスローガンをこの動画ではよく見ることができる。

    日本語字幕付き(スローガンも)。BGMは『駿馬娘』。

    Source: 朝鮮の今日、2017/05/01

    Google Earthで見る咸鏡北道北部水害被害地域、大規模な土石流があちこちで発生 (2017年3月26日)

    Google Earthを見ていたら、咸鏡北道北部地域の写真が、2016年9月、水害が発生した直後の写真に更新されていた。北朝鮮では、「元帥様」が「リョミョン通り」などの建設を中断し、「咸鏡北道北部被害復旧戦闘」を指示し、寒くなる前に被災者のための住宅などが建設され、この水害は「復旧」したということになっているが、復旧後の写真はGoogle Earthに掲載されるまで少し待つとしても、被害は想像以上に大きかったことがGoogle Earthの写真から確認できる。

    北朝鮮報道などを読んで想像していた被害は、集中豪雨で豆満江の水が増水し、沿岸の住宅が流されたということであったが、そのような被害に加えて、Google Earthの写真からは、あちこちで大規模な土石流が四方八方に向かって発生し、それにより豆満江から離れた地域でも大きな被害が出ていることが分かる。

    しばしばいわれることであるが、北朝鮮では山の木を伐採し、無理矢理に農地にしてしまっているので、ひとたび豪雨が降ると、こうした大規模な土石流が発生するのだろう。北朝鮮では「史上最悪の被害」と言っているが、写真を見ると納得する。今年も、3月初旬の「植樹節」頃に、「元帥様」と李雪主同志が象徴的な植樹をしていたが、異常気象の影響でこれからもしばしば豪雨が予想されている状況では、今年の夏に再びこうした被害が発生しないとも限らない。日本のように山林管理や治水が計画的に行われている国でさえ、想定外の集中豪雨で大きな被害が出る状況になっているので、そうしたことがきちんと行われていない北朝鮮では、状況がより深刻である。

    被災者のための住宅建設に「建設軍人」や資材を集中させたという「元帥様」の判断は評価できるが、それで終わるのではなく、継続的に山林管理や治水をきちんと行わなければ、こうした被害は再び発生する。

    過去記事にも書いた通り、オバマ政権末期(政権交代数日前)に、北朝鮮メディアが「米合衆国政府が咸鏡北道被災地に人道支援をした」と伝えたが、これもまた英断であったといえる。北朝鮮メディアが報じないだけかもしれないが、その時、周辺国、特に韓国は何をしていたのであろうか。

    以下、被害の一部を before and after で見ていくことにする。

    豪雨前の茂山市
    20170323茂山豪雨前
    Source: Google Earth, 2015/10/7

    豪雨直後の茂山市同じ場所。湾曲した部分の住宅がほぼ完全に流されている。
    20170323茂山豪雨後
    Source: Google Earth, 2016/09/15

    上の写真を拡大、茂山市の住宅、豪雨前。
    20170323茂山豪雨前の住宅
    Source: Google Earth, 2015/10/07

    拡大した上の写真と同じ場所
    20170323茂山豪雨後流された住宅
    Source: Google Earth, 2016/09/15

    茂山市、豪雨前の橋と道路。
    20170323茂山豪雨前の道路
    Source: Google Earth, 2015/10/07

    同じ場所。道路は流され、橋も崩れているように見える。中国は、この豪雨による自国の被害を報じているのか確認していないが、中国側の道路も洪水で流されてなくなっている地点が複数ある(この写真では見られないが)。
    20170323茂山豪雨後の道路
    Source: Google Earth, 2016/09/15

    上の写真の橋の部分を拡大すると多くの「建設軍人」らしき人々が見える。また、左の方では、パワーシャベルが投入され復旧作業をしている。「元帥様」の命令が迅速だっただけあり、早い時期から復旧工事が開始されたことが分かる。
    20170323茂山豪雨後の復旧工事
    Source: Google Earth, 2016/09/15

    では、土石流の被害を見ていく。下の写真は、茂山市の北に位置するセゴル里の被害前の様子である。Google Earthには、異なるタイムスタンプが表示されるが、2015年10月7日が正しいと思われる。
    20170326セゴル里20160915土石流前
    Source: Google Earth, 2015/10/07

    山の頂上付近から、3方向に土石流が発生していることが分かる。この土石流により、川とは反対側の村も被害を受けている。
    20170326セゴル里20160915土石流跡
    Source: Google Earth, 2016/09/15

    土石流の被害を確認するために拡大すると、被災前。
    20170326セゴル里20160915土石流前の村
    Source: Google Earth, 2015/10/07

    被災後。
    20170326セゴル里20160915土石流後の村
    Source: Google Earth, 2016/09/15

    これらの写真は、ほんの一部で、茂山郡内だけでも、大小の被災地を多く確認することができる。

    同じ咸鏡北道内にある核実験施設「豊渓里(プンゲリ)」に金を使うよりも、こちらに使う方が朝鮮人民は幸せだと思う。「堂々たる核保有国」ならば、これ以上の実験は少し休んでだ。(次の実験準備完了という報道もあるが)
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「副部長同志」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

          dprknow

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